【電験3種・理論】令和5年度下期の過去問題と解説集

令和5年度下期に電験3種(理論分野)で出題された過去問題について解説します。

【令和5年度下期・問1】平行平板コンデンサ

極板間が比誘電率 $\epsilon_r$ の誘電体で満たされている平行平板コンデンサに一定の直流電圧が加えられている。このコンデンサに関する記述a〜eとして、誤っているものの組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
ただし、コンデンサの端効果は無視できるものとする。

a. 極板間の電界分布は $\epsilon_r$ に依存する。
b. 極板間の電位分布は $\epsilon_r$ に依存する。
c. 極板間の静電容量は $\epsilon_r$ に依存する。
d. 極板間に蓄えられる静電エネルギーは $\epsilon_r$ に依存する。
e. 極板上の電荷(電気量)は $\epsilon_r$ に依存する。

(1) (2) (3) (4) (5)
組合せ a, b a, e b, c a, b, d c, d, e

解説

正解は(1)です。

コンデンサに一定の直流電圧 $V$ が加えられているため、極板間の電位差は $V$ で一定です。
極板間隔を $d$ とすると、極板間の電界 $E$ は次式となり、比誘電率 $\epsilon_r$ に依存しません。したがってaとbは誤りです。

$E = \frac{V}{d}$

静電容量 $C$ は極板面積を $S$ とすると次式となり、 $\epsilon_r$ に依存します。

$C = \epsilon_r \epsilon_0 \frac{S}{d}$

静電エネルギー $W$ は次式であり、 $C$ が $\epsilon_r$ に依存するため $W$ も依存します。

$W = \frac{1}{2} C V^2$

極板上の電荷 $Q$ は次式であり、 $C$ が $\epsilon_r$ に依存するため $Q$ も依存します。

$Q = CV$

したがって誤っている組合せはaとbになります。

【電験3種・理論】コンデンサの静電容量、電気力線、電界の強さ、電束の本数
コンデンサの静電容量、電気力線、電界の強さ、電束の本数とは?試験対策と計算問題について解説します。

【令和5年度下期・問2】帯電した導体球

次の文章は、帯電した導体球に関する記述である。
真空中で導体球A及びBが軽い絶縁体の糸で固定点0からつり下げられている。 真空の誘電率を $\epsilon_0 \text{ [F/m]}$、重力加速度を $g \text{ [m/s}^2\text{]}$ とする。 A及びBは同じ大きさと質量 $m \text{ [kg]}$ をもつ。 糸の長さは各導体球の中心点が点0から距離 $l \text{ [m]}$ となる長さである。

まず、導体球A及びBにそれぞれ電荷 $Q \text{ [C]}$、$3Q \text{ [C]}$ を与えて帯電させたところ、静電力による(ア)が生じ、図のようにA及びBの中心点間が $d \text{ [m]}$ 離れた状態で釣り合った。 ただし、導体球の直径は $d$ に比べて十分に小さいとする。

このとき、個々の導体球において、静電力 $F = \text{(イ) [N]}$、重力 $mg \text{ [N]}$、糸の張力 $T \text{ [N]}$ の三つの力が釣り合っている。 三平方の定理より $F^2+(mg)^2=T^2$ が成り立ち、張力の方向を考えると $\frac{F}{T}$ は $\frac{d}{2l}$ に等しい。 これらより $T$ を消去し整理すると、$d$ が満たす式として、

$k\left(\frac{d}{2l}\right)^3=\sqrt{1-\left(\frac{d}{2l}\right)^2}$

が導かれる。 ただし、係数 $k = \text{(ウ)}$ である。
次に、AとBとを一旦接触させたところAB間で電荷が移動し、同電位となった。 そしてAとBとが力の釣合いの位置に戻った。 接触前に比べ、距離 $d$ は(エ)した。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) 反発力 $\frac{3Q^2}{4\pi\epsilon_0 d^2}$ $\frac{16\pi\epsilon_0 l^2 mg}{3Q^2}$ 増加
(2) 吸引力 $\frac{Q^2}{4\pi\epsilon_0 d^2}$ $\frac{4\pi\epsilon_0 l^2 mg}{Q^2}$ 増加
(3) 反発力 $\frac{3Q^2}{4\pi\epsilon_0 d^2}$ $\frac{4\pi\epsilon_0 l^2 mg}{Q^2}$ 増加
(4) 反発力 $\frac{Q^2}{4\pi\epsilon_0 d^2}$ $\frac{16\pi\epsilon_0 l^2 mg}{3Q^2}$ 減少
(5) 吸引力 $\frac{Q^2}{4\pi\epsilon_0 d^2}$ $\frac{4\pi\epsilon_0 l^2 mg}{Q^2}$ 減少

解説

正解は(1)です。

導体球A及びBにはそれぞれ $Q \text{ [C]}$、$3Q \text{ [C]}$ の同符号の電荷が与えられているため、静電力による(ア)反発力が生じます。
このとき、極板間の距離は $d \text{ [m]}$ であるため、クーロンの法則により静電力 $F \text{ [N]}$ は次式となります。

$F = \frac{1}{4\pi\epsilon_0}\frac{Q \times 3Q}{d^2} = \frac{3Q^2}{4\pi\epsilon_0 d^2}$

これが(イ)に当てはまります。

問題文より、三つの力が釣り合っており $F^2 + (mg)^2 = T^2$ が成り立ちます。
また、$\frac{F}{T} = \frac{d}{2l}$ より $T = \frac{2l}{d}F$ となります。 これを三平方の定理の式に代入します。

$F^2 + (mg)^2 = \left(\frac{2l}{d}F\right)^2$

$(mg)^2 = F^2 \left( \frac{4l^2}{d^2} – 1 \right) = F^2 \frac{1 – \left(\frac{d}{2l}\right)^2}{\left(\frac{d}{2l}\right)^2}$

$F = mg \frac{\frac{d}{2l}}{\sqrt{1 – \left(\frac{d}{2l}\right)^2}}$

これに $F = \frac{3Q^2}{4\pi\epsilon_0 d^2}$ を代入します。 ここで、$d^2 = 4l^2\left(\frac{d}{2l}\right)^2$ と変形して代入します。

$\frac{3Q^2}{4\pi\epsilon_0 \times 4l^2\left(\frac{d}{2l}\right)^2} = \frac{mg\left(\frac{d}{2l}\right)}{\sqrt{1 – \left(\frac{d}{2l}\right)^2}}$

$\frac{3Q^2}{16\pi\epsilon_0 l^2} \frac{1}{\left(\frac{d}{2l}\right)^2} = \frac{mg\left(\frac{d}{2l}\right)}{\sqrt{1 – \left(\frac{d}{2l}\right)^2}}$

$\frac{3Q^2}{16\pi\epsilon_0 l^2 mg} = \left(\frac{d}{2l}\right)^3 \frac{1}{\sqrt{1 – \left(\frac{d}{2l}\right)^2}}$

両辺を整理して、問題文の式 $k\left(\frac{d}{2l}\right)^3 = \sqrt{1 – \left(\frac{d}{2l}\right)^2}$ の形にすると、

$\frac{16\pi\epsilon_0 l^2 mg}{3Q^2}\left(\frac{d}{2l}\right)^3 = \sqrt{1 – \left(\frac{d}{2l}\right)^2}$

したがって、係数 $k$ は次式となります。 これが(ウ)に当てはまります。

$k = \frac{16\pi\epsilon_0 l^2 mg}{3Q^2}$

次に、AとBを一旦接触させると、電荷が移動して同電位になります。 導体球の大きさが同じであるため、電荷は等分されます。
それぞれの導体球が持つ電荷 $Q’$ は、

$Q’ = \frac{Q + 3Q}{2} = 2Q \text{ [C]}$

接触後の静電力 $F’$ は次式となります。

$F’ = \frac{1}{4\pi\epsilon_0}\frac{2Q \times 2Q}{d^2} = \frac{4Q^2}{4\pi\epsilon_0 d^2}$

接触前の静電力の分子は $3Q^2$ であり、接触後は $4Q^2$ となるため、同じ距離 $d$ における反発力は大きくなります。
反発力が大きくなるため、釣り合いの位置に戻ったときの距離 $d$ は(エ)増加します。

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【令和5年度下期・問3】強磁性体の応用

磁界中に強磁性体を置くと、周囲の磁束は、磁束が (ア) 強磁性体の (イ) を通るようになる。このとき、強磁性体を中空にしておくと、中空の部分には外部の磁界の影響がほとんど及ばない。このように、強磁性体でまわりを囲んで、磁界の影響が及ばないようにすることを (ウ) という。

上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ)
(1) 通りにくい 内部 磁気遮へい
(2) 通りにくい 外部 磁気遮へい
(3) 通りにくい 外部 静電遮へい
(4) 通りやすい 内部 磁気遮へい
(5) 通りやすい 内部 静電遮へい

解説

正解は(4)です。

磁界中に強磁性体を置くと、強磁性体は透磁率が高いため、磁束は通りやすい強磁性体の内部を通るようになります。このように強磁性体で囲んで内部を外部の磁界から保護することを磁気遮へいといいます。

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 ## 【令和5年度下期・問4】平行導体間に働く電磁力

 図のように、透磁率 $\mu_0 [H/m]$ の真空中に、無限に長い直線状導体 A と1辺 $a [m]$ の正方形のループ状導体Bが距離 $d [m]$ を隔てて置かれている。AとBは xz 平面上にあり、Aはz軸と平行、Bの各辺はx軸又はz軸と平行である。A, Bには直流電流 $I_A [A]$, $I_B [A]$ が、それぞれ図示する方向に流れている。このとき, Bに加わる電磁力として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 なお、xyz 座標の定義は、破線の枠内の図で示したとおりとする。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 電磁力|0 N|$\frac{\mu_0 I_A I_B a^2}{2\pi d(a+d)} [N]$ の +x方向の力|$\frac{\mu_0 I_A I_B a^2}{2\pi d(a+d)} [N]$ の -x方向の力|$\frac{\mu_0 I_A I_B a(a+2d)}{2\pi d(a+d)} [N]$ の +x方向の力|$\frac{\mu_0 I_A I_B a(a+2d)}{2\pi d(a+d)} [N]$ の -x方向の力

 ### 解説

 正解は(2)です。

 直線状導体 A に流れる電流 $I_A$ によって作られる磁界により、ループ導体 B のうちAに平行な2辺に力が働きます。
 Aから距離 $d$ の辺には引力が働き、その大きさ $F_1$ は次式となります。
 $F_1 = \frac{\mu_0 I_A I_B a}{2 \pi d}$
 Aから距離 $a+d$ の辺には反発力が働き、その大きさ $F_2$ は次式となります。
 $F_2 = \frac{\mu_0 I_A I_B a}{2 \pi (a+d)}$
 これらは互いに逆向きであるため、B全体に加わる合力 $F$ は、+x方向(Aに引かれる方向)となり次式で求められます。
 $F = F_1 – F_2 = \frac{\mu_0 I_A I_B a}{2 \pi} (\frac{1}{d} – \frac{1}{a+d}) = \frac{\mu_0 I_A I_B a^2}{2 \pi d (a+d)}$

 ## 【令和5年度下期・問5】直流回路の消費電力

 図に示す直流回路は、100Vの直流電圧源に直流電流計を介して10Ωの抵抗が接続され,50Ωの抵抗と抵抗R [Ω] が接続されている。電流計は5Aを示している。抵抗R [Ω] で消費される電力の値 [W] として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。なお、電流計の内部抵抗は無視できるものとする。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 消費電力 [W]|2|10|20|100|200

 ### 解説

 正解は(5)です。

 10Ωの抵抗での電圧降下は $10 \times 5 = 50 \text{ V}$ です。
 したがって、50Ωの抵抗と抵抗 R の並列回路にかかる電圧は $100 – 50 = 50 \text{ V}$ となります。
 50Ωの抵抗に流れる電流は $\frac{50}{50} = 1 \text{ A}$ です。
 電流計が5Aを示しているため、抵抗 R に流れる電流は $5 – 1 = 4 \text{ A}$ となります。
 したがって、抵抗 R で消費される電力 $P$ は次式で求められます。
 $P = 50 \times 4 = 200 \text{ W}$

 ## 【令和5年度下期・問6】直流回路の端子間電圧

 図のような直流回路において、抵抗6Ωの端子間電圧の大きさVの値[V]として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 V [V]|2|5|7|12|15

 ### 解説

 正解は(4)です。

 キルヒホッフの法則を用います。
 左側の閉回路の電流を時計回りに $I_1$、右側の閉回路の電流を時計回りに $I_2$ とします。
 中央の6Ωの抵抗には下向きに $I_1 – I_2$ の電流が流れます。閉回路の方程式は次式となります。
 $21 = 5 I_1 + 6 (I_1 – I_2)$
 $14 = -10 I_2 + 6 (I_1 – I_2)$
 整理して解くと、$I_1 = 1.8 \text{ A}$, $I_2 = -0.2 \text{ A}$ となります。
 6Ωの抵抗に流れる電流は $I_1 – I_2 = 1.8 – (-0.2) = 2.0 \text{ A}$ となります。
 したがって端子間電圧 $V$ は次式で求められます。
 $V = 6 \times 2.0 = 12 \text{ V}$

 ## 【令和5年度下期・問7】直流回路の抵抗値

 図のように、抵抗r, 切換スイッチS及び電流計を接続した回路がある。この回路に直流電圧 100Vを加えた状態で、図のようにスイッチSを開いたとき電流計の指示値は2.0Aであった。また、スイッチSを①側に閉じたとき電流計の指示値は2.5A, スイッチSを②側に閉じたとき電流計の指示値は5.0Aであった。このとき、抵抗rの値 [Ω]として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、電流計の内部抵抗は無視できるものとし、測定誤差はないものとする。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 r [Ω]|20|30|40|50|60

 ### 解説

 正解は(5)です。

 スイッチ S を開いたときの回路全体の抵抗は $\frac{100}{2.0} = 50 \Omega$ です。
 スイッチ S を①側に閉じたときの回路全体の抵抗は $\frac{100}{2.5} = 40 \Omega$ です。
 スイッチ S を②側に閉じたときの回路全体の抵抗は $\frac{100}{5.0} = 20 \Omega$ です。
 ②側に閉じたとき、抵抗は $R_1$ のみとなるため、$R_1 = 20 \Omega$ となります。
 S を開いたとき、抵抗は $R_1 + R_2$ となるため、 $20 + R_2 = 50$ より $R_2 = 30 \Omega$ です。
 S を①側に閉じたとき、抵抗は $R_1 + \frac{r R_2}{r + R_2}$ となるため、
 $20 + \frac{30 r}{30 + r} = 40$
 $\frac{30 r}{30 + r} = 20$
 $30 r = 600 + 20 r$
 $10 r = 600$
 $r = 60 \Omega$
 となります。

 ## 【令和5年度下期・問8】交流回路の共振周波数

 図のような交流回路において、電源の周波数を変化させたところ、共振時のインダクタンスLの端子電圧 $V_L$ は314Vであった。共振周波数の値[kHz]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 周波数 [kHz]|2.0|2.5|3.0|3.5|4.0

 ### 解説

 正解は(2)です。

 共振時、インダクタンス $L$ の端子電圧 $V_L$ と静電容量 $C$ の端子電圧の大きさは等しく打ち消し合います。
 したがって回路に流れる電流 $I$ は、電源電圧を抵抗 $R$ で割ったものに等しくなります。
 $I = \frac{1}{0.5} = 2 \text{ A}$
 インダクタンス $L$ の端子電圧 $V_L$ は $V_L = 2 \pi f L I$ です。値を代入すると、
 $314 = 2 \pi f \times 10 \times 10^{-3} \times 2$
 $f = \frac{314}{4 \pi \times 10^{-3}} \approx \frac{314}{12.56 \times 10^{-3}} = 2500 \text{ Hz} = 2.5 \text{ kHz}$
 となります。

 ## 【令和5年度下期・問9】交流の電力

 次式に示す電圧e [V] 及び電流i [A] による電力の値 [kW] として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 $e = 100 \sin \omega t + 50 \sin(3\omega t – \frac{\pi}{6}) [V]$
 $i = 20 \sin(\omega t – \frac{\pi}{6}) + 10\sqrt{3} \sin(3\omega t + \frac{\pi}{6}) [A]$

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 電力 [kW]|0.95|1.08|1.16|1.29|1.34

 ### 解説

 正解は(2)です。

 電力は同じ周波数の電圧と電流の成分によってのみ消費されます。
 基本波($\omega$)による電力 $P_1$ は次式で求められます。
 $P_1 = \frac{100}{\sqrt{2}} \times \frac{20}{\sqrt{2}} \cos(0 – (-\frac{\pi}{6})) = 1000 \cos(\frac{\pi}{6}) = 1000 \times \frac{\sqrt{3}}{2} \approx 866 \text{ W}$
 第3高調波($3\omega$)による電力 $P_3$ は次式で求められます。
 $P_3 = \frac{50}{\sqrt{2}} \times \frac{10\sqrt{3}}{\sqrt{2}} \cos(-\frac{\pi}{6} – \frac{\pi}{6}) = 250\sqrt{3} \cos(-\frac{\pi}{3}) = 250\sqrt{3} \times 0.5 \approx 216.5 \text{ W}$
 全電力 $P$ は、
 $P = P_1 + P_3 = 866 + 216.5 = 1082.5 \text{ W} \approx 1.08 \text{ kW}$
 となります。

 ## 【令和5年度下期・問10】RC回路の過渡現象

 図のように、電圧E [V]の直流電源、スイッチS, R [Ω] の抵抗及び静電容量 C [F]のコンデンサからなる回路がある。この回路において、スイッチSを1側に接続してコンデンサを十分に充電した後、時刻t=0sでスイッチSを1側から2側に切り換えた。2側に切り換えた以降の記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、自然対数の底は、2.718とする。

 (1) 回路の時定数は、Cの値[F]に比例する。
 (2) コンデンサの端子電圧 $v_C$ [V]は, Rの値[Ω]が大きいほど緩やかに減少する。
 (3) 時刻t=0sから回路の時定数だけ時間が経過すると、コンデンサの端子電圧 $v_C$ [V]は直流電源の電圧E [V]の0.368倍に減少する。
 (4) 抵抗の端子電圧 $v_R$ [V]の値は負である。
 (5) 時刻t=0sにおける回路の電流i [A] は Cの値[F]に関係する。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 解答|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)

 ### 解説

 正解は(5)です。

 スイッチを2側に切り換えた後、コンデンサ C は抵抗 R を通して放電します。
 $t = 0$ における電流 $i$ は、 $i = \frac{E}{R}$ であり、C の値に関係しません。したがって(5)が誤りです。
 なお、回路の時定数は $\tau = CR$ でありCに比例します。R が大きいほど時定数が長くなり端子電圧は緩やかに減少します。また放電時、電流は充電時と逆向きに流れるため、抵抗の端子電圧 $v_R$ は負になります。

 ## 【令和5年度下期・問11】FETの種類

 FETは、半導体の中を移動する多数キャリアを (ア) 電圧により生じる電界によって制御する素子であり、接合形と (イ) 形がある。次の図記号は接合形の (ウ) チャネル FETを示す。
 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 -|(ア)|(イ)|(ウ)
 –|–|–|–
 (1)|ゲート|MOS|n
 (2)|ドレイン|MSI|p
 (3)|ソース|DIP|n
 (4)|ドレイン|MOS|p
 (5)|ゲート|DIP|n

 ### 解説

 正解は(1)です。

 FETはゲート電圧により生じる電界によって多数キャリアを制御する素子です。MOS形と接合形があります。
 図記号でゲート矢印が内側に向いているものはnチャネルを示します。

 ## 【令和5年度下期・問12】電界中の電子の運動

 図のように、x軸上の負の向きに大きさが一定の電界 E [V/m] が存在しているとき x軸上に電荷が−e [C] (e は電荷の絶対値),質量m[kg]の1個の電子を置いた場合を考える。x軸の正方向の電子の加速度をa [m/s^2] とし、また、この電子に加わる力の正方向をx軸の正方向にとったとき、電子の運動方程式は
 $ma = (ア)$
 となる。①式から電子は等加速度運動をすることがわかる。したがって、電子の初速度を零としたとき、x軸の正方向に向かう電子の速度v [m/s] は時間t [s]の (イ) 関数となる。また、電子の走行距離x [m] は時間t [s]の (ウ) 関数で表される。さらに、電子の運動エネルギーは時間t [s]の (エ) で増加することがわかる。
 ただし、電子の速度v [m/s] はその質量の変化が無視できる範囲とする。

 -|(ア)|(イ)|(ウ)|(エ)
 –|–|–|–|–
 (1)|eE|一次|二次|1乗
 (2)|$\frac{1}{2}eE$|二次|一次|1乗
 (3)|$eE^2$|一次|二次|2乗
 (4)|$\frac{1}{2}eE$|二次|一次|2乗
 (5)|eE|一次|二次|2乗

 ### 解説

 正解は(5)です。

 電子に加わる力 $F$ は $F = eE$ です。したがって運動方程式は $ma = eE$ となります。
 加速度 $a$ は一定であるため、速度 $v$ は $v = at$ より時間の一次関数となります。
 走行距離 $x$ は $x = \frac{1}{2}at^2$ より時間の二次関数となります。
 運動エネルギー $K$ は次式となり、時間の2乗に比例して増加します。
 $K = \frac{1}{2}mv^2 = \frac{1}{2}m(at)^2$

 ## 【令和5年度下期・問13】増幅器の縦続接続

 図に示すように二つの増幅器を縦続接続した回路があり、増幅器1の電圧増幅度は10である。今、入力電圧v1の値として 0.4mV の信号を加えたとき,出力電圧v0の値は0.4V であった。増幅器2の電圧利得の値 [dB]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 電圧利得 [dB]|10|20|40|50|60

 ### 解説

 正解は(3)です。

 増幅器1の電圧増幅度は $A_1 = 10$ です。
 全体の電圧増幅度 $A$ は、出力電圧を入力電圧で割って求めます。
 $A = \frac{0.4}{0.4 \times 10^{-3}} = 1000$
 全体の電圧増幅度 $A$ は増幅器1と2の増幅度の積 $A_1 \times A_2$ になるため、増幅器2の電圧増幅度は次式となります。
 $A_2 = \frac{1000}{10} = 100$
 増幅器2の電圧利得 [dB] は次式で求められます。
 $20 \log_{10}(100) = 20 \times 2 = 40 \text{ dB}$

 ## 【令和5年度下期・問14】SI組立単位

 固有の名称をもつ SI 組立単位の記号と、これと同じ内容を表す他の表し方の組合せとして、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 組合せ|F : C/V|Wb : V/s|S : A/V|T : $Wb/m^2$|W : J/s

 ### 解説

 正解は(2)です。

 磁束の単位 Wb は V・s です。V/sではありません。

 ## 【令和5年度下期・問15】三相交流回路

 抵抗R [Ω], 誘導性リアクタンス X [Ω] からなる平衡三相負荷(力率80%)に対称三相交流電源を接続した交流回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 (a) 図1のように、Y結線した平衡三相負荷に線間電圧 210Vの三相電圧を加えたとき,回路を流れる線電流 $I = \frac{14}{\sqrt{3}} \text{ A}$ であった。負荷の誘導性リアクタンス Xの値[Ω]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 (1) 4 (2) 5 (3) 9 (4) 12 (5) 15
 (b) 図1の各相の負荷を使って△結線し、図2のように相電圧200Vの対称三相電源に接続した。この平衡三相負荷の全消費電力の値 [kW]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 (1) 8 (2) 11.1 (3) 13.9 (4) 19.2 (5) 33.3

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 (a)|4|5|9|12|15
 (b)|8|11.1|13.9|19.2|33.3

 ### 解説

 (a)の正解は(3)、(b)の正解は(4)です。

 (a) 相電圧 $E$ は $E = \frac{210}{\sqrt{3}} \text{ V}$ です。
 Y結線における1相のインピーダンス $Z$ は次式となります。
 $Z = \frac{E}{I} = \frac{\frac{210}{\sqrt{3}}}{\frac{14}{\sqrt{3}}} = \frac{210}{14} = 15 \Omega$
 力率 $\cos \theta = 0.8$ であるため、誘導性リアクタンス $X$ は、
 $X = Z \sin \theta = 15 \times \sqrt{1 – 0.8^2} = 15 \times 0.6 = 9 \Omega$
 となります。

 (b) 抵抗 $R$ は $R = Z \cos \theta = 15 \times 0.8 = 12 \Omega$ です。
 相電圧200Vの対称三相電源に接続した場合、線間電圧は $200\sqrt{3} \text{ V}$ となります。
 したがって、$\Delta$結線の負荷に加わる電圧は $200\sqrt{3} \text{ V}$ となります。
 1相あたりの消費電力 $P_1$ は次式となります。
 $P_1 = \frac{(200\sqrt{3})^2}{15^2} \times 12 = \frac{120000}{225} \times 12 = 6400 \text{ W}$
 全消費電力 $P$ は、
 $P = 3 \times P_1 = 3 \times 6400 = 19200 \text{ W} = 19.2 \text{ kW}$
 となります。

 ## 【令和5年度下期・問16】計器を用いた測定

 図のように、電源 E [V],負荷抵抗R [Ω],内部抵抗 $R_v$ [kΩ]の電圧計及び内部抵抗 $R_a$ [Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において、電圧計及び電流計の指示値がそれぞれ $V_1$ [V], $I_1$ [A]であるとき 次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗R [Ω] の消費電力の測定値とする。
 (a) 電流計の電力損失の値 [W]を表す式として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 (b) 今,負荷抵抗R=320Ω,電流計の内部抵抗 $R_a=4\Omega$ が分かっている。この回路で得られた負荷抵抗R [Ω]の消費電力の測定値 $V_1 I_1$ [W] に対して, R [Ω] の消費電力を真値とするとき、誤差率の値[%]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 (a)|$\frac{V_1^2}{R_a}$|$\frac{V_1^2}{R_a}-I_1^2 R_a$|$\frac{V_1^2}{R_v}+I_1^2 R_a$|$I_1^2 R_a$|$I_1^2 R_a – I_1^2 R_v$
 (b)|0.3|0.8|0.9|1.0|1.2

 ### 解説

 (a)の正解は(4)、(b)の正解は(5)です。

 (a) 電流計の電力損失は、電流計の内部抵抗 $R_a$ によるものであり、$I_1^2 R_a$ となります。
 (b) 誤差率が問われているため、電圧計は電源側に接続されていると考えられます。
 測定値 $W_m = V_1 I_1 = (R + R_a) I_1^2$
 真の消費電力 $P = R I_1^2$
 誤差率 $\epsilon$ は次式で求められます。
 $\epsilon = \frac{W_m – P}{P} \times 100 = \frac{R_a}{R} \times 100 = \frac{4}{320} \times 100 = 1.25 \text{ \%}$

 ## 【令和5年度下期・問17】合成静電容量

 図1の端子a-d間の合成静電容量について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 (a) 端子b-c-d間は図2のように△結線で接続されている。これを図3のようにY結線に変換したとき、電気的に等価となるコンデンサCの値[μF]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 (b) 図3を用いて、図1の端子b-c-d間をY結線回路に変換したとき、図1の端子 a-d間の合成静電容量Cの値[μF]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 (a)|1.0|2.0|4.5|6.0|9.0
 (b)|3.0|4.5|4.8|6.0|9.0

 ### 解説

 (a)の正解は(5)、(b)の正解は(3)です。

 (a) $\Delta$結線の静電容量 $C_{\Delta}$ とY結線の静電容量 $C_Y$ の等価変換式は、 $C_Y = 3 C_{\Delta}$ です。
 $3 \text{ \mu F}$ の$\Delta$結線をY結線に変換すると、$C = 3 \times 3 = 9 \text{ \mu F}$ となります。
 (b) Y結線に変換した結果、回路は $9 \text{ \mu F}$ と $18 \text{ \mu F}$ の直列回路と、他の容量の並列回路になります。
 直列部分の合成容量は $\frac{9 \times 18}{9 + 18} = 6 \text{ \mu F}$ です。
 全体としての合成静電容量 $C$ は直並列の計算により $4.8 \text{ \mu F}$ となります。

 ## 【令和5年度下期・問18】FETを用いた増幅回路

 図1は、飽和領域で動作する接合形 FETを用いた増幅回路を示し、図中の $v_i$ 並びに $v_o$ はそれぞれ、入力と出力の小信号交流電圧[V]を表す。また、図2は、その増幅回路で使用するFETのゲートーソース間電圧 $V_{gs}$ [V] に対するドレーン電流 $I_d$ [mA]の特性を示している。抵抗 $R_G = 1 M\Omega$, $R_D = 5 k\Omega$, $R_L = 2.5 k\Omega$, 直流電源電圧 $V_{DD} = 20$ とするとき 次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 (a) FETの動作点が図2の点Pとなる抵抗 $R_S$ の値[kΩ]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 (1) 0.1 (2) 0.3 (3) 0.5 (4) 1 (5) 3
 (b) 図2の特性曲線の点Pにおける接線の傾きを読むことで、FETの相互コンダクタンスが $g_m = 6mS$ であるとわかる。この値を用いて,増幅回路の小信号交流等価回路をかくと図3となる。ここで,コンデンサ $C_1$, $C_2$, $C_S$ のインピーダンスが使用する周波数で十分に小さいときを考えており、FETの出力インピーダンスが $R_D$ [kΩ] や $R_L$ [kΩ]より十分大きいとしている。この増幅回路の電圧増幅度 $A_v = |\frac{v_o}{v_i}|$ の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
 (1) 10 (2) 30 (3) 50 (4) 100 (5) 300

 -|(1)|(2)|(3)|(4)|(5)
 –|–|–|–|–|–
 (a)|0.1|0.3|0.5|1|3
 (b)|10|30|50|100|300

 ### 解説

 (a)の正解は(4)、(b)の正解は(1)です。

 (a) 直流動作ではゲートには電流が流れないため、ソース電圧 $V_S = I_d R_S$ となり、$V_{gs} = -V_S = -I_d R_S$ です。
 点 P が特性曲線上にあるため、図から $I_d$ と $V_{gs}$ の関係を読み取り $R_S$ を計算すると 1 kΩ となります。
 (b) 電圧増幅度 $A_v$ は $A_v = g_m (R_D // R_L)$ です。
 $R_D // R_L = \frac{5 \times 2.5}{5 + 2.5} = \frac{12.5}{7.5} = \frac{5}{3} \text{ k}\Omega \approx 1.67 \text{ k}\Omega$
 $A_v = 6 \times 10^{-3} \times \frac{5}{3} \times 10^3 = 10$
 となります。

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