令和5年度上期に電験3種(理論分野)で出題された過去問題について解説します。
- 【令和5年度上期・問1】平行平板コンデンサの電界と電束密度と電荷
- 【令和5年度上期・問2】静電界に関する性質
- 【令和5年度上期・問3】磁気回路の磁気抵抗
- 【令和5年度上期・問4】磁界及び磁束に関する性質
- 【令和5年度上期・問5】直流回路の消費電力
- 【令和5年度上期・問6】直流回路の電流
- 【令和5年度上期・問7】抵抗の温度変化と電流
- 【令和5年度上期・問8】RLC直列共振回路
- 【令和5年度上期・問9】交流回路の力率
- 【令和5年度上期・問10】インダクタンスに生じる電圧
- 【令和5年度上期・問11】ホール素子の動作原理
- 【令和5年度上期・問12】ゼーベック効果
- 【令和5年度上期・問13】コレクタ接地増幅回路
- 【令和5年度上期・問14】二電力計法による三相電力の測定
- 【令和5年度上期・問15】平衡三相回路の消費電力
- 【令和5年度上期・問16】直流電圧計を使用した測定
- 【令和5年度上期・問17】複数種の誘電体からなるコンデンサ
- 【令和5年度上期・問18】振幅変調と直線検波回路
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【令和5年度上期・問1】平行平板コンデンサの電界と電束密度と電荷
電極板面積と電極板間隔が共に $S[m^2]$ と $d[m]$ で,一方は比誘電率が $\epsilon_{r1}$ の誘電体からなる平行平板コンデンサ $C1$ と、他方は比誘電率が $\epsilon{r2}$ の誘電体からなる平行平板コンデンサ $C_2$ がある。今、これらを図のように並列に接続し 端子 A, B間に直流電圧 $V_0$ [V]を加えた。このとき,コンデンサ $C_1$ の電極板間の電界の強さを $E_1[V/m]$,電束密度を $D_1[C/m^2]$,また,コンデンサ $C_2$ の電極板間の電界の強さを $E_2[V/m]$,電束密度を $D_2[C/m^2]$ とする。両コンデンサの電界の強さ $E_1[V/m]$ と $E_2$ [V/m] はそれぞれ (ア) であり、電束密度 $D_1[C/m^2]$ と $D_2[C/m^2]$ はそれぞれ (イ) である。したがって,コンデンサ $C_1$ に蓄えられる電荷を $Q_1$ [C], コンデンサ $C_2$ に蓄えられる電荷を $Q_2$ [C] とすると、それらはそれぞれ (ウ) となる。 ただし、電極板の厚さ及びコンデンサの端効果は、無視できるものとする。また、真空の誘電率を $\epsilon_0[F/m]$ とする。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる式の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| (1) | $E_1=\frac{\epsilon_{r1}}{d}V_0$、 $E_2=\frac{\epsilon_{r2}}{d}V_0$ | $D_1=\frac{\epsilon_{r1}}{d}SV_0$、 $D_2=\frac{\epsilon_{r2}}{d}SV_0$ | $Q_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}SV_0$、 $Q_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}SV_0$ |
| (2) | $E_1=\frac{\epsilon_{r1}}{d}V_0$、 $E_2=\frac{\epsilon_{r2}}{d}V_0$ | $D_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}V_0$、 $D_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}V_0$ | $Q_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}SV_0$、 $Q_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}SV_0$ |
| (3) | $E_1=\frac{V_0}{d}$、 $E_2=\frac{V_0}{d}$ | $D_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}SV_0$、 $D_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}SV_0$ | $Q_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}V_0$、 $Q_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}V_0$ |
| (4) | $E_1=\frac{V_0}{d}$、 $E_2=\frac{V_0}{d}$ | $D_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}V_0$、 $D_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}V_0$ | $Q_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}SV_0$、 $Q_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}SV_0$ |
| (5) | $E_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}SV_0$、 $E_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}SV_0$ | $D_1=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r1}}{d}V_0$、 $D_2=\frac{\epsilon_0\epsilon_{r2}}{d}V_0$ | $Q_1=\frac{\epsilon_0}{d}SV_0$、 $Q_2=\frac{\epsilon_0}{d}SV_0$ |
解説
正解は(4)です。
コンデンサ $C_1, C_2$ は並列接続されているため、どちらのコンデンサにも電圧 $V_0$ がかかります。したがって電界の強さは次式のようになります。
$$E_1 = E_2 = \frac{V_0}{d}$$
電束密度 $D$ は $D = \epsilon E$ であるため、それぞれ次式のようになります。
$$D_1 = \epsilon0\epsilon{r1}E_1 = \frac{\epsilon0\epsilon{r1}}{d}V_0$$
$$D_2 = \epsilon0\epsilon{r2}E_2 = \frac{\epsilon0\epsilon{r2}}{d}V_0$$
コンデンサに蓄えられる電荷 $Q$ は $Q = DS$ であるため、それぞれ次式のようになります。
$$Q_1 = D_1S = \frac{\epsilon0\epsilon{r1}}{d}SV_0$$
$$Q_2 = D_2S = \frac{\epsilon0\epsilon{r2}}{d}SV_0$$

【令和5年度上期・問2】静電界に関する性質
静電界に関する次の記述のうち、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 媒質中に置かれた正電荷から出る電気力線の本数は、その電荷の大きさに比例し,媒質の誘電率に反比例する。 (2) 電界中における電気力線は、相互に交差しない。 (3) 電界中における電気力線は、等電位面と直交する。 (4) 電界中のある点の電気力線の密度は、その点における電界の強さ(大きさ)を表す。 (5) 電界中に置かれた導体内部の電界の強さ(大きさ)は、その導体表面の電界の強さ(大きさ)に等しい。
解説
正解は(5)です。
静電平衡状態にある導体の内部では、電荷の移動が起きていないため、導体内部の電界の強さは常に0となります。したがって、導体表面の電界の強さと等しいとする(5)の記述が誤りとなります。

【令和5年度上期・問3】磁気回路の磁気抵抗
磁気回路における磁気抵抗に関する次の記述のうち、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 磁気抵抗は、次の式で表される。磁気抵抗=起磁力/磁束 (2) 磁気抵抗は、磁路の断面積に比例する。 (3) 磁気抵抗は、比透磁率に反比例する。 (4) 磁気抵抗は、磁路の長さに比例する。 (5) 磁気抵抗の単位は、 $[H^{-1}]$ である。
解説
正解は(2)です。
磁気抵抗 $R_m$ は、磁路の長さを $l$、断面積を $S$、透磁率を $\mu$ とすると次式で表されます。
$$R_m = \frac{l}{\mu S}$$
この式から、磁気抵抗は磁路の断面積 $S$ に反比例することがわかります。したがって(2)が誤りとなります。

【令和5年度上期・問4】磁界及び磁束に関する性質
磁界及び磁束に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 1m当たりの巻数がNの無限に長いソレノイドに電流I [A] を流すと、ソレノイドの内部には磁界 H = NI [A/m] が生じる。磁界の大きさは、ソレノイドの寸法や内部に存在する物質の種類に影響されない。 (2) 均一磁界中において、磁界の方向と直角に置かれた直線状導体に直流電流を流すと、導体には電流の大きさに比例した力が働く。 (3) 2本の平行な直線状導体に反対向きの電流を流すと、導体には導体間距離の2乗に反比例した反発力が働く。 (4) フレミングの左手の法則では、親指の向きが導体に働く力の向きを示す。 (5) 磁気回路において、透磁率は電気回路の導電率に、磁束は電気回路の電流にそれぞれ対応する。
解説
正解は(3)です。
2本の平行な直線状導体に電流を流したときに働く力 $F$ は、電流を $I_1, I_2$、距離を $r$ とすると次式で表されます。
$$F = \frac{\mu_0 I_1 I_2}{2\pi r}$$
この式から、導体に働く力は距離 $r$ に反比例することがわかります。距離の2乗に反比例するわけではないため、(3)が誤りとなります。

【令和5年度上期・問5】直流回路の消費電力
図の直流回路において,抵抗 $R=10~\Omega$ で消費される電力の値 [W]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 0.28 (2) 1.89 (3) 3.79 (4) 5.36 (5) 7.62
解説
正解は(1)です。
テブナンの定理を用いて、抵抗 $R$ に流れる電流を求めます。回路を $R$ の部分で切り離し、開放電圧 $V_0$ と合成抵抗 $R_0$ を計算することで、消費される電力を導出することができます。
抵抗 $R$ を切り離したときの端子間(ここでは左を端子a、右を端子bとします)の電圧である開放電圧 $V_0$ を計算します。このとき、回路を左右に分けて考えます。
左側の回路(60 V の電源)は、2つの 40 Ω の抵抗による分圧となるため、端子aの電位 $V_a$ は以下のようになります。
$$V_a = 60 \times \frac{40}{40 + 40} = 30$$
右側の回路(80 V の電源)は、2つの 60 Ω の抵抗による分圧となるため、端子bの電位 $V_b$ は以下のようになります。
$$V_b = 80 \times \frac{60}{60 + 60} = 40$$
端子間の開放電圧 $V_0$ は、この2つの電位の差(電位の高い方から低い方を引いた値)になります。
$$V_0 = 40 – 30 = 10$$
回路内のすべての電圧源を短絡(ショート)し、抵抗 $R$ を切り離した端子から見た回路網の合成抵抗 $R_0$ を計算します。
端子aから左側を見ると、2つの 40 Ω の抵抗が並列接続されている状態になります。
$$R_a = \frac{40 \times 40}{40 + 40} = 20$$
端子bから右側を見ると、2つの 60 Ω の抵抗が並列接続されている状態になります。
$$R_b = \frac{60 \times 60}{60 + 60} = 30$$
端子aから端子bへ向かう経路全体から見ると、$R_a$ と $R_b$ は直列に繋がっている状態になるため、全体の合成抵抗 $R_0$ は以下のようになります。
$$R_0 = R_a + R_b = 20 + 30 = 50$$
テブナンの定理により、元の回路は「電圧 $V_0=10$ V、内部抵抗 $R_0=50$ Ω の直列回路に、抵抗 $R=10$ Ω を接続した等価回路」に置き換えられます。したがって、抵抗 $R$ に流れる電流 $I$ は次の通りです。
$$I = \frac{V_0}{R_0 + R} = \frac{10}{50 + 10} = \frac{10}{60} = \frac{1}{6}$$
抵抗 $R=10$ Ω で消費される電力 $P$ は、$P = I^2 R$ の公式で求められます。
$$P = \left(\frac{1}{6}\right)^2 \times 10 = \frac{1}{36} \times 10 = \frac{10}{36} \approx 0.2777\dots$$
計算結果から最も近い値は 0.28 W となります。したがって、正解は (1) です。

【令和5年度上期・問6】直流回路の電流
図のような直流回路において、3Ωの抵抗を流れる電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 0.35 (2) 0.45 (3) 0.55 (4) 0.65 (5) 0.75
解説
正解は(5)です。
キルヒホッフの法則や重ね合わせの理などを適用し、閉回路ごとに方程式を立てることで各抵抗に流れる電流を求めることができます。
【令和5年度上期・問7】抵抗の温度変化と電流
図の回路において、スイッチSを閉じ、直流電源から金属製の抵抗に電流を流したとき、発熱により抵抗の温度が120℃になった。スイッチSを閉じた直後に回路を流れる電流に比べ、抵抗の温度が120℃になったときに回路を流れる電流は、どのように変化するか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし、スイッチSを閉じた直後の抵抗の温度は20℃とし、抵抗の温度係数は一定で 0.005 ℃-1とする。また、直流電源の起電力の大きさは温度によらず一定とし、直流電源の内部抵抗は無視できるものとする。
(1) 変化しない (2) 50%増加 (3) 33%減少 (4) 50%減少 (5) 33%增加
解説
正解は(3)です。
温度 $t$ における抵抗 $R_t$ は、基準温度を20℃とした場合、次式で表されます。
$$R{120} = R{20} {1 + 0.005(120 – 20)} = R{20} (1 + 0.5) = 1.5 R{20}$$
抵抗値が1.5倍になったため、オームの法則により電流は $\frac{1}{1.5} \approx 0.67$ 倍となります。つまり、元の電流から約33%減少することになります。
【令和5年度上期・問8】RLC直列共振回路
次の文章は、RLC 直列共振回路に関する記述である。 R [ ]の抵抗、インダクタンスL [H]のコイル、静電容量C [F]のコンデンサを直列に接続した回路がある。 この回路に交流電圧を加え,その周波数を変化させると、特定の周波数 $f_r$ [Hz]のときに誘導性リアクタンス $X_L = 2\pi f_r L$ [Ω]と容量性リアクタンス $X_C = \frac{1}{2\pi f_r C}$ [Ω]の大きさが等しくなり、その作用が互いに打ち消し合って回路のインピーダンスが (ア) なり、 (イ) 電流が流れるようになる。この現象を直列共振といい,このときの周波数 $f_r$ [Hz] をその回路の共振周波数という。回路のリアクタンスは共振周波数 $f_r$ [Hz]より低い周波数では (ウ) となり、電圧より位相が (エ) 電流が流れる。また,共振周波数 $f_r$ [Hz]より高い周波数では (オ) となり、電圧より位相が (カ) 電流が流れる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(カ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ)・(エ)・(オ)・(カ) |
|---|---|---|---|
| (1) | 大きく | 小さな | 遅れた・誘導性・容量性・進んだ |
| (2) | 小さく | 大きな | 進んだ・容量性・遅れた・誘導性 |
| (3) | 小さく | 大きな | 容量性・進んだ・誘導性・遅れた |
| (4) | 大きく | 小さな | 誘導性・遅れた・進んだ・容量性 |
| (5) | 小さく | 大きな | 容量性・遅れた・誘導性・進んだ |
解説
正解は(3)です。
直列共振時、リアクタンスが打ち消し合うため回路のインピーダンスは最小となり、最大の電流が流れます。 周波数が共振周波数より低い場合は容量性リアクタンスの影響が大きくなるため、回路は容量性となり、電圧より電流の位相が進みます。 周波数が共振周波数より高い場合は誘導性リアクタンスの影響が大きくなるため、回路は誘導性となり、電圧より電流の位相が遅れます。
【令和5年度上期・問9】交流回路の力率
図のように、抵抗R [ ]と誘導性リアクタンス $X_L$ [Q]が直列に接続された交流回路がある。 $\frac{R}{X_L}=\frac{1}{\sqrt{2}}$ の関係があるとき,この回路の力率 $\cos\theta$ の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 0.43 (2) 0.50 (3) 0.58 (4) 0.71 (5) 0.87
解説
正解は(3)です。
RL直列回路の力率 $\cos\theta$ は次式で求められます。
$$\cos\theta = \frac{R}{\sqrt{R^2 + X_L^2}} = \frac{1}{\sqrt{1 + (\frac{X_L}{R})^2}}$$
条件より $\frac{X_L}{R} = \sqrt{2}$ であるため、代入して計算します。
$$\cos\theta = \frac{1}{\sqrt{1 + (\sqrt{2})^2}} = \frac{1}{\sqrt{3}} \approx 0.58$$
【令和5年度上期・問10】インダクタンスに生じる電圧
図1のように、インダクタンスL=5Hのコイルに直流電流源 が電流i [mA]を供給している回路がある。電流i [mA] は図2のような時間変化をしている。このとき,コイルの端子間に現れる電圧の大きさ |v|の最大値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 0.25 (2) 0.5 (3) 1 (4) 1.25 (5) 1.5
解説
正解は(4)です。
コイルの端子間に現れる電圧の大きさ $|v|$ は、電流の時間変化率を用いて次式で求められます。
$$|v| = L \left| \frac{\Delta i}{\Delta t} \right|$$
グラフから電流の変化率 $\frac{\Delta i}{\Delta t}$ が最大となる区間を見つけます。変化率が最大となる区間において計算すると、電圧は1.25Vとなります。
【令和5年度上期・問11】ホール素子の動作原理
次の文章は、図1及び図2に示す原理図を用いてホール素子の動作原理について述べたものである。 図1に示すように、p形半導体に直流電流I [A]を流し、半導体の表面に対して垂直に下から上向きに磁束密度B [T]の平等磁界を半導体にかけると、半導体内の正孔は進路を曲げられ、電極①には (ア) 電荷,電極②には (イ) 電荷が分布し、半導体の内部に電界が生じる。また、図2のn形半導体の場合は、電界の方向はp形半導体の方向と (ウ) である。この電界により、電極①-②間にホール電圧 $V_H = R_H \times$ (エ) [V]が発生する。 ただし,d [m]は半導体の厚さを示し, $R_H$ は比例定数 $[m^3/C]$ である。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 負 | 正 | 同じ | $\frac{B}{Id}$ |
| (2) | 負 | 正 | 同じ | $\frac{Id}{B}$ |
| (3) | 正 | 負 | 同じ | $\frac{d}{BI}$ |
| (4) | 負 | 正 | 反対 | $\frac{BI}{d}$ |
| (5) | 正 | 負 | 反対 | $\frac{BI}{d}$ |
解説
正解は(5)です。
p形半導体では多数キャリアである正孔(正電荷)が電流と同じ向きに移動し、ローレンツ力によって電極①の方向に曲げられます。そのため電極①に正電荷、電極②に負電荷が蓄積されます。 n形半導体では多数キャリアである電子(負電荷)が電流と逆向きに移動し、同様にローレンツ力を受けて電極①の方向に曲げられます。そのため電極①に負電荷が蓄積され、電界の方向は反対になります。 ホール電圧 $V_H$ は次式で表されます。
$$V_H = R_H \frac{BI}{d}$$
【令和5年度上期・問12】ゼーベック効果
図のように、異なる2種類の金属A, Bで一つの閉回路を作り、その二つの接合点を異なる温度に保てば、 (ア)。この現象を (イ) 効果という。
上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) |
|---|---|---|
| (1) | 電流が流れる | ホール |
| (2) | 抵抗が変化する | ホール |
| (3) | 金属の長さが変化する | ゼーベック |
| (4) | 電位差が生じる | ペルチェ |
| (5) | 起電力が生じる | ゼーベック |
解説
正解は(5)です。
2種類の異なる金属の両端を接合して閉回路を作り、二つの接合部に温度差を与えると、その回路に起電力が生じて電流が流れます。この現象をゼーベック効果といいます。
【令和5年度上期・問13】コレクタ接地増幅回路
図のコレクタ接地増幅回路に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 電圧增幅度は約1である。 (2) 入力インピーダンスが大きい。 (3) 出力インピーダンスが小さい。 (4) 緩衝増幅器として使用されることがある。 (5) 増幅回路内部で発生するひずみが大きい。
解説
正解は(5)です。
コレクタ接地増幅回路(エミッタホロワ回路)は、負帰還が深くかかっているため、増幅回路内部で発生するひずみは小さくなります。したがって(5)が誤りとなります。
【令和5年度上期・問14】二電力計法による三相電力の測定
図のように、線間電圧200Vの対称三相交流電源から三相平衡負荷に供給する電力を二電力計法で測定する。2台の電力計 $W_1$ 及び $W_2$ を正しく接続したところ、電力計 $W_2$ の指針が逆振れを起こした。電力計 $W_2$ の電圧端子の極性を反転して接続した後、2台の電力計の指示値は、電力計 $W_1$ が 490W,電力計 $W_2$ が 25 Wであった。このときの対称三相交流電源が三相平衡負荷に供給する電力の値[W]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし、三相交流電源の相回転はa, b, cの順とし、電力計の電力損失は無視できるものとする。
(1) 25 (2) 258 (3) 465 (4) 490 (5) 515
解説
正解は(3)です。
二電力計法では、三相電力 $P$ は2台の電力計の指示値の和として求められます。一方の電力計が逆振れを起こし、電圧端子の極性を反転させて測定した場合、その値は負の値として計算する必要があります。
$$P = W_1 + W_2 = 490 + (-25) = 465 \text{ [W]}$$
【令和5年度上期・問15】平衡三相回路の消費電力
図の平衡三相回路について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 端子a, cに100Vの単相交流電源を接続したところ、回路の消費電力は200Wであった。抵抗Rの値[ ]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (1) 0.30 (2) 30 (3) 33 (4) 50 (5) 83
(b) 端子 a, b, c に線間電圧 200Vの対称三相交流電源を接続したときの全消費電力の値[kW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (1) 0.48 (2) 0.80 (3) 1.2 (4) 1.6 (5) 4.0
解説
(a) 正解は(2)です。 端子a, c間に単相交流電源を接続した場合、回路の構成を解きほぐして端子間の合成抵抗 $R_{ac}$ を求めます。消費電力と電圧の関係から合成抵抗が導出され、さらに抵抗 $R$ の値を計算することができます。
(b) 正解は(4)です。 三相電源を接続したときの回路の1相分の等価回路を考え、Y結線や $\Delta$ 結線の変換などを用いて全消費電力を計算します。
【令和5年度上期・問16】直流電圧計を使用した測定
内部抵抗が 15kΩの150V 測定端子と内部抵抗が 10kΩの100V 測定端子をもつ永久磁石可動コイル形直流電圧計がある。この直流電圧計を使用して、図のように、電流I [A]の定電流源で電流を流して抵抗Rの両端の電圧を測定した。 測定I: 150Vの測定端子で測定したところ、直流電圧計の指示値は 101.0 Vであった。 測定II: 100Vの測定端子で測定したところ、直流電圧計の指示値は99.00 Vであった。 次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし、測定に用いた機器の指示値に誤差はないものとする。
(a) 抵抗Rの抵抗値 [Ω] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (1) 241 (2) 303 (3) 362 (4) 486 (5) 632
(b) 電流Iの値 [A] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (1) 0.08 (2) 0.17 (3) 0.25 (4) 0.36 (5) 0.49
解説
(a) 正解は(5)です。 測定I、測定IIにおける電圧計の内部抵抗と指示値、並列接続のオームの法則を用いて関係式を立てます。この連立方程式を解くことで抵抗Rの抵抗値を求めることができます。
(b) 正解は(2)です。 (a) で求めた抵抗Rの値と、電圧計の測定値などを用いて、回路全体に流れ込む定電流源の電流Iを計算します。
【令和5年度上期・問17】複数種の誘電体からなるコンデンサ
図のように、極板間の厚さd [m], 表面積S [m²] の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は、比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され、極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は、比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサ A の各誘電体内部の電界の強さをそれぞれ $E{A1}$, $E{A2}$, $E{A3}$, コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれ $E{B1}$, $E{B2}$, $E{B3}$ とし、端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また、真空の誘電率を $\epsilon_0[F/m]$ とする。 両コンデンサの上側の極板に電圧V [V]の直流電源を接続し、下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) コンデンサAにおける各誘電体内部の電界の強さの大小関係とその中の最大値の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (1) $E{A1}>E{A2}>E{A3}$ , $\frac{3V}{5d}$ (2) $E{A1}<E{A2}<E{A3}$ , $\frac{3V}{5d}$ (3) $E{A1}=E{A2}=E{A3}$ , $\frac{V}{d}$ (4) $E{A1}>E{A2}>E{A3}$ , $\frac{9V}{5d}$ (5) $E{A1}<E{A2}<E_{A3}$ , $\frac{9V}{5d}$
(b) コンデンサA全体の蓄積エネルギーは、コンデンサB全体の蓄積エネルギーの何倍か、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (1) 0.72 (2) 0.83 (3) 1.00 (4) 1.20 (5) 1.38
解説
(a) 正解は(4)です。 コンデンサAは各誘電体が直列に積層されているため、各層の電束密度 $D$ は一定となります。電界の強さ $E = \frac{D}{\epsilon}$ の関係より、比誘電率が小さい層ほど電界の強さは大きくなります。
(b) 正解は(2)です。 コンデンサAは3つのコンデンサが直列接続されたもの、コンデンサBは3つのコンデンサが並列接続されたものとしてそれぞれの合成静電容量を求めます。エネルギーの式 $W = \frac{1}{2}CV^2$ に当てはめることでエネルギーの比を計算することができます。
【令和5年度上期・問18】振幅変調と直線検波回路
振幅変調について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 図1の波形は、正弦波である信号波によって搬送波の振幅を変化させて得られた変調波を表している。この変調波の変調度の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (1) 0.33 (2) 0.5 (3) 1.0 (4) 2.0 (5) 3.0
(b) 次の文章は、直線検波回路に関する記述である。 振幅変調した変調波の電圧を、図2の復調回路に入力して復調したい。コンデンサC [F]と抵抗R [ ]を並列接続した合成インピーダンスの両端電圧に求められることは、信号波の成分が (ア) ことと、搬送波の成分が (イ) ことである。そこで、合成インピーダンスの大きさは、信号波の周波数に対してほぼ抵抗R [Ω]となり、搬送波の周波数に対して十分に (ウ) なくてはならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア)・(イ) | (ウ) |
|---|---|---|
| (1) | ある、なくなる | 大きく |
| (2) | ある、なくなる | 小さく |
| (3) | なくなる、ある | 小さく |
| (4) | なくなる、なくなる | 小さく |
| (5) | なくなる、ある | 大きく |
解説
(a) 正解は(2)です。 変調度 $m$ は、変調波の最大振幅と最小振幅を用いて次式で求められます。波形から読み取った値を代入して計算します。
$$m = \frac{A{max} – A{min}}{A{max} + A{min}}$$
(b) 正解は(2)です。 直線検波回路の負荷において、信号波の成分だけを取り出す必要があるため、信号波の成分が「ある」ことと、搬送波の成分が「なくなる」ことが求められます。したがって合成インピーダンスの大きさは、搬送波の周波数に対して十分に「小さく」なる必要があります。
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