電験3種(法規)の頻出問題である「高圧・特別高圧の電路および変圧器・太陽電池モジュール等の絶縁耐力試験電圧と試験方法」について解説します。
高圧・特別高圧の電路および変圧器・太陽電池モジュール等の絶縁耐力試験電圧と試験方法の攻略ポイント
電験3種の法規科目において、電気設備の絶縁耐力試験に関する出題は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$5$条(電路の絶縁性能)および第$6$条(電気機械器具の絶縁性能)をはじめ、「電気設備の技術基準の解釈」第$1$条(用語の定義:最大使用電圧)、第$15$条(高圧又は特別高圧の電路の絶縁耐力)、第$16$条(機械器具等の電路の絶縁耐力)、第$46$条(太陽電池発電設備等の施設)などから毎年極めて高い頻度で出題されます。
出題形式は、条文中の倍率や試験時間、最低電圧の空欄穴埋め問題、公称電圧から試験電圧を算出させる計算問題(A問題およびB問題)、および試験方法や印加箇所に関する正誤判定問題が中心です。
特に、公称電圧から最大使用電圧を導出する計算係数(公称電圧に $\dfrac{1.15}{1.1}$ を乗じる)、電圧階級区分に応じた試験電圧の倍率($7\,000\text{ V}$ 以下は $1.5$ 倍、$7\,000\text{ V}$ 超 $60\,000\text{ V}$ 以下の非接地等は $1.25$ 倍、多重接地中性点接地式は $0.92$ 倍など)、最低試験電圧($1.5$ 倍時は $500\text{ V}$、$1.25$ 倍時は $10\,500\text{ V}$)、連続加圧時間(原則 $10$ 分間)、ケーブル電路における直流試験の特例(交流試験電圧の $2$ 倍の直流電圧を $10$ 分間加圧)、太陽電池モジュールの絶縁耐力試験(直流 $1.5$ 倍又は交流 $1$ 倍、最低 $500\text{ V}$、$10$ 分間加圧)、および直流電路の電線電圧限度(直流 $1\,500\text{ V}$ 以下)などは、確実に得点すべき頻出ポイントです。
過去問の演習に先立ち、以下の4つの整理表で体系的に確認してください。
電路の公称電圧と最大使用電圧の算出基準(解釈第1条)
電気設備の技術基準の解釈第$1$条第$2$項第$1$号に基づき、絶縁耐力試験の基礎となる最大使用電圧の算定式および代表的な系統電圧の数値を整理した表です。
| 電圧区分・線路種別 | 最大使用電圧の算定計算式 | 代表的な公称電圧 | 算出される最大使用電圧 |
|---|---|---|---|
| $1\,000\text{ V}$ 以下の電路(低圧) | 通常の使用状態において加えられる最高の電圧 | $100\text{ V}$ / $200\text{ V}$ / $400\text{ V}$ | 通常時の最高実効電圧 |
| $1\,000\text{ V}$ を超え $500\,000\text{ V}$ 以下の電路(高圧・特別高圧) | 公称電圧に $\dfrac{1.15}{1.1}$ を乗じた電圧(約 $1.0455$ 倍) | $6\,600\text{ V}$($6.6\text{ kV}$) $22\,000\text{ V}$($22\text{ kV}$) $33\,000\text{ V}$($33\text{ kV}$) $66\,000\text{ V}$($66\text{ kV}$) $77\,000\text{ V}$($77\text{ kV}$) $154\,000\text{ V}$($154\text{ kV}$) |
$6\,900\text{ V}$($6.9\text{ kV}$) $23\,000\text{ V}$($23\text{ kV}$) $34\,500\text{ V}$($34.5\text{ kV}$) $69\,000\text{ V}$($69\text{ kV}$) $80\,500\text{ V}$($80.5\text{ kV}$) $161\,000\text{ V}$($161\text{ kV}$) |
| $500\,000\text{ V}$ を超える電路(超高圧) | 公称電圧に $\dfrac{1.1}{1.1}$ を乗じた電圧(公称電圧と同一) | $500\,000\text{ V}$($500\text{ kV}$) | $550\,000\text{ V}$($550\text{ kV}$ 設計時等) |
高圧・特別高圧電路の絶縁耐力試験電圧(解釈第15条)
電気設備の技術基準の解釈第$15$条第$1$項および第$2$項に基づき、電路の最大使用電圧に応じた試験電圧の倍率、最低試験電圧、試験時間、および直流試験の換算規定を整理した表です。
| 電路の最大使用電圧区分 | 接地方式および電路の種類 | 交流試験電圧(連続 $10$ 分間加圧) | 最低試験電圧の規定 |
|---|---|---|---|
| $7\,000\text{ V}$ 以下(高圧電路) | すべての電路(交流) | 最大使用電圧の $1.5$ 倍 | $500\text{ V}$ 未満となる場合は $500\text{ V}$ |
| $7\,000\text{ V}$ を超え $15\,000\text{ V}$ 以下 | 中性点接地式電路(中性線多重接地) | 最大使用電圧の $0.92$ 倍 | 最低電圧規定なし |
| $7\,000\text{ V}$ を超え $60\,000\text{ V}$ 以下 | 上記以外の電路(非接地方式等) | 最大使用電圧の $1.25$ 倍 | $10\,500\text{ V}$ 未満となる場合は $10\,500\text{ V}$ |
| $60\,000\text{ V}$ を超え $170\,000\text{ V}$ 以下 | 中性点接地式電路 | 最大使用電圧の $0.72$ 倍 | 最低電圧規定なし |
| $60\,000\text{ V}$ を超える電路 | 中性点直接接地式電路($170\text{ kV}$ 超) | 最大使用電圧の $0.64$ 倍 | 最低電圧規定なし |
| ケーブル電路の直流試験特例 | ケーブルを使用する交流電路全般 | 交流試験電圧の $2$ 倍の直流電圧 | 加圧時間は交流と同じく連続 $10$ 分間 |
変圧器等の機械器具の電路の絶縁耐力試験(解釈第16条)
電気設備の技術基準の解釈第$16$条第$1$項に基づき、変圧器巻線の絶縁耐力試験における試験電圧、試験方法、および印加箇所を整理した表です。
| 変圧器巻線の種類・最大使用電圧 | 電路の接地方式等の区分 | 試験電圧の計算式 | 試験方法および試験箇所 |
|---|---|---|---|
| 最大使用電圧が $7\,000\text{ V}$ 以下の巻線 | すべての巻線(高圧側巻線等) | 最大使用電圧の $1.5$ 倍($500\text{ V}$ 未満時は $500\text{ V}$) | 試験される巻線と他の巻線、鉄心及び外箱との間に、試験電圧を連続して $10$ 分間加える。 |
| 最大使用電圧が $7\,000\text{ V}$ を超え $60\,000\text{ V}$ 以下の巻線 | 中性点接地式電路($15\,000\text{ V}$ 以下の多重接地電路に接続) | 最大使用電圧の $0.92$ 倍 | 試験される巻線と他の巻線、鉄心及び外箱との間に、試験電圧を連続して $10$ 分間加える。 |
| 最大使用電圧が $7\,000\text{ V}$ を超え $60\,000\text{ V}$ 以下の巻線 | 上記以外のもの(非接地配電線接続の特別高圧受電変圧器等) | 最大使用電圧の $1.25$ 倍($10\,500\text{ V}$ 未満時は $10\,500\text{ V}$) | 試験される巻線と他の巻線、鉄心及び外箱との間に、試験電圧を連続して $10$ 分間加える。 |
| 変圧器絶縁耐力確認の代替規格 | 全容量の変圧器 | JESC E7001(2018)「電路の絶縁耐力の確認方法」による確認 | 規格に定める確認方法による適合確認が認められている。 |
太陽電池モジュールおよび直流設備の絶縁耐力・施設基準(解釈第16条・第46条)
電気設備の技術基準の解釈第$16$条第$6$項および第$46$条第$2$項に基づき、太陽電池設備に特有の絶縁耐力試験条件および直流電線の保安要件を整理した表です。
| 設備・部位の区分 | 試験電圧の種類・倍率 | 最低電圧および加圧時間 | 保安要件および工学的背景 |
|---|---|---|---|
| 太陽電池モジュール(直流印加時) | 最大使用電圧の $1.5$ 倍の「直流電圧」 | 連続して $10$ 分間加圧 | 光照射下で常時直流電圧を発生するため、直流耐電圧試験が基本となります。充電部分と大地との間に加えます。 |
| 太陽電池モジュール(交流印加時) | 最大使用電圧の $1$ 倍の「交流電圧」 | $500\text{ V}$ 未満となる場合は $500\text{ V}$、連続して $10$ 分間加圧 | 交流試験を行う場合は直流の波高値を考慮して倍率が $1$ 倍に緩和されますが、最低電圧 $500\text{ V}$ の下限が課されます。 |
| 太陽電池発電設備用直流ケーブル | 高圧直流電路の電線として使用する場合 | 使用電圧は直流 $1\,500\text{ V}$ 以下 | 取扱者以外の者が立ち入らない構内等において、専用の直流ケーブル(耐候性・耐電圧性に優れる)を使用する際の電圧上限です。 |
【令和8年上期・問4】受電用変圧器(23 kV電線路接続)の絶縁耐力試験電圧および試験時間
「電気設備技術基準の解釈」に基づいて、最大使用電圧 $23\text{ kV}$ の電線路に接続する受電用変圧器の絶縁耐力試験を、最大使用電圧に所定の係数を乗じた試験電圧を印加する方法により行う場合、試験電圧と試験時間に関する記述として、適切なのは次のうちどれか。
(1) 最大使用電圧の $1.1$ 倍である $25\,300\text{ V}$ の電圧を連続して $1$ 分間加える。
(2) 最大使用電圧の $1.25$ 倍である $28\,750\text{ V}$ の電圧を連続して $1$ 分間加える。
(3) 最大使用電圧の $1.25$ 倍である $28\,750\text{ V}$ の電圧を連続して $10$ 分間加える。
(4) 最大使用電圧の $1.5$ 倍である $34\,500\text{ V}$ の電圧を連続して $1$ 分間加える。
(5) 最大使用電圧の $1.5$ 倍である $34\,500\text{ V}$ の電圧を連続して $10$ 分間加える。
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$16$条(機械器具等の電路の絶縁耐力)第$1$項表が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第$16$条第$1$項表において、変圧器の巻線の絶縁耐力試験は次のように規定されています。
最大使用電圧が $7\,000\text{ V}$ を超え $60\,000\text{ V}$ 以下の巻線であって、中性点接地式電路($15\,000\text{ V}$ 以下の多重接地電路)に接続するもの以外のもの(上記以外のもの)については、
・試験電圧:最大使用電圧の $1.25$ 倍の電圧($10\,500\text{ V}$ 未満となる場合は $10\,500\text{ V}$)
・試験方法:試験される巻線と他の巻線、鉄心及び外箱との間に試験電圧を「連続して $10$ 分間」加えること。
問題文より、電線路の最大使用電圧は $23\text{ kV} = 23\,000\text{ V}$ です。これは $7\,000\text{ V}$ を超え $60\,000\text{ V}$ 以下の区分に該当するため、試験電圧の倍率は $1.25$ 倍となります。
したがって、試験電圧の計算式は次のようになります。
$$\text{試験電圧} = 23\,000\text{ V} \times 1.25 = 28\,750\text{ V}$$
加圧時間は「連続して $10$ 分間」です。
各選択肢の検討:
(1) 倍率が $1.1$ 倍、試験時間が $1$ 分間となっており誤りです。
(2) 試験電圧 $28\,750\text{ V}$($1.25$ 倍)は正しいですが、試験時間が「$1$ 分間」となっており誤りです。
(3) 最大使用電圧の $1.25$ 倍である $28\,750\text{ V}$ の電圧を連続して $10$ 分間加える記述は、解釈第$16$条第$1$項表の規定に完全に適合しており適切です。
(4) 倍率が $1.5$ 倍(高圧用の倍率)、試験時間が $1$ 分間となっており誤りです。
(5) 倍率が $1.5$ 倍($34\,500\text{ V}$)となっており誤りです。
したがって、適切なものは(3)となります。
【令和5年上期・問4】太陽電池モジュールの絶縁耐力試験電圧(直流・交流)および加圧時間
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく太陽電池モジュールの絶縁性能に関する記述の一部である。
太陽電池モジュールは、最大使用電圧の $1.5$ 倍の直流電圧又は(ア)倍の交流電圧((イ)$\text{V}$ 未満となる場合は、(イ)$\text{V}$)を充電部分と大地との間に連続して(ウ)分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| (ア) | (イ) | (ウ) | |
|---|---|---|---|
| (1) | 1 | 500 | 10 |
| (2) | 1 | 300 | 10 |
| (3) | 1.1 | 500 | 1 |
| (4) | 1.1 | 600 | 1 |
| (5) | 1.1 | 300 | 1 |
解説
正解は(1)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$16$条(機械器具等の電路の絶縁耐力)第$6$項が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第$16$条第$6$項において次のように規定されています。
「太陽電池モジュールは、最大使用電圧の $1.5$ 倍の直流電圧又は $1$ 倍の交流電圧($500\text{ V}$ 未満となる場合は、$500\text{ V}$)を充電部分と大地との間に連続して $10$ 分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。」
空白箇所への当てはめ:
・(ア):交流電圧の倍率は「$1$」倍です。直流試験時の $1.5$ 倍に対して、交流試験では波高値が実効値の $\sqrt{2} \approx 1.414$ 倍となるため、実効値倍率としては $1$ 倍で同等の絶縁耐力ストレスが印加される工学的考慮に基づいています。
・(イ):交流試験電圧の下限値は「$500$」$\text{V}$ です。最大使用電圧が低いモジュールであっても最低限 $500\text{ V}$ の耐電圧が要求されます。
・(ウ):試験電圧を加える時間は「$10$」分間です。電路や変圧器の絶縁耐力試験と同様に $10$ 分間の連続印加が基本です。
各選択肢の検討:
(1) (ア)1、(イ)500、(ウ)10 であり、解釈第$16$条第$6$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(2) (イ)が「300」となっており誤りです。
(3) (ア)が「1.1」、(ウ)が「1」となっており誤りです。
(4) (ア)が「1.1」、(イ)が「600」、(ウ)が「1」となっており誤りです。
(5) (ア)が「1.1」、(イ)が「300」、(ウ)が「1」となっており誤りです。
したがって、正解は(1)となります。
【令和2年・問12】変圧器の電路の絶縁耐力試験基準および22 kV受電用変圧器の試験電圧計算
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。
変圧器(放電灯用変圧器、エックス線管用変圧器等の変圧器、及び特殊用途のものを除く。)の電路は、次のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
① 表の中欄に規定する試験電圧を、同表の右欄で規定する試験方法で加えたとき、これに耐える性能を有すること。
② 日本電気技術規格委員会規格 JESC E7001(2018)「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。
| 変圧器の巻線の種類 | 試験電圧 | 試験方法 |
|---|---|---|
| 最大使用電圧が(ア)$\text{V}$ 以下のもの | 最大使用電圧の(イ)倍の電圧((ウ)$\text{V}$ 未満となる場合は(ウ)$\text{V}$) | 試験される巻線と他の巻線、鉄心及び外箱との間に試験電圧を連続して $10$ 分間加える。 |
| 最大使用電圧が(ア)$\text{V}$ を超え、$60\,000\text{ V}$ 以下のもの:最大使用電圧が $15\,000\text{ V}$ 以下のもの(中性点接地式電路であって、その中性線に多重接地するものに接続するもの) | 最大使用電圧の $0.92$ 倍の電圧 | |
| 最大使用電圧が(ア)$\text{V}$ を超え、$60\,000\text{ V}$ 以下のもの:上記以外のもの | 最大使用電圧の(エ)倍の電圧($10\,500\text{ V}$ 未満となる場合は $10\,500\text{ V}$) |
上記の記述に関して、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a)表中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 6900 | 1.1 | 500 | 1.25 |
| (2) | 6950 | 1.25 | 600 | 1.5 |
| (3) | 7000 | 1.5 | 600 | 1.25 |
| (4) | 7000 | 1.5 | 500 | 1.25 |
| (5) | 7200 | 1.75 | 500 | 1.75 |
(b)公称電圧 $22\,000\text{ V}$ の電線路に接続して使用される受電用変圧器の絶縁耐力試験を、表の記載に基づき実施する場合の試験電圧の値 $[\text{V}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)から一つ選べ。
(1) 28750
(2) 30250
(3) 34500
(4) 36300
(5) 38500
解説
(a)の正解は(4)、(b)の正解は(1)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$16$条(機械器具等の電路の絶縁耐力)第$1$項表、および第$1$条(用語の定義:最大使用電圧)が根拠となっています。
(a)の解説:
電気設備の技術基準の解釈 第$16$条第$1$項表において、変圧器巻線の区分は高圧と特別高圧の境界である「$7\,000\text{ V}$」で区分されます。したがって、(ア)には「$7000$」が入ります。
最大使用電圧が $7\,000\text{ V}$ 以下の巻線(高圧巻線)における試験電圧は、「最大使用電圧の $1.5$ 倍の電圧($500\text{ V}$ 未満となる場合は $500\text{ V}$)」と定められています。したがって、(イ)には「$1.5$」、(ウ)には「$500$」が入ります。
最大使用電圧が $7\,000\text{ V}$ を超え $60\,000\text{ V}$ 以下の巻線であって「上記以外のもの」における試験電圧は、「最大使用電圧の $1.25$ 倍の電圧($10\,500\text{ V}$ 未満となる場合は $10\,500\text{ V}$)」と定められています。したがって、(エ)には「$1.25$」が入ります。
以上より、(ア)7000、(イ)1.5、(ウ)500、(エ)1.25 となり、正解は(4)です。
各選択肢の検討(a):
(1) (ア)が「6900」、(イ)が「1.1」となっており誤りです。
(2) (ア)が「6950」、(イ)が「1.25」、(ウ)が「600」、(エ)が「1.5」となっており誤りです。
(3) (ウ)が「600」となっており誤りです。
(4) (ア)7000、(イ)1.5、(ウ)500、(エ)1.25 であり、条文規定に完全に一致しており正しいです。
(5) (ア)が「7200」、(イ)が「1.75」、(エ)が「1.75」となっており誤りです。
(b)の解説:
公称電圧 $22\,000\text{ V}$($22\text{ kV}$)の電線路に接続される受電用変圧器の試験電圧を求める手順は次の通りです。
ステップ1:最大使用電圧の算出
解釈第$1$条第$2$項第$1$号に基づき、$1\,000\text{ V}$ を超え $500\,000\text{ V}$ 以下の電路における最大使用電圧は、公称電圧に係数 $\dfrac{1.15}{1.1}$ を乗じて算出します。
$$\text{最大使用電圧} = 22\,000\text{ V} \times \frac{1.15}{1.1} = 23\,000\text{ V}$$
ステップ2:変圧器巻線の区分判定と試験電圧倍率の選定
受電用変圧器の最大使用電圧は $23\,000\text{ V}$ であり、「$7\,000\text{ V}$ を超え $60\,000\text{ V}$ 以下」の「上記以外のもの」に該当します。この区分の試験電圧倍率は $1.25$ 倍です。
ステップ3:試験電圧の計算
$$\text{試験電圧} = 23\,000\text{ V} \times 1.25 = 28\,750\text{ V}$$
この電圧は下限値である $10\,500\text{ V}$ を十分に超えているため、$28\,750\text{ V}$ が試験電圧となります。
選択肢の中で最も近い値は $28\,750$ であり、(1)が正解です。
各選択肢の検討(b):
(1) 最大使用電圧 $23\,000\text{ V} \times 1.25 = 28\,750\text{ V}$ であり正しいです。
(2) $30\,250\text{ V}$ は、公称電圧 $22\,000\text{ V}$ を最大使用電圧に換算せず直接 $1.375$ 倍した数値であり誤りです。
(3) $34\,500\text{ V}$ は、最大使用電圧 $23\,000\text{ V}$ に高圧用の倍率 $1.5$ を乗じた誤り計算($23\,000 \times 1.5 = 34\,500\text{ V}$)です。
(4) $36\,300\text{ V}$ は、公称電圧 $22\,000\text{ V}$ に $1.65$ 倍を乗じた数値であり誤りです。
(5) $38\,500\text{ V}$ は、最大使用電圧 $23\,000\text{ V}$ に交流 $2$ 倍直流換算等の無関係な係数を適用した数値であり誤りです。
したがって、(a)の正解は(4)、(b)の正解は(1)となります。
【平成28年・問6】太陽電池モジュールの絶縁性能および太陽電池発電設備用直流ケーブルの使用電圧限度
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく太陽電池モジュールの絶縁性能及び太陽電池発電所に施設する電線に関する記述の一部である。
a 太陽電池モジュールは、最大使用電圧の(ア)倍の直流電圧又は(イ)倍の交流電圧($500\text{ V}$ 未満となる場合は、$500\text{ V}$)を充電部分と大地との間に連続して、(ウ)分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
b 太陽電池発電所に施設する高圧の直流電路の電線(電気機械器具内の電線を除く。)として、取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じた場所において、太陽電池発電設備用直流ケーブルを使用する場合、使用電圧は直流(エ)$\text{V}$ 以下であること。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 1.5 | 1 | 1 | 1000 |
| (2) | 1.5 | 1 | 10 | 1500 |
| (3) | 2 | 1 | 10 | 1000 |
| (4) | 2 | 1.5 | 10 | 1000 |
| (5) | 2 | 1.5 | 1 | 1500 |
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$16$条(機械器具等の電路の絶縁耐力)第$6$項、および第$46$条(太陽電池発電設備等の施設)第$2$項第$2$号が根拠となっています。
記述aの根拠条文:
電気設備の技術基準の解釈 第$16$条第$6$項において次のように規定されています。
「太陽電池モジュールは、最大使用電圧の $1.5$ 倍の直流電圧又は $1$ 倍の交流電圧($500\text{ V}$ 未満となる場合は、$500\text{ V}$)を充電部分と大地との間に連続して $10$ 分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。」
したがって、(ア)=「1.5」、(イ)=「1」、(ウ)=「10」となります。
記述bの根拠条文:
電気設備の技術基準の解釈 第$46$条第$2$項第$2$号において、太陽電池発電所に施設する直流電路の施設要件として、取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じた場所において太陽電池発電設備用直流ケーブルを使用する場合の使用電圧上限は「直流 $1\,500\text{ V}$ 以下」と定められています。
メガソーラー等の高圧連系太陽電池発電所において、送電損失を低減しストリングあたりのモジュール直列数を増大させる目的で直流電圧の $1\,500\text{ V}$ 化が進められており、これに対応する保安基準として規定されたものです。したがって、(エ)=「1500」となります。
各選択肢の検討:
(1) (ウ)が「1」、(エ)が「1000」となっており誤りです。
(2) (ア)1.5、(イ)1、(ウ)10、(エ)1500 であり、条文規定と完全に一致しており正しいです。
(3) (ア)が「2」、(エ)が「1000」となっており誤りです。
(4) (ア)が「2」、(イ)が「1.5」、(エ)が「1000」となっており誤りです。
(5) (ア)が「2」、(イ)が「1.5」、(ウ)が「1」となっており誤りです。
したがって、正解は(2)となります。
【平成22年・問8】特別高圧ケーブル電路(公称電圧22 kV)における直流絶縁耐力試験電圧と加圧時間
次の文章は「電気設備技術基準の解釈」に基づく、特別高圧の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。
公称電圧 $22\,000\text{ [V]}$、三相3線式電線路のケーブル部分の心線と大地との間の絶縁耐力試験を行う場合、試験電圧と連続加圧時間の記述として、正しいのは次のうちどれか。
(1) 交流 $23\,000\text{ [V]}$ の試験電圧を $10$ 分間加圧する。
(2) 直流 $23\,000\text{ [V]}$ の試験電圧を $10$ 分間加圧する。
(3) 交流 $28\,750\text{ [V]}$ の試験電圧を $1$ 分間加圧する。
(4) 直流 $46\,000\text{ [V]}$ の試験電圧を $10$ 分間加圧する。
(5) 直流 $57\,500\text{ [V]}$ の試験電圧を $10$ 分間加圧する。
解説
正解は(5)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第$15$条(高圧又は特別高圧の電路の絶縁耐力)第$1$項表、第$2$項、および第$1$条(用語の定義:最大使用電圧)が根拠となっています。
計算手順のステップ解説:
ステップ1:電線路の最大使用電圧の算出
解釈第$1$条第$2$項第$1$号に基づき、公称電圧 $22\,000\text{ V}$($22\text{ kV}$)の電路における最大使用電圧は、
$$\text{最大使用電圧} = \text{公称電圧} \times \frac{1.15}{1.1} = 22\,000\text{ V} \times \frac{1.15}{1.1} = 23\,000\text{ V}$$
となります。
ステップ2:交流試験電圧の算出
解釈第$15$条第$1$項表において、最大使用電圧が $7\,000\text{ V}$ を超え $60\,000\text{ V}$ 以下の電路(中性点接地式電路等を除く上記以外の電路)の交流試験電圧は、「最大使用電圧の $1.25$ 倍の電圧($10\,500\text{ V}$ 未満となる場合は $10\,500\text{ V}$)」を連続して $10$ 分間加えることと規定されています。
$$\text{交流試験電圧} = 23\,000\text{ V} \times 1.25 = 28\,750\text{ V}$$
加圧時間は「連続して $10$ 分間」です。
ステップ3:ケーブル電路における直流試験電圧の算出
解釈第$15$条第$2$項において次のように規定されています。
「ケーブルを使用する交流の電路においては、交流試験電圧の $2$ 倍の直流電圧を連続して $10$ 分間加圧することにより、交流試験電圧に代えることができる。」
高圧や特別高圧のケーブルは静電容量が大きいため、交流で耐電圧試験を実施すると極めて大きな充電電流(無効電力)が流れ、現場用の試験変圧器の容量が過大となって試験困難となります。そのため、充電電流が流れない直流電圧を用いて試験を行うことが実務上広く認められています。
したがって、直流による場合の試験電圧は交流試験電圧の $2$ 倍となります。
$$\text{直流試験電圧} = \text{交流試験電圧} \times 2 = 28\,750\text{ V} \times 2 = 57\,500\text{ V}$$
加圧時間は交流試験と同様に「連続して $10$ 分間」です。
各選択肢の検討:
(1) 交流 $23\,000\text{ V}$ は最大使用電圧そのものであり、耐圧試験に必要な $1.25$ 倍の係数が乗じられていないため誤りです。
(2) 直流 $23\,000\text{ V}$ は交流試験電圧の $2$ 倍($57\,500\text{ V}$)に遠く及ばないため誤りです。
(3) 交流 $28\,750\text{ V}$ は交流試験電圧としては正しい値ですが、加圧時間が「$1$ 分間」となっており、法令で定める「$10$ 分間」に違反しているため誤りです。
(4) 直流 $46\,000\text{ V}$ は、最大使用電圧 $23\,000\text{ V}$ に倍率 $1.25$ を掛けずに直接 $2$ 倍した誤り計算($23\,000 \times 2 = 46\,000\text{ V}$)であり誤りです。
(5) 直流 $57\,500\text{ [V]}$ の試験電圧を $10$ 分間加圧する記述は、交流試験電圧 $28\,750\text{ V}$ の $2$ 倍の直流電圧を連続 $10$ 分間加圧する規定に完全に合致しており正しいです。
したがって、正しいものは(5)となります。
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