【電験3種】電技14条「過電流遮断器(配線用遮断器・ヒューズ)」の試験対策と過去問題解説

電験3種(法規)で出題される電技14条「過電流遮断器(配線用遮断器・ヒューズ)」の試験対策と過去問題を解説します。

【14条】過電流遮断器の敷設の必要性

電技14条では、過電流による電気事故(ジュール熱による火災など)を防止するために、以下のとおり過電流遮断器(配線用遮断器、ヒューズなど)の敷設が規定されています。

第14条 電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

【解釈33条】低圧電路に敷設するべき過電流遮断器の性能

電技解釈33条では、低圧電路に敷設するべき過電流遮断器(ヒューズと配線用遮断器)に要求される性能について記載されています。

ヒューズの場合

第33条 低圧電路に施設する過電流遮断器は、これを施設する箇所を通過する短絡電流を遮断する能力を有するも
のであること。
ただし、当該箇所を通過する最大短絡電流が10,000Aを超える場合において、過電流遮断器として10,000A以上の短絡電流を遮断する能力を有する配線用遮断器を施設し、当該箇所より電源側の電路に当該配線用遮断器の短絡電流を遮断する能力を超え、当該最大短絡電流以下の短絡電流を当該配線用遮断器より早く、又は同時に遮断する能力を有する、過電流遮断器を施設するときは、この限りでない。
2 過電流遮断器として低圧電路に施設するヒューズ(電気用品安全法の適用を受けるもの、配電用遮断器と組み合わせて1の過電流遮断器として使用するもの及び第4項に規定するものを除く。)は、水平に取り付けた場合(板状ヒューズにあっては、板面を水平に取り付けた場合)において、次の各号に適合するものであること。
一 定格電流の1.1倍の電流に耐えること。
二 33-1表の左欄に掲げる定格電流の区分に応じ、定格電流の1.6倍及び2倍の電流を通じた場合において、それぞれ同表の右欄に掲げる時間内に溶断すること。

定格電流 動作時間(定格電流の1.6倍以上) 動作時間(定格電流の2倍以上)
30A以下 60分 2分
30A超かつ50A以下 60分 4分
50A超かつ100A以下 120分 6分

(以下省略)

※動作時間・・・大電流が流れ始めてから配線用遮断器が「断」になるまでの時間
※定格電流の1倍(定格20Aなら20A)では自動的に動作しないこと。

配線用遮断器の場合

3 過電流遮断器として低圧電路に施設する配線用遮断器(電気用品安全法の適用を受けるもの及び次項に規定するものを除く。)は、次の各号に適合するものであること。
一 定格電流の1倍の電流で自動的に動作しないこと。
二 33-2表の左欄に掲げる定格電流の区分に応じ、定格電流の1.25倍及び2倍の電流を通じた場合において、それぞれ同表の右欄に掲げる時間内に自動的に動作すること。

定格電流 動作時間(定格電流の1.25倍以上) 動作時間(定格電流の2倍以上)
30A以下 60分 2分
30A超かつ50A以下 60分 4分
50A超かつ100A以下 120分 6分

(以下省略)

ヒューズと配線用遮断器では、遅い方の動作時間の定格電流の倍数(1.6倍か1.25倍か)が異なります。
また、試験には出てくる可能性が低いため表では省略していますが、100A以上の動作時間も異なります。
試験対策としては「30A以下」の行だけ覚えているだけでも良いかと思います。

【解釈34条】高圧又は特別高圧の電路に敷設するべき過電流遮断器の性能

電技解釈34条では、高圧又は特別高圧の電路に敷設するべき過電流遮断器(ヒューズと配線用遮断器)に要求される性能について記載されています。

【高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器の性能等】(省令第14条)
第34条 高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器は、次の各号に適合するものであること。
一 電路に短絡を生じたときに作動するものにあっては、これを施設する箇所を通過する短絡電流を遮断する能力を有すること。
二 その作動に伴いその開閉状態を表示する装置を有すること。ただし、その開閉状態を容易に確認できるものは、この限りでない。

2 過電流遮断器として高圧電路に施設する包装ヒューズ(ヒューズ以外の過電流遮断器と組み合わせて1の過電流遮断器として使用するものを除く。)は、次の各号のいずれかのものであること。
一 定格電流の1.3倍の電流に耐え、かつ、2倍の電流で120分以内に溶断するもの
二 次に適合する高圧限流ヒューズ
イ 構造は、日本工業規格 JIS C 4604(1988)「高圧限流ヒューズ」の「6 構造」に適合すること。
ロ 完成品は、日本工業規格 JIS C 4604(1988)「高圧限流ヒューズ」の「7 試験方法」の試験方法により
試験したとき、「5 性能」に適合すること。
3 過電流遮断器として高圧電路に施設する非包装ヒューズは、定格電流の1.25倍の電流に耐え、かつ、2倍の電流で2分以内に溶断するものであること。

解釈の解説

第34条【高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器の性能等】
〔解 説〕 過電流遮断器とは、電路に過電流を生じたときに自動的に電路を遮断する装置をいう。この場合における過電流とは、短絡電流と過負荷電流の両者を意味している。したがって、高圧及び特別高圧の電路においてはヒューズ及び過電流リレーによって動作する遮断器がこれに該当する。ヒューズは、過負荷電流及び短絡電流によって配線及び機械器具が過熱、焼損するのを保護するために設けるものであり、本条ではその特性と仕様について示している。ヒューズと呼ばれるもののなかには、タイムラグヒューズ等のように、特殊な性能を持つものも使用されるようになってきたが、ここで示しているヒューズは、低圧屋内幹線の電源側電路における過電流遮断器(→第148条第1項第四号)又は分岐点における過電流遮断器(→第149条第1項)のように、この解釈で過電流遮断器として施設を規定するものについてであって、特殊なヒューズ及び配線用遮断器の特性を対象としているものではない。

第1項第一号は、低圧の過電流遮断器(→第33条第1項)の場合と同一趣旨であるので、同条項本文の解説を参照されたい。なお、高圧の負荷開閉器を単独で使用する場合は、一般には過電流遮断器とは解釈されないが、引外し装置のある負荷開閉器とヒューズとを組み合わせる場合において、その負荷開閉器とヒューズとの動作協調が十分とれていれば、その負荷開閉器は、この解釈の過電流遮断器の一部とみなすことができる。したがって、第2項の解説における旧JEC-175「電力ヒューズ」のうちⅡ種ヒューズ(一般にバックアップヒューズといわれている)が使用できる。しかし、引外し装置のない負荷開閉器とヒューズとを組み合わせる場合は、この解釈でいう過電流遮断器はヒューズのみで、その負荷開閉器は過電流遮断器の一部とはみなされない。したがって、この場合のヒューズは第2項の解説で述べた旧JEC-175「電力ヒューズ」のうちⅠ種ヒューズ(一般に広域ヒューズといわれている。)を使用することとしている。

第二号は、高圧又は特別高圧用の遮断器で、開閉状態を容易に確認できないものは、電路が充電されているか否か分からない場合があり、また動作の確認が容易でなく、事故の原因にもなるので、作動時にこれと連動して開閉状態を表示する装置を施設しなければならないことを示したものである。ただし書は、外部から容易に開閉状態を確認できるものを除外するものである。

第2項は、高圧用の包装ヒューズについて示しているが、実質的には3,000V級及び6,000V級の、いわゆる電力ヒューズを指しているもので、溶断時間電流特性は電気規格調査会(電気学会)標準規格旧JEC-175-1968「電力ヒューズ」の「Ⅰ種」の値を採用している。現行の電気学会電気規格調査会標準規格 JEC-2330-1986「電力ヒューズ」では「種類G(一般用)」に包含されるものである。なお、ヒューズ以外の過電流遮断器と組み合わせて1の過電流遮断器として使用するものには、旧JEC-175「電力ヒューズ」のⅡ種が該当する。

また、被保護機器の特性と高圧用の包装ヒューズの特性の整合並びに電源側及び負荷側の保護機器との保護協調の検討の簡便化を図るため、日本産業規格にJIS C 4604として「高圧限流ヒューズ」の規格が定められているので、これを引用して、JIS適合品も施設できることとした。R4解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページにて掲載されている。

第3項の高圧用の非包装ヒューズについては、溶断特性は従来規定されていた高圧用のヒューズの値をそのまま採用している。がいし型開閉器に装着されるヒ
ューズ等は、本項の適用を受けるものである。

【解釈35条】過電流遮断器を敷設できない場所

電技解釈35条では、過電流遮断器を敷設できない場所について規定されています。

【過電流遮断器の施設の例外】(省令第14条)
第35条 次の各号に掲げる箇所には、過電流遮断器を施設しないこと。
接地線
二 多線式電路の中性線
三 第24条第1項第一号ロの規定により、電路の一部に接地工事を施した低圧電線路の接地側電線
2 次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。
一 多線式電路の中性線に施設した過電流遮断器が動作した場合において、各極が同時に遮断されるとき
二 第19条第1項各号の規定により抵抗器、リアクトル等を使用して接地工事を施す場合において、過電流遮断器の動作により当該接地線が非接地状態にならないとき

【ポイント】
● 接地線及び接地側電線が過電流遮断器により遮断されると、接地保護ができなくなるので敷設できません
● 中性線が遮断されると負荷が不平衡の場合に異常電圧が発生するため敷設できませんが、各極を同時に遮断すれば異常電圧が生じないため敷設できます

解釈の解説

第35条【過電流遮断器の施設の例外】
〔解 説〕 第1項各号に掲げられている回路は、過電流によって遮断されると接地保護の意味がなくなるため、この部分に過電流遮断器を取り付けてはならないことは技術上明らかであるが、特に注意を促すため施設しないこととしている。

第2項は、前項各号に掲げられている回路であっても、過電流遮断器を施設できる条件を規定している。第一号では、一般に多線式電路の中性線にわざわざ遮断器を施設することは考えられないが、例えば単相3線式の回路に3極ブレーカーなどを取り付ける場合、3極3要素のものを使用すると、中性線に過電流遮断器が施設されることになる。しかし、中性線の過電流要素が動作しても3極同時に遮断すれば何ら支障を生じないので、このような場合は、3極3要素のものを使用できることを明確にしている。

第二号は、高圧若しくは特別高圧の中性点又は特別高圧の直流電路若しくは燃料電池の電路等の接地点(→第19条第1項)にリアクトル及び抵抗器を使用する場合であって、その接地線に遮断器を施設して切換えを行うときは、接地線にも過電流遮断器が結果的に入ることになるが、このようなときは接地線に過電流遮断器が入ることもやむを得ないので、例外としている。

なお、遮断器は一般に各極に施設し、単相再閉路用等特殊なものを除き、各極を同時に遮断できるものが望ましい。屋内電路については、第148条第1項第六号及び第149条第1項第二号において多線式電路の中性極を除き各極に遮断器を施設することを明確にしている。

【令和5年度上期・問3】過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策

「電気設備技術基準」では、過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策について、次のように規定している。

(ア)の必要な箇所には、過電流による(イ)から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、(ウ)の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)から(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ)
(1) 幹線 過熱焼損 感電事故
(2) 配線 温度上昇 感電事故
(3) 電路 電磁力 変形
(4) 配線 温度上昇 火災
(5) 電路 過熱焼損 火災

解説

正解は(5)です。

問題文の記述は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)が根拠となっています。

同条文には、「電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。」と規定されています。

これにより、(ア)には「電路」、(イ)には「過熱焼損」、(ウ)には「火災」が入ります。

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