【電験3種・法規】頻出問題「低圧電路・低圧電線路の絶縁性能基準(絶縁抵抗値および最大供給電流の1/2000漏えい電流)」の試験対策

電験3種(法規)の頻出問題である「低圧電路・低圧電線路の絶縁性能基準(絶縁抵抗値および最大供給電流の1/2000漏えい電流)」について解説します。

低圧電路・低圧電線路の絶縁性能基準の攻略ポイント

電験3種の法規科目において、低圧電路および低圧電線路の絶縁性能に関する出題は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$58$条(低圧電線路の絶縁性能および電気使用場所の低圧電路の絶縁性能)をはじめ、「電気設備の技術基準の解釈」第$1$条(用語の定義:対地電圧)、第$14$条(電路の絶縁抵抗及び絶縁耐力)などから毎年のように出題されます。
出題形式は、条文中の重要用語(使用電圧、最大供給電流、対地電圧、過電流遮断器等)や基準数値($300\text{ V}$、$150\text{ V}$、$0.1\text{ M}\Omega$、$0.2\text{ M}\Omega$、$0.4\text{ M}\Omega$、$2\,000$ 分の $1$ 等)の空欄補充問題、および配電用変圧器の容量や電圧から最大供給電流・許容漏えい電流・最小絶縁抵抗値を算出させる計算問題(A問題およびB問題)が中心です。
特に、電気使用場所(屋内配線等)の絶縁抵抗値基準($300\text{ V}$ 以下で対地電圧 $150\text{ V}$ 以下は $0.1\text{ M}\Omega$ 以上、その他の $300\text{ V}$ 以下は $0.2\text{ M}\Omega$ 以上、$300\text{ V}$ 超は $0.4\text{ M}\Omega$ 以上)、電路を区切る単位(開閉器又は「過電流遮断器」)、電力供給のための低圧電線路(架空配電線路等)の絶縁基準(使用電圧に対する漏えい電流が「最大供給電流の $2\,000$ 分の $1$」以下)、単相2線式や単相3線式における変圧器定格容量からの最大供給電流の導出方法、および電線「1線当たり」と「3線一括」での漏えい電流の扱いなどは、試験で合否を分ける極めて重要な計算・論説ポイントです。
過去問の演習に先立ち、以下の4つの整理表で体系的に確認してください。

電気使用場所における低圧電路の絶縁抵抗値基準(省令第58条第2項)

電気設備に関する技術基準を定める省令第$58$条第$2$項に基づき、工場・ビル・住宅等の電気使用場所における低圧電路の絶縁抵抗値基準および適用電路の例を整理した表です。

電路の使用電圧の区分 対地電圧の区分および配電方式 絶縁抵抗値(最小値) 代表的な適用電路・負荷設備
$300\text{ V}$ 以下 対地電圧が $150\text{ V}$ 以下の場合 $0.1\text{ M}\Omega$ 以上 単相2線式 $100\text{ V}$(対地電圧 $100\text{ V}$)
単相3線式 $100/200\text{ V}$(中性線接地、対地電圧 $100\text{ V}$)
住宅用電灯配線・一般家電回路
$300\text{ V}$ 以下 上記以外の場合(対地電圧が $150\text{ V}$ 超 $300\text{ V}$ 以下) $0.2\text{ M}\Omega$ 以上 三相3線式 $200\text{ V}$(非接地式電路、対地電圧 $200\text{ V}$)
工場・ビルの動力回路(モーター、空調設備等)
$300\text{ V}$ を超えるもの すべての低圧電路($300\text{ V}$ 超 $600\text{ V}$ 以下の交流電路) $0.4\text{ M}\Omega$ 以上 三相3線式 $400\text{ V}$(対地電圧 $400\text{ V}$)
三相4線式 $240/415\text{ V}$(対地電圧 $240\text{ V}$)
大規模工場の動力主幹線、インバータ電源盤等
測定箇所および区切り単位 電線相互間 及び 電路と大地との間 「開閉器」又は「過電流遮断器」で区切ることのできる電路ごと 分電盤の分岐回路(安全ブレーカー等)ごとに測定します。停電できない等のやむを得ない場合は漏えい電流 $1\text{ mA}$ 以下で代替確認が認められています。

電気の供給のための低圧電線路の絶縁性能基準(省令第58条第1項)

電気設備に関する技術基準を定める省令第$58$条第$1$項に基づき、電力会社等の配電線路や需要場所に至る低圧電線路に求められる漏えい電流基準を整理した表です。

規定項目 条文における規定内容 工学的背景および引っかけ注意点
対象電路 「電気の供給のための低圧電線路」 変電所・配電用変圧器から需要家の引込口に至る低圧架空・地中配電線路を指します。
適用単位 「引込口開閉器その他これに準ずる箇所以下の電路ごと」 需要家ごとの受電点・引込口開閉器等で区分された電路単位で評価します。
測定・評価箇所 「電線と大地との間」及び「電線の線心相互間」 対地絶縁と線間絶縁の両方が健全であることを要求します。
印加電圧の基準 「使用電圧」に対する漏えい電流 「最大使用電圧」や「対地電圧」ではなく、「使用電圧」(公称使用電圧)に対する電流として評価します。
漏えい電流の上限値 「最大供給電流の $2\,000$ 分の $1$」を超えないこと $\dfrac{1}{1\,000}$ や $\dfrac{1}{1\,500}$ ではなく $\dfrac{1}{2\,000}$ です。送電・配電容量に見合った微小な漏電レベルに抑制します。

配電方式ごとの最大供給電流および漏えい電流の計算比較

配電用変圧器の定格容量 $S\text{ [V}\cdot\text{A]}$、線間電圧・二次電圧 $V\text{ [V]}$ から最大供給電流および許容漏えい電流を導出する計算式を整理した表です。

配電方式の種類 最大供給電流(定格電流 $I_{\max}$)の計算式 電線路全体の許容漏えい電流 $I_g$ 電線 $1$ 線当たりの許容漏えい電流 $I_{g1}$
単相2線式(電圧 $V$) $I_{\max} = \dfrac{S}{V}$ $I_g = \dfrac{I_{\max}}{2\,000}$ $I_{g1} = \dfrac{I_g}{2} = \dfrac{I_{\max}}{4\,000}$(電線が$2$本のため$1$線当たりは半分)
単相3線式(電圧 $210/105\text{ V}$) $I_{\max} = \dfrac{S}{V_{\text{両外側線間}}} = \dfrac{S}{210}$ $I_g = \dfrac{I_{\max}}{2\,000}$ $I_{g1} = \dfrac{I_{\max}}{2\,000}$(外側線$1$線の定格電流に対して規定)
※$3$線一括印加時は $3 \times I_{g1}$
三相3線式(線間電圧 $V$) $I_{\max} = \dfrac{S}{\sqrt{3}\,V}$ $I_g = \dfrac{I_{\max}}{2\,000}$ $I_{g1} = \dfrac{I_g}{3} = \dfrac{I_{\max}}{6\,000}$(電線が$3$本のため$1$線当たりは$3$分の$1$)

対地電圧の定義と配電方式別の具体値(解釈第1条)

電気設備の技術基準の解釈第$1$条(用語の定義)に基づき、低圧電路の絶縁抵抗値基準の判定基準となる「対地電圧」の定義と具体的数値を整理した表です。

電路の種別・配電方式 対地電圧の法令上の定義 配電電圧(線間電圧) 該当する対地電圧の値
接地式電路(中性点・$1$線接地) 電線と大地との間の電圧 単相2線式 $100\text{ V}$($1$線接地) $100\text{ V}$($150\text{ V}$ 以下のため基準は $0.1\text{ M}\Omega$)
接地式電路(単相3線式) 電線と大地との間の電圧 単相3線式 $100/200\text{ V}$(中性点接地) $100\text{ V}$(線間 $200\text{ V}$ 回路でも対地電圧は $100\text{ V}$ で $0.1\text{ M}\Omega$)
非接地式電路(高圧受電構内等) 電線間の電圧(線間電圧そのもの) 三相3線式 $200\text{ V}$(非接地式) $200\text{ V}$($150\text{ V}$ を超えるため基準は $0.2\text{ M}\Omega$)
接地式電路(三相4線式) 電線と大地との間の電圧 三相4線式 $240/415\text{ V}$(中性点接地) $240\text{ V}$(線間 $415\text{ V}$ で使用電圧が $300\text{ V}$ 超のため基準は $0.4\text{ M}\Omega$)

【令和7年下期・問5】単相2線式低圧架空配電線路における電線1線当たりの許容漏えい電流の計算

「電気設備技術基準」では、低圧電線路の絶縁性能として、「低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の(ア)を超えないようにしなければならない。」と規定している。
今、定格容量 $75\text{ kV}\cdot\text{A}$、一次電圧 $6\,600\text{ V}$、二次電圧 $105\text{ V}$ の単相変圧器に接続された単相2線式 $105\text{ V}$ 1回線の低圧架空配電線路について、上記規定に基づく、この配電線路の電線 1線当たりの漏えい電流 $[\text{A}]$ の許容最大値を求めることとする。
上記の記述中の空白箇所(ア)に当てはまる語句と漏えい電流 $[\text{A}]$ の許容最大値との組合せとして、最も適切なのは次のうちどれか。

(ア) 漏えい電流 $[\text{A}]$ の許容最大値
(1) 1000分の1 0.714
(2) 1000分の1 1.429
(3) 1500分の1 0.476
(4) 2000分の1 0.357
(5) 2000分の1 0.179

解説

正解は(5)です。

問題文の記述は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$58$条(低圧電線路の絶縁性能)第$1$項が根拠となっています。

電気設備に関する技術基準を定める省令 第$58$条第$1$項において次のように規定されています。
「電気の供給のための低圧電線路の絶縁性能は、技術上やむを得ない場合を除き、引込口開閉器その他これに準ずる箇所以下の電路ごとに、低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の二千分の一を超えないようにしなければならない。」
したがって、空白箇所(ア)には「$2000$ 分の $1$」が入ります。

電線1線当たりの漏えい電流の許容最大値の計算手順:
ステップ1:単相変圧器二次側の定格電流(最大供給電流 $I_{\max}$)の計算
変圧器の定格容量 $S = 75\text{ kV}\cdot\text{A} = 75\,000\text{ V}\cdot\text{A}$、二次電圧 $V = 105\text{ V}$、単相2線式であるため、
$$I_{\max} = \frac{S}{V} = \frac{75\,000\text{ V}\cdot\text{A}}{105\text{ V}} \approx 714.286\text{ A}$$
ステップ2:低圧電線路全体で許容される全漏えい電流 $I_g$ の計算
省令第$58$条第$1$項の規定により、漏えい電流の許容限度は最大供給電流の $\dfrac{1}{2\,000}$ です。
$$I_g = \frac{I_{\max}}{2\,000} = \frac{714.286\text{ A}}{2\,000} \approx 0.35714\text{ A}$$
ステップ3:電線1線当たりの許容漏えい電流 $I_{g1}$ の計算
配電線路は単相2線式(電線が$2$本)であり、大地への漏えい電流は両電線から大地に向かって流れます。電線路全体の漏えい電流が $0.35714\text{ A}$ 以下であることから、電線$1$線当たりに許容される漏えい電流の最大値は全体の半分となります。
$$I_{g1} = \frac{I_g}{2} = \frac{0.35714\text{ A}}{2} \approx 0.17857\text{ A} \approx 0.179\text{ A}$$

各選択肢の検討:
(1) (ア)が「1000分の1」、許容値が「0.714」となっており誤りです。
(2) (ア)が「1000分の1」、許容値が「1.429」となっており誤りです。
(3) (ア)が「1500分の1」となっており誤りです。
(4) (ア)は「2000分の1」で正しいですが、許容値 $0.357\text{ A}$ は電線路全体(2線合計)の値であり、問題文で問われている「電線1線当たり」の値ではないため誤りです。
(5) (ア)が「2000分の1」、電線1線当たりの漏えい電流の許容最大値が $0.179\text{ A}$ であり、法令規定および計算結果と完全に一致しており最も適切です。

したがって、正解は(5)となります。

【令和7年上期・問3】電気設備技術基準における低圧電線路の絶縁性能(漏えい電流基準)

「電気設備技術基準」では、電気の供給のための低圧電線路の絶縁性能について、次のように規定している。
低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、(ア)に対する漏えい電流が(イ)の(ウ)分の1を超えないようにしなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ)
(1) 使用電圧 最大供給電流 2000
(2) 最大使用電圧 供給電流 2000
(3) 使用電圧 使用電流 1000
(4) 対地電圧 最大供給電流 1000
(5) 対地電圧 使用電流 2000

解説

正解は(1)です。

問題文の記述は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$58$条(低圧電線路の絶縁性能)第$1$項が根拠となっています。

電気設備に関する技術基準を定める省令 第$58$条第$1$項において次のように規定されています。
「電気の供給のための低圧電線路の絶縁性能は、技術上やむを得ない場合を除き、引込口開閉器その他これに準ずる箇所以下の電路ごとに、低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の二千分の一を超えないようにしなければならない。」

各空白箇所の解説:
・(ア):基準となる印加電圧は「使用電圧」です。高圧電路の耐電圧試験等で用いられる「最大使用電圧」や、屋内配線の絶縁抵抗区分で用いられる「対地電圧」とのすり替えが頻出です。
・(イ):漏えい電流の分母となる基準電流は「最大供給電流」です。実際に流れている電流(使用電流・負荷電流)ではなく、当該電線路が供給できる最大の電流(変圧器容量等に基づく定格供給電流)を基準とします。
・(ウ):漏えい電流の許容上限比率は「$2000$」分の$1$です。

各選択肢の検討:
(1) (ア)使用電圧、(イ)最大供給電流、(ウ)2000 であり、省令第$58$条第$1$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(2) (ア)が「最大使用電圧」、(イ)が「供給電流」となっており誤りです。
(3) (イ)が「使用電流」、(ウ)が「1000」となっており誤りです。
(4) (ア)が「対地電圧」、(ウ)が「1000」となっており誤りです。
(5) (ア)が「対地電圧」、(イ)が「使用電流」となっており誤りです。

したがって、正解は(1)となります。

【令和6年上期・問8】低圧電路の絶縁抵抗基準および電路の使用電圧区分(省令第58条)

次の文章は、「電気設備技術基準」における低圧の電路の絶縁性能に関する記述である。
電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び(ア)と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は(イ)で区切ることのできる電路ごとに、次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
(ウ)$\text{V}$ 以下 (エ)(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が $150\text{ V}$ 以下の場合 $0.1\text{ M}\Omega$
その他の場合 $0.2\text{ M}\Omega$
(ウ)$\text{V}$ を超えるもの (オ)$\text{M}\Omega$

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 電線 配線用遮断器 400 公称電圧 0.3
(2) 電線路 漏電遮断器 400 公称電圧 0.3
(3) 電路 過電流遮断器 300 対地電圧 0.4
(4) 電線 過電流遮断器 300 最大使用電圧 0.4
(5) 電路 配線用遮断器 400 対地電圧 0.4

解説

正解は(3)です。

問題文の記述は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$58$条(電気使用場所の低圧電路の絶縁性能)第$2$項が根拠となっています。

電気設備に関する技術基準を定める省令 第$58$条第$2$項において次のように規定されています。
「電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。」

各空白箇所の当てはめと解説:
・(ア):「電路」が入ります。条文上「電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗」と規定されています。「電線」や「電線路」ではありません。
・(イ):「過電流遮断器」が入ります。分岐回路のヒューズや配線用遮断器(過電流遮断機能付き)で区切られた電路単位を指します。「配線用遮断器」そのものや「漏電遮断器」ではなく、法定用語は「過電流遮断器」です。
・(ウ):「$300$」が入ります。低圧電路の電圧区分における重要な境界値は $300\text{ V}$($300\text{ V}$ 以下と $300\text{ V}$ 超)です。
・(エ):「対地電圧」が入ります。括弧書き内の「接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧」は対地電圧の正規の定義です。
・(オ):「$0.4$」が入ります。使用電圧が $300\text{ V}$ を超える低圧電路($400\text{ V}$ 級回路等)の最小絶縁抵抗値は $0.4\text{ M}\Omega$ です。

各選択肢の検討:
(1) (ア)が「電線」、(イ)が「配線用遮断器」、(ウ)が「400」、(エ)が「公称電圧」、(オ)が「0.3」となっており誤りです。
(2) (ア)が「電線路」、(イ)が「漏電遮断器」、(ウ)が「400」、(エ)が「公称電圧」、(オ)が「0.3」となっており誤りです。
(3) (ア)電路、(イ)過電流遮断器、(ウ)300、(エ)対地電圧、(オ)0.4 であり、省令第$58$条第$2$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(4) (ア)が「電線」、(エ)が「最大使用電圧」となっており誤りです。
(5) (イ)が「配線用遮断器」、(ウ)が「400」となっており誤りです。

したがって、正解は(3)となります。

【令和4年上期・問11】単相3線式低圧電線路の3線一括漏えい電流および1線当たり許容絶縁抵抗値の計算

定格容量 $50\text{ kV}\cdot\text{A}$、一次電圧 $6\,600\text{ V}$、二次電圧 $210/105\text{ V}$ の単相変圧器の二次側に接続した単相3線式架空電線路がある。この低圧電線路に最大供給電流が流れたときの絶縁性能が「電気設備技術基準」に適合することを確認するため、低圧電線の 3線を一括して大地との間に使用電圧($105\text{ V}$)を加える絶縁性能試験を実施した。
次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)この試験で許容される漏えい電流の最大値 $[\text{A}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 0.119
(2) 0.238
(3) 0.357
(4) 0.460
(5) 0.714

(b)二次側電線路と大地との間で許容される絶縁抵抗値は、1線当たりの最小値 $[\Omega]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 295
(2) 442
(3) 883
(4) 1765
(5) 3530

解説

(a)の正解は(3)、(b)の正解は(3)です。

問題文の記述は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$58$条(低圧電線路の絶縁性能)第$1$項が根拠となっています。

電気設備に関する技術基準を定める省令 第$58$条第$1$項において、「使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の二千分の一を超えないようにしなければならない」と規定されています。

(a)の計算解説:
ステップ1:単相3線式電線路の最大供給電流 $I_{\max}$ の算出
変圧器の定格容量 $S = 50\text{ kV}\cdot\text{A} = 50\,000\text{ V}\cdot\text{A}$、二次電圧は両外側線間が $210\text{ V}$、各外側線と中性線間が $105\text{ V}$ です。
単相3線式電線路において、外側線に流れる最大供給電流(定格電流 $I_{\max}$)は次式で求められます。
$$I_{\max} = \frac{S}{V_{\text{両外側線間}}} = \frac{50\,000\text{ V}\cdot\text{A}}{210\text{ V}} \approx 238.095\text{ A}$$
ステップ2:電線1線当たりの許容漏えい電流 $I_{g1}$ の算出
省令第$58$条第$1$項に基づき、電線$1$線当たりに許容される漏えい電流の上限値は最大供給電流の $\dfrac{1}{2\,000}$ です。
$$I_{g1} = \frac{I_{\max}}{2\,000} = \frac{238.095\text{ A}}{2\,000} \approx 0.11905\text{ A}$$
ステップ3:3線一括試験における許容漏えい電流の最大値の算出
問題文では「低圧電線の 3線を一括して大地との間に使用電圧($105\text{ V}$)を加える絶縁性能試験を実施した」と明記されています。
$3$線を一括して大地との間に電圧を印加した場合、各電線(外側線$2$本+中性線$1$本)から大地へ並列に漏えい電流が流れるため、測定される漏えい電流の合計値 $I_{g\text{一括}}$ は電線$1$線当たりの許容値の $3$ 倍まで許容されます。
$$I_{g\text{一括}} = 3 \times I_{g1} = 3 \times 0.11905\text{ A} \approx 0.35715\text{ A} \approx 0.357\text{ A}$$
選択肢の中で最も近い値は $0.357$ であり、(3)が正解です。

(b)の計算解説:
問題文では「二次側電線路と大地との間で許容される絶縁抵抗値は、1線当たりの最小値 $[\Omega]$」を求めています。
電線$1$線当たりの大地に対する使用電圧(対地使用電圧)は $V = 105\text{ V}$ です。
電線$1$線当たりに許容される漏えい電流の最大値は(a)のステップ2より $I_{g1} = \dfrac{50\,000}{210 \times 2\,000} = \dfrac{5}{42}\text{ A} \approx 0.11905\text{ A}$ です。
したがって、オームの法則 $R = \dfrac{V}{I}$ より、電線$1$線当たりの許容される最小絶縁抵抗値 $R_1$ は次のように求まります。
$$R_1 = \frac{V}{I_{g1}} = \frac{105\text{ V}}{\frac{5}{42}\text{ A}} = \frac{105 \times 42}{5} = 21 \times 42 = 882\text{ }\Omega$$
選択肢の中で最も近い値は $883$ であり、(3)が正解です。

【平成26年・問6】低圧電路の絶縁抵抗値および対地電圧区分の判定基準

次の文章は、「電気設備技術基準」における低圧の電路の絶縁性能に関する記述である。
電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び(ア)と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は(イ)で区切ることのできる電路ごとに、次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
(ウ)$\text{V}$ 以下 (エ)(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が $150\text{ V}$ 以下の場合 $0.1\text{ M}\Omega$
その他の場合 $0.2\text{ M}\Omega$
(ウ)$\text{V}$ を超えるもの (オ)$\text{M}\Omega$

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 電線 配線用遮断器 400 公称電圧 0.3
(2) 電路 過電流遮断器 300 対地電圧 0.4
(3) 電線路 漏電遮断器 400 公称電圧 0.3
(4) 電線 過電流遮断器 300 最大使用電圧 0.4
(5) 電路 配線用遮断器 400 対地電圧 0.4

解説

正解は(2)です。

問題文の記述は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$58$条(電気使用場所の低圧電路の絶縁性能)第$2$項が根拠となっています。

電気設備に関する技術基準を定める省令 第$58$条第$2$項において、電気使用場所における低圧電路の絶縁性能基準が規定されています。
・空白箇所(ア):「電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗」と規定されているため、「電路」が入ります。
・空白箇所(イ):電路を区切る単位として「開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと」と規定されているため、「過電流遮断器」が入ります。
・空白箇所(ウ):電路の使用電圧の区分境界は「$300$」$\text{V}$ です。
・空白箇所(エ):接地式電路における電線と大地間の電圧、非接地式電路における電線間の電圧は「対地電圧」の定義です。
・空白箇所(オ):$300\text{ V}$ を超える低圧電路の最小絶縁抵抗値は「$0.4$」$\text{M}\Omega$ です。

本問は令和6年上期問8と同趣旨の出題ですが、選択肢の配置が異なっており、本問における正解の組合せは(2)となります。

各選択肢の検討:
(1) (ア)が「電線」、(イ)が「配線用遮断器」、(ウ)が「400」、(エ)が「公称電圧」、(オ)が「0.3」となっており誤りです。
(2) (ア)電路、(イ)過電流遮断器、(ウ)300、(エ)対地電圧、(オ)0.4 であり、省令第$58$条第$2$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(3) (ア)が「電線路」、(イ)が「漏電遮断器」、(ウ)が「400」、(エ)が「公称電圧」、(オ)が「0.3」となっており誤りです。
(4) (ア)が「電線」、(エ)が「最大使用電圧」となっており誤りです。
(5) (イ)が「配線用遮断器」、(ウ)が「400」となっており誤りです。

したがって、正解は(2)となります。

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