令和7年度下期に電験3種(電力分野)で出題された過去問題を解説付きでまとめています。
【問1】水力発電所の種類
次の文章は、水力発電所の種類に関する記述である。
水力発電所は (ア) を得る方法により分類すると、水路式、ダム式、ダム水路式があり、 (イ) の利用方法により分類すると、 (ウ)、調整池式、貯水池式、揚水式がある。
一般的に、水路式はダム式、ダム水路式に比べ(エ)。また、貯水ができないので発生電力の調整には適さない。ダム式、ダム水路式発電では、ダムに水を蓄えることで(イ) の調整ができるので、電力需要が大きいときにあわせて運転することができる。
河川の自然の流れをそのまま利用して発電する方式を (ウ) 発電という。貯水池などを持たない水路式発電所がこれに相当する。
1日又は数日程度の河川流量を調整できる大きさの池を持ち、電力需要が小さいときにその池に蓄え、電力需要が大きいときに放流して発電する方式を(オ) 発電という。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(オ)に当てはまる組合せとして、最も適切なものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 落差 | 流速 | 自然放流式 | 建設期間が長い | ダム式 |
| (2) | 流速 | 落差 | 自然放流式 | 建設期間が短い | ダム式 |
| (3) | 落差 | 流量 | 流込み式 | 高落差を得にくい | 調整池式 |
| (4) | 流量 | 落差 | 流込み式 | 高落差を得やすい | 調整池式 |
| (5) | 落差 | 流量 | 流込み式 | 建設費が安い | 貯水池式 |
解説
正解は(3)です。
水力発電所の分類方法に関する基礎的な問題です。それぞれの用語の意味は以下の通りです。
(ア) 水力発電は水の位置エネルギーを利用して発電を行うため、いかにして「落差」を得るかが重要となります。この落差を得るための構造的な分類として、水路式、ダム式、ダム水路式などがあります。
(イ) 河川の水の量(流量)をどのように利用し、運用するかによる分類として、流込み式、調整池式、貯水池式、揚水式などがあります。
(ウ) 河川の自然の流量を貯水せずにそのまま利用して発電する方式を「流込み式」発電といいます。
(エ) 水路式は、河川の自然の勾配を利用して長い水路を設けることで落差を得る方式です。ダムによって水をせき止めて人工的に大きな落差を作り出すダム式やダム水路式に比べると、一般的に「高落差を得にくい」という特徴があります。
(オ) 1日(日間)や数日単位などの短い周期での電力需要の変動に合わせて、流量を調整するための池を持つ方式を「調整池式」発電といいます。なお、季節単位など長期間の流量調整を行う大規模な池を持つ方式は「貯水池式」と呼ばれます。
以上より、(ア)が「落差」、(イ)が「流量」、(ウ)が「流込み式」、(エ)が「高落差を得にくい」、(オ)が「調整池式」となるため、正しい組合せは(3)となります。
【問2】水力発電所の運動エネルギー
水力発電所の水圧管内における単位体積当たりの水が保有している運動エネルギー $[\text{J/m}^3]$ を表す式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、水の速度は水圧管の同一断面において管路方向に均一とする。また、$\rho$ は水の密度 $[\text{kg/m}^3]$、$v$ は水の速度 $[\text{m/s}]$ を表す。
(1) $\frac{1}{2} \rho v^2$
(2) $\frac{1}{2} \rho^2 v$
(3) $2 \rho v$
(4) $\sqrt{2 \rho v}$
(5) $\frac{1}{2} \rho^2 v^2$
解説
正解は(1)です。
水力発電所の水圧管内における単位体積当たりの運動エネルギーは、質量 $m$ [kg]、速度 $v$ [m/s] の物体が持つ運動エネルギーの公式を用いて導き出すことができます。
物体の運動エネルギーの基本式は以下のとおりです。
$$K = \frac{1}{2} m v^2 \quad [\text{J}]$$
問題文より、水の密度は $\rho$ [kg/m³] です。密度 $\rho$ は「単位体積 ($1 \text{m}^3$) あたりの質量」を意味するため、上記の式の質量 $m$ に密度 $\rho$ を代入すると単位体積当たりの運動エネルギーeは以下のようになります。
$$e = \frac{1}{2} \rho v^2 \quad [\text{J/m}^3]$$
したがって、正しい式は (1) $\frac{1}{2} \rho v^2$ となります。

【問3】汽力発電所の保護装置
次のa)~e)の文章は、汽力発電所の保護装置に関する記述である。
これらの文章の内容について、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
a) 蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると、自動的に蒸気止弁を閉じて、タービンを停止する非常調速機が設置されている。
b) ボイラ水の循環が円滑に行われないとき、水管の焼損事故を防止するため、燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断弁が設置されている。
c) 負荷の緊急遮断等によって、ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき、蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため、蒸気加減弁が設置されている。
d) 蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき、タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。
e) 発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために、比率差動継電器が設置されている。
| – | a | b | c | d | e |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 適切 | 適切 | 不適切 | 適切 | 不適切 |
| (2) | 不適切 | 不適切 | 適切 | 適切 | 不適切 |
| (3) | 不適切 | 不適切 | 不適切 | 不適切 | 適切 |
| (4) | 適切 | 適切 | 不適切 | 適切 | 適切 |
| (5) | 不適切 | 適切 | 適切 | 不適切 | 適切 |
解説
正解は(4)です。
a) 適切です。タービンの過速度を検出すると、非常調速機が働いて蒸気止め弁を急閉し、タービンを緊急停止させます。
b) 適切です。ボイラ水循環に異常が生じた場合、水管の過熱焼損を防ぐために燃料を遮断する保護装置が設けられています。
c) 不適切です。蒸気圧力が異常上昇した際に蒸気を放出させて機器の破損を防ぐのは安全弁です。蒸気加減弁はタービンに送る蒸気量を調整して回転速度や出力を制御するための弁です。
d) 適切です。軸受油圧の異常低下は軸受の焼損につながるため、油圧低下時にはタービンをトリップ(緊急停止)させる保護装置が働きます。
e) 適切です。発電機の内部短絡等の保護には、流入電流と流出電流の差から事故を検出する比率差動継電器が広く用いられています。
したがって、正しい組合せは(4)となります。
【問4】新型炉に関する記述
日本において将来に向けた検討がなされている新型炉に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 高速増殖炉では、ウラン238が速度の遅い熱中性子を吸収して核分裂を起こし、プルトニウム239に転換される。
(2) 高速増殖炉では、燃料の核分裂により消費したプルトニウム239の量より多くのプルトニウム239が生成される。
(3) 高温ガス炉では、不活性なヘリウムガスを冷却材、黒鉛を減速材として使用する。
(4) 核融合炉では、ウランなどの核分裂物質ではなく、軽い原子である水素やへリウムの核融合反応を利用する。
(5) 核融合炉では、プラズマ状態にした重水素の原子核をきわめて高速で衝突させて、核融合反応を利用する。
解説
正解は(1)です。
(1) 誤りです。高速増殖炉では、ウラン238が速度の速い高速中性子を吸収してプルトニウム239に転換されます。速度の遅い熱中性子という記述が誤りです。
(2) 正しいです。消費した燃料以上の燃料(プルトニウム239)を生成(増殖)できるのが高速増殖炉の大きな特徴です。
(3) 正しいです。高温ガス炉は、冷却材に化学的に不活性なヘリウムガスを用い、減速材に黒鉛を使用する原子炉です。
(4) 正しいです。核融合炉は重水素や三重水素などの軽い原子核が融合してより重い原子核になる際に放出されるエネルギーを利用します。
(5) 正しいです。核融合反応を起こすためには、燃料をプラズマ状態にし、原子核同士の反発力に打ち勝つほど高速で衝突させる必要があります。

【問5】誘導発電機の特徴
中小水力や風力発電に使用されている誘導発電機の特徴について、同期発電機と比較した記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 構造が簡単で、励磁装置が不要である。
(2) 始動、系統への並列などの運転操作が簡単である。
(3) 回転磁界と回転子の速度に差がある。
(4) 単独で発電することができず、電力系統に並列して運転する必要がある。
(5) 系統への並列時の突入電流が小さい。
解説
正解は(5)です。
(1) 正しいです。誘導発電機は同期発電機のような直流の励磁装置が不要であり、主にかご形回転子が用いられるため構造が簡単で保守が容易です。
(2) 正しいです。同期発電機のように電圧、周波数、位相を厳密に系統に合わせる同期化の操作が必要ないため、並列操作が比較的簡単です。
(3) 正しいです。誘導発電機は、回転子が固定子の作る回転磁界の同期速度よりも速く回転する(負のすべりを持つ)ことで発電します。
(4) 正しいです。誘導発電機は励磁電流(無効電力)を電力系統から供給してもらう必要があるため、通常は単独での発電ができず系統に連系して運転する必要があります。
(5) 誤りです。誘導発電機を電力系統に並列する際、無電圧の状態で系統に接続されるため、励磁突入電流と呼ばれる大きな電流が流れます。そのため、電圧降下などの影響を抑えるための突入電流制限対策が必要となります。
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【問6】避雷器の特性と種類
次の文章は、避雷器に関する記述である。
避雷器は、雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の (ア) がある値を超えた場合、放電により過電圧を抑制して、電気施設の絶縁を保護する装置である。
特性要素としては (イ) が広く用いられ、その (ウ) の抵抗特性により、過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ、放電後は (エ) を遮断することができる。発変電所用避雷器では、(イ) の優れた電圧 電流特性を利用し 放電耐量が大きく、放電遅れのない(オ) 避雷器が主に使用されている。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 波高値 | ZnO | 非線形 | 続流 | ギャップレス |
| (2) | 波頭長 | ZnO | 限電圧 | 非線形制 | ギャップレス |
| (3) | 波高値 | 線形 | 制限電圧 | 直列ギャップ付き | SF6 |
| (4) | 波高値 | ZnO | 線形 | 直列ギャップ付き | 続流 |
| (5) | 波頭長 | SF6 | 非線形 | 続流 | 直列ギャップ付き |
解説
正解は(1)です。
避雷器の基本的な原理と構造に関する問題です。それぞれの用語の意味は以下の通りです。
(ア) 避雷器は、雷などの過電圧の「波高値(最大電圧)」が一定値を超えたときに動作(放電)します。
(イ) 避雷器の特性要素(バルブ要素)には、現在では酸化亜鉛(ZnO)が広く用いられています。
(ウ) 酸化亜鉛(ZnO)は、通常の電圧では電流をほとんど流さず、過電圧が印加されたときだけ大電流を流すという、非常に優れた「非線形」の抵抗特性を持っています。
(エ) 避雷器が放電を終えた後、通常の系統電圧によって大地に流れ続けようとする電流のことを「続流」といい、避雷器はこれを確実に遮断する能力が求められます。
(オ) 酸化亜鉛(ZnO)の優れた非線形特性により、直列ギャップ(放電のきっかけを作る隙間)を省略した「ギャップレス」避雷器が、現在の発変電所で主流となっています。
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【問7】配電線及び高圧受電設備の保護
6.6 kV 非接地方式配電線及び高圧受電設備の保護に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 高圧受電設備における地絡保護装置は,零相変流器により零相電流を検出して動作させる地絡過電流継電器や,接地用変圧器により零相電圧を検出して零相電流と零相電圧を組み合わせて動作させる地絡方向継電器が用いられる。
(2) 配電線の保護方式として、故障遮断による供給支障を極力少なくする目的で、故障遮断後に電源側から健全な区間を選別して再送電する時限順送式故障区間分離方式がある。
(3) 高圧受電設備における地絡保護装置において、地絡過電流継電器は無方向性のため、構内の高圧ケーブルのこう長が短い場合は外部事故時に大きな零相電流が流れて不要動作することがある。
(4) 地絡事故の保護のため、配電用変電所において各配電線に地絡方向継電器と地絡過電圧継電器を組み合わせて設置される。
(5) 短絡事故の保護のため、配電用変電所において各配電線に過電流継電器が設置される。
解説
正解は(3)です。
(1) 適切な記述です。高圧受電設備の地絡保護には、零相変流器(ZCT)で零相電流のみを検出して動作する地絡過電流継電器(OCGR)や、零相変流器で検出した零相電流と接地用変圧器等(ZPDなど)で検出した零相電圧を組み合わせて地絡電流の方向を判別する地絡方向継電器(DGR)が用いられます。
(2) 適切な記述です。時限順送式故障区間分離方式は、配電線に事故が発生して変電所の遮断器が開放された際、線路上の自動区分開閉器が一旦すべて開放され、その後変電所から一定の時限をもって順次開閉器を自動投入していくことで、事故区間を判別・分離し、健全区間への送電を迅速に再開する保護方式です。
(3) 誤りです。構内の高圧ケーブルのこう長(長さ)が長い場合、ケーブルの対地静電容量が大きくなります。この状態で構外(外部)で地絡事故が発生すると、健全な自回線の対地静電容量を通じて地絡点へ向かう大きな充電電流(零相電流)が流れ込みます。この電流により、電流の方向を判別できない地絡過電流継電器(無方向性)が自回線の事故と誤認し、不要動作する原因となります。問題文の「短い場合は〜」という記述が誤りです。
(4) 適切な記述です。6.6 kV非接地方式の配電用変電所では、地絡事故を確実に検出し、かつ自回線の事故か他回線の事故かを判別するために、各配電線に地絡方向継電器を設置し、母線等に設置した地絡過電圧継電器(零相電圧を検出)と組み合わせて保護を行うのが一般的です。
(5) 適切な記述です。短絡事故保護のため、配電用変電所の各配電線の引出口には過電流継電器(OCR)が設置され、過大な短絡電流を検出して遮断器を開放し、設備を保護します。
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【問8】架空送電線路に関連する設備
架空送電線路に関連する設備に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 架空送電線を鉄塔などに固定する絶縁体としてがいしが用いられている。アークホーンをがいしと併設することで、雷撃等をきっかけに発生するアーク放電からがいしを保護することができる。
(2) 架空送電線への雷撃を防止するために架空地線が設けられており、遮へい角が小さいほど雷撃防止の効果が大きい。
(3) 超高圧の架空送電線では、スペーサを用いた多導体化により、コロナ放電の抑制が図られている。スペーサはギャロッピングの防止にも効果的である。
(4) 電線に一様な微風が吹くと、電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで、この振動による電線の断線防止が図られている。
(5) 鉄塔又は架空地線に直撃雷があると、鉄塔から送電線へ逆フラッシオーバが起こることがある。埋設地線等により鉄塔の接地抵抗を小さくすることで、逆フラッシオーバの抑制が図られている。
解説
正解は(4)です。
(1) 適切な記述です。アークホーンは、がいし連の両端に取り付けられる金属製の電極です。雷撃などによって過電圧が生じ、フラッシオーバが発生した際、アークをがいし表面ではなくアークホーン間で発生させることで、がいしの熱的破損を防ぐ保護装置として機能します。
(2) 適切な記述です。架空地線は、送電線の上部に架設され、鉄塔を介して接地されている電線で、送電線への直撃雷を防ぐ役割を持ちます。遮へい角(架空地線から真下に下ろした鉛直線と、架空地線と送電線を結んだ直線とのなす角度)が小さいほど、送電線が架空地線の下側に深く隠れる形になるため、雷撃を防止する遮へい効果が大きくなります。
(3) 適切な記述です。多導体方式は、1相当たりの電線を複数本に分割して構成する方式で、電線の等価半径を大きくし電線表面の電位傾度を下げることで、超高圧送電線におけるコロナ放電を抑制します。スペーサは多導体の素線間隔を一定に保つための器具ですが、電線のねじれに対する剛性を高める効果などがあるため、ギャロッピング(電線に非対称な氷雪が付着し、強風を受けて発生する低周波で振幅の大きな自励振動)の抑制にも寄与します。
(4) 誤りです。電線に一様な微風が吹いたときに、電線の背後にカルマン渦が生じて電線が上下に振動する現象は微風振動と呼ばれます。一方、サブスパン振動は、多導体送電線においてスペーサで区切られた区間(サブスパン)で強風時に発生する振動のことです。現象の名前が一致していないため、誤りとなります。
(5) 適切な記述です。鉄塔や架空地線に直撃雷があった場合、雷撃電流が鉄塔を通じて大地へ流れます。このとき、鉄塔の接地抵抗が大きいと鉄塔の電位が異常に上昇し、鉄塔側の電位が送電線の電位を大きく上回って、鉄塔から送電線に向かって絶縁破壊を起こす逆フラッシオーバが発生するおそれがあります。これを防ぐためには、埋設地線を布設するなどして鉄塔塔脚の接地抵抗を極力小さくし、電位上昇を抑えることが有効です。
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【問9】架空送電線路の雷害対策
架空送電線路の雷害対策に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 二回線送電線路で,両回線の絶縁に格差を設け、二回線にまたがる事故を抑制する方法を不平衡絶縁方式という。
(2) 架空地線を多条化することで、架空地線と電力線間の結合率が増加し、鉄塔雷撃時に発生するアークホーン間電圧が抑制できるので、逆フラッシオーバの発生が抑制できる。
(3) 鉄塔塔脚の接地抵抗を低減させることで、電力線への雷撃に伴う逆フラッシオーバの発生を抑制できる。
(4) 送電用避雷装置は雷撃時に発生するアークホーン間電圧を抑制できるので、雷による事故を抑制できる。
(5) 直撃雷から架空送電線を遮へいする効果を大きくするためには、架空地線の遮へい角を小さくする。
解説
正解は(3)です。
(1) 適切な記述です。不平衡絶縁方式は、2回線送電線において各回線の絶縁強度(がいしの個数など)に差を設けることで、落雷時などに両回線が同時にフラッシオーバする(2回線同時事故になる)ことを防ぎ、少なくとも1回線の送電を維持するための対策です。
(2) 適切な記述です。架空地線を2条などの多条にすることで、電力線との静電的・電磁的な結合率が大きくなります。これにより、鉄塔に雷撃があった際の鉄塔電位の上昇に伴って電力線の電位も引き上げられるため、鉄塔と電力線の間の電位差(アークホーン間電圧)が小さくなり、逆フラッシオーバを抑制する効果があります。
(3) 誤りです。「逆フラッシオーバ」とは、鉄塔や架空地線に雷撃があった際に、鉄塔の電位が大きく上昇し、鉄塔側から電力線(送電線)へ向かってアークが飛ぶ現象です。鉄塔塔脚の接地抵抗を低減させることは、この電位上昇を防ぎ逆フラッシオーバの抑制に極めて有効ですが、問題文では「電力線への雷撃に伴う逆フラッシオーバ」となっている点が誤りです。(電力線への直撃雷による放電は正フラッシオーバと呼ばれます)
(4) 適切な記述です。送電用避雷装置(送電線用避雷器)は、雷撃時にアークホーン間でフラッシオーバが発生する前に動作して過電圧を抑制し、雷撃電流を大地へ逃がすことで雷事故(アークによるがいしの損傷や送電停止など)を防ぎます。
(5) 適切な記述です。遮へい角(架空地線から真下に下ろした鉛直線と、架空地線と送電線を結んだ直線とのなす角度)を小さくする(マイナスにする場合もある)ことで、送電線が架空地線に深く保護される形となり、直撃雷に対する遮へい効果が向上します。
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【問10】地中ケーブルの布設方法
地中ケーブルの布設方法には、大別して直接埋設式,管路式,暗きょ式などがある。これらに関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ,。
(1) 工事費が安く、工事期間が短い布設方法は、一般に直接埋設式,管路式,暗きょ式の順である。
(2) 直接埋設式では、管路あるいは暗きょといった構造物を伴わないが、地中送電線路内での事故発生に対する事故復旧は一般に管路式,暗きょ式と比較して時間を要する。
(3) 直接埋設式での電力ケーブルの外傷被害等を受けるリスクは、一般に管路式や暗きょ式と比べて高い。
(4) 暗きょ式,管路式は、直接埋設式と比べると、将来の電力ケーブル増設が容易である。
(5) 管路式では、一般に直接埋設式,暗きょ式と比較して熱放散が良いため、電力ケーブルの多条数布設に対して送電容量の制約を受けにくい。
解説
正解は(5)です。
(1) 適切な記述です。直接埋設式は掘削してケーブルをトラフなどに収めて埋め戻すだけなので工事費が安く工期も短いです。管路式は管路の敷設とケーブル引き入れがあるため中間的、暗きょ式は大規模なトンネル状の構造物を構築するため工事費が最も高く工期も最も長くなります。
(2) 適切な記述です。直接埋設式はケーブルが直接土中に埋まっているため、事故が発生した際には故障点の特定後に再び道路等を掘削して復旧工事を行う必要があり、管路式(ケーブルの引き替えが可能)や暗きょ式(内部での作業が可能)に比べて復旧に時間を要します。
(3) 適切な記述です。直接埋設式はケーブルが浅い位置に埋設されることが多く、また強固な構造物で囲まれていないため、他の道路掘削工事などによる重機接触などの外傷被害を受けるリスクが管路式や暗きょ式よりも高くなります。
(4) 適切な記述です。管路式は予備の管路(空管)を設けておくことで、暗きょ式は内部の空間に余裕を持たせておくことで、道路を再掘削することなく容易にケーブルを増設することができます。直接埋設式では増設のたびに掘削が必要です。
(5) 誤りです。管路式は、ケーブルが管路(パイプ)内に収められており、管路内の空気が熱抵抗となるため、直接土に埋める直接埋設式や、広い空間がある暗きょ式と比較して熱放散が悪い(劣る)布設方法です。そのため、多数のケーブルをまとめて布設(多条数布設)した場合には温度上昇が大きくなりやすく、送電容量の制約を受けやすいという特徴があります。問題文の「熱放散が良いため〜」とする記述が誤りとなります。
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【問11】直流送電
直流送電に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 非同期連系ができ、異周波数間の系統連系が可能である。
(2) 送電線のリアクタンスの影響がなく交流の安定度による制約が無いため、電線の許容電流限度まで送電できることから大電力の長距離送電が可能である。
(3) 直流は零点を通過しないため、故障時に生じる大電流を遮断できる直流遮断器の開発に課題がある。
(4) 直流電圧の最大値は同じ実効値の交流電圧より高くなるため、絶縁レベルを増加させる必要がある。
(5) 送受電端に交直変換装置が必要となり、他励式の場合は変換装置から発生する高調波対策が必要となる。
解説
正解は(4)です。
(1) 適切な記述です。直流送電は交流の周波数や位相を合わせる必要がないため、周波数の異なる系統同士(例えば50Hzと60Hz)の連系や、同期が難しい系統間の連系に用いられます。
(2) 適切な記述です。直流は周波数がゼロであるため、送電線のインダクタンスによるリアクタンス降下や静電容量による充電電流が発生しません。そのため、交流送電で問題となる安定度の制約がなく、長距離大電力送電に適しています。
(3) 適切な記述です。交流は1周期に2回電流がゼロになる点(零点)を通過するため、そのタイミングでアークを消弧して遮断することが容易ですが、直流には零点がないため、大電流を強制的に遮断する技術が必要となり、直流遮断器の開発は技術的に難易度が高いという課題があります。
(4) 誤りです。交流電圧は波形が正弦波であるため、最大値は実効値のルート2倍(約1.41倍)になります。一方、直流電圧は電圧が一定であるため、最大値と実効値(平均値)は同じです。したがって、同じ実効値の電圧を送電する場合、直流電圧の最大値は交流電圧の最大値よりも低くなります。これにより、直流送電の方ががいし等の絶縁レベルを低減させることができます。問題文の「高くなるため、絶縁レベルを増加させる必要がある」という記述が誤りです。
(5) 適切な記述です。直流送電を行うには、交流を直流に変換する順変換器と、直流を交流に変換する逆変換器(交直変換装置)が必要です。サイリスタを用いた他励式変換装置などでは、変換過程で交流側および直流側に高調波が発生するため、高調波フィルタなどの対策設備が必要となります。
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【問12】変圧器二次側の短絡電流と遮断器の定格遮断電流
定格容量 $20 \text{ MV}\cdot\text{A}$、一次側定格電圧 $77 \text{ kV}$、二次側定格電圧 $6.6 \text{ kV}$、百分率インピーダンス $10.6 \text{ \%}$ (基準容量 $20 \text{ MV}\cdot\text{A}$)の三相変圧器がある。三相変圧器の一次側は $77 \text{ kV}$ の電源に接続され、二次側は負荷のみが接続されている。三相変圧器の一次側から見た電源の百分率インピーダンスは、$1.1 \text{ \%}$ (基準容量 $20 \text{ MV}\cdot\text{A}$)である。抵抗分及びその他の定数は無視する。三相変圧器の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値 $[\text{kA}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 260.0
(2) 6.0
(3) 20.0
(4) 2.6
(5) 1.5
解説
正解は(3)です。
まず、基準容量 $P_n = 20 \text{ MV}\cdot\text{A} = 20,000 \text{ kV}\cdot\text{A}$ としたときの、電源から変圧器二次側までの合成百分率インピーダンス $\%Z$ を求めます。
$$ \%Z = \text{電源の百分率インピーダンス} + \text{変圧器の百分率インピーダンス} $$
$$ \%Z = 1.1 + 10.6 = 11.7 \text{ [\%]} $$
次に、変圧器二次側の定格電流 $I_n$ $[\text{A}]$ を求めます。二次側定格電圧 $V_2 = 6.6 \text{ kV}$ であるため、以下のようになります。
$$ I_n = \frac{P_n}{\sqrt{3} V_2} = \frac{20,000}{\sqrt{3} \times 6.6} \approx 1749.5 \text{ [A]} = 1.75 \text{ [kA]} $$
二次側で三相短絡事故が発生したときに流れる三相短絡電流 $I_s$ $[\text{kA}]$ は、百分率インピーダンスを用いて以下の式で求められます。
$$ I_s = \frac{100}{\%Z} I_n $$
$$ I_s = \frac{100}{11.7} \times 1.75 \approx 14.95 \text{ [kA]} $$
遮断器の定格遮断電流は、事故時に流れる短絡電流以上の値を選定する必要があります。計算された短絡電流 $14.95 \text{ kA}$ 以上の値で最も適切なもの(直近上位の標準的な遮断電流値)は、選択肢の中では $20.0 \text{ kA}$ となります。したがって、正しい選択肢は(3)となります。
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【問13】変圧器の負荷増設と力率改善
定格容量 $200 \text{ kV}\cdot\text{A}$ の変圧器に、出力 $P$ が $120 \text{ kW}$、遅れ力率 $\cos\theta$ が $0.6$ の負荷が接続されている。変圧器の定格容量の範囲内で、この負荷と並列に遅れ力率 $\cos\theta$ が $0.6$ の負荷を増設すると共に、進相コンデンサを接続して遅れ力率 $\cos\theta$ を $0.8$ に改善したい。増設できる負荷(力率 $\cos\theta$ が $0.6$)の皮相電力 $S’$ $[\text{kV}\cdot\text{A}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 93.3
(2) 120
(3) 66.7
(4) 160
(5) 40
解説
正解は(3)です。
現在の負荷の皮相電力 $S_1$ は、有効電力 $P_1 = 120 \text{ kW}$、力率 $\cos\theta = 0.6$ であるため、以下のようになります。
$$ S_1 = \frac{P_1}{\cos\theta} = \frac{120}{0.6} = 200 \text{ [kV}\cdot\text{A]} $$
つまり、現在の状態で変圧器は定格容量($200 \text{ kV}\cdot\text{A}$)いっぱいで運転されています。
進相コンデンサを接続して総合力率を $0.8$ に改善した状態で、変圧器の定格容量($200 \text{ kV}\cdot\text{A}$)まで負荷を増やす場合を考えます。総合皮相電力が $S_{total} = 200 \text{ kV}\cdot\text{A}$、総合力率が $0.8$ となるため、この変圧器が供給できる最大有効電力 $P_{total}$ は以下のようになります。
$$ P_{total} = S_{total} \times 0.8 = 200 \times 0.8 = 160 \text{ [kW]} $$
現在すでに $120 \text{ kW}$ の有効電力を消費しているため、増設できる有効電力の余裕 $P’$ は、
$$ P’ = P_{total} – P_1 = 160 – 120 = 40 \text{ [kW]} $$
増設する負荷の力率も $0.6$ であるため、増設できる皮相電力 $S’$ は以下のようになります。
$$ S’ = \frac{P’}{0.6} = \frac{40}{0.6} \approx 66.67 \text{ [kV}\cdot\text{A]} $$
したがって、増設できる負荷の皮相電力として最も近いものは $66.7 \text{ kV}\cdot\text{A}$ となり、正解は(3)となります。
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【問14】磁性材料の特性と鉄損
磁性材料に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 鉄、ニッケル、コバルト及びこれらの合金は強磁性体である。
(2) 強磁性体に交番磁界を加えると、ヒステリシス損と渦電流損とを含む鉄損が生じて発熱する。
(3) 交番磁界に対して、強磁性体中の磁束の周りに起電力が生じることでヒステリシス損が発生する。
(4) ヒステリシス損は、交番磁界の大きさと強磁性体中の磁束密度の大きさとの関係を示す軌跡曲線の囲む面積と交番磁界の周波数に比例する。
(5) 渦電流損は、厚さが薄く、表面を電気絶縁処理した強磁性体を、磁束方向に対して平行に積層する構造とすることで低減することができる。
解説
正解は(3)です。
(1) 適切な記述です。鉄、ニッケル、コバルトなどは、外部から磁界を加えると強く磁化される性質を持つ強磁性体です。
(2) 適切な記述です。強磁性体である鉄心などに時間的に変化する交番磁界を加えると、鉄心内部でエネルギー損失が発生して熱となります。これを鉄損と呼び、鉄損はヒステリシス損と渦電流損の和で表されます。
(3) 誤りです。交番磁界の変化によって強磁性体中の磁束の周りに電磁誘導による起電力が生じ、それによって磁性体内部に電流が流れることで発生するジュール熱の損失は「渦電流損」と呼ばれます。ヒステリシス損は、交番磁界によって磁性体内の磁区の向きが反転する際の分子間の摩擦のようなエネルギー損失のことです。説明が入れ替わっているため誤りとなります。
(4) 適切な記述です。磁界の強さ $H$ と磁束密度 $B$ の関係を描いた曲線をヒステリシスループ(軌跡曲線)と呼び、ヒステリシス損はこのループが囲む面積に比例し、さらに磁界が交番する回数(周波数)に比例して大きくなります。
(5) 適切な記述です。渦電流は磁束の周りに渦を巻くように流れるため、磁束と平行な方向に薄い電磁鋼板を重ね、鋼板の表面に絶縁コーティングを施す(積層鉄心とする)ことで、渦電流の流れる経路を断ち切り、渦電流損を大幅に低減させることができます。
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【問15】火力発電所の発電端効率と二酸化炭素発生量
最大出力 $600 \text{ MW}$ の重油専焼火力発電所がある。重油の発熱量は $44,000 \text{ kJ/kg}$ で、潜熱は無視するものとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) $45,000 \text{ MW}\cdot\text{h}$ の電力量を発生するために使用された重油消費量が $9.1 \times 10^3 \text{ t}$ であるときの発電端効率の値 $[\text{\%}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 37.8
(2) 38.7
(3) 39.6
(4) 40.5
(5) 41.4
(b) 最大出力で24時間運転した場合の発電端効率が $45.0 \text{ \%}$ であるとき、発生する二酸化炭素量の値 $[\text{t}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
なお、重油の化学成分は重量比で炭素 $85.0 \text{ \%}$、水素 $15.0 \text{ \%}$、原子量は炭素 12、酸素 16とする。炭素の酸化反応は次のとおりである。
$\text{C} + \text{O}_2 \rightarrow \text{CO}_2$
(1) $6.83 \times 10^2$
(2) $6.83 \times 10^3$
(3) $8.16 \times 10^3$
(4) $9.18 \times 10^3$
(5) $1.08 \times 10^4$
解説
(a)の正解は(4)、(b)の正解は(3)です。
(a) 発電端効率の計算
消費された重油の持つ全熱エネルギー $Q$ $[\text{kJ}]$ を求めます。
重油消費量 $M = 9.1 \times 10^3 \text{ t} = 9.1 \times 10^6 \text{ kg}$
$$ Q = M \times 44,000 = 9.1 \times 10^6 \times 44,000 = 4.004 \times 10^{11} \text{ [kJ]} $$
発生した電気エネルギー $E_k$ $[\text{kJ}]$ を求めます。
$1 \text{ kW}\cdot\text{h} = 3,600 \text{ kJ}$ であるため、
発生電力量 $E = 45,000 \text{ MW}\cdot\text{h} = 45 \times 10^6 \text{ kW}\cdot\text{h}$
$$ E_k = E \times 3,600 = 45 \times 10^6 \times 3,600 = 1.62 \times 10^{11} \text{ [kJ]} $$
発電端効率 $\eta$ は、投入した熱エネルギーに対する発生した電気エネルギーの割合です。
$$ \eta = \frac{E_k}{Q} \times 100 = \frac{1.62 \times 10^{11}}{4.004 \times 10^{11}} \times 100 \approx 40.46 \text{ [\%]} $$
したがって、最も近い(4)が正解となります。
(b) 二酸化炭素発生量の計算
最大出力($600 \text{ MW}$)で24時間運転したときの発生電力量 $E_{24}$ $[\text{kW}\cdot\text{h}]$ を求めます。
$$ E_{24} = 600 \times 10^3 \times 24 = 14.4 \times 10^6 \text{ [kW}\cdot\text{h]} $$
この電気エネルギーを $\text{kJ}$ に換算します。
$$ E_{kJ} = 14.4 \times 10^6 \times 3,600 = 5.184 \times 10^{10} \text{ [kJ]} $$
発電端効率 $\eta’$ が $45.0 \text{ \%}$ であるため、必要な熱エネルギー $Q_{24}$ $[\text{kJ}]$ は以下のようになります。
$$ Q_{24} = \frac{E_{kJ}}{0.45} = \frac{5.184 \times 10^{10}}{0.45} = 1.152 \times 10^{11} \text{ [kJ]} $$
消費される重油の質量 $M_{24}$ $[\text{kg}]$ を求めます。
$$ M_{24} = \frac{Q_{24}}{44,000} = \frac{1.152 \times 10^{11}}{44,000} \approx 2.618 \times 10^6 \text{ [kg]} = 2,618 \text{ [t]} $$
重油中の炭素(C)の含有率は $85.0 \text{ \%}$ であるため、消費された炭素の質量 $M_c$ $[\text{t}]$ は、
$$ M_c = 2,618 \times 0.85 = 2,225.3 \text{ [t]} $$
炭素が燃焼して二酸化炭素( $\text{CO}_2$ )になる反応において、原子量は $\text{C} = 12$、$\text{O} = 16$ なので、$\text{CO}_2$ の分子量は $12 + 16 \times 2 = 44$ となります。つまり、$12 \text{ t}$ の炭素から $44 \text{ t}$ の二酸化炭素が発生します。
よって、発生する二酸化炭素量は以下のようになります。
$$ M_{\text{CO}_2} = M_c \times \frac{44}{12} = 2,225.3 \times \frac{44}{12} \approx 8,159 \text{ [t]} = 8.16 \times 10^3 \text{ [t]} $$
したがって、最も近い(3)が正解となります。
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【問16】配電線の電圧降下と負荷電力
三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が $6600 \text{ V}$、末端にある負荷の端子電圧が $6450 \text{ V}$、力率が遅れの $70 \text{ \%}$ であるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、電線1線当たりの抵抗は $0.5 \text{ }\Omega\text{/km}$、リアクタンスは $0.4 \text{ }\Omega\text{/km}$、線路のこう長は $5 \text{ km}$ とする。また、送電端電圧と受電端電圧との相差角は小さいものとする。
(a) この負荷に供給される電力 $W_1$ の値 $[\text{kW}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 369
(2) 180
(3) 123
(4) 213
(5) 240
(b) 負荷が遅れ力率 $80 \text{ \%}$、$W_2$ $[\text{kW}]$ に変化したが線路損失は変わらなかった。$W_2$ の値 $[\text{kW}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 141
(2) 243
(3) 274
(4) 415
(5) 334
解説
(a)の正解は(4)、(b)の正解は(2)です。
(a) 供給電力の計算
線路のこう長が $5 \text{ km}$ であるため、電線1線当たりの全抵抗 $R$ と全リアクタンス $X$ を求めます。
$$ R = 0.5 \text{ }\Omega\text{/km} \times 5 \text{ km} = 2.5 \text{ }[\Omega] $$
$$ X = 0.4 \text{ }\Omega\text{/km} \times 5 \text{ km} = 2.0 \text{ }[\Omega] $$
送電端電圧 $V_s = 6,600 \text{ V}$、受電端電圧 $V_r = 6,450 \text{ V}$ より、電圧降下 $v$ は、
$$ v = V_s – V_r = 6,600 – 6,450 = 150 \text{ [V]} $$
三相3線式配電線の電圧降下の近似式 $v = \sqrt{3} I (R \cos\theta + X \sin\theta)$ を用いて線路電流 $I$ を求めます。
力率 $\cos\theta = 0.7$ のとき、$\sin\theta = \sqrt{1 – 0.7^2} = \sqrt{0.51} \approx 0.714$ となります。
$$ 150 = \sqrt{3} I (2.5 \times 0.7 + 2.0 \times 0.714) $$
$$ 150 = \sqrt{3} I (1.75 + 1.428) = \sqrt{3} I \times 3.178 \approx 5.504 I $$
$$ I = \frac{150}{5.504} \approx 27.25 \text{ [A]} $$
負荷に供給される電力 $W_1$ $[\text{kW}]$ は、
$$ W_1 = \sqrt{3} V_r I \cos\theta = \sqrt{3} \times 6,450 \times 27.25 \times 0.7 \approx 213,076 \text{ [W]} \approx 213 \text{ [kW]} $$
したがって、最も近い(4)が正解となります。
(b) 力率変化後の供給電力の計算
線路損失 $P_l$ は $P_l = 3 I^2 R$ で表されます。線路損失が変わらないということは、線路電流 $I$ が変化していないことを意味します。したがって、電流 $I = 27.25 \text{ A}$ のままです。
負荷の力率が $\cos\theta_2 = 0.8$ に変化したため、$\sin\theta_2 = 0.6$ となります。
このときの新たな電圧降下 $v_2$ を求めます。
$$ v_2 = \sqrt{3} I (R \cos\theta_2 + X \sin\theta_2) $$
$$ v_2 = \sqrt{3} \times 27.25 \times (2.5 \times 0.8 + 2.0 \times 0.6) = 47.2 \times (2.0 + 1.2) = 47.2 \times 3.2 \approx 151 \text{ [V]} $$
新たな受電端電圧 $V_{r2}$ は、
$$ V_{r2} = V_s – v_2 = 6,600 – 151 = 6,449 \text{ [V]} $$
変化後の負荷電力 $W_2$ $[\text{kW}]$ は、
$$ W_2 = \sqrt{3} V_{r2} I \cos\theta_2 = \sqrt{3} \times 6,449 \times 27.25 \times 0.8 \approx 243,400 \text{ [W]} \approx 243 \text{ [kW]} $$
したがって、最も近い(2)が正解となります。
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【問17】配電線の電流と電圧降下
図のような、A点及びB点に負荷を有する三相3線式高圧配電線がある。電源側S点の線間電圧を $6600 \text{ V}$ とするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ $0.3 \text{ }\Omega\text{/km}$ とする。
(回路の構成)
S — (2km) — A — (2km) — B
A点の負荷:負荷電流 $200 \text{ A}$、力率(遅れ) $0.8$
B点の負荷:負荷電流 $100 \text{ A}$、力率(遅れ) $0.6$
(a) S-A間に流れる電流の有効成分の値 $[\text{A}]$ として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 160
(2) 240
(3) 220
(4) 200
(5) 140
(b) B点における線間電圧の値 $[\text{V}]$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 6020
(2) 5770
(3) 6460
(4) 6130
(5) 6260
解説
(a)の正解は(3)、(b)の正解は(1)です。
(a) S-A間に流れる電流の有効成分
配電線 S-A 間には、A点の負荷へ向かう電流と、A点を通過してB点の負荷へ向かう電流の両方が流れます。したがって、S-A間の電流はA点負荷電流とB点負荷電流のベクトル和になります。
A点負荷電流の有効成分 $I_{Aa}$:
$$ I_{Aa} = 200 \times 0.8 = 160 \text{ [A]} $$
B点負荷電流の有効成分 $I_{Ba}$:
$$ I_{Ba} = 100 \times 0.6 = 60 \text{ [A]} $$
S-A間に流れる電流の有効成分 $I_{SAa}$ はこれらの和になります。
$$ I_{SAa} = I_{Aa} + I_{Ba} = 160 + 60 = 220 \text{ [A]} $$
したがって、正しい選択肢は(3)となります。
(b) B点における線間電圧
B点の電圧を求めるには、S-A間とA-B間のそれぞれの電圧降下を計算し、電源電圧($6600 \text{ V}$)から差し引きます。
まず、各区間の電線1線当たりの抵抗 $R$ とリアクタンス $X$ を求めます。
S-A間($2 \text{ km}$):$R_{SA} = 0.3 \times 2 = 0.6 \text{ }[\Omega]$、$X_{SA} = 0.3 \times 2 = 0.6 \text{ }[\Omega]$
A-B間($2 \text{ km}$):$R_{AB} = 0.3 \times 2 = 0.6 \text{ }[\Omega]$、$X_{AB} = 0.3 \times 2 = 0.6 \text{ }[\Omega]$
次に、S-A間に流れる電流の無効成分 $I_{SAr}$ を求めます。
A点負荷電流の無効成分 $I_{Ar}$:
$$ I_{Ar} = 200 \times \sqrt{1 – 0.8^2} = 200 \times 0.6 = 120 \text{ [A]} $$
B点負荷電流の無効成分 $I_{Br}$:
$$ I_{Br} = 100 \times \sqrt{1 – 0.6^2} = 100 \times 0.8 = 80 \text{ [A]} $$
$$ I_{SAr} = I_{Ar} + I_{Br} = 120 + 80 = 200 \text{ [A]} $$
S-A間の電圧降下 $v_{SA}$ を求めます。
$$ v_{SA} = \sqrt{3} (R_{SA} I_{SAa} + X_{SA} I_{SAr}) = \sqrt{3} (0.6 \times 220 + 0.6 \times 200) $$
$$ v_{SA} = \sqrt{3} (132 + 120) = \sqrt{3} \times 252 \approx 436.5 \text{ [V]} $$
次に、A-B間に流れる電流の有効成分 $I_{ABa}$ と無効成分 $I_{ABr}$ を求めます。(これはB点負荷電流そのものです)
$$ I_{ABa} = I_{Ba} = 60 \text{ [A]} $$
$$ I_{ABr} = I_{Br} = 80 \text{ [A]} $$
A-B間の電圧降下 $v_{AB}$ を求めます。
$$ v_{AB} = \sqrt{3} (R_{AB} I_{ABa} + X_{AB} I_{ABr}) = \sqrt{3} (0.6 \times 60 + 0.6 \times 80) $$
$$ v_{AB} = \sqrt{3} (36 + 48) = \sqrt{3} \times 84 \approx 145.5 \text{ [V]} $$
S点からB点までの総電圧降下 $v_{SB}$ は、
$$ v_{SB} = v_{SA} + v_{AB} = 436.5 + 145.5 = 582 \text{ [V]} $$
したがって、B点における線間電圧 $V_B$ は、
$$ V_B = V_s – v_{SB} = 6600 – 582 = 6018 \text{ [V]} $$
最も近い値は $6020 \text{ V}$ となるため、正解は(1)となります。
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