【電験3種・法規】頻出問題「低高圧架空電線の地上高および他の工作物・建造物との接近状態(第1次・第2次接近状態)・離隔距離」の試験対策

電験3種(法規)の頻出論点である「低高圧架空電線の地上高および他の工作物・建造物との接近状態(第1次・第2次接近状態)・離隔距離」について解説します。

低高圧架空電線の地上高および接近状態・離隔距離

電験3種の法規科目では、架空電線の地上高や離隔距離に関する出題が頻出します。
主な根拠条文は電気設備技術基準第$25$条(架空電線等の高さ)です。
あわせて電気設備の技術基準の解釈第$49$条(用語の定義)からも出題されます。
解釈第$68$条(低高圧架空電線の高さ)や第$71$条(建造物との接近)も頻出します。
他の電線との離隔を定める解釈第$72$条も重要論点に該当します。

出題形式は条文中の重要語句や数値の空欄補充問題が中心です。
あわせて施工事例における適否判定問題も繰り返し出題されます。
道路横断、鉄道横断、横断歩道橋の上における電線高さを正しく識別する必要があります。
第$1$次接近状態と第$2$次接近状態の定義や数値区分も頻出します。

特に問われる数値は、道路横断時の地上高(路面上 $6\text{ m}$ 以上)です。
横断歩道橋上では低圧 $3\text{ m}$ 以上、高圧 $3.5\text{ m}$ 以上が必要です。
接近状態では $3\text{ m}$ を境界として第$1$次と第$2$次に区分されます。
高圧架空電線にケーブルを使用した場合の電線相互の離隔距離は $0.4\text{ m}$ 以上です。

低圧および高圧架空電線の地上高基準

電気設備の技術基準の解釈第$68$条に基づく、架空電線の地上高基準を整理した表です。

施設場所・横断箇所 低圧架空電線の地上高 高圧架空電線の地上高 緩和要件・特例規定
道路を横断する場合 路面上 $6\text{ m}$ 以上 路面上 $6\text{ m}$ 以上 交通に支障がない場合、低圧は路面上 $5\text{ m}$ 以上(歩行用等は $3\text{ m}$ 以上)に緩和されます。
鉄道又は軌道を横断する場合 レール面上 $5.5\text{ m}$ 以上 レール面上 $5.5\text{ m}$ 以上 原則として緩和規定はありません。
横断歩道橋の上に施設する場合 路面上 $3\text{ m}$ 以上 路面上 $3.5\text{ m}$ 以上 低圧で絶縁電線やケーブルを使用するときは路面上 $3\text{ m}$ 以上です。高圧はケーブル使用時も $3.5\text{ m}$ 以上です。
その他の場所(道路以外の一般場所) 地表上 $4\text{ m}$ 以上 地表上 $5\text{ m}$ 以上 低圧で歩行者専用道路等の場合、絶縁電線等で $3\text{ m}$ 以上に緩和されます。

第1次接近状態と第2次接近状態の定義および比較

電気設備の技術基準の解釈第$49$条に基づく、接近状態の定義および離隔基準を整理した表です。

接近状態の区分 水平離隔距離の範囲 想定される事象・危険性 保安上の規制・要求措置
第1次接近状態 水平距離で $3\text{ m}$ 以上、かつ支持物の地表上の高さに相当する距離以内 電線の切断や支持物の倒壊等の際、当該電線が他の工作物に接触するおそれがあります。 高圧保安工事等の保安基準が適用されます。
第2次接近状態 他の工作物の上方又は側方において水平距離で $3\text{ m}$ 未満 通常時や風圧時において、直接接触または著しい接近の危険が生じます。 特別高圧架空電線路では原則施設禁止、または厳格な保安工事が義務付けられます。

建造物および他の工作物との離隔距離基準

解釈第$71$条および第$72$条に基づく、低高圧架空電線と造営物・他の電線との離隔距離を整理した表です。

対象物・施設条件 低圧架空電線の離隔距離 高圧架空電線の離隔距離 ケーブル使用時の緩和規定
建造物の上部造営材(屋根等) 上方 $2\text{ m}$ 以上 上方 $2\text{ m}$ 以上 低圧・高圧ともに、ケーブル使用時は $1.2\text{ m}$ 以上に緩和されます。
建造物の側部造営材(壁等) 側方 $1.2\text{ m}$ 以上 側方 $1.2\text{ m}$ 以上 低圧はケーブルで $0.4\text{ m}$ 以上、高圧はケーブルで $0.8\text{ m}$(接触防護措置で $0.4\text{ m}$)に緩和されます。
他の低圧・高圧架空電線との接近・交差 通常 $0.8\text{ m}$ 以上 通常 $0.8\text{ m}$ 以上 いずれかの電線にケーブルを使用する場合、離隔距離は $0.4\text{ m}$ 以上に緩和されます。
植物との離隔 接触しないこと 接触しないこと 平時吹いている風等により、植物に接触しないように施設します。

試験で頻出の引っかけパターンと対策

過去問で繰り返し出題される紛らわしい数値や規定の誤りパターンを対比整理した表です。

着眼項目 正しい規定内容 よくある誤り・引っかけの手口
道路横断時の高圧高さ 路面上 $6\text{ m}$ 以上 ケーブルを使用すれば $5\text{ m}$ でよいとする誤り(交通頻繁な道路横断はケーブルでも $6\text{ m}$ 必要です)
横断歩道橋上の高圧高さ 路面上 $3.5\text{ m}$ 以上 低圧と同じく $3\text{ m}$ でよいとする誤り(低圧は $3\text{ m}$、高圧は $3.5\text{ m}$ です)
電線相互の離隔距離(ケーブル) $0.4\text{ m}$ 以上 $0.3\text{ m}$ 以上とする誤り($0.3\text{ m}$ は弱電流電線等の一部規定と混同させる手口です)
第2次接近状態の距離 水平距離で $3\text{ m}$ 未満 $2\text{ m}$ 未満、あるいは $1.2\text{ m}$ 未満とする誤り
接近状態の対象方向 他の工作物の上方又は側方 上方、下方又は側方とする誤り(下方は支持物高さ相当の落下接触範囲に含まれません)
建造物上部造営材の離隔(ケーブル) $1.2\text{ m}$ 以上 ケーブルでも $2\text{ m}$ 必要、または $0.4\text{ m}$ まで緩和できるとする誤り

【令和4年下期・問4】電気設備技術基準および解釈における架空電線の施設目的と道路横断時の地上高

次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく電気供給のための電気設備の施設に関する記述である。
架空電線,架空電力保安通信線及び架空電車線は, (ア) 又は (イ) による感電のおそれがなく,かつ,交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。
低圧架空電線又は高圧架空電線の高さは,道路(車両の往来がまれであるもの及び歩行の用にのみ供される部分を除く。)を横断する場合,路面上 (ウ) $\text{m}$ 以上にしなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ)
(1) 通電 アーク $6$
(2) 接触 誘導作用 $6$
(3) 通電 誘導作用 $5$
(4) 接触 誘導作用 $5$
(5) 通電 アーク $5$

解説

正解は(2)です。

本問の前段は技術基準第$25$条第$1$項に基づきます。
架空電線等は接触または誘導作用による感電事故を防ぐ必要があります。
あわせて交通に支障を及ぼさない高さに施設しなければなりません。
したがって、空欄(ア)には「接触」、空欄(イ)には「誘導作用」が入ります。

本問の後段は解釈第$68$条第$1$項に基づきます。
低圧または高圧架空電線が道路を横断する場合の基準です。
通常の道路横断では路面上 $6\text{ m}$ 以上の高さを確保します。
したがって、空欄(ウ)には「$6$」が入ります。

【令和4年上期・問5】電気設備技術基準の解釈における第1次接近状態および第2次接近状態の定義

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく電線路の接近状態に関する記述である。
a) 第1次接近状態とは,架空電線が他の工作物と接近する場合において,当該架空電線が他の工作物の (ア) において,水平距離で (イ) 以上,かつ,架空電線路の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に施設されることにより,架空電線路の電線の (ウ) ,支持物の (エ) 等の際に,当該電線が他の工作物に (オ) おそれがある状態をいう。
b) 第2次接近状態とは,架空電線が他の工作物と接近する場合において,当該架空電線が他の工作物の (ア) において水平距離で (イ) 未満に施設される状態をいう。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 上方,下方又は側方 $3\text{ m}$ 振動 傾斜 損害を与える
(2) 上方又は側方 $3\text{ m}$ 切断 倒壊 接触する
(3) 上方又は側方 $3\text{ m}$ 切断 傾斜 接触する
(4) 上方,下方又は側方 $2\text{ m}$ 切断 倒壊 接触する
(5) 上方,下方又は側方 $2\text{ m}$ 振動 傾斜 損害を与える

解説

正解は(2)です。

本問は、解釈第$49$条第$1$項第一号および第二号に基づきます。
第$1$次接近状態は他の工作物の上方または側方における接近です。
水平距離で $3\text{ m}$ 以上、支持物高さ相当の距離以内の状態をいいます。
電線の切断や支持物の倒壊の際に接触するおそれがあります。
したがって、空欄(ア)は「上方又は側方」、空欄(イ)は「$3\text{ m}$」です。
空欄(ウ)は「切断」、空欄(エ)は「倒壊」、空欄(オ)は「接触する」です。

第$2$次接近状態は他の工作物の上方または側方で水平距離 $3\text{ m}$ 未満の状態です。
距離が近接するため、接触危害の可能性が高くなります。
空欄(ア)は「上方又は側方」、空欄(イ)は「$3\text{ m}$」となります。

【令和元年・問8】低高圧架空電線の道路横断地上高・横断歩道橋上高さおよび電線相互離隔距離の適否

次のa~fの文章は低高圧架空電線の施設に関する記述である。
これらの文章の内容について、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

a 車両の往来が頻繁な道路を横断する低圧架空電線の高さは、路面上 $6\text{ m}$ 以上の高さを保持するよう施設しなければならない。
b 車両の往来が頻繁な道路を横断する高圧架空電線の高さは、路面上 $6\text{ m}$ 以上の高さを保持するよう施設しなければならない。
c 横断歩道橋の上に低圧架空電線を施設する場合、電線の高さは当該歩道橋の路面上 $3\text{ m}$ 以上の高さを保持するよう施設しなければならない。
d 横断歩道橋の上に高圧架空電線を施設する場合、電線の高さは当該歩道橋の路面上 $3\text{ m}$ 以上の高さを保持するよう施設しなければならない。
e 高圧架空電線をケーブルで施設するとき、他の低圧架空電線と接近又は交差する場合、相互の離隔距離は $0.3\text{ m}$ 以上を保持するよう施設しなければならない。
f 高圧架空電線をケーブルで施設するとき、他の高圧架空電線と接近又は交差する場合、相互の離隔距離は $0.3\text{ m}$ 以上を保持するよう施設しなければならない。

a b c d e f
(1) 不適切 不適切 適切 不適切 適切 適切
(2) 不適切 不適切 適切 適切 適切 不適切
(3) 適切 適切 不適切 不適切 適切 不適切
(4) 適切 不適切 適切 適切 不適切 不適切
(5) 適切 適切 適切 不適切 不適切 不適切

解説

正解は(5)です。

本問は、解釈第$68$条および第$72$条に基づきます。

記述aについて検討します。
解釈第$68$条第$1$項に基づき、道路を横断する低圧架空電線の高さは路面上 $6\text{ m}$ 以上です。
記述aは適切です。

記述bについて検討します。
同項に基づき、道路を横断する高圧架空電線の高さは路面上 $6\text{ m}$ 以上です。
記述bは適切です。

記述cについて検討します。
同項に基づき、横断歩道橋上の低圧架空電線の高さは路面上 $3\text{ m}$ 以上です。
記述cは適切です。

記述dについて検討します。
同項に基づき、横断歩道橋上の高圧架空電線の高さは路面上 $3.5\text{ m}$ 以上です。
記述dは $3\text{ m}$ としているため不適切です。

記述eについて検討します。
解釈第$72$条第$1$項に基づき、高圧電線と低圧電線の離隔距離は原則 $0.8\text{ m}$ 以上です。
高圧側にケーブルを使用するときは $0.4\text{ m}$ 以上に緩和されます。
記述eは $0.3\text{ m}$ としているため不適切です。

記述fについて検討します。
同項に基づき、高圧電線相互の離隔距離は原則 $0.8\text{ m}$ 以上です。
ケーブルを使用するときは $0.4\text{ m}$ 以上に緩和されます。
記述fは $0.3\text{ m}$ としているため不適切です。

【平成27年・問7】低高圧架空電線の地上高・建造物離隔距離および植物接触防止の施設要件

次の文章は、低高圧架空電線の高さ及び建造物等との離隔距離に関する記述である。その記述内容として、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 高圧架空電線を車両の往来が多い道路の路面上 $7\text{ m}$ の高さに施設した。
(2) 低圧架空電線にケーブルを使用し、車両の往来が多い道路の路面上 $5\text{ m}$ の高さに施設した。
(3) 建造物の屋根(上部造営材)から $1.2\text{ m}$ 上方に低圧架空電線を施設するために、電線にケーブルを使用した。
(4) 高圧架空電線の水面上の高さは、船舶の航行等に危険を及ぼさないようにした。
(5) 高圧架空電線を、平時吹いている風等により、植物に接触しないように施設した。

解説

正解は(2)です。

本問は、解釈第$68$条、第$71$条、および第$75$条に基づきます。

各選択肢を検討します。
(1) 道路を横断する高圧架空電線の高さは路面上 $6\text{ m}$ 以上です。
路面上 $7\text{ m}$ への施設は基準を満たしており適切です。
(2) 車両の往来が多い道路を横断する低圧架空電線は路面上 $6\text{ m}$ 以上が必要です。
ケーブルを使用する場合でも $6\text{ m}$ を下回ることはできません。
路面上 $5\text{ m}$ での施設は基準違反であり、不適切です。
(3) 建造物の上部造営材との離隔は原則 $2\text{ m}$ 以上です。
ケーブルを使用するときは $1.2\text{ m}$ 以上に緩和されます。
記述内容は適切です。
(4) 水面上の電線高さは船舶の航行等に危険を及ぼさない高さと定められています。
記述内容は適切です。
(5) 解釈第$75$条において、高圧電線は平時吹いている風等で植物に接触してはなりません。
記述内容は適切です。

【平成21年・問7】電気設備技術基準の解釈における第1次接近状態・第2次接近状態の数値区分および接触危険性

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における、第1次接近状態及び第2次接近状態に関する記述である。
$1.$ 「第1次接近状態」とは、架空電線が他の工作物と接近(併行する場合を含み、交さする場合及び同一支持物に施設される場合を除く。以下同じ。)する場合において、当該架空電線が他の工作物の上方又は側方において水平距離で (ア) $\text{ [m]}$ 以上、かつ、架空電線路の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に施設されること(水平距離で (ア) $\text{ [m]}$ 未満に施設されることを除く。)により、架空電線路の電線の (イ) ,支持物の (ウ) 等の際に、当該電線が他の工作物 (エ) おそれがある状態をいう。
$2.$ 「第2次接近状態」とは、架空電線が他の工作物と接近する場合において、当該架空電線が他の工作物の上方又は側方において水平距離で (ア) $\text{ [m]}$ 未満に施設される状態をいう。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) $1.2$ 振動 傾斜 を損壊させる
(2) $2$ 振動 倒壊 に接触する
(3) $3$ 切断 倒壊 を損壊させる
(4) $3$ 切断 倒壊 に接触する
(5) $1.2$ 切断 傾斜 に接触する

解説

正解は(4)です。

本問は、解釈第$49$条(電線路に係る用語の定義)に基づきます。
架空電線路が他の工作物と接近する場合、接近の程度に応じて区分されます。

第$1$次接近状態は他の工作物の上方または側方における接近です。
水平距離で $3\text{ m}$ 以上、支持物高さ相当の距離以内の状態を指します。
電線の切断や支持物の倒壊の際、電線が他の工作物に接触する危険が生じます。
したがって、空欄(ア)は「$3$」、空欄(イ)は「切断」、空欄(ウ)は「倒壊」、空欄(エ)は「に接触する」です。

第$2$次接近状態は水平距離で $3\text{ m}$ 未満に施設される状態を指します。
距離が近接するため、より厳格な保安措置が義務付けられます。

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