オペアンプと増幅回路とは?試験対策と計算問題について解説します。
反転増幅回路(逆相増幅回路)
演算増幅器は、入力端子に加えられた信号の「差動成分」を高い利得で増幅する回路である。演算増幅器の入力インピーダンスは非常に大きいため、入力端子電流はほぼ0とみなしてよい。一方、出力インピーダンスは非常に小さいため、出力端子電圧は負荷による影響を受けやすい。さらに、演算増幅器は利得が非常に大きいため、抵抗などの部品を用いて負帰還をかけたときに安定した有限の電圧利得が得られる。
オペアンプを用いた最も単純な反転増幅回路は以下の通りです。
- 上記の回路の入力電圧を$V_o$とするとき、出力電圧$V_i$は以下のとおり。
$V_o=-\frac{R\2}{R_1}V_i$
- この式からもわかるとおり、入力電圧$V_i$が反転して増幅された形で出力電圧$V_o$を得ることが出来ます。
非反転増幅回路(正相増幅回路)
- オペアンプを用いた最も単純な非反転増幅回路は以下の通りです。
- 上記の回路の入力電圧を$V_o$とするとき、出力電圧$V_i$は以下のとおり。
$V_o=\frac{R_1+R_2}{R_1}V_i$
- この式からもわかるとおり、入力電圧$V_i$が増幅された形で出力電圧$V_o$を得ることが出来ます。
【例題】
R1=Rのとき、電圧増幅度Av=V0/Vi=3とするためにはR2をいくらにすれば良いか。
(解答)
- 以下のとおり、R2=2Rとすれば良い。
$\frac{V_o}{V_i}=\frac{R_1+R_2}{R_1}=\frac{R+R_2}{R}=3$
$R_2 = 2R$
微分回路
オペアンプを用いた最も単純な微分回路は以下の通りです。
- 上記の回路の入力電圧を$V_o$とするとき、出力電圧$V_i$は以下のようになります。
$V_o=-CR\frac{dV_i}{dt}$
- この式からもわかるとおり、入力電圧$V_i$が時間微分された形で出力電圧$V_o$を得ることが出来ます。
パラメータ | 内容 |
---|---|
$V_i$ | 入力電圧 |
$V_o$ | 出力電圧 |
$R$ | 抵抗値 |
$C$ | コンデンサの静電容量 |
積分回路
オペアンプを用いた最も単純な積分回路は以下の通りです。
上記の回路の入力電圧を$V_o$とするとき、出力電圧$V_i$は
$V_o=-\frac{1}{CR}\int V_idt$
となります。
この式からもわかるとおり、入力電圧$V_i$が時間積分された形で出力電圧$V_o$を得ることが出来ます。
パラメータ | 内容 |
---|---|
$V_i$ | 入力電圧 |
$V_o$ | 出力電圧 |
$R$ | 抵抗値 |
$C$ | コンデンサの静電容量 |
ボルテージホロワ回路
ボルテージホロワ回路は、入力電圧と出力電圧が等しくなる回路です。
非反転増幅回路の抵抗R1を開放(∞Ω)にし、抵抗R2を短絡(0Ω)すると、入力電圧と出力電圧が等しくなり、ボルテージホロワ回路となります。
インピーダンス変換や回路の分離などに用いられます。
負帰還増幅回路
- 電圧増幅度Avが1より十分大きい場合、増幅回路の利得は帰還率βで制御でき、電源電圧の変動抑制や、増幅回路でのノイズ抑制ができ、安定的となる
- 増幅回路の利得が一定となる帯域幅が大きくなる
- 負帰還増幅回路全体の利得は、負帰還をかけない増幅回路の利得よりも低下する
- ①vβ≧1 ②Avβの位相角が0のとき、発振を継続します(発振回路となる)。
$(v_i-\beta v_o)A_v=v_o $
$\frac{v_o}{v_i}=\frac{A_v}{1+A_v\beta}$
AV>>1とすると以下のようになります。
$\frac{v_o}{v_i}=\frac{A_v}{1+A_v\beta}\simeq \frac{1}{\beta}$
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