【電験3種・理論】電流計・電圧計の原理と種類

電験3種・理論で出題される電流計や電圧計の種類と原理について解説します。

電流計・電圧計とは

電流計(ammeter)とは、電流を測るための指示電気計器です。
電圧計(voltmeter)とは、2点間の電位差を測る指示電気計器です。

種別 概要 記号
永久磁石可動コイル形計器 ・「永久磁石による磁界」と「可動コイルの電流による磁界」の相互作用で動作します。
直流の電流/電圧測定に使われます。

可動コイル形
可動鉄片形計器 ・固定コイル電流による磁界中で固定鉄片と可動鉄片間の引力・斥力によって動作します。
交流の電流/電圧測定に使われます。(直流で使うと誤差が大きくなります)
可動鉄片
(空心)電流力計形計器 ・固定コイルと可動コイルの電流による磁界の相互作用で動作します。
直交流の電流/電圧測定に使われます。
電流力計
x整流計形計器 ・交流を直流に変換(整流)し、永久磁石可動コイル形計器で測定します。
交流の電流/電圧測定に使われます。
整流形計器
熱電対形計器 電流による熱線の温度上昇を熱電対で熱起電力に変換し、永久磁石可動コイル形計器で測定します。
直交流の電流/電圧(高周波)の測定に使われます。
熱電対
静電形計器 ・固定電極と可動電極間に生じる静電力で動作します。
直交流の電流/電圧(高電圧)の測定に使われます。
静電形

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【例題】電圧計を用いた抵抗測定

(問題)
永久磁石可動コイル形直流電圧計V(内部抵抗が15kΩの150V測定端子、内部抵抗が10kΩの100V測定端子を有する)がを使用して、上図のように電流I[A]の定電流源で電流を流し、抵抗Rの両端の電圧を150V測定端子で測定したところ、指示値は101.0Vであった。次に100V測定端子で測定したところ、直流電圧計の指示値は99.00Vであった。
このときの抵抗Rと電流Iを求めよ。

(解答)
● 150V測定端子を用いたときの測定結果から以下の式が求まる。

(1)   \begin{eqnarray*} I=\frac{101}{R}+\frac{101}{15\times 10^3} \end{eqnarray*}

● 100V測定端子を用いたときの測定結果から以下の式が求まる。

(2)   \begin{eqnarray*} I=\frac{99}{R}+\frac{99}{10\times 10^3} \end{eqnarray*}

● よって、上2式の連立方程式を解くと、R=632[Ω]、I=0.17[A]が求まる。

【例題2】電流計及び電圧計を用いた抵抗測定の誤差

(問題)
上図のような抵抗Rの測定回路において,電流計の指示値がI=1.600A ,電圧計の指示値がV=50.00V であった。
抵抗Rの真値が31.21 Ωで、直流電源、電圧計及び電流計の内部抵抗の影響は考慮しないとき、①抵抗Rの絶対誤差[Ω] ②抵抗 R の百分率誤差(誤差率) [%] を求めよ。

(解答)
抵抗Rの測定値Rmは以下のとおり31.25 [Ω]となる。

R_m=\frac{V}{I}=\frac{50.00}{1.600}=31.25

よって、①真値との絶対誤差は、31.25−31.21=0.04 [Ω]となる。
②抵抗 の百分率誤差は、(0.04/31.21)×100=0.13[%]

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