【電験3種・法規】地上設置や工場屋根上の太陽電池発電所に柵・塀・フェンスを施設する必要性

電験3種(法規)で出題される「地上設置や工場屋根上の太陽電池発電所に柵・塀・フェンスを施設する必要性」について解説します。

【解釈第38条第1項】地上設置型の太陽電池発電所

電気設備の技術基準の解釈の第38条第1項で以下のように規定されています。

【発電所等への取扱者以外の者の立入の防止】(省令第23条第1項)
第38条 高圧又は特別高圧の機械器具及び母線等(以下、この条において「機械器具等」という。)を屋外に施設する発電所、蓄電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所(以下、この条において「発電所等」という。)は、次の各号により構内に取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じること。ただし、土地の状況により人が立ち入るおそれがない箇所については、この限りでない
 一 さく、へい等を設けること
 二 特別高圧の機械器具等を施設する場合は、前号のさく、へい等の高さと、さく、へい等から充電部分までの距離との和は、38-1表に規定する値以上とすること。
 三 出入口に立入りを禁止する旨を表示すること。
 四 出入口に施錠装置を施設して施錠する等、取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じること

2 (略)

解説

さらに電気設備の技術基準の解釈の解説で以下のように解説されています。

第38条【発電所等への取扱者以外の者の立入の防止】
〔解 説〕 本条は、高圧又は特別高圧の機械器具等を施設する発蓄変電所等において、取扱者以外の者が構内に立ち入らないような措置を講ずることを示している。

第1項は、高圧又は特別高圧の機械器具等を屋外に施設する発蓄変電所等は、土地の状況により人の立ち入るおそれがない箇所を除き、第一号から第四号によることとしている。ここで、「土地の状況により」というのは、河川や断崖のように人が立ち入るおそれがないものを指している。

第一号は、発蓄変電所等の構内に取扱者以外の一般公衆が立ち入らないようにさく、へい等を設けることを示し、更に特別高圧の機械器具等を施設する場合は、人畜その他物体との接触防止のため、充電部分との離隔について第二号で示している。38-1表に示すさく、へい等の高さとさく、へい等から充電部分までの距離との和については、若干考え方の相違する点もあるが、基本的には特別高圧架空電線の地表上の高さと同様であるので、同じ値にしている(→第87条)。

この場合、さく、へい等と充電部分との離隔については規定していないが、特別高圧架空電線と他の工作物との接近又は交差の規定を参照されたい(→第102条、第106条)。なお、さく、へい等と充電部分との最小離隔距離について、旧電気技術基準調査委員会では解説38.1表の値を提案している。

第三号は、出入口に立入禁止の表示をすることを示し、更に施錠装置を施設して施錠する等、取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じることを第四号に示している。「取扱者以外の者の出入りを制限する措置」には、例えば守衛等が出入りをチェックする場合や、電動シャッターのようなもので出入口を締め切る場合などが考えられる。

解説38.1表 さく、へい等と充電部分との最小離隔距離

使用電圧 最小離隔距離
7kV以下 0.5m
7kVを超え35kV以下 1.5m
35kVを超え80kV以下 2.0m
80kVを超え115kV以下 3.0m
115kVを超え175kV以下 4.0m
175kV超過 mに175kVを超える10kV又はその端数ごとに0.12mを加えた値
つまり、河川や断崖のように人が立ち入るおそれがない立地にある場合等を除き、一般的な地上設置型の太陽電池発電所は、第三者が立入らないように柵・塀・フェンスを設置し、出入口に立入り禁止表示をしたり、施錠する必要があります。

【解釈第38条第3項】工場屋根上の太陽電池発電所

電気設備の技術基準の解釈の第38条第3項で以下のように規定されています。

3 高圧又は特別高圧の機械器具等を施設する発電所等を次の各号のいずれかにより施設する場合は、第1項及び第2項の規定によらないことができる
 一 工場等の構内において、次により施設する場合
  イ 構内境界全般にさく、へい等を施設し、一般公衆が立ち入らないように施設すること。
  ロ 危険である旨の表示をすること。
  ハ 高圧の機械器具等は、第21条第一号、第三号、第四号又は第五号(ロを除く。)の規定に準じて施設すること。
  ニ 特別高圧の機械器具等は、第22条第1項第一号、第三号、第四号、第五号又は第六号の規定に準じて施設すること。
 二 次により施設する場合
  イ 高圧の機械器具等は、次のいずれかによること。
   (イ) 第21条第四号の規定に準じるとともに、機械器具等を収めた箱を施錠すること。
   (ロ) 第21条第五号(ロを除く。)の規定に準じて施設すること。
  ロ 特別高圧の機械器具等は、次のいずれかによること。
   (イ) 次によること。
    (1) 機械器具を絶縁された箱又はA種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設すること。
    (2) 機械器具等を収めた箱を施錠すること。
   (ロ) 第22条第1項第五号の規定に準じて施設すること。
  ハ 危険である旨の表示をすること。
  ニ 高圧又は特別高圧の機械器具相互を接続する電線(隣接して施設する機械器具相互を接続するものを除く。)であって、取扱者以外の者が立ち入る場所に施設するものは、第3章の規定に準じて施設すること。

38-1表

充電部分の使用電圧の区分 さく、へい等の高さと、さく、へい等から充電部分までの距離との和
35,000V以下 5m
35,000Vを超え160,000V以下 6m
160,000V超過 (6+c)m

(備考) cは、使用電圧と160,000Vの差を10,000Vで除した値(小数点以下を切り上げる。)に0.12を乗じたもの

解説

さらに電気設備の技術基準の解釈の解説で以下のように解説されています。

第3項は、公衆保安が確保されている発蓄変電所等においては、その発蓄変電所等の周りに更にさく、へい等の施設や取扱者以外の者の立入りを制限する措置を講じなくてもよいことを示している。

第一号は、さく、へい等により一般公衆が立ち入らないようにしている工場等の構内にある発蓄変電所等は、危険である旨を表示するとともにハ及びニにより施設すれば、第1項及び第2項で規定するさく、へい等の施設や取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じなくてもよいこととしている。

第二号は、従来、風力発電所で認められていた施設方法について、その他の設備でも同様に施設できることを明確にするため、H23解釈で追加したものである。中小工場等の受電場所又は風力発電所若しくは太陽電池発電所等に施設する高圧又は特別高圧の機械器具等を、イからニにより施設すれば、第1項及び第2項で規定するさく、へい等の施設や取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じなくてもよいこととしている。具体的には、高圧又は特別高圧の機械器具等は、キュービクル等に収納して施錠するか、人が容易に触れるおそれがないように架台の上に施設し、いずれの場合においても危険である旨を表示することとしている。

また、機械器具相互を接続する電線については、電線路と同等に施設することとしており、取扱者以外の者が発蓄変電所等の構内に立ち入った場合でも、保安が確保されるようにしている。

つまり、工場構内の屋根上に設置する太陽電池発電所は、「第三者が立入らないように構内境界全般に柵・塀・フェンスを設置し、出入口に立入り禁止表示をしたり、施錠する必要があります。

【太技省令第3条】太陽電池発電所の危険な施設等の防止

発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」で以下のように規定されています。

(人体に危害を及ぼし、物件に損傷を与えるおそれのある施設等の防止)
第3条 太陽電池発電所を設置するに当たっては、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように施設しなければならない。

2 発電用太陽電池設備が小規模発電設備である場合には、前項の規定は、同項中「太陽電池発電所」とあるのは「発電用太陽電池設備」と読み替えて適用するものとする。

逐条解説

発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈 に関する逐条解説」で以下のように解説されています。

取扱者以外の者又は物件に対して危害や損害を与えるおそれがないように適切な措置を講ずるべきことを規定している。 具体的に講ずるべき措置の例としては、太陽電池発電所の機械器具が故障等で発火した際、周辺に炎を当てると容易に燃え広がる可燃物(枯れた草木等)が存在すると、それに飛び火し広範囲に延焼するおそれがあることから、そうした事態の発生を防止するために、あらかじめ発火の可能性のある機械器具(パワーコンディショナー等)の周囲の枯れた草木を除去する、難燃性の防草シートを敷く、砕石を敷き詰めるなどの、炎を当てると容易に燃え広がる可燃物への延焼防止措置を講じ、それを適切に維持する(例えば、防草シートを敷く場合には、定期的にシートの点検・交換を行い、劣化によりその機能が損なわれないようにするなど)ことなどがこれに当たる。

つまり、地上設置型や屋根上設置型などの太陽電池発電所は、PCS等の発火の危険性がある機器が火災時に延焼しないように施設し、維持する必要があります。

【太技解釈第2条】小規模発電設備の取扱者以外に対する侵入防止措置

発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈」で以下のように解説されています。

第2条 【取扱者以外に対する侵入防止措置】(省令第3条の 2)
機械器具及び母線等(以下、この条において「機械器具等」という。)を屋外に施設する太陽電池発電設備であって、小規模発電設備であるもの(一般用電気工作物であるものを除く。次項において同じ。)は、次の各号により当該太陽電池発電設備を設置する場所に取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じること。ただし、土地の状況により人が立ち入るおそれがない箇所については、この限りでない。
 一 さく、へい等を設けること。
 二 出入口に立入りを禁止する旨を表示すること。
 三 出入口に施錠装置を施設して施錠する等、取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じること。
2 機械器具等を施設する太陽電池発電設備を次の各号のいずれかにより施設する場合は、第 1 項の規定によらないことができる。
 一 工場等の構内において、電気設備の技術基準の解釈(20130215 商局第 4 号。以下この条において「電技解釈」という。)第38条第3項第1号イからハまでに掲げる方法により施設する場合
 二 機械器具等を次のいずれかにより施設する場合。
  イ 電技解釈第21条第4号の規定に準じるとともに、機械器具等を収めた箱を施錠すること。
  ロ 充電部分が露出しない機械器具を、次のいずれかにより施設すること。
  (イ) 機械器具を地表上 2m 以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること。
  (ロ) 機械器具に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は機械器具を金属管に収める等の防護措置を施すこと。

発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈 に関する逐条解説」で引用されている民間ガイドラインである「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン 2024 年版」のp.47で以下の説明があります。

また、勾配屋根への設置を想定した場合、建物の所有者・占有者および利用者が接触できる可能性も低い。他方で陸屋根などの場合、建物の所有者・占有者および利用者が接触できる可能性もあるため、さく・塀等の設置が可能な場合は、接触防護措置として有効である。

【FIT制度上】工場屋根上の太陽電池発電所の柵・塀

FIT制度に基づく標識及び柵塀等の設置義務に関するお知らせ(注意喚起) 」では以下の説明があります。

柵塀等の設置が困難な場合(屋根置きや屋上置き等)や第三者が発電設備に近づくことが 容易でない場合(塀つきの庭に設置する場合、私有地の中に発電設備が設置され、その設置場所が公道から相当程度離れた距離にある場合等)には、柵塀等の設置を省略することができる

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