コンデンサの静電容量、電気力線、電界の強さ、電束の本数とは?試験対策と計算問題について解説します。
- 静電容量とは
- 球状導体の静電容量
- 同心球状導体
- 平行導体板の静電容量
- 平行導体板の静電容量(2つの誘導体が並列)
- 平行導体板の静電容量(3つの誘電体が直列)
- 【令和4年度上期・問17】誘電率の異なるコンデンサの直列接続
- 【令和5年度上期・問17】誘電体を挿入した平行平板コンデンサ
- 【平成29年度・問2】誘電体を挿入した平行平板コンデンサ
- 【平成28年度・問2】平行平板コンデンサの特性
- 【平成26年度・問1】平行平板コンデンサの特性
- 【平成25年度・問1】平行平板コンデンサの特性
- 【平成24年度・問1】2つのコンデンサの接続
- 【平成23年度・問2】平行平板コンデンサの静電容量と静電エネルギー
- 【令和4年度下期・問4】コンデンサの直列回路と並列回路
- 【令和4年度上期・問6】コンデンサの直列回路と並列回路
- 【令和7年度上期・問1】並列接続されたコンデンサの静電エネルギー
- 【令和6年度下期・問1】誘電体が挿入された平行平板コンデンサの電荷
- 【令和6年度下期・問2】地球の静電容量
- 【令和6年度下期・問17】並列接続されたコンデンサの電荷と放電
- 関連リンク
静電容量とは
静電容量(電気容量)とは、コンデンサに蓄えられる電荷量です。帯電体の電位と帯電量は、以下の関係となります。
$Q=CV[C]$
この比例定数$C[F]$を静電容量といい、電荷量が$1[C$で電位差が$1[V]$の場合、$1[F]$となります。
球状導体の静電容量

誘電率$\epsilon$の空間にある点電荷$Q[C]$から$r[m]$離れた点の電位$V[V]$は次式で計算できます。
$V=\frac{Q}{4\pi \epsilon r}$
誘電率$\epsilon$の空間に球状導体(半径$r[m]$)に電荷$Q[C]$を与えたときの静電容量は以下のようになります。
$C=\frac{Q}{V}=\frac{Q}{\frac{Q}{4\pi \epsilon r}}=4\pi \epsilon r$
電束密度
電束密度$D[C/m^2]$とは、単位面積($1[m^2$)当たりの電束数で、比誘電率に比例し以下の式で計算されます。
$D=\epsilon E$
電束の総数
誘電率$\epsilon$に関係なく、電荷$Q[C]$からは$Q[C]$の電束が出ます。
同心球状導体

同心球導体とは、同じ中心をもつ大小2つの球殻がある導体です。
外球を接地し、内球と外球の間にある空間の誘電率は$\epsilon$とします。
内球の半径を$r_1$, 外球の半径を$r_2$とするとき、内球外面の電位を$V_1[V]$、外球内面の電位を$V_2[V]$とすると、電位差$V_{12}[V]$は次式で表されます。
$V_1=\frac{Q}{4\pi \epsilon r_1}$
$V_2=\frac{Q}{4\pi \epsilon r_2}$
$V_{12}=V_1 – V_2 = \frac{Q}{4\pi \epsilon}(\frac{1}{r_1}-\frac{1}{r_2})$
したがって、同心球導体の静電容量$C[F]$は、次式で表されます。
$C_{12}=\frac{Q}{V_{12}}=\frac{Q}{\frac{Q}{4\pi \epsilon}(\frac{1}{r_1}-\frac{1}{r_2})}=\frac{4\pi \epsilon r_1 r_2}{r_2-r_1}$
電束密度
電束密度$D[C/m^2]$とは、単位面積($1m^2$)当たりの電束数で、比誘電率に比例し以下の式で計算されます。
$D=\epsilon E$
電束の総数
誘電率$\epsilon$に関係なく、電荷$Q[C]$からは$Q[C]$の電束が出ます。
平行導体板の静電容量

平行導体板とは、以下のように2枚の導体板(面積$S[m^2]$)が平行にあるものです。
電気力線の本数
極板間の電場の強さを$E[V/m]$とし、$1m^2$当たりの電気力線の本数を$E$[本]とすると、極板から出る電気力線の本数は$ES$[本]となります。また、ガウスの法則より、$Q[C]$の電荷が蓄えられたコンデンサーの極板間の電気力線の総数$N$は$\frac{Q}{\epsilon}$本となります。よって、以下の関係式が成り立ちます。
$N=\frac{Q}{\epsilon} = ES$
電束密度
電束密度Dは、単位面積($1m^2$)当たりの電束数で、誘電率に比例し以下の式で計算されます。
$D=\epsilon E[C/^2]$
電束の総数
誘電率$\epsilon$に関係なく、電荷$Q[C]$からは$Q[C]$の電束が出ます。
電位差
「 $\frac{Q}{\epsilon}=ES$ 」と「 $V=Ed$ 」より電位差は以下の式になります。
$V=Ed=\frac{Q}{\epsilon S}d$
静電容量
上式を$Q$と$V$の関係式に変換します。
$Q = \epsilon \frac{S}{d}V$
$Q=CV$より静電容量は以下のようになります。
$C=\epsilon\frac{S}{d}$
平行導体板の静電容量(2つの誘導体が並列)

同じ寸法の直方体で誘電率の異なる2つの誘導体(誘電率$\epsilon_1, \epsilon_2$)が平行板コンデンサに充填されている。
極板間は一定の電圧$V[V]$と電界E$$に保たれ2つの極板にはそれぞれ$+Q[C], -Q[C]$の電荷が蓄えられている。
2つの誘電体それぞれの静電容量$C_1,C_2$は以下のようになる。
$C_1=\epsilon_1\frac{S_1}{d}$
$C_2=\epsilon_2\frac{S_2}{d}$
全体の静電容量$C$は以下のようになる。
$C=C_1 + C_1 = \frac{\epsilon_1S_1+\epsilon_2S_2}{d}$
電気力線の本数
2つの誘電体それぞれの面$S_1, S_2$を貫く電気力線の総数は$ES_1, ES_2$となる。
※面積$S_1, S_2$が同じであれば電気力線の総数も等しくなる(誘電体の比誘電率に依存しない)
電束密度
電束密度($D=\epsilon E$)は誘電率$\epsilon_1, \epsilon_2$に比例するため同じにならない。それぞれの電束密度$D_1, D_2$は以下の式で計算できる。
$D_1=\epsilon_1 E$
$D_2=\epsilon_2 E$
電束の総数
誘電率に関係なく、電荷$Q[C]$からは$Q[C]$の電束が出ます。
平行導体板の静電容量(3つの誘電体が直列)

同じ寸法の直方体で誘電率の異なる3つの誘導体(誘電率$\epsilon_1, \epsilon_2, \epsilon_3$)が平行板コンデンサに充填されている。
極板間は一定の電圧$V[V]$と電界Eに保たれ2つの極板にはそれぞれ$+Q[C], -Q[C]$の電荷が蓄えられている。
3つの誘電体それぞれの静電容量$C_1,C_2,C_3$は以下のようになる。
$C_1=\epsilon_1\frac{S}{d_1}$
$C_2=\epsilon_2\frac{S}{d_2}$
$C_3=\epsilon_3\frac{S}{d_3}$
全体の静電容量$C[F]$は以下のようになる。
$\frac{1}{C}=\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2}+\frac{1}{C_3}$
電気力線の本数
3つの誘導体それぞれを貫く電気力線の総数は$ES$となり等しい。(直列だと面積$S$は同じで、比誘電率に依存しないため)。
電束密度
電束密度($D=\epsilon E$)は誘電率$\epsilon$に比例するため、それぞれの誘電体で異なる。それぞれの電束密度$D_1、D_2、D_3$は以下の式で計算できる。
$D_1=\epsilon_1 E$
$D_2=\epsilon_2 E$
$D_3=\epsilon_3 E$
- 比誘電率に関係なく、電荷$Q[C]$からは$Q[C]$の電束が出ます。
【令和4年度上期・問17】誘電率の異なるコンデンサの直列接続

上図のように、直列に接続された二つの平行平板コンデンサに120Vの電圧が加わっている。
コンデンサ$C_1$の金属板間は真空であり、コンデンサ$C_2$の金属板間には比誘電率$\epsilon_r$の誘電体が挿入されている。
コンデンサ$C_1, C_2$の金属板間の距離は等しく、$C_1$の金属板の面積は$C_2$の2倍である。
このとき、コンデンサ$C_1$の両端の電圧が80Vであった。次の①②について求めよ。
① コンデンサ$C_2$の誘電体の比誘電率$\epsilon_r$。
②$C_1$の静電容量が30[F]のとき、$C_1 C_2$の合成容量[F]。
解説①
2つのコンデンサの静電容量は、$C_1$の金属板の面積をS、金属板間の距離をdとすると以下のとおり。
$C_1=\epsilon_0 \frac{S}{d}$
$C_2=\epsilon_0 \epsilon_r \frac{S/2}{d}$
題意より、コンデンサ$C_1$の両端の電圧$V_1=80[V]$なので、コンデンサ$C_2$の両端の電圧$V_2=40[V]$である。直列接続された2つのコンデンサに蓄えらえる電荷は等しいので、以下のとおり$C_1$と$C_2$の関係が求まる。
$Q=C_1V_1=C_2V_2$
$C_1\times 80=C_2\times 40$
$2C_1=C_2$
$C_1, C_2$に代入すると以下のとおり。
$2\epsilon_0 \frac{S}{d}=\epsilon_0 \epsilon_r \frac{S/2}{d}$
$\epsilon_r=4$
解説②
$2C_1=C_2$より、$C_1=30$[F]のとき$C_2=60$[F]となる。
合成静電容量C[F]は以下のとおり20 [F]と求まる。
$C=\frac{C_1C_2}{C_1+C_2}\frac{30\cdot 60}{30+60}=20$[F]
【令和5年度上期・問17】誘電体を挿入した平行平板コンデンサ

図のように、極板間の厚さ$d[m]$、表面積$S[m^2]$の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は、比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され、極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は、比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサAの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれ$E_{A1}, E_{A2}, E_{A3}$、コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれ$E_{B1}, E_{B2}, E_{B1}$とし、端効果、初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また、真空の誘電率を$\epsilon_0[F/m]$とする。両コンデンサの上側の極板に電圧$V[V]$の直流電源を接続し、下側の極板を接地した。
次の①②について答えよ。
① コンデンサAにおける各誘電体内部の電界の強さ$E_{A1}, E_{A2}, E_{A3}$の大小関係、その中の最大値を$E$と$V$を用いて求めよ。
② コンデンサA全体の蓄積エネルギー$W_A$は、コンデンサB全体の蓄積エネルギー$W_B$の何倍か。
【ポイント】
コンデンサAのように誘電体を水平方向に挿入した場合には電束密度$D$が等しくなる。コンデンサBのように誘電体を垂直方向に挿入した場合には電界$E$が等しくなる。
解答①
コンデンサAの各誘電体における電束密度$D[C/m^2]$は等しい。$D=\epsilon E$より、
$E_{A1} = \frac{D}{2\epsilon_0}$
$E_{A2} = \frac{D}{3\epsilon_0} = \frac{2E_{A1}}{3}$
$E_{A3} = \frac{D}{6\epsilon_0} = \frac{E_{A1}}{3}$
よって、電界の強さの大小関係は$E_{A1} > E_{A2} > E_{A3}$となる。
次に$V=Ed$より
$V=E_{A1}\frac{d}{6}+E_{A2}\frac{d}{3}+E_{A3}\frac{d}{2}$
$=E_{A1}\frac{d}{6}+\frac{2E_{A1}}{3}\frac{d}{3}+\frac{E_{A1}}{3}\frac{d}{2}$
$=\frac{5dE_{A1}}{9}$
となる。よって、$E_{A1}=\frac{9V}{5d}$と求まる。
解答②
コンデンサAの各誘電体の静電容量をそれぞれ$C_{A1}, C_{A2}[F], C_{A3}[F]$とすると、以下のとおり。
$C_{A1}=\frac{2\epsilon_0S}{d/6}=\frac{12\epsilon_0S}{d}$
$C_{A2}=\frac{3\epsilon_0S}{d/3}=\frac{9\epsilon_0S}{d}$
$C_{A3}=\frac{6\epsilon_0S}{d/2}=\frac{12\epsilon_0S}{d}$
コンデンサAの容量$C_A$は以下のとおり。
$C_A=\frac{1}{\frac{1}{C_{A1}}+\frac{1}{C_{A2}}+\frac{1}{C_{A3}}}=\frac{18\epsilon_0S}{5d}$
コンデンサBの各誘電体の静電容量をそれぞれ$C_{B1}, C_{B2}[F], C_{B3}[F]$とすると、以下のとおり。
$C_{B1}=\frac{2\epsilon_0\frac{S}{6}}{d}=\frac{\epsilon_0S}{3d}$
$C_{B2}=\frac{3\epsilon_0\frac{S}{3}}{d}=\frac{\epsilon_0S}{d}$
$C_{B3}=\frac{6\epsilon_0\frac{S}{2}}{d}=\frac{3\epsilon_0S}{d}$
コンデンサBの容量$C_B$は以下のとおり。
$C_B=C_{B1}+C_{B2}+C_{B3}=\frac{13\epsilon_0S}{3d}$
コンデンサAとBに蓄えられるエネルギーを$W_A, W_B$[J] とすると、その比は以下のとおり。
$\frac{W_A}{W_B}=\frac{\frac{1}{2}C_AV^2}{\frac{1}{2}C_BV^2}=\frac{C_A}{C_B}=0.831$
【平成29年度・問2】誘電体を挿入した平行平板コンデンサ

極板の面積$S[m^2]$、極板間の距離$d[m]$の平行板コンデンサ$A$、極板の面積$2S[m^2]$、極板間の距離$d[m]$の平行板コンデンサB及び極板の面積$S[m^2]$、極板間の距離$2d[m]$の平行板コンデンサ$C$がある。各コンデンサは、極板間の電界の強さが同じ値となるようにそれぞれ直流電源で充電されている。各コンデンサをそれぞれの直流電源から切り離した後、全コンデンサを同じ極性で並列に接続し、十分時間が経ったとき、各コンデンサに蓄えられる静電エネルギーの総和の値$[J]$は、並列に接続する前の総和の値$[J]$の何倍になるか。
解説
コンデンサA〜Cの各誘電体の静電容量をそれぞれ$C_{A}, C_{B}[F], C_{C}[F]$とすると、以下のとおり。
$C_{A}=\frac{\epsilon S}{d}$
$C_{B}=\frac{2\epsilon S}{d}$
$C_{C}=\frac{\epsilon S}{2d}$
コンデンサA〜Cを並列接続後の合成静電容量Cは以下のとおり。
$C=C_A+C_B+C_C=\frac{7\epsilon S}{2d}$
コンデンサA〜Cの極板間の電界の強さEは等しい。よって、以下のとおり、コンデンサA〜Cの極板間電圧$V_A, V_B, V_C$が求まる。
$V_{A}=V_B=Ed$
$V_{C}=2Ed$
コンデンサ〜Cに蓄えられる電荷$Q_A, Q_B, Q_C$は以下のとおり。
$Q_{A}=C_AV_A=\frac{\epsilon S}{d}Ed=\epsilon SE$
$Q_{B}=C_BV_B=\frac{2\epsilon S}{d}Ed=2\epsilon SE$
$Q_{C}=C_CV_C=\frac{\epsilon S}{2d}2Ed=\epsilon SE$
並列接続前後にて蓄えられる電荷量は変化しないため、並列接続前の合計電荷量Qと並列接続後の合計電荷量$Q’$は以下のとおり。
$Q=Q’=Q_A+Q_B+Q_C=4\epsilon SE$
コンデンサA〜Cに蓄えられる静電エネルギー$W_A, W_B, W_C$は以下のとおり。
$W_A= \frac{1}{2}Q_AV_A=\frac{1}{2}\epsilon SE^2d$
$W_B= \frac{1}{2}Q_BV_B=\epsilon SE^2d$
$W_C= \frac{1}{2}Q_CV_C=\epsilon SE^2d$
並列接続前のコンデンサA〜Cに蓄えられる静電エネルギーの合計$W$は以下のとおり。
$W=W_A+W_B+W_C=\frac{5}{2}\epsilon SE^2d$
並列接続後に蓄えられる静電エネルギー$W’$は以下のとおり。
$W’=\frac{Q’^2}{2C}=\frac{16}{7}\epsilon SE^2d$
よって、静電エネルギーの比は以下のとおり。
$\frac{W’}{W}=\frac{\frac{16}{7}\epsilon SE^2d}{\frac{5}{2}\epsilon SE^2d}=0.914$
【平成28年度・問2】平行平板コンデンサの特性
極板 A と極板 B との間に一定の直流電圧を加え,極板 B を接地した平行板コンデンサに関する記述 a ~ dが正しいか誤りか答えよ。
a)極板間の電位は,極板 A からの距離に対して反比例の関係で変化する。
b)極板間の電界の強さは,極板 A からの距離に対して一定である。
c)極板間の等電位線は,極板に対して平行である。
d)極板間の電気力線は,極板に対して垂直である。
解説
a) V=Edより、極板間の電位Vは,極板 B からの距離dに対して比例関係にあるので、誤り。
他はすべて正しい。
【平成26年度・問1】平行平板コンデンサの特性
極板A−B間が比誘電率$\epsilon_r=2$の誘電体で満たされた平行平板コンデンサがある。
極板間の距離は$d[m]$,極板間の直流電圧は$V_0[V]$である。
極板と同じ形状と大きさをもち,厚さが$\frac{d}{4}[m]$の帯電していない導体を図に示す位置P−Q
間に極板と平行に挿入したとき,導体の電位[V]は$V_0[V]$の何倍になるか求めよ。
ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。
解説
A−P間とQ−B間では、誘電体の比誘電率が等しいので、電界Eも等しい。よって、A−P間とQ−B間の電位差を$V_{AP}, V_{QB}$とすると以下のとおり。
$V_{AP}=E\frac{d}{2}$
$V_{QB}=E\frac{d}{4}$
よって、$V_{AP}=2V_{QB}$となる。また、導体中に電位差はない(電位が同じ)なので、$V_{AP}+V_{QB}=V_0$となる。以上から、$V_{QB}=\frac{V_0}{3}$とわかるため、答えは$\frac{1}{3}$倍となる。
ポイントは、平行平板コンデンサの「同じ導体中の電位Vは同じ」「同じ誘電体中の電界E(電位の傾き)は等しい」ことです。
【平成25年度・問1】平行平板コンデンサの特性
極板間が比誘電率 r の誘電体で満たされている平行平板コンデンサに一定の直流電圧が加えられている。このコンデンサに関する記述 a~e が正しいか誤っているか判別せよ。
ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。
a.極板間の電界分布は$\epsilon_r$に依存する。
b.極板間の電位分布は$\epsilon_r$に依存する。
c.極板間の静電容量Cは$\epsilon_r$ に依存する。
d.極板間に蓄えられる静電エネルギーは$\epsilon_r$に依存する。
e.極板上の電荷(電気量)は$\epsilon_r$に依存する。
解説
a.極板間の電界分布は$\epsilon_r$に依存する。
→ $E=\frac{V}{d}$より、$\epsilon_r$に依存しないため誤り。
b.極板間の電位分布は$\epsilon_r$に依存する。
→ 極板間に一定の直流電圧Vが印加されているため、電界分布E及び電位分布Vも一様となる。よって、$\epsilon_r$に依存しないため誤り。
c.極板間の静電容量Cは$\epsilon_r$ に依存する。
→ 正しい。
d.極板間に蓄えられる静電エネルギーは$\epsilon_r$に依存する。
→ $W=\frac{1}{2}CV^2$より、$\epsilon_r$ に依存するため、正しい。
e.極板上の電荷(電気量)は$\epsilon_r$に依存する。
→ $Q=CV$より、$\epsilon_r$ に依存するため、正しい。
【平成24年度・問1】2つのコンデンサの接続
図1及び図2のように、静電容量がそれぞれ4[μF]と2[μF] のコンデンサ$C_1$及び $C_2$,スイッチ$S_1$及び$S_2$からなる回路がある。コンデンサ$C_1$と$C_2$には,それぞれ 2[μC]と4[μC]の電荷が図のような極性で蓄えられている。この状態から両図ともスイッチ $S_1$及び$S_2$を閉じたとき、図1のコンデンサ$C_1$の端子電圧を$V_1[V]$、図2のコンデンサ$C_1$の端子電圧を$V_2$[V] とすると,電圧比 $∣\frac{V_1}{V_2}∣$はいくらになるか。

解説
スイッチを閉じる前後で総電荷量(2つのコンデンサに蓄えられる電荷量の合計)は変わらないので、図1及び図2の総電荷量$Q_1, Q_2$は以下のようになる。
$Q_1=2+4=6$[μC]
$Q_2=4−2=2$[μC]
図1、図2ともに合成静電容量Cは以下のようになる。
$C=C_1+C_2=2+4=6$ [μF]
スイッチを閉じた後の各コンデンサの電圧$V_1, V_2$は以下のとおり。
$V_1=\frac{Q_1}{C}=1$[V]
$V_2=\frac{Q_2}{C}=-\frac{1}{3}$[V]
よって、電圧比$|\frac{V_1}{V_2}|=\frac{1}{3}$と求まる。
【平成23年度・問2】平行平板コンデンサの静電容量と静電エネルギー
直流電圧 1000 [V] の電源で充電された静電容量 8 [μF] の平行平板コンデンサがある。
コンデンサを電源から外した後に電荷を保持したままコンデンサの電極間距離を最初の距離の半分に縮めたとき,静電容量 [μF] と静電エネルギー [J] を求めよ。
解説
コンデンサ蓄えられる電荷$Q[C]$は以下のとおり。
$Q=CV=8\times10^{-6}\times 1000 = 8 \times 10^{-3}[C]$
電極間距離を半分に縮めたとき、静電容量$C_2$は2倍の$16$[μF]となる。 このときの静電エネルギーWは以下のとおり2Jと求まる。
$W=\frac{1}{2}\frac{Q^2}{C_2}=2$
【令和4年度下期・問4】コンデンサの直列回路と並列回路

電圧 E [V] の直流電源と静電容量 C [F] の二つのコンデンサを接続した図1,図2のような二つの回路に関して,次の(1)~(5)の記述が正しいかどうか答えよ。
【解答】
(1) 図1の回路のコンデンサの合成静電容量は,図2の回路の 4 倍である。
(2) コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーは,図1の回路の方が図2の回路より大きい。
(3) 図2の回路に,さらに静電容量 C [F] のコンデンサを直列に二つ追加して,四つのコンデンサが直列になるようにすると,コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1と等しくなる。
(4) 図2の回路の電源電圧を 2 倍にすると,コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1の回路と等しくなる。
(5) 図1のコンデンサ一つ当たりに蓄えられる電荷は,図2のコンデンサ一つ当たりに蓄えられる電荷の 2 倍である。
解説
$Q_1=CE$
$Q_1=C(\frac{1}{2}E)=\frac{1}{2}CE$
(1) 正しい。図1の合成容量は2[F]、図2の合成容量は$\frac{1}{2}$[F]である。コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーは,図1の回路の方が図2の回路より大きい。
(2) 正しい。
図1及び図2のエネルギー$W_1, W_2$は以下のとおり。
$W_1=\frac{1}{2}CE^2+\frac{1}{2}CE^2=CE^2$[J]
$W_2=\frac{1}{2}C(\frac{E}{2})^2+\frac{1}{2}C(\frac{E}{2})^2=\frac{CE^2}{4}$[J]
(3) 誤り。図2が4直列になると、エネルギー$ W_2$は以下のとおり。
$W_2=\frac{1}{2}C(\frac{E}{4})^2+\frac{1}{2}C(\frac{E}{4})^2+\frac{1}{2}C(\frac{E}{4})^2+\frac{1}{2}C(\frac{E}{4})^2=\frac{CE^2}{8}$
(4) 正しい。図2の電源電圧を2倍にするとエネルギー$ W_2$は以下のとおり。
$W_2=\frac{1}{2}C(\frac{2E}{2})^2+\frac{1}{2}C(\frac{2E}{2})^2=CE^2$[J]
(5) 正しい。図1のコンデンサ1つに蓄えられる電荷$Q_1$[C] 、図2のコンデンサ1つに蓄えられる電荷$Q_2$[C]は以下のとおり。
$Q_1=CE$
$Q_1=C(\frac{1}{2}E)=\frac{1}{2}CE$
【令和4年度上期・問6】コンデンサの直列回路と並列回路

図1に示すように,静電容量 C1=4 μF と C2=2 μF の二つのコンデンサが直列に接続され,直流電圧 6 V で充電されている。次に電荷が蓄積されたこの二つのコンデンサを直流電源から切り離し,電荷を保持したまま同じ極性の端子同士を図2に示すように並列に接続する。並列に接続後のコンデンサの端子間電圧の大きさ V [V] を求めよ。
解説
図1において、 $C_1=4$[μF]と$C_2=2$[μF]に蓄えられる電荷量 Q[C]は等しい。よって、$C_1$と$C_2$に加わる電圧$V_1, V_2$[V]は以下のとおり。
$V_1=\frac{Q}{C_1}\frac{Q}{4\times 10^{-6}}$[V]・・・①
$V_1=\frac{Q}{C_1}\frac{Q}{2\times 10^{-6}}$[V]・・・②
また、$V_1+V_2=6$[V]なので、①②を代入すると、Q[C]が求まる。
$Q=8\times 10^{-6}$[C]
図2のように接続すると、①②式より $V_1 < V_2$なので$C_2$から$C_1$に電荷が移動し、2$C_1$と$C_2$に加わる電圧は等しくなる。合成静電容量 C [μF] は以下のとおり。
$C=C_1+C_2=6\times 10^{-6}$[μF]
図1及び図2において蓄えられる電荷の総量は$2Q$で等しい。よって、以下の式が成り立ち、$V=\frac{8}{3}$[V]が求まる。
$2Q=CV$
$V=\frac{2Q}{C}=\frac{2\times 8\times 10^{-6}}{6\times 10^{-6}}=\frac{8}{3}$[V]
【令和7年度上期・問1】並列接続されたコンデンサの静電エネルギー
電圧 $V \text{ [V]}$ に充電された静電容量 $C \text{ [F]}$ のコンデンサと全く充電されていない静電容量 $2C \text{ [F]}$ のコンデンサとがある。これら二つのコンデンサを並列に接続したとき、これらのコンデンサに蓄えられる全静電エネルギー $\text{[J]}$ の値として、正しいものは次のうちどれか。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 全静電エネルギー $\text{[J]}$ | $\frac{1}{9}CV^2$ | $\frac{1}{6}CV^2$ | $\frac{2}{9}CV^2$ | $\frac{1}{3}CV^2$ | $\frac{3}{8}CV^2$ |
解説
正解は(2)です。
まず、充電されているコンデンサ $C$ に蓄えられている電荷 $Q \text{ [C]}$ を求めます。
$$Q = CV$$
二つのコンデンサを並列に接続した後の合成静電容量 $C_0 \text{ [F]}$ は、次のように求められます。
$$C_0 = C + 2C = 3C$$
接続の前後で全電荷量は保存されるため、接続後の電圧 $V’ \text{ [V]}$ は次のようになります。
$$V’ = \frac{Q}{C_0} = \frac{CV}{3C} = \frac{V}{3}$$
蓄えられる全静電エネルギー $W \text{ [J]}$ は、次式で計算できます。
$$W = \frac{1}{2} C_0 (V’)^2 = \frac{1}{2} (3C) \left( \frac{V}{3} \right)^2 = \frac{1}{2} \cdot 3C \cdot \frac{V^2}{9} = \frac{1}{6} CV^2$$
【令和6年度下期・問1】誘電体が挿入された平行平板コンデンサの電荷

図のように、電極面積 $0.1 \text{ m}^2$、電極間隔 $6 \text{ mm}$ の平行平板コンデンサに、比誘電率 $\epsilon_{r1}=2$、厚さ $2 \text{ mm}$ 及び比誘電率 $\epsilon_{r2}=4$、厚さ $4 \text{ mm}$ の2種類の誘電体が電極と平行に挿入されている。このコンデンサに $12 \text{ V}$ の直流電圧を印加したとき、蓄えられる電荷の値 $\text{[C]}$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、真空の誘電率 $\epsilon_0=8.85\times 10^{-12} \text{ F/m}$ とし、コンデンサの端効果は無視するものとする。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 電荷 $\text{[C]}$ | $5.3\times 10^{-9}$ | $7.8\times 10^{-9}$ | $9.4\times 10^{-9}$ | $2.1\times 10^{-8}$ | $4.5\times 10^{-8}$ |
解説
正解は(1)です。
このコンデンサは、誘電率の異なる2つのコンデンサ $C_1$、$C_2$ が直列に接続されていると考えられます。
コンデンサの静電容量は $C = \epsilon_r \epsilon_0 \frac{S}{d}$ で求められます。
それぞれの静電容量を計算します。
$$C_1 = 2 \times 8.85\times 10^{-12} \times \frac{0.1}{0.002} = 8.85\times 10^{-10} \text{ [F]}$$
$$C_2 = 4 \times 8.85\times 10^{-12} \times \frac{0.1}{0.004} = 8.85\times 10^{-10} \text{ [F]}$$
直列に接続されたコンデンサの合成静電容量 $C$ は、
$$C = \frac{C_1 C_2}{C_1 + C_2} = \frac{8.85\times 10^{-10}}{2} = 4.425\times 10^{-10} \text{ [F]}$$
蓄えられる電荷 $Q$ は、 $Q = CV$ より、
$$Q = 4.425\times 10^{-10} \times 12 = 5.31\times 10^{-9} \text{ [C]}$$
最も近い値は $5.3\times 10^{-9}$ となります。
【令和6年度下期・問2】地球の静電容量
地球を、真空中にある半径 $6.37\times 10^6 \text{ m}$ の導体球と見なしたとき、地球の静電容量の値 $\text{[F]}$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、真空の誘電率を $\epsilon_0=8.85\times 10^{-12} \text{ F/m}$ とする。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 静電容量 $\text{[F]}$ | $7.08\times 10^{-4}$ | $4.45\times 10^{-3}$ | $4.51\times 10^3$ | $5.67\times 10^4$ | $1.78\times 10^5$ |
解説
正解は(1)です。
孤立した半径 $r \text{ [m]}$ の導体球の静電容量 $C$ は、 $C = 4\pi \epsilon_0 r$ で表されます。
与えられた数値を代入して計算します。
$$C = 4 \times \pi \times 8.85\times 10^{-12} \times 6.37\times 10^6$$
$$C \approx 4 \times 3.14159 \times 8.85\times 10^{-12} \times 6.37\times 10^6 \approx 7.08\times 10^{-4} \text{ [F]}$$
最も近い値は $7.08\times 10^{-4}$ となります。
【令和6年度下期・問17】並列接続されたコンデンサの電荷と放電

図のように、十分大きい平らな金属板で覆われた床と平板電極とで作られる空気コンデンサが二つ並列接続されている。二つの電極は床と平行であり、それらの面積は左側が $A_1 = 10^{-3} \text{ m}^2$、右側が $A_2 = 10^{-2} \text{ m}^2$ である。床と各電極の間隔は左側が $d = 10^{-3} \text{ m}$ で固定、右側が $x \text{ [m]}$ で可変、直流電源電圧は $V_0 = 1000 \text{ V}$ である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、空気の誘電率を $\epsilon = 8.85\times 10^{-12} \text{ F/m}$ とし、静電容量を考える際にコンデンサの端効果は無視できるものとする。
(a) まず、右側の $x \text{ [m]}$ を $d \text{ [m]}$ と設定し、スイッチSを一旦閉じてから開いた。このとき、二枚の電極に蓄えられる合計電荷 $Q$ の値 $\text{[C]}$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 合計電荷 $Q \text{ [C]}$ | $8.0\times 10^{-9}$ | $1.6\times 10^{-8}$ | $9.7\times 10^{-8}$ | $1.9\times 10^{-7}$ | $1.6\times 10^{-6}$ |
(b) 上記(a)の操作の後、徐々に $x$ を増していったところ、$x=3.0\times 10^{-3} \text{ m}$ のときに左側の電極と床との間に火花放電が生じた。左側のコンデンサの空隙の絶縁破壊電圧 $V$ の値 $\text{[V]}$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 絶縁破壊電圧 $V \text{ [V]}$ | $3.3\times 10^2$ | $2.5\times 10^3$ | $3.0\times 10^3$ | $5.1\times 10^3$ | $3.0\times 10^4$ |
解説
正解は(a)-(3)、(b)-(2)です。
(a) まず、スイッチを閉じたときの各コンデンサの静電容量を求めます。
左側のコンデンサ $C_1$は、
$$C_1 = \epsilon \frac{A_1}{d} = 8.85\times 10^{-12} \times \frac{10^{-3}}{10^{-3}} = 8.85\times 10^{-12} \text{ [F]}$$
右側のコンデンサ $C_2$($x=d$ のとき)は、
$$C_2 = \epsilon \frac{A_2}{d} = 8.85\times 10^{-12} \times \frac{10^{-2}}{10^{-3}} = 88.5\times 10^{-12} \text{ [F]}$$
並列接続されているため、合成静電容量 $C_{total}$ は、
$$C_{total} = C_1 + C_2 = 8.85\times 10^{-12} + 88.5\times 10^{-12} = 97.35\times 10^{-12} \text{ [F]}$$
蓄えられる合計電荷 $Q$ は、$Q = C_{total} V_0$ より、
$$Q = 97.35\times 10^{-12} \times 1000 = 9.735\times 10^{-8} \text{ [C]}$$
最も近い値は $9.7\times 10^{-8}$ となります。
よって、正解は(3)です。
(b) スイッチを開いた後も合計電荷 $Q$ は保存されます。
右側の電極の間隔 $x$ を $3.0\times 10^{-3} \text{ m}$ に広げたときの右側の静電容量 $C_2’$ は、
$$C_2′ = \epsilon \frac{A_2}{x} = 8.85\times 10^{-12} \times \frac{10^{-2}}{3.0\times 10^{-3}} = 29.5\times 10^{-12} \text{ [F]}$$
このときの全体の合成静電容量 $C’_{total}$ は、
$$C_{total}’ = C_1 + C_2′ = 8.85\times 10^{-12} + 29.5\times 10^{-12} = 38.35\times 10^{-12} \text{ [F]}$$
電荷保存の法則により、コンデンサ両端の電圧 $V’$ は、
$$V’ = \frac{Q}{C’_{total}} = \frac{9.735\times 10^{-8}}{38.35\times 10^{-12}} \approx 2538 \text{ [V]}$$
この電圧 $V’$ で火花放電(絶縁破壊)が発生したため、絶縁破壊電圧は $2538 \text{ V}$ となります。
最も近い値は $2.5\times 10^3 \text{ V}$ となります。
よって、正解は(2)です。
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