【電験3種・理論】テブナンの定理とは?使い方と試験対策、過去問題

電験三種(理論)で出題される「テブナンの定理」の使い方とは?試験対策と過去問題について解説します。

テブナンの定理

テブナンの定理を使うと以下図のように「複雑な回路網(左)」を「シンプルな等価回路(右)」に変換し、複雑な回路網に流れる電流をオームの法則で簡単に求めることができます。

変換方法

等価回路への変換方法は以下のとおりです。

① 電流を求めたい部分(a-bの左側と右側)を切り離します。
② 切り離したa-bの右側(複雑な回路網側)から等価電源$V_0$を求めます。(切り離した回路網の開放端電圧)
③ 切り離したa-bの右側(複雑な回路網側)から等価抵抗$R_0$を求めます。(その端子から見た回路網の合成抵抗)
電圧源はすべて短絡除去電流源はすべて開放除去します。
④ 等価回路に変換します。

等価回路の抵抗 $R$ に流れる電流 $I$ は次式で計算できます。

$$I = \frac{V_0}{R_0 + R}$$

【令和2年度・問10】テブナンの定理と過渡現象

図

図の回路のスイッチを閉じたあとの電圧 () の波形を考える。破線から左側にテブナンの定理を適用することで,回路の時定数 [s] と () の最終値 [V] を求めよ。

ただし,初めスイッチは開いており,回路は定常状態にあったとする。

解説

図

題意のとおり、破線の左右で回路を分離すると、等価電源$V_0$[V]は以下のとおり。

$V_0=\frac{1}{3+1}\times 10 =2.5$[V]

等価抵抗$R_0$[Ω]は以下のとおり(電源は短絡除去して考える)。

$R_0=\frac{3\times 1}{3+1}=0.75$[Ω]

時定数$\tau$は以下のとおり。

$\tau =CR_0=1\times 0.75=0.75$[s]

$v(t)$は最終的に$V_0$すべての電圧が加わるので、$V_C=V_0=2.5[V]$となる。

【令和6年度上期・問5】直流回路における消費電力

図の直流回路において,抵抗 $R=10 [\Omega]$ で消費される電力の値 $\text{[W]}$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) (2) (3) (4) (5)
電力 $\text{[W]}$ 0.28 1.89 3.79 5.36 7.62

解説

正解は(1)です。

複雑な直流回路において、特定の抵抗で消費される電力を求めるには、テブナンの定理やミルマンの定理を用いるのが有効です。テブナンの定理を用いて抵抗 $R=10 [\Omega] $ を切り離したときの開放端電圧 $V_0$ と、その端子から見た回路網の合成抵抗 $R_0$ を求めると、抵抗 $R$ に流れる電流 $I$ は次式で計算できます。

$$I = \frac{V_0}{R_0 + R}$$

抵抗 $R$ を回路から取り除き、その接続点を端子 a, b とします。各枝路において分圧の法則を適用し、端子 a および端子 b の電位 $V_a, V_b$ を求めます。

$V_a = 60 \times \frac{40}{40 + 40} = 30 \text{ [V]}$

$V_b = 80 \times \frac{60}{60 + 60} = 40 \text{ [V]}$

開放端電圧 $V_0$ は、これらの電位差の絶対値として求められます。

$$V_0 = |V_b – V_a| = |40 – 30| = 10 \text{ [V]}$$

回路内の電圧源をすべて短絡し、端子 a, b から回路側を見た合成抵抗 $R_0$ を求めます。

このとき回路は、 $40 [\Omega]$ 抵抗 2 個の並列接続と、 $60 [\Omega]$ 抵抗 2 個の並列接続が直列に接続された構成となります。

$$R_0 = \frac{40 \times 40}{40 + 40} + \frac{60 \times 60}{60 + 60} = 20 + 30 = 50 [\Omega]$$

テブナンの等価回路に抵抗 $R = 10 [\Omega]$ を接続したときに流れる電流 $I$ を求めます。

$$I = \frac{V_0}{R_0 + R} = \frac{10}{50 + 10} = \frac{10}{60} = \frac{1}{6} \text{ [A]}$$

抵抗 $R$ で消費される電力 $P$ は、電流 $I$ の 2 乗に抵抗値を乗じて算出します。

$$P = I^2 R = \left( \frac{1}{6} \right)^2 \times 10 = \frac{10}{36} \approx 0.278 \text{ [W]}$$

以上の計算より、消費電力の値として最も近いものは 0.28 [W] となります。

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