電験3種(法規)の頻出問題である「高圧・特別高圧の機械器具の施設場所および立入・接触防止措置(さく・へい・地表上の高さ)」について解説します。
高圧・特別高圧の機械器具の施設場所および立入・接触防止措置の攻略ポイント
電験3種の法規科目において、高圧および特別高圧の機械器具(変圧器、遮断器、断路器、避雷器等)の施設規制に関する出題は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$21$条(電気機械器具の危険の防止)をはじめ、「電気設備の技術基準の解釈」第$21$条(高圧機械器具の施設場所等の制限)、第$25$条(機械器具の接地等)、第$38$条(発電所等への取扱者以外の者の立入の防止)などから毎年のように出題されます。
出題形式は、条文中の重要語句や数値の空欄補充問題、および施設基準に適合する工事例や誤っている記述を判定する正誤判定問題が中心です。
特に、省令第$21$条の取扱者以外の接触防止とアーク発生器具(開閉器・遮断器・避雷器)の離隔要件(木製壁・天井等の「可燃性」の物から離す、又は「耐火性」の物で隔離)、解釈第$21$条の発電所・変電所以外の場所における高圧機械器具の施設要件(さく・へいの高さと充電部分までの距離の和が $5\text{ m}$ 以上、屋内施錠場所、金属箱収納等)、解釈第$38$条の特別高圧屋外構内におけるさく・へいの高さと距離の和($35\text{ kV}$ 以下は $5\text{ m}$ 以上、$160\text{ kV}$ 以下は $6\text{ m}$ 以上、出入口の立入「禁止」表示および「施錠」装置)、高圧機器には「接触防護措置」が必要であり「簡易接触防護措置」(低圧専用)は適用できない点などは、極めて頻出の重要ポイントです。



過去問の演習前に、次に示す整理表を事前学習に活用してください。
高圧・特別高圧機械器具の保安原則およびアーク発生器具の離隔
電気設備に関する技術基準を定める省令第$21$条に基づく、高圧・特別高圧の電気機械器具の保安基本原則、およびアーク発生器具の火災防止要件を整理した表です。
| 項・対象設備 | 条文における規定内容 | 工学的背景および引っかけ注意点 |
|---|---|---|
| 第$1$項(一般原則) | 高圧又は特別高圧の電気機械器具は、「取扱者」以外の者が容易に触れるおそれがないように施設しなければならない。ただし、接触による危険のおそれがない場合は、この限りでない。 | 高電圧による感電死傷事故を防止するための原則です。「技術者」や「電気主任技術者」ではなく「取扱者」が正規表現です。 |
| 第$2$項(アーク発生器具) | 高圧又は特別高圧の開閉器、遮断器、避雷器その他これらに類する器具であって、動作時に「アーク」を生ずるものは、火災のおそれがないよう、木製の壁又は天井その他の「可燃性」の物から離して施設しなければならない。 | 回路遮断時や雷サージ放電時に高温のアーク火花が飛散して周囲の木材等に着火するのを防止します。「過電圧」や「高熱」とのすり替えに注意します。 |
| 第$2$項ただし書(隔離措置) | 「耐火性」の物で両者の間を隔離した場合は、可燃性の物から離さずに施設することができる。 | コンクリート板やスレート板などの耐火性材料による遮壁を介在させる緩和措置です。「難燃性」や「不燃性」とのすり替えが頻出です。 |
発電所・変電所等の屋外構内における立入防止・さくへい離隔基準
電気設備の技術基準の解釈第$38$条に基づく、屋外に施設する高圧・特別高圧の機械器具・母線等に対する取扱者以外の者の立入防止措置および離隔距離基準を整理した表です。
| 使用電圧の区分 | さく・へい等の高さと距離の和($A + B$) | 出入口の保全措置および設備要件 |
|---|---|---|
| $35\,000\text{ V}$($35\text{ kV}$)以下 | $5\text{ m}$ 以上(さく・へい等の高さ自体は原則 $2\text{ m}$ 以上) | 出入口に立入りを「禁止」する旨を表示すること(「確認」や「注意」ではない)。 |
| $35\,000\text{ V}$ を超え $160\,000\text{ V}$($160\text{ kV}$)以下 | $6\text{ m}$ 以上 | 出入口に「施錠」装置を施設して施錠する等、取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じること(「監視」ではない)。 |
| $160\,000\text{ V}$($160\text{ kV}$)を超える場合 | $6\text{ m}$ に $160\text{ kV}$ を超える $10\text{ kV}$ 又はその端数ごとに $12\text{ cm}$ を加えた値以上 | 計算例:$275\text{ kV}$ の場合、超過分は $115\text{ kV}$ で $12$区分となるため、$6 + 0.12 \times 12 = 7.44\text{ m}$ 以上。 |
発電所・変電所以外の場所における高圧機械器具の施設許容要件
電気設備の技術基準の解釈第$21$条に基づく、工場・ビル等の需要場所において高圧機械器具を屋外・屋内に施設できる要件と、試験における誤答パターンを整理した表です。
| 施設形態・場所 | 施設が認められる具体的要件 | ポイント |
|---|---|---|
| 屋外(さく・へい施設) | 周囲に適当なさく、へい等を設け、さく・へい等の高さと充電部分までの距離との和を $5\text{ m}$ 以上とし、かつ危険である旨の表示をする場合 | 「和を $4\text{ m}$ 以上とする」「危険表示を省略する」とする誤り |
| 屋内(閉鎖区画) | 屋内の取扱者以外の者が出入りできないように措置(施錠等)した場所に施設する場合 | 「取扱者以外の者が出入りできる一般屋内に設ける」とする誤り |
| 工場等の構内 | 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設ける場合 | 「機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合」とする誤り(表示だけでは立入・接触を防げないため施設不可) |
| 柱上・地上高施設 | 市街地では地表上 $5\text{ m}$ 以上、市街地以外では地表上 $4.5\text{ m}$ 以上の高さに施設する場合 | 「市街地で $4.5\text{ m}$」「人が容易に触れる高さ」とする誤り |
| 箱への収納(キュービクル等) | コンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱(厚さ $1\text{ mm}$ 以上の鋼板等)に収め、充電部分が露出しないように施設する場合 | 「木製の箱に収める」「金属箱に接地を施さない」とする誤り |
| 充電部非露出機器 | 充電部分が露出しない機械器具を人が接近又は接触しないようさく・へい等を設けるか、電位差により人等に危険のおそれがないよう施設する場合 | 「充電部露出機器をさく・へいなしで施設する」とする誤り |
接触防護措置と簡易接触防護措置の基準対比
電気設備の技術基準の解釈第$1$条(用語の定義)に基づく、接触防護措置と簡易接触防護措置の技術要件および適用電圧の相違を整理した表です。
| 防護措置の区分 | 適用可能な電圧区分 | 高さ基準(屋内/屋外) | ポイント |
|---|---|---|---|
| 接触防護措置 | 低圧・高圧・特別高圧の全般に適用可能 | 屋内:床面から $4.5\text{ m}$ 以上 屋外:地表から $5\text{ m}$ 以上 |
人が触れるおそれがないようさく、へい等を設けるか、金網・金属板等の防護具(人が容易に触れるおそれがない構造)内に収める措置。 |
| 簡易接触防護措置 | 低圧電路・低圧機械器具にのみ適用可能(高圧・特別高圧には適用禁止) | 屋内:床面から $3.5\text{ m}$ 以上 屋外:地表から $4\text{ m}$ 以上 |
人が容易に触れるおそれがないようさく、へい等を設けるか、防護具内に収める措置。高圧機器に「簡易接触防護措置を施した」とする工事は法令違反となります。 |
【令和6年上期・問4】発電所等以外の場所における高圧機械器具の施設許容要件
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下同じ。)の施設について、発電所、蓄電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所において、高圧の機械器具を施設することができる場合として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設け、当該さく、へい等の高さと、当該さく、へい等から機械器具の充電部分までの距離との和を $5\text{ m}$ 以上とし、かつ、危険である旨の表示をする場合
(2) 屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合
(3) 工場等の構内において、機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合
(4) 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設する場合
(5) 充電部分が露出しない機械器具を人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設けて施設する場合
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、「電気設備技術基準の解釈」第$21$条(高圧機械器具の施設場所等の制限)第$1$項が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第$21$条第$1$項において、高圧の機械器具は原則として発電所、蓄電所、変電所、開閉所等以外の場所に施設してはならないと規定された上で、例外として施設できる場合が各号に列挙されています。
一 屋外において、取扱者以外の者が容易に立ち入らない場所で、人が触れるおそれがないように周囲に適当なさく、へい等を設け、当該さく、へい等の高さと充電部分までの距離との和を $5\text{ m}$ 以上とし、かつ危険である旨の表示をする場合(選択肢(1)に適合)
二 屋内の取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合(選択肢(2)に適合)
三 工場等の構内において、人が触れるおそれがないように機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設ける場合
四 コンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ充電部分が露出しないように施設する場合(選択肢(4)に適合)
五 充電部分が露出しない機械器具を人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設けて施設する場合(選択肢(5)に適合)
選択肢(3)の「工場等の構内において、機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合」について、工場構内であっても単に標識等の「表示」をしただけでは作業員等の接近・接触による感電事故を物理的に防止できないため、解釈第$21$条第$1$項第$3$号では「人が触れるおそれがないように機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設けること」を義務付けています。したがって、表示のみで施設することは認められておらず誤りです。
【令和5年下期・問4】高圧機械器具の施設場所制限における不適正施設例の判定
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下同じ。)の施設について、発電所、蓄電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所において、高圧の機械器具を施設することができる場合として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設け、当該さく、へい等の高さと、当該さく、へい等から機械器具の充電部分までの距離との和を $5\text{ m}$ 以上とし、かつ、危険である旨の表示をする場合
(2) 工場等の構内において、機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合
(3) 屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合
(4) 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設する場合
(5) 充電部分が露出しない機械器具を人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設けて施設する場合
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、「電気設備技術基準の解釈」第$21$条(高圧機械器具の施設場所等の制限)第$1$項が根拠となっています。
本問は令和6年上期問4と同旨の問題ですが、選択肢(2)と(3)の配列が入れ替わっており、誤った記述(正解)は(2)となります。
高圧機械器具は感電事故の危険性が極めて高いため、発電所・変電所等の専用区域外に設ける場合は、**取扱者以外の者が充電部に接近・接触できない物理的措置(十分な高さのさく・へいの設置、屋内施錠、堅牢な接地金属箱・コンクリート箱への完全収納)が要件とされています。工場構内において周囲に「高圧用機械器具」という看板や標識を掲出するだけでは、運搬作業中の作業員や車両の接触を防止できないため、解釈第$21$条第$1$項第$3$号の例外要件には該当せず施設できません。
【令和4年下期・問3】高圧・特別高圧電気機械器具の接触防止およびアーク発生器具の火災防止
次の文章は、「電気設備技術基準」における高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止に関する記述である。
a) 高圧又は特別高圧の電気機械器具は、 (ア) 以外の者が容易に触れるおそれがないように施設しなければならない。ただし、接触による危険のおそれがない場合は、この限りでない。
b) 高圧又は特別高圧の開閉器、遮断器、避雷器その他これらに類する器具であって、動作時に (イ) を生ずるものは、火災のおそれがないよう、木製の壁又は天井その他の (ウ) の物から離して施設しなければならない。ただし、 (エ) の物で両者の間を隔離した場合は、この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) (ア)取扱者 (イ)過電圧 (ウ)可燃性 (エ)難燃性
(2) (ア)技術者 (イ)アーク (ウ)可燃性 (エ)耐火性
(3) (ア)取扱者 (イ)過電圧 (ウ)耐火性 (エ)難燃性
(4) (ア)技術者 (イ)アーク (ウ)耐火性 (エ)難燃性
(5) (ア)取扱者 (イ)アーク (ウ)可燃性 (エ)耐火性
解説
正解は(5)です。
問題文の記述は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$21$条(電気機械器具の危険の防止)第$1$項および第$2$項が根拠となっています。
省令第$21$条において、次のように規定されています。
「第$21$条 高圧又は特別高圧の電気機械器具は、取扱者以外の者が容易に触れるおそれがないように施設しなければならない。ただし、接触による危険のおそれがない場合は、この限りでない。
$2$ 高圧又は特別高圧の開閉器、遮断器、避雷器その他これらに類する器具であって、動作時にアークを生ずるものは、火災のおそれがないよう、木製の壁又は天井その他の可燃性の物から離して施設しなければならない。ただし、耐火性の物で両者の間を隔離した場合は、この限りでない。」
条文の趣旨として、a)では高電圧機器への公衆接触による感電を防ぐため「取扱者」以外の接触防止を定めています。b)では短絡電流や負荷電流の遮断、雷サージ放電の際に発生する「アーク(電弧)」が極めて高温となるため、木製壁等の「可燃性」の建築材料から離隔距離をとるか、またはスレート板・金属板等の「耐火性」材料による遮壁を介装して延焼火災を未然に防止することを義務付けています。
【平成30年・問6】屋外発電所・変電所等の立入防止措置およびさくへい離隔基準
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく発電所等への取扱者以外の者の立入の防止に関する記述である。
高圧又は特別高圧の機械器具及び母線等(以下、「機械器具等」という。)を屋外に施設する発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所は、次により構内に取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じること。ただし、土地の状況により人が立ち入るおそれがない箇所については、この限りでない。
a さく、へい等を設けること。
b 特別高圧の機械器具等を施設する場合は、上記aのさく、へい等の高さと、さく、へい等から充電部分までの距離との和は、表に規定する値以上とすること。
| 充電部分の使用電圧の区分 | さく、へい等の高さと、さく、へい等から充電部分までの距離との和 |
|---|---|
| $35\,000\text{ V}$ 以下 | (ア) $\text{ m}$ |
| $35\,000\text{ V}$ を超え $160\,000\text{ V}$ 以下 | (イ) $\text{ m}$ |
c 出入口に立入りを (ウ) する旨を表示すること。
d 出入口に (エ) 装置を施設して (エ) する等、取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じること。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) (ア)5 (イ)6 (ウ)禁止 (エ)施錠
(2) (ア)5 (イ)6 (ウ)禁止 (エ)監視
(3) (ア)4 (イ)5 (ウ)確認 (エ)施錠
(4) (ア)4 (イ)5 (ウ)禁止 (エ)施錠
(5) (ア)4 (イ)5 (ウ)確認 (エ)監視
解説
正解は(1)です。
問題文の記述は、「電気設備技術基準の解釈」第$38$条(発電所等への取扱者以外の者の立入の防止)第$1$項が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第$38$条第$1$項において、次のように規定されています。
「第$38$条 高圧又は特別高圧の機械器具及び母線等を屋外に施設する発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所は、次の各号により構内に取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じること。ただし、土地の状況により人が立ち入るおそれがない箇所については、この限りでない。
一 さく、へい等を設けること。
二 特別高圧の機械器具等を施設する場合は、前号のさく、へい等の高さと、さく、へい等から充電部分までの距離との和は、次の表に規定する値以上とすること。
[使用電圧 $35\,000\text{ V}$ 以下の区分:$5\text{ m}$]
[使用電圧 $35\,000\text{ V}$ を超え $160\,000\text{ V}$ 以下の区分:$6\text{ m}$]
三 出入口に立入りを禁止する旨を表示すること。
四 出入口に施錠装置を施設して施錠する等、取扱者以外の者の出入りを制限する措置を講じること。」
特別高圧の変電所等の周囲に設けるさく・へいは、公衆の立入防止だけでなく、人がさくの上から手を伸ばしたり棒状の物を差し入れたりしても充電部に触れない絶縁空間距離を確保することを目的としています。そのため、「さく・へい自体の高さ」と「さく・へいから充電部までの水平距離」の合計値で規制されており、$35\text{ kV}$ 以下では $5\text{ m}$ 以上、$160\text{ kV}$ 以下では $6\text{ m}$ 以上が要求されます。また、出入口には明確に立入りを「禁止」する旨を掲示し、「施錠」装置により物理的に施錠管理することが求められます。
【平成28年・問3】高圧機械器具の施設工事例における接触防護措置の適否
次の文章は、高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。)の施設(発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合を除く。)の工事例である。その内容として、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 機械器具を屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設した。
(2) 工場等の構内において、人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設けた。
(3) 工場等の構内以外の場所において、機械器具に充電部が露出している部分があるので、簡易接触防護措置を施して機械器具を施設した。
(4) 機械器具に附属する高圧電線にケーブルを使用し、機械器具を人が触れるおそれがないように地表上 $5\text{ m}$ の高さに施設した。
(5) 充電部分が露出しない機械器具を温度上昇により、又は故障の際に、その近傍の大地との間に生じる電位差により、人若しくは家畜又は他の工作物に危険のおそれがないように施設した。
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、「電気設備技術基準の解釈」第$21$条(高圧機械器具の施設場所等の制限)および第$1$条(用語の定義)が根拠となっています。
選択肢(3)の「簡易接触防護措置」について、解釈第$1$条第$1$項第$36$号および第$37$号において、接触防護措置と簡易接触防護措置は次のように明確に区分されています。
・「接触防護措置」:屋内で床面から $4.5\text{ m}$ 以上、屋外で地表から $5\text{ m}$ 以上の高さに施設するか、人が触れるおそれがないようさく・へい等を設ける措置であり、低圧・高圧・特別高圧に適用される。
・「簡易接触防護措置」:屋内で床面から $3.5\text{ m}$ 以上、屋外で地表から $4\text{ m}$ 以上の高さに施設する等の緩和された防護措置であり、低圧電路および低圧機械器具にのみ適用が認められている。
高圧の機械器具は触れた場合の感電危険が極めて大きいため、簡易接触防護措置で施設することは認められておらず、正規の「接触防護措置」を施さなければなりません。したがって、高圧機械器具に簡易接触防護措置を施して施設した(3)は不適切です。
【平成21年・問6】高圧用機械器具の施設場所制限および接触防止規定
「電気設備技術基準の解釈」に基づく、高圧用の機械器具(これに附属する高圧の電気で充電する電線であってケーブル以外のものを含む。)の施設について、発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所において、高圧用の機械器具を施設することができる場合として、誤っているのは次のうちどれか。
(1) 機械器具の周囲に人が触れるおそれがないように適当なさく、へい等を設け、さく、へい等の高さとさく、へい等から充電部分までの距離との和を $5\text{ m}$ 以上とし、かつ、危険である旨の表示をする場合。
(2) 工場等の構内において、機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合。
(3) 機械器具を屋内の取扱者以外の者が出入りできないように設備した場所に施設する場合。
(4) 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設する場合。
(5) 充電部分が露出しない機械器具を人が容易に触れるおそれがないように施設する場合。
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、「電気設備技術基準の解釈」第$21$条(高圧機械器具の施設場所等の制限)の出題当時の条文規定が根拠となっています。
本問は令和6年上期問4および令和5年下期問4の原型となった出題です(平成21年当時は「蓄電所」の用語は未定義)。発電所・変電所等の構外において高圧機械器具を施設できる要件として、屋外さく・へい設置(高さと距離の和 $5\text{ m}$ 以上および危険表示)、屋内立入禁止場所への設置、接地金属箱・コンクリート箱への収納、充電部非露出機器の安全施設が規定されています。工場構内における要件は「機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設けること」であり、単に周囲に「高圧用機械器具である旨の表示をする」ことのみで施設することを認める規定は存在しません。看板等の表示だけでは作業者の不意の接触を防止できないため、(2)の施設例は誤りです。
コメント