【ラプラス変換】RC直列回路の過渡応答

この記事では、ラプラス変換でRC直列回路の過渡応答の式を求める方法についてまとめました。

RC回路(ラプラス変換)

V_i:入力電圧、R:抵抗値、C:コンデンサの容量値、V_R:抵抗にかかる電圧、V_C:コンデンサにかかる電圧、i:回路全体に流れる電流値)

RC直列回路の過渡応答の式をラプラス変換を用いて導出します。

429 Too Many Requests

キルヒホッフの定理より次式が成立します。

(1)   \begin{eqnarray*} V_i = Ri(t) + \frac{\int i(t)dt}{C} \end{eqnarray*}

ここでi(t)=\frac{dq(t)}{dt}, q=\int i(t) dtより上式は以下のように変形できます。

(2)   \begin{eqnarray*} V_i = R \frac{dq(t)}{dt} + \frac{q(t)}{C} \end{eqnarray*}

上式をラプラス変換すると

(3)   \begin{eqnarray*} \frac{V_i}{s} = RsQ(s)+\frac{Q(s)}{C} \end{eqnarray*}

となります。(V_iはステップ応答)

この式を電荷Q(S)について変形すると

(4)   \begin{eqnarray*} Q(s)&=&\frac{\frac{V_i}{s}}{Rs+\frac{1}{C}}=\frac{V_i}{s(Rs+\frac{1}{C})}=\frac{\frac{V_i}{R}}{s(s+\frac{1}{RC})}=\frac{\frac{V_i}{RC}}{\frac{1}{c}s(s+\frac{1}{RC})}=\frac{\frac{CV_i}{RC}}{s(s+\frac{1}{RC})}\\ &=&CV_i \left[ \frac{\frac{1}{RC}}{s(s+\frac{1}{RC})} \right]=CV_i ( \frac{1}{s} - \frac{1}{s+\frac{1}{RC}}) \end{eqnarray*}

となります。ここで、上式を逆ラプラス変換すると

(5)   \begin{eqnarray*} Q(t) = CV_i ( 1 - e^{-\frac{1}{RC}t} ) \end{eqnarray*}

となります。(時間が経つと電荷はCV_iに収束)

コンデンサCにかかる電圧V_C(t)

(6)   \begin{eqnarray*} V_C(t)&=& \frac{Q(t)}{C}=V_i ( 1 - e^{-\frac{1}{RC}t} ) \end{eqnarray*}

となります。(時間が経つと入力電圧V_iに収束)

回路に流れる電流i(t)

(7)   \begin{eqnarray*} i(t)&=&\frac{d}{dt}Q(t)=\frac{CV_i}{RC}e^{-\frac{1}{RC}t}=\frac{V_i}{R} e^{-\frac{t}{RC}} \end{eqnarray*}

となります。(時間が経つと0に収束)

抵抗Rにかかる電圧V_R(t)

(8)   \begin{eqnarray*} V_R(t)&=& Ri(t)=V_ie^{-\frac{t}{RC}} \end{eqnarray*}

となります。(証明終わり)

関連記事
1 電気・電子回路入門

コメント