電験3種(法規)の頻出問題である「地中電線路の施設方式および離隔距離」の攻略方法について解説します。
- 地中電線路の施設方式および離隔距離の攻略ポイント
- 【令和8年上期・問6】地中電線路の施設基準(暗渠の防火措置および直埋式の埋設深さ)
- 【令和6年下期・問6】高圧・特別高圧地中電線相互の接近交差における離隔距離要件
- 【令和5年下期・問5、平成30年・問3】電気設備技術基準における地中電線等の危険防止および地中電線路の保護
- 【令和5年上期・問6】地中電線相互の接近交差における離隔距離と耐火・難燃性能要件
- 【令和2年・問5】地中電線路の施工方法および埋設表示要件
- 【平成28年・問8】地中電線相互の接近交差と離隔基準
- 【平成25年・問7】地中電線路の各種施設工事例における適合性判定
- 【平成22年・問7】地中電線路の暗渠防火措置および直埋式の土冠深さ基準
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地中電線路の施設方式および離隔距離の攻略ポイント
電験3種の法規科目において、地中電線路に関する出題は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$47$条(他の電線等への危険防止)・第$48$条(地中電線路の保護)、並びに「電気設備の技術基準の解釈」第$120$条(地中電線路の施設基準)および第$125$条(地中電線相互・他の電線等との離隔距離)から極めて高い頻度で出題されます。
主な出題形式は、施設方式(管路式・暗渠式・直接埋設式)ごとの埋設深さや防護要件・防火措置に関する正誤判定や空欄穴埋め問題、および地中電線相互の離隔距離(低圧・高圧間は $0.15\text{ m}$、低高圧・特別高圧間は $0.3\text{ m}$)と 離隔距離 $0\text{ m}$ が認められる緩和要件(「いずれか」不燃性、「それぞれ」自消性難燃性、耐火性隔壁)の判別です。
過去問の演習に入る前に、以下の整理表で試験に問われる基準値と頻出の引っかけパターンを把握してください。
地中電線路の施設方式
電気設備の技術基準の解釈第$120$条に規定される、管路式、暗渠式、直接埋設式の施設要件、防護深さ、および試験で問われる誤答ポイントを整理した表です。
| 施設方式 | 主な構造要件・防護措置 | 埋設深さ・保安上の措置 | 試験の引っかけパターン(誤答例) |
|---|---|---|---|
| 管路式 | 車両その他の重量物の圧力に耐える管を使用すること。公道下等では物件名称・管理者名・「電圧」を表示する | 原則として埋設表示は概ね $2\text{ m}$ 以下の間隔で施設する | ・表示内容を「許容電流」「力率」とする誤り ・埋設表示間隔を「$10\text{ m}$ 間隔」とする誤り |
| 暗渠式 | 車両その他の重量物の圧力に耐える暗渠を使用すること。内部で作業可能なものは防火措置を講じる | 地中電線に「耐燃措置」を施すか、又は暗渠内に「自動消火設備」を施設すること | ・耐燃措置を「換気装置」「耐熱措置」とする誤り ・自動消火設備を「警報装置」とする誤り |
| 直接埋設式 | 電線はケーブルを使用し、堅ろうなトラフその他の防護物に収めて施設すること(低圧砂巻き埋設特例を除く) | ・車両等の重量物の圧力を受ける場所:$1.2\text{ m}$($120\text{ cm}$)以上 ・その他の場所:$0.6\text{ m}$($60\text{ cm}$)以上 |
・重量物受圧場所を「$0.6\text{ m}$」「$1.0\text{ m}$」とする誤り ・その他場所を「$0.3\text{ m}$」とする誤り |
離隔距離・緩和条件
電気設備の技術基準の解釈第$125$条に規定される、地中電線相互および弱電流電線等との離隔距離の原則基準と、離隔距離を $0\text{ m}$ 以上に短縮できる例外条件を整理した表です。
| 電線等の組合せ区分 | 原則の離隔距離 | 離隔距離 $0\text{ m}$ 以上で施設できる緩和要件 | 引っかけ・注意事項 |
|---|---|---|---|
| 低圧地中電線 と 高圧地中電線 | $0.15\text{ m}$($15\text{ cm}$)以上 | ① 地中電線相互の間に堅ろうな「耐火性」の隔壁を設ける ②「いずれか」の地中電線が不燃性(被覆又は管) ③「それぞれ」の地中電線が自消性難燃性(被覆又は管) |
「いずれか難燃性」「それぞれ不燃性」とする主客の入れ替えに注意 |
| 低圧又は高圧地中電線 と 特別高圧地中電線 | $0.3\text{ m}$($30\text{ cm}$)以上 | 低圧・高圧間と同様: ① 耐火性隔壁の設置 ②「いずれか」不燃性被覆・管 ③「それぞれ」自消性難燃性被覆・管 |
「埋設標識を設けることで離隔距離 $0\text{ m}$ にできる」とする誤り(頻出) |
| 地中弱電流電線等 と 地中電線 | ・低圧・高圧:$0.3\text{ m}$ 以上 ・特別高圧:$0.6\text{ m}$ 以上 |
耐火性隔壁の設置、不燃性被覆・管、自消性難燃性被覆・管、又は管理者の承諾等 | 低圧・高圧用隔壁を「耐熱性」「耐圧性」とする誤り(正しくは耐火性) |
電気設備技術基準(省令第47条・第48条)
省令第$47$条および第$48$条に規定される、他の電線等の損傷防止および地中電線路の防護要件を整理した表です。
| 条文・項目 | 規定内容・キーワード | 引っかけパターン(誤答例) |
|---|---|---|
| 第$47$条(他の電線等への危険防止) | 他の電線等と「接近」し、又は交さする場合は、故障時の「アーク放電」により他の電線等を損傷しないように施設する | ・「接触」し、又は交さする ・故障時の「短絡電流」により損傷 |
| 第$47$条ただし書(例外規定) | 感電又は火災のおそれがなく、「他の電線等の管理者の承諾を得た」場合は適用除外 | 「取扱者以外の者が容易に触れることがない場合」とする誤り |
| 第$48$条第$1$項(地中電線路の保護) | 車両その他の重量物による圧力に耐え、埋設表示等により掘削工事からの影響を受けないように施設する | 保護措置の対象を取り違える誤り |
| 第$48$条第$2$項(作業可能暗渠等の防火) | 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには、「防火措置」を講じなければならない | 「感電防止措置」「換気装置」とするすり替え(頻出) |
【令和8年上期・問6】地中電線路の施設基準(暗渠の防火措置および直埋式の埋設深さ)
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、地中電線路の施設に関する記述である。
a) 地中電線路を暗きょ式により施設する場合は、暗きょにはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用し、かつ、地中電線に(ア)を施し、又は暗きょ内に(イ)を施設すること。
b) 地中電線路を直接埋設式により施設する場合は、一般用電気工作物又は小規模事業用電気工作物が設置された需要場所及び私道以外に施設する地中電線路を日本電気技術規格委員会規格 $\text{JESC E6007(2021)}$「直接埋設式(砂巻き)による低圧地中電線の施設」の「3.技術的規定」により施設する場合を除き、地中電線は、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては(ウ)$\text{m}$ 以上、その他の場所においては(エ)$\text{m}$ 以上の埋設深さで施設すること。ただし、使用するケーブルの種類、施設条件等を考慮し、これに加わる圧力に耐えるように施設する場合はこの限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(1) (ア)堅ろうな覆い (イ)換気装置 (ウ)$0.6$ (エ)$0.3$
(2) (ア)耐燃措置 (イ)自動消火設備 (ウ)$1.2$ (エ)$0.6$
(3) (ア)耐熱措置 (イ)換気装置 (ウ)$1.2$ (エ)$0.3$
(4) (ア)耐燃措置 (イ)換気装置 (ウ)$1.2$ (エ)$0.6$
(5) (ア)堅ろうな覆い (イ)自動消火設備 (ウ)$0.6$ (エ)$0.3$
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$120$条(地中電線路の施設)第$2$項及び第$3$項が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第120条第2項において、暗渠式による地中電線路の施設基準として次のように規定されています。
「地中電線路を暗きょ式により施設する場合は、暗きょにはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用し、かつ、地中電線に耐燃措置を施し、又は暗きょ内に自動消火設備を施設すること。」
地下洞道(暗渠)内は作業空間が閉鎖的であり、火災発生時に有毒ガスや熱気が充満して甚大な被害をもたらすおそれがあるため、ケーブル自体に難燃・不燃被覆テープ等の耐燃措置を施すか、又は不活性ガス消火設備等の自動消火設備を施設することが義務付けられています(換気装置ではありません)。
また、同条第$3$項において、直接埋設式による地中電線路の埋設深さ基準として次のように規定されています。
「地中電線路を直接埋設式により施設する場合は、・・・地中電線は、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては $1.2\text{ m}$ 以上、その他の場所においては $0.6\text{ m}$ 以上の埋設深さで施設すること。」
各選択肢の検討:
(1) (ア)が堅ろうな覆い、(イ)が換気装置、(ウ)が$0.6$、(エ)が$0.3$ となっており誤りです。
(2) (ア)耐燃措置、(イ)自動消火設備、(ウ)$1.2$、(エ)$0.6$ であり、解釈第$120$条第$2$項及び第$3$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(3) (ア)が耐熱措置、(イ)が換気装置、(エ)が$0.3$ となっており誤りです。
(4) (イ)が換気装置となっており誤りです。
(5) (ア)が堅ろうな覆い、(ウ)が$0.6$、(エ)が$0.3$ となっており誤りです。
したがって、正しいものは(2)となります。
【令和6年下期・問6】高圧・特別高圧地中電線相互の接近交差における離隔距離要件
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述である。
高圧地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合において、次に該当する場合、地中電線相互の離隔距離を $0\text{ m}$ 以上で施設することができるとされているが、その条件として不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有する場合
(2) それぞれの地中電線が堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められる場合
(3) いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有する場合
(4) 地中電線相互の間に危険を表示する埋設標識を設ける場合
(5) いずれかの地中電線が堅ろうな不燃性の管に収められる場合
解説
正解は(4)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$125$条(地中電線と他の地中電線等との接近又は交差)第$1$項が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第125条第1項において、高圧地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合の離隔距離は原則として $0.3\text{ m}$ 以上と定められています。ただし、以下のいずれかに該当する場合は、離隔距離を $0\text{ m}$ 以上(接触状態を含む)で施設することが認められます。
一 地中電線相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合
二 いずれかの地中電線が、不燃性の被覆を有するか、又は堅ろうな不燃性の管に収められている場合
三 それぞれの地中電線が、自消性のある難燃性の被覆を有するか、又は堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められている場合
選択肢(4)の「埋設標識」は、掘削事故防止のために地中埋設管路の上部に埋設する表示部材であり、故障時のアーク放電や延焼を防止する遮熱・耐火性能を持たないため、電線相互の離隔距離を $0\text{ m}$ に緩和する要件には含まれません。
各選択肢の検討:
(1) それぞれの地中電線が自消性のある難燃性被覆を有する場合であり、解釈第$125$条第$1$項の緩和要件に適合するため適切です。
(2) それぞれの地中電線が堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められる場合であり、緩和要件に適合するため適切です。
(3) いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有する場合であり、片方が不燃性であれば延焼のおそれがないため緩和要件に適合し適切です。
(4) 危険を表示する埋設標識を設けることは、離隔距離を $0\text{ m}$ 以上とする緩和規定として認められておらず不適切(誤り)です。
(5) いずれかの地中電線が堅ろうな不燃性の管に収められる場合であり、緩和要件に適合するため適切です。
したがって、不適切なものは(4)となります。
【令和5年下期・問5、平成30年・問3】電気設備技術基準における地中電線等の危険防止および地中電線路の保護
次の文章は、「電気設備技術基準」における(地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止)及び(地中電線路の保護)に関する記述である。
a) 地中電線、屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は、他の電線、弱電流電線等又は管(以下、「他の電線等」という。)と(ア)し、又は交さする場合には、故障時の(イ)により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。ただし、感電又は火災のおそれがない場合であって、(ウ)場合は、この限りでない。
b) 地中電線路は、車両その他の重量物による圧力に耐え、かつ、当該地中電線路を埋設している旨の表示等により掘削工事からの影響を受けないように施設しなければならない。
c) 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには、(エ)を講じなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) (ア)接触 (イ)短絡電流 (ウ)取扱者以外の者が容易に触れることがない (エ)防火措置
(2) (ア)接近 (イ)アーク放電 (ウ)他の電線等の管理者の承諾を得た (エ)防火措置
(3) (ア)接近 (イ)アーク放電 (ウ)他の電線等の管理者の承諾を得た (エ)感電防止措置
(4) (ア)接触 (イ)短絡電流 (ウ)他の電線等の管理者の承諾を得た (エ)防火措置
(5) (ア)接近 (イ)短絡電流 (ウ)取扱者以外の者が容易に触れることがない (エ)感電防止措置
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$47$条(地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止)並びに第$48$条(地中電線路の保護)が根拠となっています。
電気設備に関する技術基準を定める省令 第47条において、次のように規定されています。
「地中電線、屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は、他の電線、弱電流電線等又は管(以下、「他の電線等」という。)と接近し、又は交さする場合には、故障時のアーク放電により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。ただし、感電又は火災のおそれがない場合であって、他の電線等の管理者の承諾を得た場合は、この限りでない。」
電線路に短絡・地絡事故等が生じた際には高温のアーク放電が発生するため、隣接する他の通信線やガス管・水道管等をアーク熱によって溶損させないための物理的離隔や耐火措置が求められます。
また、同省令 第48条第2項において、次のように規定されています。
「2 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには、防火措置を講じなければならない。」
共同溝や洞道など人が内部に立ち入って作業できる地中電線路については、火災による作業員の生命危機や都市機能の麻痺を防ぐため、難燃化等の「防火措置」が義務付けられています。
各選択肢の検討:
(1) (ア)が接触、(イ)が短絡電流、(ウ)が取扱者以外の者が容易に触れることがないとなっており誤りです。
(2) (ア)接近、(イ)アーク放電、(ウ)他の電線等の管理者の承諾を得た、(エ)防火措置であり、省令第$47$条及び第$48$条の条文記述と完全に一致しており正しいです。
(3) (エ)が感電防止措置となっており誤りです。
(4) (ア)が接触、(イ)が短絡電流となっており誤りです。
(5) (イ)が短絡電流、(ウ)が取扱者以外の者、(エ)が感電防止措置となっており誤りです。
したがって、正しいものは(2)となります。
【令和5年上期・問6】地中電線相互の接近交差における離隔距離と耐火・難燃性能要件
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述の一部である。
低圧地中電線と高圧地中電線とが接近又は交差する場合、又は低圧若しくは高圧の地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合は、次のいずれかによること。ただし、地中箱内についてはこの限りでない。
a) 地中電線相互の離隔距離が、次に規定する値以上であること。
① 低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離は、(ア)$\text{m}$
② 低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離は、(イ)$\text{m}$
b) 地中電線相互の間に堅ろうな(ウ)の隔壁を設けること。
c) (エ)の地中電線が、次のいずれかに該当するものである場合は、地中電線相互の離隔距離が、$0\text{ m}$ 以上であること。
① 不燃性の被覆を有すること。
② 堅ろうな不燃性の管に収められていること。
d) (オ)の地中電線が、次のいずれかに該当するものである場合は、地中電線相互の離隔距離が、$0\text{ m}$ 以上であること。
① 自消性のある難燃性の被覆を有すること。
② 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) (ア)$0.15$ (イ)$0.3$ (ウ)耐火性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
(2) (ア)$0.15$ (イ)$0.3$ (ウ)耐火性 (エ)それぞれ (オ)いずれか
(3) (ア)$0.1$ (イ)$0.2$ (ウ)耐圧性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
(4) (ア)$0.1$ (イ)$0.2$ (ウ)耐圧性 (エ)それぞれ (オ)いずれか
(5) (ア)$0.1$ (イ)$0.3$ (ウ)耐火性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
解説
正解は(1)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$125$条(地中電線と他の地中電線等との接近又は交差)第$1$項が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第125条第1項において、地中電線相互の接近・交差基準として以下のように規定されています。
・低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離:$0.15\text{ m}$($15\text{ cm}$)以上
・低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離:$0.3\text{ m}$($30\text{ cm}$)以上
・相互の間に堅ろうな「耐火性」の隔壁を設けること。
・「いずれか」の地中電線が不燃性の被覆を有するか、又は不燃性の管に収められていること(一方が燃えない材料であれば延焼を遮断できるため片方のみで可)。
・「それぞれ」の地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有するか、又は難燃性の管に収められていること(自消性難燃材料は熱源がなくなれば消える性質であるため、両方の電線に難燃措置がなければ延焼を阻止できない)。
各選択肢の検討:
(1) (ア)$0.15$、(イ)$0.3$、(ウ)耐火性、(エ)いずれか、(オ)それぞれ であり、解釈第$125$条第$1$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(2) (エ)と(オ)の「いずれか」と「それぞれ」が逆になっているため誤りです。
(3) (ア)が$0.1$、(イ)が$0.2$、(ウ)が耐圧性となっており誤りです。
(4) (ア)が$0.1$、(イ)が$0.2$、(ウ)が耐圧性、(エ)と(オ)が逆となっており誤りです。
(5) (ア)が$0.1$ となっており誤りです。
したがって、正しいものは(1)となります。
【令和2年・問5】地中電線路の施工方法および埋設表示要件
「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線路の施設に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 地中電線路を管路式により施設する際、電線を収める管は、これに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした。
(2) 高圧地中電線路を公道の下に管路式により施設する際、地中電線路の物件の名称、管理者名及び許容電流を $2\text{ m}$ の間隔で表示した。
(3) 地中電線路を暗きょ式により施設する際、暗きょは、車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした。
(4) 地中電線路を暗きょ式により施設する際、地中電線に耐燃措置を施した。
(5) 地中電線路を直接埋設式により施設する際、車両の圧力を受けるおそれがある場所であるため、地中電線の埋設深さを $1.5\text{ m}$ とし、堅ろうなトラフに収めた。
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$120$条(地中電線路の施設)が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第120条第1項第二号において、高圧又は特別高圧の地中電線路を管路式により公道の下に施設する場合の埋設表示基準として、次のように規定されています。
「物件の名称、管理者名及び『電圧』を表示すること。ただし、表示の間隔は、おおむね $2\text{ m}$ 以下とすること。」
したがって、埋設標識に表示すべき事項は「電圧」であり、「許容電流」ではありません。掘削工事の作業者が地中に高電圧の危険電線路が存在することを認識できるようにすることが目的であるため、電圧種別・電圧値の明示が法令上義務付けられています。
各選択肢の検討:
(1) 解釈第$120$条第$1$項第一号において、「電線を収める管は、これに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものであること」と規定されているため適切です。
(2) 表示すべき事項は物件名称、管理者名及び「電圧」であり、「許容電流」を表示したとする本肢は誤り(不適切=正解肢)です。
(3) 解釈第$120$条第$2$項第一号において、「暗きょは、車両その他の重量物の圧力に耐えるものであること」と規定されているため適切です。
(4) 解釈第$120$条第$2$項第二号において、「地中電線に耐燃措置を施し、又は暗きょ内に自動消火設備を施設すること」と規定されているため適切です。
(5) 解釈第$120$条第$3$項において、直接埋設式で車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所の埋設深さは $1.2\text{ m}$ 以上とし、堅ろうなトラフ等に収めることと規定されています。本肢では深さ $1.5\text{ m}$($\ge 1.2\text{ m}$)とし、トラフに収めているため適切です。
したがって、誤っているものは(2)となります。
【平成28年・問8】地中電線相互の接近交差と離隔基準
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述の一部である。
低圧地中電線と高圧地中電線とが接近又は交差する場合、又は低圧若しくは高圧の地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合は、次の各号のいずれかによること。ただし、地中箱内についてはこの限りでない。
a)地中電線相互の離隔距離が、次に規定する値以上であること。
① 低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離は、(ア)$\text{m}$
② 低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離は、(イ)$\text{m}$
b)地中電線相互の間に堅ろうな(ウ)の隔壁を設けること。
c)(エ)の地中電線が、次のいずれかに該当するものであること。
① 不燃性の被覆を有すること。
② 堅ろうな不燃性の管に収められていること。
d)(オ)の地中電線が、次のいずれかに該当するものであること。
① 自消性のある難燃性の被覆を有すること。
② 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) (ア)$0.15$ (イ)$0.3$ (ウ)耐火性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
(2) (ア)$0.15$ (イ)$0.3$ (ウ)耐火性 (エ)それぞれ (オ)いずれか
(3) (ア)$0.1$ (イ)$0.2$ (ウ)耐圧性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
(4) (ア)$0.1$ (イ)$0.2$ (ウ)耐圧性 (エ)それぞれ (オ)いずれか
(5) (ア)$0.1$ (イ)$0.3$ (ウ)耐火性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
解説
正解は(1)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$125$条(地中電線と他の地中電線等との接近又は交差)第$1$項が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第125条第1項において、次のように規定されています。
低圧・高圧地中電線相互の離隔距離は「$0.15\text{ m}$」以上、低圧又は高圧と特別高圧地中電線との離隔距離は「$0.3\text{ m}$」以上を確保しなければなりません。
この離隔距離を確保できない場合の代替措置として、以下のいずれかを講じることが規定されています。
・電線相互間に堅ろうな「耐火性」の隔壁を設けること。
・「いずれか」の地中電線が、不燃性の被覆を有するか、又は堅ろうな不燃性の管に収められていること。
・「それぞれ」の地中電線が、自消性のある難燃性の被覆を有するか、又は堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。
各選択肢の検討:
(1) (ア)$0.15$、(イ)$0.3$、(ウ)耐火性、(エ)いずれか、(オ)それぞれ であり、解釈第$125$条第$1$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(2) (エ)と(オ)が入れ替わっているため誤りです。
(3) (ア)が$0.1$、(イ)が$0.2$、(ウ)が耐圧性となっており誤りです。
(4) (ア)が$0.1$、(イ)が$0.2$、(ウ)が耐圧性となっており誤りです。
(5) (ア)が$0.1$ となっており誤りです。
したがって、正しいものは(1)となります。
【平成25年・問7】地中電線路の各種施設工事例における適合性判定
次の文章は、地中電線路の施設に関する工事例である。「電気設備技術基準の解釈」に基づき、不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 電線にケーブルを使用し、かつ、暗きょ式により地中電線路を施設した。
(2) 地中電線路を管路式により施設し、電線を収める管には、これに加わる車両その他の重量物の圧力に耐える管を使用した。
(3) 地中電線路を暗きょ式により施設し、地中電線に耐燃措置を施した。
(4) 地中電線路を直接埋設式により施設し、衝撃から防護するため、地中電線を堅ろうなトラフ内に収めた。
(5) 高圧地中電線路を公道の下に管路式により埋設し、埋設表示は、物件の名称、管理者名及び電圧を、$10\text{ [m]}$ の間隔で表示した。
解説
正解は(5)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$120$条(地中電線路の施設)が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第120条第1項第二号において、高圧又は特別高圧の地中電線路を公道の下に管路式により施設する場合の埋設表示基準として、次のように規定されています。
「物件の名称、管理者名及び電圧を表示すること。ただし、表示の間隔は、おおむね $2\text{ m}$ 以下とすること。」
本問(5)では表示間隔を「$10\text{ [m]}$ の間隔」としており、規定の $2\text{ m}$ 以下を大幅に超過しているため不適切(法令違反)です。
各選択肢の検討:
(1) 解釈第$120$条第$1$項において、地中電線路にはケーブルを使用することが大原則であり、暗きょ式により施設することは適切です。
(2) 解釈第$120$条第$1$項第一号において、電線を収める管は車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用することと規定されているため適切です。
(3) 解釈第$120$条第$2$項第二号において、暗きょ式では地中電線に耐燃措置を施すか自動消火設備を施設することと規定されているため適切です。
(4) 解釈第$120$条第$3$項第二号において、直接埋設式では「地中電線を堅ろうなトラフその他の防護物に収めて施設すること」と規定されているため適切です。
(5) 前述の通り、管路式の埋設表示の間隔はおおむね $2\text{ m}$ 以下でなければならず、$10\text{ m}$ 間隔とした本肢は誤り(不適切=正解肢)です。
したがって、不適切なものは(5)となります。
【平成22年・問7】地中電線路の暗渠防火措置および直埋式の土冠深さ基準
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における、地中電線路の施設に関する記述の一部である。
a. 地中電線路を暗きょ式により施設する場合は、暗きょにはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用し、かつ、地中電線に(ア)を施し、又は暗きょ内に(イ)を施設すること。
b. 地中電線路を直接埋設式により施設する場合は、地中電線は車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては(ウ)以上、その他の場所においては(エ)以上の土冠で施設すること。ただし、使用するケーブルの種類、施設条件等を考慮し、これに加わる圧力に耐えるように施設する場合はこの限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(1) (ア)堅ろうな覆い (イ)換気装置 (ウ)$60\text{ [cm]}$ (エ)$30\text{ [cm]}$
(2) (ア)耐燃措置 (イ)自動消火設備 (ウ)$1.2\text{ [m]}$ (エ)$60\text{ [cm]}$
(3) (ア)耐熱措置 (イ)換気装置 (ウ)$1.2\text{ [m]}$ (エ)$30\text{ [cm]}$
(4) (ア)耐燃措置 (イ)換気装置 (ウ)$1.2\text{ [m]}$ (エ)$60\text{ [cm]}$
(5) (ア)堅ろうな覆い (イ)自動消火設備 (ウ)$60\text{ [cm]}$ (エ)$30\text{ [cm]}$
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$120$条(地中電線路の施設)第$2$項及び第$3$項が根拠となっています。
電気設備の技術基準の解釈 第120条第2項において、暗渠式における地中電線路の施設基準として次のように規定されています。
「暗きょにはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用し、かつ、地中電線に耐燃措置を施し、又は暗きょ内に自動消火設備を施設すること。」
また、同条第$3$項において、直接埋設式の埋設深さ(土冠)基準として次のように規定されています。
「車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては $1.2\text{ m}$ 以上、その他の場所においては $60\text{ cm}$($0.6\text{ m}$)以上の土冠で施設すること。」
各選択肢の検討:
(1) (ア)が堅ろうな覆い、(イ)が換気装置、(ウ)が$60\text{ cm}$、(エ)が$30\text{ cm}$ となっており誤りです。
(2) (ア)耐燃措置、(イ)自動消火設備、(ウ)$1.2\text{ [m]}$、(エ)$60\text{ [cm]}$ であり、解釈第$120$条第$2$項及び第$3$項の規定と完全に一致しており正しいです。
(3) (ア)が耐熱措置、(イ)が換気装置、(エ)が$30\text{ cm}$ となっており誤りです。
(4) (イ)が換気装置となっており誤りです。
(5) (ア)が堅ろうな覆い、(ウ)が$60\text{ cm}$、(エ)が$30\text{ cm}$ となっており誤りです。
したがって、正しいものは(2)となります。
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