電験3種(法規)で出題される電技28-31条「他の電線、他の工作物等への危険の防止」の試験対策と過去問題を解説します。
【第28条】電線の混触の防止
電技の28では、「電線の混触の防止)」にとして、以下のとおり規定されています。
(電線の混触の防止)
第28条 電線路の電線、電力保安通信線又は電車線等は、他の電線又は弱電流電線等と接近し、若しくは交さする場合又は同一支持物に施設する場合には、他の電線又は弱電流電線等を損傷するおそれがなく、かつ、接触、断線等によって生じる混触による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
電技解釈第49条では、「接近」の区分が具体的に定義されています。
【電線路に係る用語の定義】(省令第1条)
第49条 この解釈において用いる電線路に係る用語であって、次の各号に掲げるものの定義は、当該各号による。
(省略)
九 第1次接近状態 架空電線が、他の工作物と接近する場合において、当該架空電線が他の工作物の上方又は側方において、水平距離で3m以上、かつ、架空電線路の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に施設されることにより、架空電線路の電線の切断、支持物の倒壊等の際に、当該電線が他の工作物に接触するおそれがある状態
十 第2次接近状態 架空電線が他の工作物と接近する場合において、当該架空電線が他の工作物の上方又は側方において水平距離で3m未満に施設される状態
十一 接近状態 第1次接近状態及び第2次接近状態
電技解釈80条では、併架(同一支持物に高圧架空電線と低圧架空電線を施設すること)について以下のとおり記載されています。
【低高圧架空電線等の併架】(省令第28条)[R01:問8で出題]
第80条 低圧架空電線と高圧架空電線とを同一支持物に施設する場合は、次の各号のいずれかによること。
一 次により施設すること。
イ 低圧架空電線を高圧架空電線の下に施設すること。
ロ 低圧架空電線と高圧架空電線は、別個の腕金類に施設すること。
ハ 低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は、0.5m以上であること。ただし、かど柱、分岐柱等で混触のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
二 高圧架空電線にケーブルを使用するとともに、高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を0.3m以上とすること。
(以下略)
電技解釈81条では、共架(同一支持物に低圧架空電線と架空弱電流電線を施設すること)について以下のとおり記載されています。
【低高圧架空電線と架空弱電流電線等との共架】(省令第28条)
第81条 低圧架空電線又は高圧架空電線と架空弱電流電線等とを同一支持物に施設する場合は、次の各号により施設すること。ただし、架空弱電流電線等が電力保安通信線である場合は、この限りでない。
一 電線路の支持物として使用する木柱の風圧荷重に対する安全率は、1.5以上であること。(関連省令第32条第1項)
二 架空電線を架空弱電流電線等の上とし、別個の腕金類に施設すること。ただし、架空弱電流電線路等の管理者の承諾を得た場合において、低圧架空電線に高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線又はケーブルを使用するときは、この限りでない。
三 架空電線と架空弱電流電線等との離隔距離は、81-1表に規定する値以上であること。ただし、架空電線路の管理者と架空弱電流電線路等の管理者が同じ者である場合において、当該架空電線に有線テレビジョン用給電兼用同軸ケーブルを使用するときは、この限りでない。
81-1表
(以下、略)
※共架されている低圧架空電線と架空弱電流電線等との離隔距離は原則0.75m以上(高圧架空電線と架空弱電流電線等との離隔距離は原則1.5m以上)
電技解釈70条では、高圧保安工事(安全を保つために行う工事)について以下のとおり記載されています。
【低圧保安工事及び高圧保安工事】(省令第6条、第32条第1項)
第70条 低圧架空電線路の電線の断線、支持物の倒壊等による危険を防止するため必要な場合に行う、低圧保安工事は、次の各号によること。(省略)
【2021年度問6】
2 高圧架空電線路の電線の断線、支持物の倒壊等による危険を防止するため必要な場合に行う、高圧保安工事は、次の各号によること。
一 電線はケーブルである場合を除き、引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線であること。
二 木柱の風圧荷重に対する安全率は、1.5以上であること。
三 径間は、70-2表によること。ただし、電線に引張強さ14.51kN以上のもの又は断面積38mm2以上の硬銅より線を使用する場合であって、支持物にB種鉄筋コンクリート柱、B種鉄柱又は鉄塔を使用するときは、この限りでない。
【70-2表】【2021年度問6】
| 支持物の種類 | 径間 |
|---|---|
| 木柱、A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱 | 100m以下 |
| B種鉄筋コンクリート柱又はB種鉄柱 | 150m以下 |
| 鉄塔 | 400m以下 |
【第29条】電線による他の工作物等への危険の防止
(電線による他の工作物等への危険の防止)
第29条 電線路の電線又は電車線等は、他の工作物又は植物と接近し、又は交さする場合には、他の工作物又は植物を損傷するおそれがなく、かつ、接触、断線等によって生じる感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

【第30条】地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止
【令和5年下期 問5で出題】
(地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止)
第30条 地中電線、屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は、他の電線、弱電流電線等又は管(他の電線等という。以下この条において同じ。)と接近し、又は交さする場合には、故障時のアーク放電により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。ただし、感電又は火災のおそれがない場合であって、他の電線等の管理者の承諾を得た場合は、この限りでない。
また、省令第47条で「地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには,防火措置を講じなければならない。」とあります。
解釈125条
電技解釈125条では、「地中電線と他の地中電線等との接近又は交差」について具体的な内容(離隔距離など)が記載されています。
【2023年度問6で出題】
【地中電線と他の地中電線等との接近又は交差】(省令第30条)
第125条 低圧地中電線と高圧地中電線とが接近又は交差する場合、又は低圧若しくは高圧の地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合は、次の各号のいずれかによること。ただし、地中箱内についてはこの限りでない。
一 低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離が、0.15m以上であること。
二 低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離が、0.3m以上であること。
三 暗きょ内に施設し、地中電線相互の離隔距離が、0.1m以上であること(第120条第3項第二号イに規定する耐燃措置を施した使用電圧が170,000V未満の地中電線の場合に限る。)。
四 地中電線相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設けること。
五 いずれかの地中電線が、次のいずれかに該当するものである場合は、地中電線相互の離隔距離が、0m以上であること。
イ 不燃性の被覆を有すること。
ロ 堅ろうな不燃性の管に収められていること。
六 それぞれの地中電線が、次のいずれかに該当するものである場合は、地中電線相互の離隔距離が、0m以上であること。
イ 自消性のある難燃性の被覆を有すること。
ロ 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。
(以下略)

【第31条】異常電圧による架空電線等への障害の防止
(異常電圧による架空電線等への障害の防止)
第31条 特別高圧の架空電線と低圧又は高圧の架空電線又は電車線を同一支持物に施設する場合は、異常時の高電圧の侵入により低圧側又は高圧側の電気設備に障害を与えないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。
2 特別高圧架空電線路の電線の上方において、その支持物に低圧の電気機械器具を施設する場合は、異常時の高電圧の侵入により低圧側の電気設備へ障害を与えないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。
【第32条】支持物の倒壊の防止
(支持物の倒壊の防止)
第32条 架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む。)は、その支持物が支持する電線等による引張荷重、10分間平均で風速40m/秒の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件、気象の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。ただし、人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては、その施設場所を考慮して施設する場合は、10分間平均で風速40m/sの風圧荷重の2分の1の風圧荷重を考慮して施設することができる。
2 架空電線路の支持物は、構造上安全なものとすること等により連鎖的に倒壊のおそれがないように施設しなければならない。
【令和5年度上期・問5】支持物の倒壊の防止
次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく支持物の倒壊の防止に関する記述の一部である。
架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む。)は、その支持物が支持する電線等による(ア)、10分間平均で風速(イ)m/sの風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される(ウ)の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。ただし、人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては、その施設場所を考慮して施設する場合は、10分間平均で風速(イ)m/sの風圧荷重の(エ)の風圧荷重を考慮して施設することができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 引張荷重 | 60 | 温度 | 3分の2 |
| (2) | 重量荷重 | 60 | 気象 | 3分の2 |
| (3) | 引張荷重 | 40 | 気象 | 2分の1 |
| (4) | 重量荷重 | 60 | 温度 | 2分の1 |
| (5) | 重量荷重 | 40 | 気象 | 2分の1 |
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第32条第1項(支持物の倒壊の防止)が根拠となっています。
同条文には、「架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む。)は、その支持物が支持する電線等による引張荷重、十分間平均で風速四十メートル毎秒の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される気象の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。ただし、人家が多く連なつている場所に施設する架空電線路にあつては、その施設場所を考慮して施設する場合は、十分間平均で風速四十メートル毎秒の風圧荷重の二分の一の風圧荷重を考慮して施設することができる。」と規定されています。
これにより、(ア)には「引張荷重」、(イ)には「40」、(ウ)には「気象」、(エ)には「2分の1」が入ります。
【令和5年度上期・問6】地中電線と他の地中電線等との接近又は交差
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述の一部である。
低圧地中電線と高圧地中電線とが接近又は交差する場合、又は低圧若しくは高圧の地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合は、次のいずれかによること。ただし、地中箱内についてはこの限りでない。
a)地中電線相互の離隔距離が、次に規定する値以上であること。
① 低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離は、(ア)m
② 低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離は、(イ)m
b)地中電線相互の間に堅ろうな(ウ)の隔壁を設けること。
c)(エ)の地中電線が、次のいずれかに該当するものである場合は、地中電線相互の離隔距離が0m以上であること。
① 不燃性の被覆を有すること。
② 堅ろうな不燃性の管に収められていること。
d)(オ)の地中電線が、次のいずれかに該当するものである場合は、地中電線相互の離隔距離が0m以上であること。
① 自消性のある難燃性の被覆を有すること。
② 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 0.15 | 0.3 | 耐火性 | いずれか | それぞれ |
| (2) | 0.15 | 0.3 | いずれか | 耐火性 | それぞれ |
| (3) | 0.1 | 0.2 | 耐圧性 | いずれか | それぞれ |
| (4) | 0.1 | 0.2 | いずれか | 耐圧性 | それぞれ |
| (5) | 0.1 | 0.3 | 耐火性 | いずれか | それぞれ |
解説
正解は(1)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈 第125条第1項(地中電線と他の地中電線等との接近又は交差)が根拠となっています。
それぞれの条項の規定は以下の通りです。
a)は、第1項第一号にて「低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離は、0.15m以上、低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離は、0.3m以上であること。」と規定されています。
b)は、第1項第二号にて「地中電線相互の間に、耐火性の堅ろうな隔壁を設けること。」と規定されています。
c)は、第1項第三号にて「いずれかの地中電線が、次のいずれかに該当するものであること。 イ 不燃性の被覆を有すること。 ロ 堅ろうな不燃性の管に収められていること。」と規定されています。
d)は、第1項第四号にて「それぞれの地中電線が、次のいずれかに該当するものであること。 イ 自消性のある難燃性の被覆を有すること。 ロ 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。」と規定されています。
これらにより、(ア)には「0.15」、(イ)には「0.3」、(ウ)には「耐火性」、(エ)には「いずれか」、(オ)には「それぞれ」が入ります。
【令和4年度下期・問5】低高圧架空電線等の併架
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低高圧架空電線等の併架に関する記述の一部である。
低圧架空電線と高圧架空電線とを同一支持物に施設する場合は、次のいずれかによること。
a) 次により施設すること。
① 低圧架空電線を高圧架空電線の(ア)に施設すること。
② 低圧架空電線と高圧架空電線は、別個の(イ)に施設すること。
③ 低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は、(ウ)m以上であること。ただし、かど柱、分岐柱等で混触のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
b) 高圧架空電線にケーブルを使用するとともに、高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を(エ)m以上とすること。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 上 | 支持物 | 0.5 | 0.5 |
| (2) | 上 | 支持物 | 0.5 | 0.3 |
| (3) | 下 | 支持物 | 0.5 | 0.5 |
| (4) | 下 | 腕金類 | 0.5 | 0.3 |
| (5) | 下 | 腕金類 | 0.3 | 0.5 |
解説
正解は(4)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈 第80条(低高圧架空電線等の併架)第一項が根拠となっています。
同項第一号イ、ロ、ハにて、「低圧架空電線を高圧架空電線の下に施設すること」、「低圧架空電線と高圧架空電線とは、別個の腕金類に施設すること」、「低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は、0.5m以上であること」と規定されています。
また、同項第二号ハにて、「高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を0.3m以上とすること」と規定されています。
これら規定により、(ア)には「下」、(イ)には「腕金類」、(ウ)には「0.5」、(エ)には「0.3」が入ります。
【令和4年度下期・問11】高圧架空電線の安全率と弛度
高圧架空電線において、電線に硬銅線を使用して架設する場合、電線の設計に伴う許容引張荷重と弛度について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、径間 $S$ [m]、電線の引張強さ $T$ [kN]、電線の重量による垂直荷重と風圧による水平荷重の合成荷重が W [kN/m]とする。
(a) 「電気設備技術基準の解釈」によれば、規定する荷重が加わる場合における電線の引張強さに対する安全率が、$R$ 以上となるような弛度に施設しなければならない。この場合 $R$ の値として、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 1.5
(2) 1.8
(3) 2.0
(4) 2.2
(5) 2.5
(b) 弛度の計算において、最小の弛度を求める場合の許容引張荷重 [kN]として、正しい式を次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) $T/R$
(2) $T \times R$
(3) $S \times W/R$
(4) $S \times W \times R$
(5) $(T + S \times W)/R$
解説
(a)の正解は(4)です。
電気設備の技術基準の解釈 第66条(高圧架空電線の引張強さに対する安全率)第一項第一号にて、「高圧架空電線には、引張強さ 5.26kN 以上のもの又は断面積 22mm² 以上の硬銅より線を使用し、かつ、これに規定する荷重が加わる場合における引張強さに対する安全率は、2.2 以上であること。」と規定されています。したがって、R = 2.2 となります。
(b)の正解は(1)です。
電線の引張強さを T [kN] とし、法規上の安全率を R とすると、電線にかけることができる最大引張荷重(許容引張荷重)$T_p$ [kN] は
$T_p = \frac{T}{R}$
となります。
関連ページ


コメント