令和4年年度下期の電験3種(法規分野)で出題された過去問題を解説します。
- 【令和4年度下期・問1】電気事業法に基づく保安規程
- 【令和4年度下期・問2】電気設備技術基準の規定対象
- 【令和4年度下期・問3】高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止
- 【令和4年度下期・問4】架空電線等の高さ
- 【令和4年度下期・問5】低高圧架空電線等の併架
- 【令和4年度下期・問6】高圧屋内配線と他の工作物との離隔
- 【令和4年度下期・問7】低圧屋内配線の金属ダクト工事
- 【令和4年度・問8】分散型電源の系統連系設備
- 【令和4年度下期・問9】高圧受電設備における全停電作業の操作手順
- 【令和4年度下期・問10】電気事業法等に基づく供給計画と相互協調
- 【令和4年度下期・問11】高圧架空電線の安全率と弛度
- 【令和4年度下期・問12】変圧器のトップランナー基準と効率計算
- 【令和4年度・問13】非接地方式三相3線式電路の絶縁劣化
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【令和4年度下期・問1】電気事業法に基づく保安規程
次の文章は、電気事業法に基づく保安規程に関する記述である。
保安規程は、電気設備規模等によって記載内容が異なり、特定発電用電気工作物の小売電気事業等用接続最大電力の合計が (ア) 万kW(沖縄電力株式会社の供給域内にあっては10万kW)を超える大規模な事業者の場合には保安規程に記載すべき事項が多くなっている。
空欄(ア)と上記の大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項の組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | 大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項 |
|---|---|---|
| (1) | 100 | 発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。 |
| (2) | 200 | 保安規程の定期的な点検及びその必要な改善に関すること。 |
| (3) | 100 | 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。 |
| (4) | 60 | 発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。 |
| (5) | 200 | 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。 |
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、電気事業法及び電気事業法施行規則が根拠となっています。
(ア)については、電気事業法施行規則 第48条の2(自家用電気工作物の要件)第一号にて、「特定発電等用電気工作物の小売電気事業等用接続最大電力の合計が200万kW(沖縄電力株式会社の供給区域にあつては、10万kW)を超えること。」と規定されています。したがって、(ア)には「200」が入ります。
大規模な事業者(一般送配電事業者等)のみが記載すべき事項については、電気事業法施行規則 第50条に規定があります。第2項第十四号にて、「保安規程の定期的な点検及びその必要な改善に関すること。」が挙げられています。
なお、(1)や(4)の「発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること」や、(3)や(5)の「職務及び組織に関すること」は、小規模な自家用電気工作物設置者であっても定めるべき事項として同条第3項に規定されています。

【令和4年度下期・問2】電気設備技術基準の規定対象
電気設備の安全を確保するためには、「電気設備技術基準」への適合を確認する必要がある。「電気設備技術基準」に規定されているものとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 船舶の客室屋内配線
(2) 乾電池使用のEMS(電気的筋肉刺激器)
(3) 航空機に搭載される発電機
(4) 電気浴器
(5) 自動車の24V オルタネータ(交流発電機)
解説
正解は(4)です。
「電気設備に関する技術基準を定める省令」(電気設備技術基準)は、電気事業法に基づく電気工作物に適用されます。
(1)の船舶、(3)の航空機、(5)の自動車に設置される工作物は、電気事業法施行令 第1条(電気工作物から除かれる工作物)の規定により、電気工作物から除外されています。
(2)の乾電池使用の器具は、同施行令第1条第三号の「電圧三十ボルト未満の電気的設備であつて、電圧三十ボルト以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの」に該当するため、電気工作物に含まれません。
(4)の電気浴器については、電気設備に関する技術基準を定める省令 第77条にてその施設について規定されており、電気設備技術基準の対象となります。

【令和4年度下期・問3】高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止
次の文章は、「電気設備技術基準」における高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止に関する記述である。
a) 高圧又は特別高圧の電気機械器具は、(ア)以外の者が容易に触れるおそれがないように施設しなければならない。ただし、接触による危険のおそれがない場合は、この限りでない。
b) 高圧又は特別高圧の開閉器、遮断器、避雷器その他これらに類する器具であって、動作時に(イ)を生ずるものは、火災のおそれがないよう、木製の壁又は天井その他の(ウ)の物から離して施設しなければならない。ただし、(エ)の物で両者の間を隔離した場合は、この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 取扱者 | 過電圧 | 可燃性 | 難燃性 |
| (2) | 技術者 | アーク | 可燃性 | 耐火性 |
| (3) | 取扱者 | 過電圧 | 耐火性 | 難燃性 |
| (4) | 技術者 | アーク | 耐火性 | 難燃性 |
| (5) | 取扱者 | アーク | 可燃性 | 耐火性 |
解説
正解は(5)です。
問題文の記述は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第9条(高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止)が根拠となっています。
同条文にて以下のように規定されています。
「第一項 高圧又は特別高圧の電気機械器具は、取扱者以外の者が容易に触れるおそれがないように施設しなければならない。ただし、接触による危険のおそれがない場合は、この限りでない。」
「第二項 高圧又は特別高圧の開閉器、遮断器、避雷器その他これらに類する器具であつて、動作時にアークを生ずるものは、火災のおそれがないよう、木製の壁又は天井その他の可燃性の物から離して施設しなければならない。ただし、耐火性の物で両者の間を隔離した場合は、この限りでない。」
これら規定により、(ア)には「取扱者」、(イ)には「アーク」、(ウ)には「可燃性」、(エ)には「耐火性」が入ります。

【令和4年度下期・問4】架空電線等の高さ
次の文章は、「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく電気供給のための電気設備の施設に関する記述である。
架空電線、架空電力保安通信線及び架空電車線は、(ア)又は(イ)による感電のおそれがなく、かつ、交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。
低圧架空電線又は高圧架空電線の高さは、道路(車両の往来がまれであるもの及び歩行の用にのみ供される部分を除く。)を横断する場合、路面上(ウ)m以上にしなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| (1) | 通電 | アーク | 6 |
| (2) | 接触 | 誘導作用 | 6 |
| (3) | 通電 | 誘導作用 | 5 |
| (4) | 接触 | 誘導作用 | 5 |
| (5) | 通電 | アーク | 5 |
解説
正解は(2)です。
一段目の記述は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第25条(架空電線等の高さ)第一項が根拠となっており、「架空電線、架空電力保安通信線及び架空電車線は、接触又は誘導作用による感電のおそれがなく、かつ、交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。」と規定されています。
二段目の数値については、電気設備の技術基準の解釈 第68条(低高圧架空電線の高さ)第一項にて、道路を横断する場合は「6m」以上と規定されています。
したがって、(ア)には「接触」、(イ)には「誘導作用」、(ウ)には「6」が入ります。

【令和4年度下期・問5】低高圧架空電線等の併架
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低高圧架空電線等の併架に関する記述の一部である。
低圧架空電線と高圧架空電線とを同一支持物に施設する場合は、次のいずれかによること。
a) 次により施設すること。
① 低圧架空電線を高圧架空電線の(ア)に施設すること。
② 低圧架空電線と高圧架空電線は、別個の(イ)に施設すること。
③ 低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は、(ウ)m以上であること。ただし、かど柱、分岐柱等で混触のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
b) 高圧架空電線にケーブルを使用するとともに、高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を(エ)m以上とすること。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 上 | 支持物 | 0.5 | 0.5 |
| (2) | 上 | 支持物 | 0.5 | 0.3 |
| (3) | 下 | 支持物 | 0.5 | 0.5 |
| (4) | 下 | 腕金類 | 0.5 | 0.3 |
| (5) | 下 | 腕金類 | 0.3 | 0.5 |
解説
正解は(4)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈 第80条(低高圧架空電線等の併架)第一項が根拠となっています。
同項第一号イ、ロ、ハにて、「低圧架空電線を高圧架空電線の下に施設すること」、「低圧架空電線と高圧架空電線とは、別個の腕金類に施設すること」、「低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は、0.5m以上であること」と規定されています。
また、同項第二号ハにて、「高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を0.3m以上とすること」と規定されています。
これら規定により、(ア)には「下」、(イ)には「腕金類」、(ウ)には「0.5」、(エ)には「0.3」が入ります。

【令和4年度下期・問6】高圧屋内配線と他の工作物との離隔
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋内配線の施設に関する記述の一部である。
高圧屋内配線は,(ア) 工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)又はケーブル工事により施設すること。
ケーブル工事による高圧屋内配線で,防護装置としての金属管にケーブルを収めて施設する場合には,その管に (イ) 接地工事を施すこと。ただし,接触防護措置(金属製のものであって,防護措置を施す設備と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,D 種接地工事によることができる。
高圧屋内配線が,他の高圧屋内配線,低圧屋内配線,管灯回路の配線,弱電流電線等又は水管,ガス管若しくはこれらに類するもの(以下この問において「他の屋内電線等」という。)と接近又は交差する場合は,次のa),b)のいずれかによること。
a) 高圧屋内配線と他の屋内電線等との離隔距離は, (ウ) ( (ア) 工事により施設する低圧屋内電線が裸電線である場合は,30 cm)以上であること。
b) 高圧屋内配線をケーブル工事により施設する場合は、次のいずれかによること。
① ケーブルと他の屋内配線等との離隔距離を(ウ)以上とすること。
② ケーブルを(エ)のある堅ろうな管に収めること。
③ 他の高圧屋内配線の電線がケーブルであること。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | がいし引き | A種 | 15cm | 耐火性 |
| (2) | 合成樹脂管 | C種 | 25cm | 耐火性 |
| (3) | がいし引き | C種 | 15cm | 難燃性 |
| (4) | 合成樹脂管 | A種 | 25cm | 難燃性 |
| (5) | がいし引き | A種 | 15cm | 難燃性 |
解説
正解は(1)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈 第168条(高圧配線の施設)が根拠となっています。
【高圧配線の施設】(省令第56条第1項、第57条第1項、第62条)
第168条 高圧屋内配線は、次の各号によること。
一 高圧屋内配線は、次に掲げる工事のいずれかにより施設すること。
イ がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)
ロ ケーブル工事
二 がいし引き工事による高圧屋内配線は、次によること。
イ 接触防護措置を施すこと。
ロ 電線は、直径2.6mmの軟銅線と同等以上の強さ及び太さの、高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線又は引下げ用高圧絶縁電線であること。
ハ 電線の支持点間の距離は、6m以下であること。ただし、電線を造営材の面に沿って取り付ける場合は、2m以下とすること。
ニ 電線相互の間隔は8cm以上、電線と造営材との離隔距離は5cm以上であること。
ホ がいしは、絶縁性、難燃性及び耐水性のあるものであること。
ヘ 高圧屋内配線は、低圧屋内配線と容易に区別できるように施設すること。
ト 電線が造営材を貫通する場合は、その貫通する部分の電線を電線ごとにそれぞれ別個の難燃性及び耐水性のある堅ろうな物で絶縁すること。
三 ケーブル工事による高圧屋内配線は、次によること。
イ ロに規定する場合を除き、電線にケーブルを使用し、第164条第1項第二号及び第三号の規定に準じて施設すること。
ロ 電線を建造物の電気配線用のパイプシャフト内に垂直につり下げて施設する場合は、第164条第3項(第一号イ(ロ)(2)ただし書を除く。)の規定に準じて施設すること。この場合において、同項の規定における「第9条第2項」は「第10条第3項」と読み替えるものとする。
ハ 管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、A種接地工事を施すこと。ただし、接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す設備と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は、D種接地工事によることができる。(関連省令第10条、第11条)
2 高圧屋内配線が、他の高圧屋内配線、低圧屋内電線、管灯回路の配線、弱電流電線等又は水管、ガス管若しくはこれらに類するもの(以下この項において「他の屋内電線等」という。)と接近又は交差する場合は、次の各号のいずれかによること。
一 高圧屋内配線と他の屋内電線等との離隔距離は、15cm(がいし引き工事により施設する低圧屋内電線が裸電線である場合は、30cm)以上であること。
二 高圧屋内配線をケーブル工事により施設する場合においては、次のいずれかによること。
イ ケーブルと他の屋内電線等との間に耐火性のある堅ろうな隔壁を設けること。
ロ ケーブルを耐火性のある堅ろうな管に収めること。
ハ 他の高圧屋内配線の電線がケーブルであること。
3 高圧屋側配線は、第111条(第1項を除く。)の規定に準じて施設すること。
4 高圧屋外配線(第188条に規定するものを除く。)は、第120条から第125条まで及び第127条から第130条まで(第128条第1項を除く。)の規定に準じて施設すること。
したがって、(ア)には「がいし引き」、(イ)には「A種」、(ウ)には「15cm」、(エ)には「耐火性」が入ります。
【令和4年度下期・問7】低圧屋内配線の金属ダクト工事
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の金属ダクト工事に関する記述である。
a) ダクトに収める絶縁電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は、ダクトの内部断面積の(ア)%以下であること。ただし、電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路、遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は、(イ)%以下とすることができる。
b) ダクト相互は、堅ろうに、かつ、(ウ)に完全に接続すること。
c) ダクトを造営材に取り付ける場合は、ダクトの支持点間の距離を3m(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において、垂直に取り付ける場合は、6m)以下とし、堅ろうに取り付けること。
d) 低圧屋内配線の(エ)電圧が300V以下の場合は、ダクトには、D種接地工事を施すこと。
e) 低圧屋内配線の(エ)電圧が300Vを超える場合は、ダクトには、C種接地工事を施すこと。ただし、(オ)防護措置(金属製のものであって、防護措置を施すダクトと(ウ)に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は、D種接地工事によることができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 20 | 50 | 電気的 | 使用 | 接触 |
| (2) | 32 | 48 | 電気的 | 対地 | 簡易接触 |
| (3) | 32 | 48 | 機械的 | 使用 | 接触 |
| (4) | 32 | 48 | 機械的な | 使用 | 簡易接触 |
| (5) | 20 | 50 | 電気的 | 対地 | 簡易接触 |
解説
正解は(1)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈 第162条(金属ダクト工事)が根拠となっています。
【金属ダクト工事】(省令第56条第1項、第57条第1項)
第162条 金属ダクト工事による低圧屋内配線の電線は、次の各号によること。
一 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)であること。
二 ダクトに収める電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は、ダクトの内部断面積の20%以下であること。ただし、電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路、遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は、50%以下とすることができる。
三 ダクト内では、電線に接続点を設けないこと。ただし、電線を分岐する場合において、その接続点が容易に点検できるときは、この限りでない。
四 ダクト内の電線を外部に引き出す部分は、ダクトの貫通部分で電線が損傷するおそれがないように施設すること。
五 ダクト内には、電線の被覆を損傷するおそれがあるものを収めないこと。
六 ダクトを垂直に施設する場合は、電線をクリート等で堅固に支持すること。2 金属ダクト工事に使用する金属ダクトは、次の各号に適合するものであること。
一 幅が5cmを超え、かつ、厚さが1.2mm以上の鉄板又はこれと同等以上の強さを有する金属製のものであって、堅ろうに製作したものであること。
二 内面は、電線の被覆を損傷するような突起がないものであること。
三 内面及び外面にさび止めのために、めっき又は塗装を施したものであること。3 金属ダクト工事に使用する金属ダクトは、次の各号により施設すること。
一 ダクト相互は、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること。
二 ダクトを造営材に取り付ける場合は、ダクトの支持点間の距離を3m(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において、垂直に取り付ける場合は、6m)以下とし、堅ろうに取り付けること。
三 ダクトのふたは、容易に外れないように施設すること。
四 ダクトの終端部は、閉そくすること。
五 ダクトの内部にじんあいが侵入し難いようにすること。
六 ダクトは、水のたまるような低い部分を設けないように施設すること。
七 低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、ダクトには、D種接地工事を施すこと。(関連省令第10条、第11条)
八 低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、ダクトには、C種接地工事を施すこと。ただし、接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施すダクトと電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は、D種接地工事によることができる。(関連省令第10条、第11条)
これら規定により、(ア)には「20」、(イ)には「50」、(ウ)には「電気的」、(エ)には「使用」、(オ)には「接触」が入ります。

【令和4年度・問8】分散型電源の系統連系設備
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に関する記述である。
a) 逆変換装置を用いて分散型電源を電力系統に連系する場合は,逆変換装置から直流が電力系統へ流出することを防止するために,受電点と逆変換装置との間に変圧器(単巻変圧器を除く)を施設すること。ただし,次の①及び②に適合する場合は,この限りでない。
①逆変換装置の交流出力側で直流を検出し,かつ,直流検出時に交流出力を (ア) する機能を有すること。
②次のいずれかに適合すること。
・逆変換装置の直流側電路が (イ) であること。
・逆変換装置に (ウ) を用いていること。
b) 分散型電源の連系により,一般送配電事業者が運用する電力系統の短絡容量が,当該分散型電源設置者以外の者が設置する遮断器の遮断容量又は電線の瞬時許容電流等を上回るおそれがあるときは,分散型電源設置者において,限流リアクトルその他の短絡電流を制限する装置を施設すること。ただし, (エ) の電力系統に逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合は,この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 停止 | 中性点接地式電路 | 高周波変圧器 | 低圧 |
| (2) | 抑制 | 中性点接地式電路 | 高周波チョッパ | 高圧 |
| (3) | 停止 | 非接地式電路 | 高周波変圧器 | 高圧 |
| (4) | 停止 | 非接地式電路 | 高周波変圧器 | 低圧 |
| (5) | 抑制 | 非接地式電路 | 高周波チョッパ | 低圧 |
解説
正解は(4)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」が根拠となっています。
a) の記述は、電気設備の技術基準の解釈 第221条第1項(直流流出防止変圧器の施設)に基づいています。同条文にて、変圧器を施設しなくてよい条件として「一 逆変換装置の交流出力側で直流を検出し、かつ、直流検出時に交流出力を停止する機能を有すること。」および「二 次のいずれかに適合すること。 イ 逆変換装置の直流側電路が非接地であること。 ロ 逆変換装置に高周波変圧器を用いていること。」と規定されています。よって、(ア)には「停止」、(イ)には「非接地式電路」、(ウ)には「高周波変圧器」が入ります。
b) の記述は、電気設備の技術基準の解釈 第222条(限流リアクトル等の施設)に基づいています。同条文にて「分散型電源の連系により、一般送配電事業者又は配電事業者が運用する電力系統の短絡容量が、(略)上回るおそれがあるときは、分散型電源設置者において、限流リアクトルその他の短絡電流を制限する装置を施設すること。ただし、低圧の電力系統に逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合は、この限りでない。」と規定されています。よって、(エ)には「低圧」が入ります。
以上より、正しい組合せは(4)となります。

【令和4年度下期・問9】高圧受電設備における全停電作業の操作手順
次の文章は、図に示す高圧受電設備において全停電作業を実施するときの操作手順の一例について、その一部を述べたものである。
a) (ア)を全て開放する。
b) (イ)を開放する。
c) 地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器(DGR付PAS)を開放する。
d) (ウ)を開放する。
e) 断路器(DS)の電源側及び負荷側を検電して無電圧を確認する。
f) 高圧電路に接地金具等を接続して残留電荷を放電させた後、誤通電、他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため、断路器(DS)の(エ)に短絡接地器具を取り付けて接地する。
g) 断路器(DS)、開閉器等にはそれぞれ操作後速やかに、操作禁止、投入禁止、通電禁止等の通電を禁止する表示をする。

上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 負荷開閉器(LBS) | 断路器(DS) | 真空遮断器(VCB) | 負荷側 |
| (2) | 配線用遮断器(MCCB) | 断路器(DS) | 真空遮断器(VCB) | 負荷側 |
| (3) | 配線用遮断器(MCCB) | 真空遮断器(VCB) | 断路器(DS) | 電源側 |
| (4) | 負荷開閉器(LBS) | 断路器(DS) | 真空遮断器(VCB) | 電源側 |
| (5) | 負荷開閉器(LBS) | 真空遮断器(VCB) | 断路器(DS) | 負荷側 |
解説
正解は(3)です。
停電作業時の操作は、負荷側から電源側に向かって順次開放していくのが原則です。また、断路器(DS)は電流を遮断する能力がないため、必ず事前に遮断器や開閉器で電流を止めておく必要があります。
a) まず、低圧側の(ア)「配線用遮断器(MCCB)」を全て開放して負荷を切り離します。
b) 次に、高圧側の(イ)「真空遮断器(VCB)」を開放します。
c) その後、構外からの受電を止めるため「DGR付PAS」を開放します。
d) 最後に、保守点検箇所の絶縁を確実にするため、(ウ)「断路器(DS)」を開放します。
f) 安全確保のための短絡接地は、外部からの誤通電や誘導を防ぐために、(エ)「電源側」に取り付けるのが一般的です。
これら操作手順により、(3)の組合せが正しい内容となります。

【令和4年度下期・問10】電気事業法等に基づく供給計画と相互協調
次の文章は、電気事業法及び電気事業法施行規則に基づく広域的運営に関する記述である。
電気事業者は、毎年度、電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての(ア)を作成し、電力広域的運営推進機関(OCCTO)を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。
具体的には、直近年における(イ)見通し、発電、受電(融通を含む。)等の短期的な内容に関するものと、長期(イ)見通し、電気工作物の(ウ)及びその概要、あるいは他者の電源からの長期安定的な調達等長期的な内容に関するものとがある。
また、電気事業者は、電源開発の実施、電気の供給等その事業の遂行に当たり、広域的運営による電気の(エ)のために、相互に協調しなければならないことが定められている。
広域的運営による相互協調の具体的な例として、A地方に太陽電池発電や風力発電などの発電量を調整できない再生可能エネルギーが大量に導入された場合において、A地方における電圧、周波数を維持する観点からA地方で消費しきれない電気を隣接するB地方に融通するといった(オ)事業者間の広域運営による相互協調がある。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 供給計画 | 経営 | 新増設 | コスト低減 | 一般送配電 |
| (2) | 需要計画 | 需要 | 新増設 | コスト低減 | 発電 |
| (3) | 供給計画 | 需要 | 新増設 | 安定供給 | 一般送配電 |
| (4) | 需要計画 | 経営 | 補修計画 | コスト低減 | 発電 |
| (5) | 供給計画 | 需要 | 補修計画 | 安定供給 | 発電 |
解説
正解は(3)です。
一段目および二段目の記述は、電気事業法 第29条(供給計画)第一項が根拠となっています。「電気事業者は、毎年度、経済産業省令で定めるところにより、当該年度以降の電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての計画(以下「供給計画」という。)を作成し、当該年度の開始前に、推進機関を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。」と規定されています。したがって、(ア)には「供給計画」が入ります。
供給計画の内容については、電気事業法施行規則 第46条にて「需要」見通しや電気工作物の「新増設」について定めることとされています。
三段目の「相互に協調」については、電気事業法 第28条(電気事業者等の相互の協調)にて、「電気事業者は、電源開発の実施、電気の供給等その事業の遂行に当たり、広域的運営による電気の安定供給の確保等に資するように、相互に協調しなければならない。」と規定されています。したがって、(エ)には「安定供給」が入ります。
四段目の例は、エリア間の電力融通に関わるものであり、主に供給区域を持つ(オ)「一般送配電」事業者の役割です。
これら規定により、(3)の組合せが正しい内容となります。

【令和4年度下期・問11】高圧架空電線の安全率と弛度
高圧架空電線において、電線に硬銅線を使用して架設する場合、電線の設計に伴う許容引張荷重と弛度について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、径間 $S$ [m]、電線の引張強さ $T$ [kN]、電線の重量による垂直荷重と風圧による水平荷重の合成荷重が W [kN/m]とする。
(a) 「電気設備技術基準の解釈」によれば、規定する荷重が加わる場合における電線の引張強さに対する安全率が、$R$ 以上となるような弛度に施設しなければならない。この場合 $R$ の値として、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 1.5
(2) 1.8
(3) 2.0
(4) 2.2
(5) 2.5
(b) 弛度の計算において、最小の弛度を求める場合の許容引張荷重 [kN]として、正しい式を次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) $T/R$
(2) $T \times R$
(3) $S \times W/R$
(4) $S \times W \times R$
(5) $(T + S \times W)/R$
解説
(a)の正解は(4)です。
電気設備の技術基準の解釈 第66条(高圧架空電線の引張強さに対する安全率)第一項第一号にて、「高圧架空電線には、引張強さ 5.26kN 以上のもの又は断面積 22mm² 以上の硬銅より線を使用し、かつ、これに規定する荷重が加わる場合における引張強さに対する安全率は、2.2 以上であること。」と規定されています。したがって、R = 2.2 となります。
(b)の正解は(1)です。
電線の引張強さを T [kN] とし、法規上の安全率を R とすると、電線にかけることができる最大引張荷重(許容引張荷重)$T_p$ [kN] は
$T_p = \frac{T}{R}$
となります。

【令和4年度下期・問12】変圧器のトップランナー基準と効率計算
定格容量 500 kV・A、無負荷損 500 W、負荷損(定格電流通電時) 6700 W の変圧器を更新する。更新後の変圧器はトップランナー制度に適合した変圧器で、変圧器の容量、電圧及び周波数仕様は従来器と同じであるが、無負荷損は 150 W、省エネ基準達成率は 140 % である。
このとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、省エネ基準達成率は次式で与えられるものとする。
省エネ基準達成率[%] = $frac{\text{基準エネルギー消費効率}}{W_i + W_{c40}} \times 100$
ここで、基準エネルギー消費効率は 1250 W とし、$W_i$ は無負荷損 [W]、$W_{c40}$ は負荷率 40 % 時の負荷損 [W]とする。
注)基準エネルギー消費効率とは判断の基準となる全損失をいう。
(a) 更新後の変圧器の負荷損(定格電流通電時)の値 [W]として、最も近いものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 1860
(2) 2450
(3) 3080
(4) 3820
(5) 4640
(b) 変圧器の出力電圧が定格状態で 300 kW 遅れ力率 0.8 の負荷が接続されているときの更新前後の変圧器の損失を考えてみる。この状態での更新前の変圧器の全損失を $W_1$、更新後の変圧器の全損失を $W_2$ とすると、$W_2$ の $W_1$ に対する比率 [%]として、最も近いものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。ただし、電圧変動による無負荷損への影響は無視できるものとする。
(1) 45
(2) 54
(3) 65
(4) 78
(5) 85
解説
(a)の正解は(5)です。
与えられた省エネ基準達成率の式から、更新後の負荷率 40 % 時の負荷損 $W_{c40}$ を求めます。
$140 = \frac{1250}{150 + W_{c40}} \times 100$
$1.4 \times (150 + W_{c40}) = 1250$
$210 + 1.4 W_{c40} = 1250$
$1.4 W_{c40} = 1040$
$W_{c40} \approx 742.86 \text{ W}$
負荷損は電流の 2 乗(すなわち負荷率の 2 乗)に比例するため、定格電流通電時(負荷率 100 %)の負荷損 $W_c$ は次のように計算できます。
$W_c = W_{c40} \times (\frac{1}{0.4})^2 = 742.86 \times 6.25 \approx 4642.9 \text{ W}$
最も近い値は 4 640 W です。
(b)の正解は(3)です。
負荷 300 kW、力率 0.8 における負荷の皮革容量 $S$ は
$S = \frac{300}{0.8} = 375 \text{ kV}\cdot \text{A}$
このときの負荷率 $k$ は
$k = \frac{375}{500} = 0.75$
更新前の全損失 $W_1$ は
$W_1 = 500 + 0.75^2 \times 6700 = 500 + 0.5625 \times 6700 = 500 + 3768.75 = 4268.75 \text{ W}$
更新後の全損失 $W_2$ は
$W_2 = 150 + 0.75^2 \times 4642.9 = 150 + 0.5625 \times 4642.9 \approx 150 + 2611.6 = 2761.6 \text{ W}$
比率 $frac{W_2}{W_1} \times 100$ は
$frac{2761.6}{4268.75} \times 100 \approx 64.7 %$
最も近い値は 65 % です。

【令和4年度・問13】非接地方式三相3線式電路の絶縁劣化
図に示すような,相電圧 $\dot{E}_R$ [V], $\dot{E}_S$ [V], $\dot{E}_T$ [V],角周波数 $\omega$ [rad/s]の対称三相3線式高圧電路があり,変圧器の中性点は非接地方式とする。電路の一相当たりの対地静電容量を $C$ [F]とする。
この電路の $R$ 相のみが絶縁抵抗値 $R_G$ [Ω]に低下した。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,上記以外のインピーダンスは無視するものとする。
(a) 次の文章は,絶縁抵抗 $R_G$ [Ω]を流れる電流 $\dot{I}G$ [A]を求める記述である。
$R_G$ を取り除いた場合
a-b 間の電圧 $\dot{V}{ab} =$ (ア)
a-b 間より見たインピーダンス $\dot{Z}{ab}$ は,変圧器の内部インピーダンスを無視すれば, $\dot{Z}{ab} =$ (イ) となる。
ゆえに, $R_G$ を接続したとき, $R_G$ に流れる電流 $\dot{I}_G$ は,次式となる。
$$\dot{I}G = \frac{\dot{V}{ab}}{\dot{Z}_{ab} + R_G} = (\text{ウ})$$
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| (1) | $\dot{E}_R$ | $\frac{1}{j3\omega C}$ | $\frac{j3\omega C\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$ |
| (2) | $\sqrt{3}\dot{E}_R$ | $j3\omega C$ | $\frac{j3\omega C\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$ |
| (3) | $\dot{E}_R$ | $\frac{3}{j\omega C}$ | $\frac{j\omega C\dot{E}_R}{3+j\omega CR_G}$ |
| (4) | $\sqrt{3}\dot{E}_R$ | $\frac{1}{j3\omega C}$ | $\frac{\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$ |
| (5) | $\dot{E}_R$ | $j3\omega C$ | $\frac{\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$ |
(b) 次の文章は,変圧器の中性点 $O$ 点に現れる電圧 $\dot{V}_0$ [V]を求める記述である。
$$\dot{V}_0 = (\text{エ}) + R_G \dot{I}_G$$
ゆえに $\dot{V}_0 =$ (オ)
上記の記述中の空白箇所(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (エ) | (オ) |
|---|---|---|
| (1) | $-\dot{E}_R$ | $\frac{-\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$ |
| (2) | $\dot{E}_R$ | $\frac{\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$ |
| (3) | $-\dot{E}_R$ | $\frac{-\dot{E}_R}{1-j3\omega CR_G}$ |
| (4) | $\dot{E}_R$ | $\frac{\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$ |
| (5) | $\dot{E}_R$ | $\frac{-\dot{E}_R}{1-j3\omega CR_G}$ |
解説
正解は(a)が(1),(b)が(1)です。
問題の図は,鳳・テブナンの定理を用いて等価回路を作成することで解くことができます。
(a)
絶縁抵抗 $R_G$ を取り除いたとき,電路は対地静電容量 $C$ によって平衡しているため,中性点 $O$ の対地電位は $0$ [V] です。したがって,点 b は大地(中性点)と等電位であり,a-b 間の電圧 $\dot{V}{ab}$ は $R$ 相の相電圧 $\dot{E}_R$ と等しくなります。
(ア) $\dot{V}{ab} = \dot{E}_R$
次に,a-b 間より見たインピーダンス $\dot{Z}{ab}$ を求めます。電圧源を短絡して a-b 間から回路を見ると,3つの対地静電容量 $C$ が並列に接続された形となるため,合成アドミタンスは $j3\omega C$ となり,インピーダンスはその逆数となります。
(イ) $\dot{Z}{ab} = \frac{1}{j\omega C + j\omega C + j\omega C} = \frac{1}{j3\omega C}$
これらを式に代入して $\dot{I}_G$ を求めます。
$$\dot{I}_G = \frac{\dot{E}_R}{\frac{1}{j3\omega C} + R_G} = \frac{j3\omega C\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$$
(b)
図の回路において,中性点 $O$ から $R$ 相,点 a,点 b(大地)を通って $O$ に戻る閉回路にキルヒホッフの電圧則を適用します。中性点 $O$ の対地電位を $\dot{V}_0$ とすると, $R$ 相の対地電圧は $\dot{V}_0 + \dot{E}_R$ となり,これが $R_G$ の電圧降下 $R_G \dot{I}_G$ と等しくなります。
$$\dot{V}_0 + \dot{E}_R = R_G \dot{I}_G \quad \dots \quad \dot{V}_0 = -\dot{E}_R + R_G \dot{I}_G$$
(エ) は $-\dot{E}_R$ となります。
ここに (a) で求めた $\dot{I}_G$ を代入して整理します。
$$\dot{V}_0 = -\dot{E}_R + R_G \frac{j3\omega C\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$$
$$\dot{V}_0 = \frac{-\dot{E}_R(1+j3\omega CR_G) + j3\omega CR_G\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G} = \frac{-\dot{E}_R – j3\omega CR_G\dot{E}_R + j3\omega CR_G\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$$
$$\dot{V}_0 = \frac{-\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$$
(オ) は $\frac{-\dot{E}_R}{1+j3\omega CR_G}$ となります。

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