電験3種(理論)で出題されるオームの法則(直列・並列抵抗)と消費電力に関する試験対策と過去問題を解説します。
オームの法則とは?

電気回路における電圧$V$、電流$I$、抵抗値$R$には以下の関係が成立します。
$V=RI$
つまり、電圧$V$、電流$I$、抵抗値$R$のうち、2つの値がわかれば残り1つも求めることができます。
計算例1
電気回路の抵抗Rが10[Ω]、電流が5[A]のとき、電圧V[V]はいくらか。
$V=RI=10\times 5 =50$[V]
計算例2
電気回路の電圧が10[V]、電流が5[A]のとき、抵抗R[Ω]はいくらか。
$R=\frac{V}{I}=\frac{10}{5}=2$[Ω]
合成抵抗
抵抗$R_1$と$R_2$が直列に接続されているとき、合成抵抗$R$は以下の式で計算できます。
$R= R_1+R_2$
抵抗$R_1$と$R_2$が並列に接続されているとき、合成抵抗$R$は以下の式で計算できます。
$\frac{1}{R}= \frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}$
$R=\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}$
分圧の法則
直列回路において,各抵抗にかかる電圧は以下の式で計算できます。
$V_{R1}=\frac{R_1}{R_1+R_2}E$
$V_{R2}=\frac{R_2}{R_1+R_2}E$
分流の法則
並列回路において,各抵抗に流れる電流は以下の式で計算できます。
$I_{R1}=\frac{R_2}{R_1+R_2}I$
$I_{R2}=\frac{R_1}{R_1+R_2}I$
直流ブリッジの平衡条件

直流ブリッジ回路において、以下の式が成立するとき、電流Iが流れません。
$R_1R_4=R_2R_3$
【令和4年度下期・問題5・一部改変】直流回路の端子電圧からの電源電圧を計算

図のような直流回路において、抵抗3Ωの端子間の電圧が1.8Vであった。
このとき、電源電圧E[V]の値を求めよ。
解説
「直流ブリッジの平衡条件 $R_1R_4=R_2R_3$」を満たしているので、12[Ω]の抵抗には電流が流れないため、無視して合成抵抗を求めることができる。
$R=\frac{(4+5)(8+10)}{(4+5)+(8+10)}=6$[Ω]
「分圧の法則」「分流の法則」より、以下のとおり電源電圧E[V]が求まる。
$1.8=\frac{3}{R+3}E=\frac{3}{6+3}E$
$E=5.4$[V]
【令和7年度下期・問5】直流回路の消費電力の比較
図のように、三つの抵抗 $R_1 = 5 \Omega $、$R_2 = 4 \Omega$、$R_3 = 8 \Omega$ と電圧 $V \text{ [V]}$ の直流電源からなる回路がある。抵抗 $R_1, R_2, R_3$ の消費電力をそれぞれ $P_1 \text{ [W]}, P_2 \text{ [W]}, P_3 \text{ [W]}$ とするとき、その大きさの大きい順として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) $P_1 > P_2 > P_3$
(2) $P_1 > P_3 > P_2$
(3) $P_2 > P_1 > P_3$
(4) $P_2 > P_3 > P_1$
(5) $P_3 > P_1 > P_2$
解説
正解は(1)です。
各抵抗での消費電力を比較します。抵抗 $R_1$ を流れる全電流を $I \text{ [A]}$ とします。
① 抵抗 $R_1$ の消費電力 $P_1$について、全電流 $I$ が流れるため、
$$P_1 = R_1 I^2 = 5 I^2 \text{ [W]}$$
② 抵抗 $R_2$ と $R_3$ への電流分流について、並列部分の電流を $I_2, I_3$ とすると、電流は抵抗に反比例して分流します。
$$I_2 = I \times \frac{R_3}{R_2 + R_3} = I \times \frac{8}{4 + 8} = \frac{2}{3} I \text{ [A]}$$
$$I_3 = I \times \frac{R_2}{R_2 + R_3} = I \times \frac{4}{4 + 8} = \frac{1}{3} I \text{ [A]}$$
③ 各抵抗の消費電力を計算します。
$$P_2 = R_2 I_2^2 = 4 \times \left( \frac{2}{3} I \right)^2 = \frac{16}{9} I^2 \approx 1.78 I^2 \text{ [W]}$$
$$P_3 = R_3 I_3^2 = 8 \times \left( \frac{1}{3} I \right)^2 = \frac{8}{9} I^2 \approx 0.89 I^2 \text{ [W]}$$
これらを比較すると、 $5 I^2 (P_1) > 1.78 I^2 (P_2) > 0.89 I^2 (P_3)$ となります。
各選択肢を見ていきます。
(1) 正しい。計算の結果、 $P_1 > P_2 > P_3$ となります。
(2) 不正解。 $P_2$ は $P_3$ より大きいため、順序が逆です。
(3) 不正解。 $P_1$ は全電流が流れるため、並列部分の各電力より大きくなります。
(4) 不正解。 $P_1$ が最大です。
(5) 不正解。 $P_3$ は抵抗値は大きいですが、流れる電流が $I/3$ と小さいため、電力は最小となります。
以上より、大きさの順序は $P_1 > P_2 > P_3$ となります。
【令和7年度上期・問6】直流回路の短絡電流
図1の直流回路において、端子a-c間に直流電圧 $100\text{V}$ を加えたところ、端子b-c間の電圧は $10\text{V}$ であった。また、図2のように端子b-c間に $15\Omega$ の抵抗を並列に追加したとき、端子b-c間の電圧は $4\text{V}$ であった。今、図3のように端子b-c間を短絡したとき、電流 $I$ の値 $\text{[A]}$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| $I \text{ [A]}$ | 0.0 | 0.44 | 0.32 | 0.40 | 0.10 |
解説
正解は(2)です。
図1より、分圧の法則を用いると、
$$10 = 100 \times \frac{R_2}{R_1 + R_2}$$
$$R_1 + R_2 = 10R_2 \Rightarrow R_1 = 9R_2 \quad \dots \text{①}$$
図2において、b-c間の並列合成抵抗 $R_{2P}$ は、
$$R_{2P} = \frac{15R_2}{15 + R_2}$$
このときの電圧が $4\text{V}$ であるから、
$$4 = 100 \times \frac{R_{2P}}{R_1 + R_{2P}}$$
$$R_1 + R_{2P} = 25R_{2P} \Rightarrow R_1 = 24R_{2P}$$
①を代入して、
$$9R_2 = 24 \times \frac{15R_2}{15 + R_2}$$
$$9 = \frac{360}{15 + R_2} \Rightarrow 135 + 9R_2 = 360 \Rightarrow 9R_2 = 225 \Rightarrow R_2 = 25 \Omega$$
①より $R_1 = 9 \times 25 = 225 \Omega$ となります。
図3においてb-c間を短絡したときの電流 $I$ は、
$$I = \frac{100}{R_1} = \frac{100}{225} \approx 0.444 \text{ [A]}$$
【令和7年度上期・問7】直流回路のスイッチ開閉と抵抗値
図のような直流回路において、スイッチSを閉じているとき、 $2\Omega$ の抵抗を流れる電流は、スイッチSを開いたときの電流の3倍であった。$R$ の値 $\text{[}\Omega\text{]}$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| $R \text{ [}\Omega\text{]}$ | 2.5 | 3.5 | 0.5 | 1.5 | 4.5 |
解説
正解は(1)です。
スイッチSを開いているとき、回路は $2\Omega$ と $10\Omega$ の直列接続になります。電流 $I_{open}$ は、
$$I_{open} = \frac{E}{2 + 10} = \frac{E}{12}$$
スイッチSを閉じているとき、 $10\Omega$ と $R$ が並列になり、その合成抵抗 $R_p$ は $\frac{10R}{10+R}$ です。
全電流 $I_{closed}$ は、
$$I_{closed} = \frac{E}{2 + \frac{10R}{10+R}}$$
題意より $I_{closed} = 3 I_{open}$ なので、
$$\frac{E}{2 + \frac{10R}{10+R}} = 3 \times \frac{E}{12} = \frac{E}{4}$$
$$2 + \frac{10R}{10+R} = 4 \Rightarrow \frac{10R}{10+R} = 2$$
$$10R = 20 + 2R \Rightarrow 8R = 20 \Rightarrow R = 2.5 \Omega$$
【令和6年度下期・問7】合成抵抗の算出

図の抵抗回路において、端子a、b間の合成抵抗 $R_{ab}$ の値 $\text{[}\Omega\text{]}$ は $1.8R \text{ [}\Omega\text{]}$ であった。このとき、抵抗 $R_x$ の値 $\text{[}\Omega\text{]}$ として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| $R_x \text{ [}\Omega\text{]}$ | $R$ | $2R$ | $3R$ | $4R$ | $5R$ |
解説
正解は(4)です。
図の回路は、抵抗 $R$ と $R_x$ の並列部分が、別の抵抗 $R$ と直列に接続されている構成です。
端子a、b間の合成抵抗 $R_{ab}$ は、
$$R_{ab} = R + \frac{R \cdot R_x}{R + R_x}$$
題意より $R_{ab} = 1.8R$ であるため、
$$1.8R = R + \frac{R R_x}{R + R_x}$$
$$0.8R = \frac{R R_x}{R + R_x}$$
両辺を $R$ で割ります($R \neq 0$)。
$$0.8 = \frac{R_x}{R + R_x}$$
$$0.8 (R + R_x) = R_x$$
$$0.8R + 0.8R_x = R_x$$
$$0.8R = 0.2R_x$$
$$R_x = \frac{0.8}{0.2} R = 4R$$
したがって、$4R$ となります。
【令和5年度下期・問5】直流回路の消費電力

図に示す直流回路は、100Vの直流電圧源に直流電流計を介して10Ωの抵抗が接続され,50Ωの抵抗と抵抗R [Ω] が接続されている。電流計は5Aを示している。抵抗R [Ω] で消費される電力の値 [W] として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。なお、電流計の内部抵抗は無視できるものとする。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 消費電力 [W] | 2 | 10 | 20 | 100 | 200 |
解説
正解は(5)です。
10Ωの抵抗での電圧降下は $10 \times 5 = 50 \text{ V}$ です。
したがって、50Ωの抵抗と抵抗 R の並列回路にかかる電圧は $100 – 50 = 50 \text{ V}$ となります。
50Ωの抵抗に流れる電流は $\frac{50}{50} = 1 \text{ A}$ です。
電流計が5Aを示しているため、抵抗 R に流れる電流は $5 – 1 = 4 \text{ A}$ となります。
したがって、抵抗 R で消費される電力 $P$ は次式で求められます。
$P = 50 \times 4 = 200 \text{ W}$

【令和5年度下期・問7】直流回路の抵抗値

図のように、抵抗r, 切換スイッチS及び電流計を接続した回路がある。この回路に直流電圧 100Vを加えた状態で、図のようにスイッチSを開いたとき電流計の指示値は2.0Aであった。また、スイッチSを①側に閉じたとき電流計の指示値は2.5A, スイッチSを②側に閉じたとき電流計の指示値は5.0Aであった。このとき、抵抗rの値 [Ω]として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
ただし、電流計の内部抵抗は無視できるものとし、測定誤差はないものとする。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| r [Ω] | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 |
解説
正解は(5)です。
スイッチ S を開いたときの回路全体の抵抗は $\frac{100}{2.0} = 50 \Omega$ です。
スイッチ S を①側に閉じたときの回路全体の抵抗は $\frac{100}{2.5} = 40 \Omega$ です。
スイッチ S を②側に閉じたときの回路全体の抵抗は $\frac{100}{5.0} = 20 \Omega$ です。
②側に閉じたとき、抵抗は $R_1$ のみとなるため、$R_1 = 20 \Omega$ となります。
S を開いたとき、抵抗は $R_1 + R_2$ となるため、 $20 + R_2 = 50$ より $R_2 = 30 \Omega$ です。
S を①側に閉じたとき、抵抗は $R_1 + \frac{r R_2}{r + R_2}$ となるため、
$20 + \frac{30 r}{30 + r} = 40$
$\frac{30 r}{30 + r} = 20$
$30 r = 600 + 20 r$
$10 r = 600$
$r = 60 \Omega$
となります。

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