電験3種(法規)の頻出問題である「需給調整(使用制限等・広域的運営推進機関の融通指示・供給計画)」について解説します。
電気事業法における電気の需給調整の攻略ポイント
電験3種の法規科目において、電力需給の安定確保および電力システム改革に関する法制度からの出題は、「電気事業法」第$28$条の$40$(電力広域的運営推進機関による指示)、第$28$条の$44$(広域的運営のための相互協調)、第$29$条(供給計画)、第$31$条(経済産業大臣による供給命令等)、第$34$条(旧第$27$条:電気の使用制限等)などから繰り返し出題されます。
出題形式は、条文中の重要用語や権限主体(経済産業大臣、電力広域的運営推進機関等)の空欄穴埋め問題が中心です。
特に、大規模災害や電力需給ひっ迫時における需要家側の電力消費抑制策である「電気の使用制限等」(経済産業大臣が政令に基づき、使用電力量・使用最大電力・使用停止日時・受電電力容量を定めて命令・勧告)、広域機関(OCCTO)による事業者間の需給調整指示(機関の「業務規程」に基づき「会員」に対して相互供給や工作物共用を指示)、経済産業大臣による非常時の供給命令(「電気事業者」に対して広域供給等を命令)、毎年度作成される「供給計画」(電気事業者がOCCTOを経由して経済産業大臣に届出、短期・長期の「需要」見通しや電気工作物の「新増設」等を記載)、および再生可能エネルギー大量導入下での「一般送配電事業者」間の広域的な相互協調(安定供給)などは、頻出の最重要キーワードです。
過去問の演習に先立ち、以下の4つの整理表で体系的に確認してください。
電気事業法における需給調整措置の法体系と権限区分
電気事業法に基づき、平常時および需給ひっ迫時・災害時に発動される需給調整メカニズム、発動主体、対象者、根拠条文を整理した表です。
| 措置の名称 | 根拠条文(電気事業法) | 発動主体(権限者) | 対象者(相手方) | 具体的措置内容および工学的目的 |
|---|---|---|---|---|
| 電気の使用制限等 | 第$34$条(旧第$27$条) | 経済産業大臣 | 電気の供給を受ける者(需要家) | 供給不足が国民生活・経済を阻害するおそれがあるとき、政令に基づき使用電力量・使用最大電力・使用停止日時・受電電力容量を定めて制限を命令又は勧告する。 |
| 需給改善指示 | 第$28$条の$40$ | 電力広域的運営推進機関(OCCTO) | 広域機関の「会員」(小売・送配電・発電事業者等) | 会員の需給悪化時に、機関の「業務規程」で定めるところにより、会員相互の電気の供給(電力融通)や電気工作物の共用などを指示する。 |
| 非常時の供給命令等 | 第$31$条 | 経済産業大臣 | 「電気事業者」 | 災害等の非常時において公共の利益を確保するため、電気事業者に対し、他のエリアへの電気の供給(地域間融通)や安定供給措置を命ずる。 |
| 広域的運営の相互協調 | 第$28$条の$44$ | 電気事業者(義務規定) | 電気事業者相互(一般送配電事業者等) | 電源開発や電気供給に当たり、広域的運営による電気の「安定供給」のために相互に協調する(再エネ余剰時の地域間連系線融通等)。 |
電気の使用制限等(電気事業法第34条・旧第27条)の発動要件と制限項目
電気事業法第$34$条(電力システム改革前の旧第$27$条)に基づき、電力供給不足時に経済産業大臣が需要家に対して発動する使用制限の要件と具体的な制限枠組みを整理した表です。
| 規定項目 | 条文における規定内容 | 誤答パターン・引っかけ注意点 |
|---|---|---|
| 発動主体(権限者) | 「経済産業大臣」 | 「内閣総理大臣」や「電力広域的運営推進機関」とする誤り |
| 発動の要件 | 電気の需給調整を行わなければ電気の供給不足が「国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがある」と認められるとき | 単なる一時的な予備力低下や電気事業者の収支悪化等では発動できない |
| 制限の限度・根拠 | 事態を克服するため必要な限度において、「政令」で定めるところによる | 「経済産業省令」や「業務規程」とする誤り |
| 電力使用に関する制限事項 | 「使用電力量」の限度、「使用最大電力」の限度、用途若しくは使用を停止すべき「日時」を定めて制限 | 「供給電力量」「供給最大電力」「区域」とするすり替えが頻出(需要家側の消費を抑えるため「使用」と「日時」が正解) |
| 受電設備に関する制限事項 | 「受電」電力の容量の限度を定めて、小売電気事業者等からの「受電」を制限 | 「送電」電力や「発電」電力とする誤り(契約受電電力のピークをカットさせる措置) |
| 法的効力・措置形態 | 制限すべきことを「命じ、又は勧告することができる」 | 勧告だけでなく、従わない場合は命令(罰則適用対象)が可能 |
電力広域的運営推進機関(OCCTO)による需給改善指示(第28条の40)
電気事業法第$28$条の$40$に基づき、電力需給悪化時において推進機関が会員に対して行う融通指示の枠組みを整理した表です。
| 規定項目 | 条文における規定内容 | 工学的背景および解説 |
|---|---|---|
| 指示の根拠規程 | 推進機関の「業務規程」で定めるところによる | 「保安規程」(保安体制を定める社内規程)や「送配電等業務指針」(技術要件指針)とのすり替えに注意します。 |
| 指示の対象者 | 推進機関の「会員」 | 全電気事業者は広域機関への加入が義務付けられており、指示対象は「会員」となります。 |
| 指示の対象となる事態 | 会員である小売、一般送配電、配電又は特定送配電事業者の電気需給の状況が悪化し、又は悪化するおそれがある場合 | 猛暑・厳寒による需要急増や、大規模発電所の停止による供給予備率低下時に発動されます。 |
| 具体的な指示事項 | 1. 他の会員に電気を供給すること(電力融通) 2. 会員から電気の供給を受けること 3. 電気工作物を共用(共有)すること 4. 供給計画を変更すること |
周波数変換所(FC)や地域間連系線を活用し、他エリアから余剰電力を緊急融通させます。 |
| 経済産業大臣命令(第$31$条)との関係 | 広域機関の指示でも事態が収束しない非常時には、経済産業大臣が「電気事業者」に供給命令を発令 | 自主的・中立機関による指示(第$28$条の$40$)を先行させ、国家的な非常事態には大臣命令(第$31$条)が機能します。 |
供給計画の策定・届出義務と広域的運営(第29条・第28条の44)
電気事業法第$29$条および第$28$条の$44$に基づき、電力インフラの将来計画策定および広域連携要件を整理した表です。
| 項目 | 条文および規則における具体的要件 | 実務的意義および出題ポイント |
|---|---|---|
| 計画の名称・作成頻度 | 「供給計画」を「毎年度」作成する | 「需要計画」や「保守計画」ではありません。毎年度の作成・届出が法律上の義務です。 |
| 届出の手続き・経路 | 電力広域的運営推進機関(OCCTO)を経由して「経済産業大臣」に届け出る | 広域機関が全事業者の供給計画を取りまとめて全国の需給バランスや送電容量を検証・評価した上で大臣へ提出します。 |
| 計画の対象期間・内容 | 直近年における「需要」見通し(短期)および長期「需要」見通し、電気工作物の「新増設」及びその概要(長期) | 「経営」見通しや「補修計画」ではなく、将来の電力需要予測と発電所・送電線の新設・増設計画が骨子となります。 |
| 広域的運営の相互協調 | 事業の遂行に当たり、広域的運営による電気の「安定供給」のために相互に協調しなければならない | 「コスト低減」のみを目的とするのではなく、系統全体の「安定供給」維持が法令上の基本理念です。 |
| 再エネ大量導入時の協調 | エリア内で消費しきれない再生可能エネルギー電力を、連系線を介して隣接地域へ融通する「一般送配電」事業者間の相互協調 | 周波数や電圧の品質を維持するため、送配電網を運用する一般送配電事業者間で広域系統運用が実施されます。 |
【令和7年下期・問1】電気事業法における電気の使用制限等(第34条)
次の文章は、「電気事業法」における、電気の使用制限等に関する記述である。
(ア)は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、(イ)の限度、(ウ)の限度、用途若しくは使用を停止すべき(エ)を定めて、小売電気事業者、一般送配電事業者若しくは登録特定送配電事業者(以下「小売電気事業者等」という。)から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等の供給する電気の使用を制限すべきこと、又は(オ)電力の容量の限度を定めて、小売電気事業者等から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等からの(オ)を制限すべきことを命じ、又は勧告することができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 経済産業大臣 | 使用電力量 | 使用最大電力 | 区域 | 受電 |
| (2) | 内閣総理大臣 | 供給電力量 | 供給最大電力 | 区域 | 送電 |
| (3) | 経済産業大臣 | 供給電力量 | 供給最大電力 | 区域 | 送電 |
| (4) | 内閣総理大臣 | 使用電力量 | 使用最大電力 | 日時 | 受電 |
| (5) | 経済産業大臣 | 使用電力量 | 使用最大電力 | 日時 | 受電 |
解説
正解は(5)です。
問題文の記述は、「電気事業法」第$34$条(電気の使用制限等)第$1$項が根拠となっています。
電気事業法 第$34$条第$1$項において次のように規定されています。
「経済産業大臣は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、使用電力量の限度、使用最大電力の限度、用途若しくは使用を停止すべき日時を定めて、小売電気事業者、一般送配電事業者若しくは登録特定送配電事業者(以下「小売電気事業者等」という。)から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等の供給する電気の使用を制限すべきこと、又は受電電力の容量の限度を定めて、小売電気事業者等から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等からの受電を制限すべきことを命じ、又は勧告することができる。」
条文の要点と着眼点:
・(ア):権限主体は「経済産業大臣」です。内閣総理大臣ではありません。
・(イ)・(ウ):制限の対象は「電気の供給を受ける者(需要家)」であるため、制限される指標は「使用電力量」および「使用最大電力」です。発電事業者側の指標である「供給電力量」や「供給最大電力」ではありません。
・(エ):制限を行う対象として「日時」(特定の日時や時間帯)を定めます。「区域」ではありません。
・(オ):工場やビル等の受電設備において、契約電力やピーク受電を抑制させるため「受電」電力の容量の限度を定めて「受電」を制限します。
各選択肢の検討:
(1) (エ)が「区域」となっており誤りです。
(2) (ア)が「内閣総理大臣」、(イ)が「供給電力量」、(ウ)が「供給最大電力」、(エ)が「区域」、(オ)が「送電」となっており誤りです。
(3) (イ)が「供給電力量」、(ウ)が「供給最大電力」、(エ)が「区域」、(オ)が「送電」となっており誤りです。
(4) (ア)が「内閣総理大臣」となっており誤りです。
(5) (ア)経済産業大臣、(イ)使用電力量、(ウ)使用最大電力、(エ)日時、(オ)受電 であり、第$34$条第$1$項の規定と完全に一致しており正しいです。
したがって、正解は(5)となります。
【令和7年上期・問1】電気の需給状況悪化時における広域機関の指示および経済産業大臣の供給命令
次の文章は、電気の需給状況が悪化した場合における電気事業法に基づく対応に関する記述である。
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、会員である小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者又は特定送配電事業者の電気の需給の状況が悪化し、又は悪化するおそれがある場合において、必要と認めるときは、当該電気の需給の状況を改善するために、電力広域的運営推進機関の(ア)で定めるところにより、(イ)に対し、相互に電気の供給をすることや電気工作物を共用することなどの措置を取るように指示することができる。
また、経済産業大臣は、災害等により電気の安定供給の確保に支障が生じたり、生じるおそれがある場合において、公共の利益を確保するために特に必要があり、かつ適切であると認めるときは(ウ)に対し、電気の供給を他のエリアに行うことなど電気の安定供給の確保を図るために必要な措置をとることを命ずることができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| (ア) | (イ) | (ウ) | |
|---|---|---|---|
| (1) | 保安規程 | 会員 | 電気事業者 |
| (2) | 保安規程 | 事業者 | 一般送配電事業者 |
| (3) | 送配電等業務指針 | 特定事業者 | 特定自家用電気工作物設置者 |
| (4) | 業務規程 | 事業者 | 特定自家用電気工作物設置者 |
| (5) | 業務規程 | 会員 | 電気事業者 |
解説
正解は(5)です。
問題文の前半は「電気事業法」第$28$条の$40$(推進機関による指示)、後半は第$31$条(経済産業大臣による供給命令等)第$1$項が根拠となっています。
前半の解説(広域機関の指示):
電気事業法 第$28$条の$40$において次のように規定されています。
「推進機関は、会員である小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者又は特定送配電事業者の電気の需給の状況が悪化し、又は悪化するおそれがある場合において、必要と認めるときは、当該電気の需給の状況を改善するために、業務規程で定めるところにより、会員に対し、次に掲げる事項を指示することができる。
一 他の会員に電気を供給すること。
二 他の会員から電気の供給を受けること。
三 会員から電気工作物を借り受けること、会員に電気工作物を貸与すること又は会員と電気工作物を共用すること。
四 前三号に掲げるもののほか、供給計画を変更することその他電気の需給の状況を改善するために必要な措置をとること。」
したがって、(ア)には「業務規程」、(イ)には「会員」が入ります。
後半の解説(経済産業大臣の命令):
電気事業法 第$31$条第$1$項において次のように規定されています。
「経済産業大臣は、災害その他非常の場合において、電気の供給の不足により公共の利益が阻害され、又は阻害されるおそれがあるときは、電気の需給の状況を改善するため特に必要があると認めるときは、電気事業者に対し、電気の供給を行うことその他電気の安定供給の確保を図るために必要な措置をとることを命ずることができる。」
したがって、(ウ)には「電気事業者」が入ります。
各選択肢の検討:
(1) (ア)が「保安規程」となっており誤りです。
(2) (ア)が「保安規程」、(イ)が「事業者」、(ウ)が「一般送配電事業者」となっており誤りです。
(3) (ア)が「送配電等業務指針」、(イ)が「特定事業者」、(ウ)が「特定自家用電気工作物設置者」となっており誤りです。
(4) (イ)が「事業者」、(ウ)が「特定自家用電気工作物設置者」となっており誤りです。
(5) (ア)業務規程、(イ)会員、(ウ)電気事業者 であり、法律の規定と完全に一致しており正しいです。
したがって、適切なものは(5)となります。
【令和4年下期・問10】電気事業法に基づく供給計画の届出および広域的運営の相互協調
次の文章は、電気事業法及び電気事業法施行規則に基づく広域的運営に関する記述である。
電気事業者は、毎年度、電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての(ア)を作成し、電力広域的運営推進機関(OCCTO)を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。
具体的には、直近年における(イ)見通し、発電、受電(融通を含む。)等の短期的な内容に関するものと、長期(イ)見通し、電気工作物の(ウ)及びその概要、あるいは他者の電源からの長期安定的な調達等長期的な内容に関するものとがある。
また、電気事業者は、電源開発の実施、電気の供給等その事業の遂行に当たり、広域的運営による電気の(エ)のために、相互に協調しなければならないことが定められている。
広域的運営による相互協調の具体的な例として、A地方に太陽電池発電や風力発電などの発電量を調整できない再生可能エネルギーが大量に導入された場合において、A地方における電圧、周波数を維持する観点から、A地方で消費しきれない電気を隣接するB地方に融通するといった(オ)事業者間の広域運営による相互協調がある。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 供給計画 | 経営 | 新増設 | コスト低減 | 一般送配電 |
| (2) | 需要計画 | 需要 | 新増設 | コスト低減 | 発電 |
| (3) | 供給計画 | 需要 | 新増設 | 安定供給 | 一般送配電 |
| (4) | 需要計画 | 経営 | 補修計画 | コスト低減 | 発電 |
| (5) | 供給計画 | 需要 | 補修計画 | 安定供給 | 発電 |
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、「電気事業法」第$29$条(供給計画)第$1$項、第$28$条の$44$(広域的運営のための相互協調)、および電気事業法施行規則の規定が根拠となっています。
各空白箇所の根拠と解説:
・(ア):電気事業法 第$29$条第$1$項において、「電気事業者は、毎年度、経済産業省令で定めるところにより、その事業の用に供する電気工作物の設置及び運用並びに電気の供給についての計画(以下「供給計画」という。)を作成し、推進機関を経由して経済産業大臣に届け出なければならない」と規定されています。したがって「供給計画」が入ります。
・(イ)・(ウ):電気事業法施行規則 第$38$条(供給計画の届出)等において、供給計画には、直近年および長期の「需要」見通し、ならびに発電所・送電線路等の電気工作物の「新増設」及びその概要を記載することが定められています。したがって(イ)は「需要」、(ウ)は「新増設」が入ります。
・(エ):電気事業法 第$28$条の$44$において、「電気事業者は、電源開発の実施、電気の供給等その事業の遂行に当たり、広域的運営による電気の安定供給のために、相互に協調しなければならない」と規定されています。したがって「安定供給」が入ります。
・(オ):再生可能エネルギーの出力変動に伴うエリア内の電圧や周波数を維持し、余剰電力を連系線経由で他地域へ融通する系統運用業務は「一般送配電」事業者が担います。したがって「一般送配電」が入ります。
各選択肢の検討:
(1) (イ)が「経営」、(エ)が「コスト低減」となっており誤りです。
(2) (ア)が「需要計画」、(エ)が「コスト低減」、(オ)が「発電」となっており誤りです。
(3) (ア)供給計画、(イ)需要、(ウ)新増設、(エ)安定供給、(オ)一般送配電 であり、条文規定および系統運用の実態と完全に一致しており正しいです。
(4) (ア)が「需要計画」、(イ)が「経営」、(ウ)が「補修計画」、(エ)が「コスト低減」、(オ)が「発電」となっており誤りです。
(5) (ウ)が「補修計画」、(オ)が「発電」となっており誤りです。
したがって、正解は(3)となります。
【令和4年上期・問9】需給ひっ迫時における電力広域的運営推進機関の指示と大臣命令
次の文章は、電気の需給状況が悪化した場合における電気事業法に基づく対応に関する記述である。
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、会員である小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者又は特定送配電事業者の電気の需給の状況が悪化し、又は悪化するおそれがある場合において、必要と認めるときは、当該電気の需給の状況を改善するために、電力広域的運営推進機関の(ア)で定めるところにより、(イ)に対し、相互に電気の供給をすることや電気工作物を共有することなどの措置を取るように指示することができる。
また、経済産業大臣は、災害等により電気の安定供給の確保に支障が生じたり、生じるおそれがある場合において、公共の利益を確保するために特に必要があり、かつ適切であると認めるときは(ウ)に対し、電気の供給を他のエリアに行うことなど電気の安定供給の確保を図るために必要な措置をとることを命ずることができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| (ア) | (イ) | (ウ) | |
|---|---|---|---|
| (1) | 保安規程 | 会員 | 電気事業者 |
| (2) | 保安規程 | 事業者 | 一般送配電事業者 |
| (3) | 送配電等業務指針 | 特定事業者 | 特定自家用電気工作物設置者 |
| (4) | 業務規程 | 事業者 | 特定自家用電気工作物設置者 |
| (5) | 業務規程 | 会員 | 電気事業者 |
解説
正解は(5)です。
問題文の記述は、「電気事業法」第$28$条の$40$(推進機関による指示)および第$31$条(経済産業大臣による供給命令等)第$1$項が根拠となっています。
本問は令和7年上期問1と同旨の出題であり、空白箇所の位置および選択肢の配列も同様の構成となっています。
根拠規定の解説:
電気事業法 第$28$条の$40$において、推進機関は電気の需給状況を改善するために「業務規程」で定めるところにより、「会員」に対して電気の相互供給(電力融通)や設備の共用等を指示することができると規定されています。したがって、(ア)=「業務規程」、(イ)=「会員」となります。
また、電気事業法 第$31$条第$1$項において、災害等の非常時に公共の利益を確保するため特に必要があると認めるときは、経済産業大臣が「電気事業者」に対し電気の供給等を命ずることができると規定されています。したがって、(ウ)=「電気事業者」となります。
各選択肢の検討:
(1) (ア)が「保安規程」となっており誤りです。
(2) (ア)が「保安規程」、(イ)が「事業者」、(ウ)が「一般送配電事業者」となっており誤りです。
(3) (ア)が「送配電等業務指針」、(イ)が「特定事業者」、(ウ)が「特定自家用電気工作物設置者」となっており誤りです。
(4) (イ)が「事業者」、(ウ)が「特定自家用電気工作物設置者」となっており誤りです。
(5) (ア)業務規程、(イ)会員、(ウ)電気事業者 であり、法令の規定通りで適切です。
したがって、適切なものは(5)となります。
【平成24年・問1】電気事業法における電気の使用制限および受電電力容量の制限(旧第27条)
次の文章は、「電気事業法」における、電気の使用制限等に関する記述である。
(ア)は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、(イ)の限度、(ウ)の限度、用途若しくは使用を停止すべき(エ)を定めて、一般電気事業者、特定電気事業者若しくは特定規模電気事業者の供給する電気の使用を制限し、又は(オ)電力の容量の限度を定めて、一般電気事業者、特定電気事業者若しくは特定規模電気事業者からの(オ)を制限することができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
| (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 経済産業大臣 | 使用電力量 | 使用最大電力 | 区域 | 受電 |
| (2) | 内閣総理大臣 | 供給電力量 | 供給最大電力 | 区域 | 送電 |
| (3) | 経済産業大臣 | 供給電力量 | 供給最大電力 | 区域 | 送電 |
| (4) | 内閣総理大臣 | 使用電力量 | 使用最大電力 | 日時 | 受電 |
| (5) | 経済産業大臣 | 使用電力量 | 使用最大電力 | 日時 | 受電 |
解説
正解は(5)です。
問題文の記述は、電力自由化前の「電気事業法」第$27$条(現行法第$34$条:電気の使用制限等)第$1$項が根拠となっています。
平成$24$年当時の電気事業法 第$27$条第$1$項において次のように規定されていました。
「経済産業大臣は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、使用電力量の限度、使用最大電力の限度、用途若しくは使用を停止すべき日時を定めて、一般電気事業者、特定電気事業者若しくは特定規模電気事業者の供給する電気の使用を制限し、又は受電電力の容量の限度を定めて、一般電気事業者、特定電気事業者若しくは特定規模電気事業者からの受電を制限することができる。」
歴史的背景と現行規定との対比:
本問は、平成$23$年($2011$年)の東日本大震災に伴う大規模発電所停止の際、約$37$年ぶりに発動された電気事業法第$27$条に基づく電力使用制限令(契約電力 $500\text{ kW}$ 以上の大口需要家に対する最大使用電力の $15\text{ \%}$ 削減義務付け等)を受けて出題されたものです。
その後、電力システム改革(電気事業法改正)により事業者区分が「小売電気事業者、一般送配電事業者若しくは登録特定送配電事業者」へ改められ、条文番号も第$34$条へと移行しましたが、「経済産業大臣が政令で定めるところにより、使用電力量・使用最大電力・使用停止日時・受電電力容量を定めて制限する」という基本的枠組みは現行規定においても完全に受け継がれています。
各選択肢の検討:
(1) (エ)が「区域」となっており誤りです。
(2) (ア)が「内閣総理大臣」、(イ)が「供給電力量」、(ウ)が「供給最大電力」、(エ)が「区域」、(オ)が「送電」となっており誤りです。
(3) (イ)が「供給電力量」、(ウ)が「供給最大電力」、(エ)が「区域」、(オ)が「送電」となっており誤りです。
(4) (ア)が「内閣総理大臣」となっており誤りです。
(5) (ア)経済産業大臣、(イ)使用電力量、(ウ)使用最大電力、(エ)日時、(オ)受電 であり、条文規定と完全に一致しており正しいです。
したがって、正解は(5)となります。
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