【電験3種・法規】頻出問題「発電機・蓄電池・太陽電池等の保護装置および常時監視をしない発電所の施設基準」の試験対策

電験3種(法規)の頻出問題である「発電機・蓄電池・太陽電池等の保護装置および常時監視をしない発電所の施設基準」について解説します。

発電機・蓄電池・太陽電池等の保護装置および常時監視をしない発電所の施設基準の攻略ポイント

電験3種の法規科目において、発電所や変電所の保安管理に関する出題は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$44$条(発電機等の保護装置)、第$45$条(常時監視をしない発電所等の施設)をはじめ、「電気設備の技術基準の解釈」第$43$条(発電機等の保護装置)、第$44$条(蓄電池の保護装置)、第$46$条(太陽電池発電設備等の施設)、第$47$条(常時監視をしない発電所等の施設)などから極めて高い頻度で出題されます。
出題形式は、条文中の重要用語や容量等の数値の空欄補充問題、および常時監視をしない発電所(無人発電所)の施設要件や誤っている記述を特定する正誤判定問題が中心です。
特に、発電機を電路から自動遮断すべき保護要件(過電流、内部短絡、水車・風車の制御装置油圧・空気圧・電源電圧の低下、スラスト軸受温度上昇や摩耗)、蓄電池の自動遮断要件(過電圧、過電流、制御装置異常、断熱容器温度上昇)、常時監視をしない発電所の3大運用方式(随時巡回方式、随時監視制御方式、遠隔常時監視制御方式)の定義と技術員・制御所の役割分担、発電方式別(水力、風力、太陽電池、内燃力等)の無人化許容容量区分(水力の随時巡回方式は $2\,000\text{ kW}$ 未満等)、太陽電池発電設備の保安措置(充電部非露出、負荷電流開閉可能器具の近接施設、短絡保護、屋内配線工事)などは、試験で繰り返し問われる最重要項目です。
過去問の演習に先立ち、以下の4つの整理表で体系的に確認してください。

発電機等の保護装置施設基準(解釈第43条)

電気設備の技術基準の解釈第$43$条に基づき、異常発生時に発電機を電路から自動遮断しなければならない具体的要因、容量区分、および工学的遮断理由を整理した表です。

発電設備・原動機の区分 適用容量・出力区分 自動遮断装置を施設すべき異常要因 保護目的および工学的背景
すべての発電機 容量制限なし(全容量) 発電機に「過電流」を生じた場合 外部短絡や過負荷運転に伴う巻線の過熱焼損を防止します。過電圧ではなく過電流である点に注意します。
水車駆動発電機 容量 $500\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上 水車の圧油装置の油圧、又は電動式ガイドベーン・ニードル・デフレクタ制御装置の電源電圧が著しく「低下」した場合 制御油圧や駆動電源電圧が低下すると調速不能となり、水車の過速度や水撃作用による重大破損を招くため自動停止・遮断します。
水車駆動発電機 容量 $2\,000\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上 水車発電機のスラスト軸受の温度が著しく上昇した場合 スラスト荷重を支える軸受メタルの焼付き・破損を未然に防止します。
風車駆動発電機 容量 $100\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上 風車の圧油装置の油圧、圧縮空気装置の空気圧、又は電動式ブレード制御装置の電源電圧が著しく「低下」した場合 ブレード(羽根)のピッチ制御が失われると暴走・過回転による風車倒壊やローター飛散に至るため直ちに遮断・停止します。
すべての発電機 容量 $10\,000\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上 発電機の「内部」に故障を生じた場合 大容量機における固定子巻線の相間短絡や地絡による鉄心溶損事故を比率差動継電器等により極小限に抑えます。外部故障ではなく内部故障です。
蒸気タービン駆動発電機 定格出力 $10\,000\text{ kW}$ 超 蒸気タービンのスラスト軸受が著しく摩耗し、又はその温度が著しく上昇した場合 高速回転するタービンローターの軸方向摺動・動翼と静翼の接触衝突事故を防止します。

蓄電池・太陽電池の保護装置および施設基準(解釈第44条・第46条)

電気設備の技術基準の解釈第$44$条および第$46$条に基づき、蓄電池および太陽電池発電設備に求められる電気的保護・物理的保安措置を整理した表です。

設備区分 法令条文(解釈) 義務付けられる保護・保安要件 適用除外および引っかけ注意点
蓄電池設備 第$44$条第$1$項第$1$号〜第$4$号 次の異常時に自動的に電路から遮断する装置を施設:
1. 蓄電池に「過電圧」が生じた場合
2. 蓄電池に「過電流」が生じた場合
3. 「制御」装置に異常が生じた場合
4. 内部高温型では「断熱容器」の内部温度が著しく上昇した場合
常用電源の停電時又は電圧低下発生時の「非常用予備電源」として用いるものは適用除外(自動遮断対象外)です。短絡や地絡、充電装置ではなく、過電圧・過電流・制御装置が正規規定です。
太陽電池モジュール 第$46$条第$1$項第$1$号 「充電部分」が露出しないように施設すること。 屋外・屋上での感電事故を防止するため、接続部を含めて充電部を絶縁・被覆します。「接続部分」のみの露出防止とする誤りに注意します。
太陽電池負荷側電路 第$46$条第$1$項第$2$号 接続点に近接して「開閉器」その他これに類する器具を施設すること。 負荷電流を開閉できるものに限られます。「遮断器」や「断路器」ではなく「開閉器」が正規表現です。
太陽電池並列電路 第$46$条第$1$項第$3$号 電路に「短絡」を生じた場合に電路を保護する過電流遮断器等を施設すること。 電路が短絡電流に耐えるものである場合は省略可能です。「過負荷」ではなく「短絡」が正規規定です。
太陽電池屋内配線 第$46$条第$1$項第$4$号 「合成樹脂管工事」「金属管工事」「可とう電線管工事」「ケーブル工事」のいずれかにより施設すること。 直流高電圧電路を屋内に引き込むため、安全性の高い管路・ケーブル工事に限定されます。「金属ダクト工事」は認められていません。

常時監視をしない発電所の監視方式の定義(解釈第47条)

電気設備の技術基準の解釈第$47$条第$1$項第$1$号に基づき、技術員が常駐しない無人発電所における3つの運用形態の定義と要件を整理した表です。

常時監視の方式 担当者(技術員)の行動要件 監視・制御の実施場所および形態 工学的運用目的
随時巡回方式 技術員が「適当な間隔をおいて」発電所を巡回する。 巡回時に発電所において「運転状態の監視」を行う。 遠隔監視制御装置を持たない小規模発電所において、定期的な目視点検・測定により健全性を維持します。
随時監視制御方式 技術員が「必要に応じて」発電所に出向く。 発電所において「運転状態の監視又は制御その他必要な措置」を行う。 通常時は自動運転させ、異常発生の警報受信時や作業時にのみ技術員が現場に駆け付けます。
遠隔常時監視制御方式 技術員が「制御所」に常時駐在する。 制御所から通信回線を介して発電所の「運転状態の監視及び制御を遠隔で行う」。 中央制御所等の集約拠点から多数の無人発電所を一括監視・遠隔操作し、事故時にも遠隔遮断等の即時対応を可能にします。

発電所種別ごとの無人化許容容量と保安要件(解釈第47条・省令第45条)

電気設備の技術基準の解釈第$47$条および電気設備技術基準を定める省令第$45$条に基づく、発電所種別ごとの監視方式適用条件と事故時の自動停止・警報要件を整理した表です。

発電所の種別 随時巡回方式の許容出力 随時監視制御方式の許容出力 遠隔常時監視制御方式の許容出力 技術基準省令第$45$条における基本原則
水力発電所 $2\,000\text{ kW}$ 未満 一般水力:すべてのもの(制限なし) すべてのもの(制限なし) 異常が生じた場合に人体危害や物件損傷のおそれがないよう状態に応じた「制御」が必要な発電所、又は電気供給に著しい支障を及ぼすおそれがある発電所で、運転に必要な「知識及び技能」を有する者が「これと同一の構内」で常時監視をしないものは施設禁止。その他の発電所・変電所は異常時に安全かつ確実に「停止」できる措置が必須。
風力発電所 すべてのもの(制限なし) すべてのもの(制限なし) すべてのもの(制限なし) 風力発電設備は出力に関わらず随時巡回方式を採用可能です。
太陽電池発電所 すべてのもの(制限なし) すべてのもの(制限なし) すべてのもの(制限なし) 太陽電池発電設備は可動部がなく安全性が高いため、全方式で出力制限がありません。
内燃力発電所 $1\,000\text{ kW}$ 未満 すべてのもの(制限なし) すべてのもの(制限なし) ディーゼル等の内燃機関は燃料漏洩や火災リスクがあるため、随時巡回方式は $1\,000\text{ kW}$ 未満に制限されます。
燃料電池発電所 随時巡回方式は適用不可(施設不可) すべてのもの(制限なし) すべてのもの(制限なし) 水素ガス等の可燃性ガスを扱うため、定期巡回のみの運用は認められていません。

【令和3年・問5】発電機の保護装置(過電流・内部故障および原動機異常時の自動遮断)

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における発電機の保護装置に関する記述である。
発電機には、次に掲げる場合に、発電機を自動的に電路から遮断する装置を施設すること。
a)発電機に(ア)を生じた場合
b)容量が $500\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上の発電機を駆動する(イ)の圧油装置の油圧又は電動式ガイドベーン制御装置、電動式ニードル制御装置若しくは電動式デフレクタ制御装置の電源電圧が著しく(ウ)した場合
c)容量が $100\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上の発電機を駆動する(エ)の圧油装置の油圧、圧縮空気装置の空気圧又は電動式ブレード制御装置の電源電圧が著しく(ウ)した場合
d)容量が $2\,000\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上の(イ)発電機のスラスト軸受の温度が著しく上昇した場合
e)容量が $10\,000\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上の発電機の(オ)に故障を生じた場合
f)定格出力が $10\,000\text{ kW}$ を超える蒸気タービンにあっては、そのスラスト軸受が著しく摩耗し、又はその温度が著しく上昇した場合

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 過電圧 水車 上昇 風車 外部
(2) 過電圧 風車 上昇 水車 内部
(3) 過電流 水車 低下 風車 内部
(4) 過電流 風車 低下 水車 外部
(5) 過電流 水車 低下 風車 外部

解説

正解は(3)です。

問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$43$条(発電機等の保護装置)第$1$項が根拠となっています。

電気設備の技術基準の解釈 第$43$条第$1$項において、発電機には次に掲げる場合に、発電機を自動的に電路から遮断する装置を施設することが義務付けられています。
一 発電機に過電流を生じた場合(全容量対象、選択肢(ア)=「過電流」)
二 容量が $500\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上の発電機を駆動する水車の圧油装置の油圧又は電動式ガイドベーン制御装置、電動式ニードル制御装置若しくは電動式デフレクタ制御装置の電源電圧が著しく低下した場合(選択肢(イ)=「水車」、選択肢(ウ)=「低下」)
三 容量が $100\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上の発電機を駆動する風車の圧油装置の油圧、圧縮空気装置の空気圧又は電動式ブレード制御装置の電源電圧が著しく低下した場合(選択肢(エ)=「風車」)
四 容量が $2\,000\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上の水車発電機のスラスト軸受の温度が著しく上昇した場合
五 容量が $10\,000\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上の発電機の内部に故障を生じた場合(選択肢(オ)=「内部」)
六 定格出力が $10\,000\text{ kW}$ を超える蒸気タービンにあっては、そのスラスト軸受が著しく摩耗し、又はその温度が著しく上昇した場合

工学的背景の解説:
ガイドベーン(案内羽根)、ニードル弁、デフレクタ(偏向板)はいずれも水車(フランシス水車やペルトン水車)の水量・流速を調整して出力を制御する調速機構です。また、ブレード制御装置(可変ピッチ機構)は風車の受風角を調整する制御機器です。これらを駆動する圧油や電源電圧が「低下」すると調速機能を喪失し、過速度による機械的破壊に至る危険があるため、発電機を直ちに電路から遮断する必要があります。
大容量発電機($10\,000\text{ kV}\cdot\text{A}$ 以上)における「内部」故障保護は、固定子巻線の短絡や地絡事故が発生した際、短絡アーク熱により高価な発電機鉄心や巻線が溶損・火災となるのを防止するため、比率差動継電器(比率作動保護)によって電路から高速遮断します。

各選択肢の検討:
(1) (ア)が「過電圧」、(ウ)が「上昇」、(オ)が「外部」となっており誤りです。
(2) (ア)が「過電圧」、(イ)が「風車」、(ウ)が「上昇」、(エ)が「水車」となっており誤りです。
(3) (ア)過電流、(イ)水車、(ウ)低下、(エ)風車、(オ)内部 であり、解釈第$43$条の条文規定と完全に一致しており正しいです。
(4) (イ)が「風車」、(エ)が「水車」、(オ)が「外部」となっており誤りです。
(5) (オ)が「外部」となっており誤りです。

したがって、正解は(3)となります。

【令和元年・問7】常時監視をしない発電所の監視方式および施設許容基準の判定

「電気設備技術基準の解釈」に基づく常時監視をしない発電所の施設に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 随時巡回方式の技術員は、適当な間隔において発電所を巡回し、運転状態の監視を行う。
(2) 遠隔常時監視制御方式の技術員は、制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行う。
(3) 水力発電所に随時巡回方式を採用する場合に、発電所の出力を $3\,000\text{ kW}$ とした。
(4) 風力発電所に随時巡回方式を採用する場合に、発電所の出力に制限はない。
(5) 太陽電池発電所に遠隔常時監視制御方式を採用する場合に、発電所の出力に制限はない。

解説

正解は(3)です。

問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$47$条(常時監視をしない発電所等の施設)が根拠となっています。

電気設備の技術基準の解釈 第$47$条第$1$項表において、発電所の種別ごとに採用できる常時監視方式と許容出力の上限が明確に規定されています。
水力発電所に「随時巡回方式」を採用する場合、施設が認められる発電所の出力は「$2\,000\text{ kW}$ 未満のもの」に限られます。出力が $2\,000\text{ kW}$ 以上の水力発電所においては、随時巡回方式は認められず、「随時監視制御方式」又は「遠隔常時監視制御方式」を採用しなければなりません。したがって、出力を $3\,000\text{ kW}$ とした(3)の記述は法令違反であり誤りです。

各選択肢の検討:
(1) 解釈第$47$条第$1$項第$1$号イにおいて、「随時巡回方式」は技術員が「適当な間隔において発電所を巡回し、運転状態の監視を行うものであること」と定義されており適切です。
(2) 解釈第$47$条第$1$項第$1$号ハにおいて、「遠隔常時監視制御方式」は技術員が「制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行うものであること」と定義されており適切です。
(3) 解釈第$47$条第$1$項表「水力発電所」の項において、随時巡回方式の適用出力は「$2\,000\text{ kW}$ 未満」と定められています。出力を $3\,000\text{ kW}$ とすることはできないため誤り(不適切)です。
(4) 解釈第$47$条第$1$項表「風力発電所」の項において、随時巡回方式の許容出力区分は「すべてのもの」と規定されており、出力制限はありません。したがって適切です。
(5) 解釈第$47$条第$1$項表「太陽電池発電所」の項において、遠隔常時監視制御方式を含むすべての常時監視方式について出力制限はなく「すべてのもの」に適用可能と規定されているため適切です。

したがって、誤っているものは(3)となります。

【平成28年・問5】蓄電池の保護装置(過電圧・過電流・制御装置等の異常遮断要件)

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における蓄電池の保護装置に関する記述である。
発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所に施設する蓄電池(常用電源の停電時又は電圧低下発生時の非常用予備電源として用いるものを除く。)には、次の各号に掲げる場合に、自動的にこれを電路から遮断する装置を施設すること。
a 蓄電池に(ア)が生じた場合
b 蓄電池に(イ)が生じた場合
c (ウ)装置に異常が生じた場合
d 内部温度が高温のものにあっては、断熱容器の内部温度が著しく上昇した場合

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ)
(1) 過電圧 過電流 制御
(2) 過電圧 地絡 充電
(3) 短絡 過電流 制御
(4) 地絡 過電流 制御
(5) 短絡 地絡 充電

解説

正解は(1)です。

問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$44$条(蓄電池の保護装置)が根拠となっています。

電気設備の技術基準の解釈 第$44$条第$1$項において次のように規定されています。
「発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所に施設する蓄電池(常用電源の停電時又は電圧低下発生時の非常用予備電源として用いるものを除く。)には、次の各号に掲げる場合に、自動的にこれを電路から遮断する装置を施設すること。
一 蓄電池に過電圧が生じた場合(空白箇所(ア)=「過電圧」)
二 蓄電池に過電流が生じた場合(空白箇所(イ)=「過電流」)
三 制御装置に異常が生じた場合(空白箇所(ウ)=「制御」)
四 内部温度が高温のものにあっては、断熱容器の内部温度が著しく上昇した場合」

工学的背景の解説:
電力系統用や産業用の大型蓄電池(リチウムイオン電池、NAS電池、鉛蓄電池等)は極めて高密度なエネルギーを保有しています。充電時に過電圧が印加されたり過大な過電流が流れると、セルの内部短絡、電解液の熱分解ガス発生、熱暴走による火災・爆発事故に至る極めて高い危険性があります。また、充放電の電流・電圧を緻密に監視・制御するバッテリーマネジメントシステム(BMS等の制御装置)に不具合が発生した際も、安全な制御状態を維持できなくなるため、即座に電路から自動遮断する装置の施設が義務付けられています。
なお、ナトリウム硫黄(NAS)電池のように作動温度が約 $300\text{ }^\circ\text{C}$ の高温型蓄電池にあっては、真空断熱容器の破損等により温度が外部に漏洩・著しく上昇した場合に自動遮断する規定(第$4$号)が設けられています。

各選択肢の検討:
(1) (ア)過電圧、(イ)過電流、(ウ)制御 であり、解釈第$44$条第$1$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(2) (イ)が「地絡」、(ウ)が「充電」となっており誤りです。
(3) (ア)が「短絡」となっており誤りです。
(4) (ア)が「地絡」となっており誤りです。
(5) (ア)が「短絡」、(イ)が「地絡」、(ウ)が「充電」となっており誤りです。

したがって、正解は(1)となります。

【平成27年・問6】常時監視をしない発電所の運用形態(随時巡回・随時監視・遠隔常時監視)の定義

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、常時監視をしない発電所に関する記述の一部である。
a. 随時巡回方式は、(ア)が、(イ)発電所を巡回し、(ウ)の監視を行うものであること。
b. 随時監視制御方式は、(ア)が、(エ)発電所に出向き、(ウ)の監視又は制御その他必要な措置を行うものであること。
c. 遠隔常時監視制御方式は、(ア)が、(オ)に常時駐在し、発電所の(ウ)の監視及び制御を遠隔で行うものであること。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 技術員 適当な間隔をおいて 運転状態 必要に応じて 制御所
(2) 技術員 必要に応じて 運転状態 適当な間隔をおいて 制御所
(3) 技術員 必要に応じて 計測装置 適当な間隔をおいて 駐在所
(4) 運転員 適当な間隔をおいて 計測装置 必要に応じて 駐在所
(5) 運転員 必要に応じて 計測装置 適当な間隔をおいて 制御所

解説

正解は(1)です。

問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$47$条(常時監視をしない発電所等の施設)第$1$項第$1$号が根拠となっています。

電気設備の技術基準の解釈 第$47$条第$1$項第$1$号において、常時監視をしない発電所の運用形態は次のように定義されています。
イ 「随時巡回方式」技術員が、適当な間隔をおいて発電所を巡回し、運転状態の監視を行うものであること。((ア)=「技術員」、(イ)=「適当な間隔をおいて」、(ウ)=「運転状態」)
ロ 「随時監視制御方式」技術員が、必要に応じて発電所に出向き、運転状態の監視又は制御その他必要な措置を行うものであること。((エ)=「必要に応じて」)
ハ 「遠隔常時監視制御方式」技術員が、制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行うものであること。((オ)=「制御所」)

用語の整理とポイント:
・担当者の呼称は「運転員」ではなく「技術員」です。技術的知見に基づき保守・点検・事故判断を行う資格・技能を有する人員が指定されます。
・随時巡回方式は、トラブルの有無に関わらず定期的に現場を見回る運用であるため「適当な間隔をおいて」巡回します。
・随時監視制御方式は、平常時は巡回せず警報発信時や保守作業時など「必要に応じて」現場に出向く方式です。
・遠隔常時監視制御方式において技術員が常時駐在する場所は「駐在所」ではなく「制御所」です。制御所には遠隔遠制装置、監視卓、記録装置等が備えられます。

各選択肢の検討:
(1) (ア)技術員、(イ)適当な間隔をおいて、(ウ)運転状態、(エ)必要に応じて、(オ)制御所 であり、解釈第$47$条第$1$項第$1$号の条文規定と完全に一致しており正しいです。
(2) (イ)と(エ)が逆になっており誤りです。
(3) (イ)と(エ)が逆であり、(ウ)が「計測装置」、(オ)が「駐在所」となっており誤りです。
(4) (ア)が「運転員」、(ウ)が「計測装置」、(オ)が「駐在所」となっており誤りです。
(5) (ア)が「運転員」、(イ)と(エ)が逆、(ウ)が「計測装置」となっており誤りです。

したがって、正解は(1)となります。

【平成23年・問5】電気設備技術基準における常時監視をしない発電所等の保安原則

次の文章は、「電気設備技術基準」における、常時監視をしない発電所等の施設に関する記述の一部である。
a. 異常が生じた場合に人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えるおそれがないよう、異常の状態に応じた(ア)が必要となる発電所、又は一般電気事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、異常を早期に発見する必要のある発電所であって、発電所の運転に必要な(イ)を有する者が当該発電所又は(ウ)において常時監視をしないものは、施設してはならない。
b. 上記aに掲げる発電所以外の発電所又は変電所(これに準ずる場所であって、$100\,000\text{ V}$ を超える特別高圧の電気を変成するためのものを含む。以下同じ。)であって、発電所又は変電所の運転に必要な(イ)を有する者が当該発電所若しくは(ウ)又は変電所において常時監視をしない発電所又は変電所は、非常用予備電源を除き、異常が生じた場合に安全かつ確実に(エ)することができるような措置を講じなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) 制御 経験 これと同一の構内 機能
(2) 制御 知識及び技能 これと同一の構内 停止
(3) 保護 知識及び技能 隣接の施設 停止
(4) 制御 知識 隣接の施設 機能
(5) 保護 経験及び技能 これと同一の構内 停止

解説

正解は(2)です。

問題文の記述は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$45$条(常時監視をしない発電所等の施設)が根拠となっています。

電気設備に関する技術基準を定める省令 第$45$条において次のように規定されています。
第$1$項:
「異常が生じた場合に人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えるおそれがないよう、異常の状態に応じた制御が必要となる発電所、又は一般送配電事業(旧規定:一般電気事業)に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、異常を早期に発見する必要のある発電所であって、発電所の運転に必要な知識及び技能を有する者が当該発電所又はこれと同一の構内において常時監視をしないものは、施設してはならない。」
第$2$項:
「前項に掲げる発電所以外の発電所又は変電所(これに準ずる場所であって、$100\,000\text{ V}$ を超える特別高圧の電気を変成するためのものを含む。以下この条において同じ。)であって、発電所又は変電所の運転に必要な知識及び技能を有する者が当該発電所若しくはこれと同一の構内又は変電所において常時監視をしない発電所又は変電所は、非常用予備電源を除き、異常が生じた場合に安全かつ確実に停止することができるような措置を講じなければならない。」

条文の要点整理:
・空白箇所(ア):「制御」が入ります。異常の進展に応じて速やかに冷却水弁を操作したり負荷を遮断するなど、動的な制御措置が求められる大規模・複雑なプラント(原子力発電所や大型火力発電所等)は、人が常駐しない無人運用が法令上禁止されています。
・空白箇所(イ):「知識及び技能」が入ります。技術的判断と操作能力の両方を備えていることが求められます。
・空白箇所(ウ):「これと同一の構内」が入ります。発電所の建物内だけでなく、同一敷地・構内の監視室等で常時監視している体制を含みます。
・空白箇所(エ):「停止」が入ります。技術員が常駐しない無人発電所・変電所では、機器の故障や系統事故が発生した場合に、事故を放置して火災や波及事故を招かないよう、自動的かつ安全・確実に運転を「停止」させるインターロック機能が必須となります。

各選択肢の検討:
(1) (イ)が「経験」、(エ)が「機能」となっており誤りです。
(2) (ア)制御、(イ)知識及び技能、(ウ)これと同一の構内、(エ)停止 であり、省令第$45$条の規定と完全に一致しており正しいです。
(3) (ア)が「保護」、(ウ)が「隣接の施設」となっており誤りです。
(4) (イ)が「知識」、(ウ)が「隣接の施設」、(エ)が「機能」となっており誤りです。
(5) (ア)が「保護」、(イ)が「経験及び技能」となっており誤りです。

したがって、正解は(2)となります。

【平成21年・問8】太陽電池発電所に施設する太陽電池モジュールおよび配線の施設基準

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、太陽電池発電所に施設する太陽電池モジュール等に関する記述の一部である。

  1. (ア)が露出しないように施設すること。
  2. 太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路(複数の太陽電池モジュールを施設した場合にあっては、その集合体に接続する負荷側の電路)には、その接続点に近接して(イ)その他これに類する器具(負荷電流を開閉できるものに限る。)を施設すること。
  3. 太陽電池モジュールを並列に接続する電路には、その電路に(ウ)を生じた場合に電路を保護する過電流遮断器その他の器具を施設すること。ただし、当該電路が(ウ)電流に耐えるものである場合は、この限りでない。
  4. 電線を屋内に施設する場合にあっては、(エ)、金属管工事、可とう電線管工事又はケーブル工事により施設すること。

    上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (ア) (イ) (ウ) (エ)
    (1) 充電部分 開閉器 短絡 合成樹脂管工事
    (2) 充電部分 遮断器 過負荷 合成樹脂管工事
    (3) 接続部分 遮断器 短絡 金属ダクト工事
    (4) 充電部分 開閉器 短絡 金属ダクト工事
    (5) 接続部分 開閉器 過負荷 合成樹脂管工事

    解説

    正解は(1)です。

    問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$46$条(太陽電池発電設備等の施設、旧:第$227$条)第$1$項が根拠となっています。

    電気設備の技術基準の解釈 第$46$条第$1$項において、太陽電池モジュール等の施設要件が次のように規定されています。
    一 充電部分が露出しないように施設すること。(空白箇所(ア)=「充電部分」)
    二 太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路(複数の太陽電池モジュールを施設した場合にあっては、その集合体に接続する負荷側の電路)には、その接続点に近接して開閉器その他これに類する器具(負荷電流を開閉できるものに限る。)を施設すること。(空白箇所(イ)=「開閉器」)
    三 太陽電池モジュールを並列に接続する電路には、その電路に短絡を生じた場合に電路を保護する過電流遮断器その他の器具を施設すること。ただし、当該電路が短絡電流に耐えるものである場合は、この限りでない。(空白箇所(ウ)=「短絡」)
    四 電線を屋内に施設する場合にあっては、合成樹脂管工事、金属管工事、可とう電線管工事又はケーブル工事により施設すること。(空白箇所(エ)=「合成樹脂管工事」)

    工学的背景の解説:
    ・太陽電池セルは光が照射されると常に発電して電圧を発生するため、商用電路のように上流側を開閉器で停電させることができません。作業員や一般公衆の感電を防止するため、充電部(端子や導体)を露出させない密閉・絶縁構造が不可欠です(第$1$号)。
    ・点検や修理時に回路を安全に切り離すため、モジュール近傍に「開閉器」(負荷電流を開閉可能な断路手段)の施設が求められます(第$2$号)。大掛かりな「遮断器」(短絡電流遮断器)までは要求されません。
    ・複数のモジュールストリングを並列接続している場合、ある$1$系統で地絡や短絡が起きると、他の正常なストリングから故障箇所へ短絡電流が逆流集中して発熱・火災の原因となります。これを阻止するために「短絡」保護器具を施設します(第$3$号)。
    ・屋内に引き込む直流配線は、機械的防護力と耐火・絶縁信頼性に優れた管路工事(合成樹脂管、金属管、可とう電線管)又はケーブル工事に限定され、簡易な金属ダクト工事等は認められていません(第$4$号)。

    各選択肢の検討:
    (1) (ア)充電部分、(イ)開閉器、(ウ)短絡、(エ)合成樹脂管工事 であり、解釈第$46$条第$1$項の規定と完全に一致しており正しいです。
    (2) (イ)が「遮断器」、(ウ)が「過負荷」となっており誤りです。
    (3) (ア)が「接続部分」、(イ)が「遮断器」、(エ)が「金属ダクト工事」となっており誤りです。
    (4) (エ)が「金属ダクト工事」となっており誤りです。
    (5) (ア)が「接続部分」、(ウ)が「過負荷」となっており誤りです。

    したがって、正解は(1)となります。

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