【電験3種・法規】頻出問題「低圧幹線および低圧屋内配線の設計・施設基準」の攻略

電験3種(法規)の頻出問題である「低圧幹線および低圧屋内配線の設計・施設基準」の攻略方法について解説します。

低圧幹線および低圧屋内配線の設計・施設基準の攻略ポイント

電験3種の法規科目において、低圧幹線および低圧屋内配線の設計・施設基準は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第56条、第57条、第63条、ならびに「電気設備の技術基準の解釈」第146条(低圧屋内配線等の太さ及び許容電流)、第148条(低圧幹線の施設)、第149条(低圧分岐回路の施設)、第153条(電動機の過負荷保護装置の施設)に基づく最頻出テーマです。出題形式は、条文の空欄補充問題、保護協調曲線の判定問題、電線の許容電流や遮断器容量を求める計算問題(A問題およびB問題)と多岐にわたります。本テーマを確実に攻略するためには、幹線許容電流の決定ルール、過電流遮断器容量の上限値と省略規定、周囲温度・管内電線数による減少係数の計算方法、電動機の過負荷保護装置の省略条件を体系的に整理しておく必要があります。

用語の意味

電気使用場所において電源から各分岐回路へ至る配線体系の定義、および計算で頻出する機器区分について整理した表です。

用語 法律上の定義・意味 引っかけパターン・注意点
低圧幹線 引込口、変圧器等から分岐回路に至るまでの配線であって、途中で分岐回路を持たない、又は複数の分岐回路へ電気を供給する電路 各負荷器具へ直接至る「分岐回路」との混同
電動機等 電動機又はこれに類する起動電流が大きい電気機械器具 電熱器や照明器具など定常電流のみの器具を含める誤り
他の電気使用機械器具 電熱器、照明器具などの電動機等以外の電気使用機械器具 起動電流の大きな機器を同一視して計算式を誤る例
許容電流 電線に連続して安全に通電できる最大電流(周囲温度や布設条件により低減する) 基底温度での許容電流をそのまま使用し、補正係数や減少係数を乗じ忘れる誤り
過電流遮断器 配線用遮断器(MCCB)やヒューズ等、過負荷電流及び短絡電流を遮断する装置 過負荷保護機能のみのサーマルリレーとの役割の混同

低圧幹線の許容電流および過電流遮断器の施設基準

低圧幹線に用いる電線の許容電流の決定式、過電流遮断器の定格電流の上限値、および遮断器施設を省略できる条件について整理した表です。

項目 算定式・規定要件 例外規定・特記事項
幹線の許容電流($I_M \le I_H$ の場合) $I_W \ge I_M + I_H$ 電動機等の合計電流が他の負荷合計以下の場合は、単純合算値以上とする
幹線の許容電流($I_M > I_H$ かつ $I_M \le 50\text{ A}$) $I_W \ge 1.25 I_M + I_H$ 電動機等の合計電流が $50\text{ A}$ 以下の場合は、電動機分を $1.25$ 倍する
幹線の許容電流($I_M > I_H$ かつ $I_M > 50\text{ A}$) $I_W \ge 1.1 I_M + I_H$ 電動機等の合計電流が $50\text{ A}$ を超える場合は、電動機分を $1.1$ 倍する
過電流遮断器の定格電流上限($I_B$) $I_B \le 3 I_M + I_H$ かつ $I_B \le 2.5 I_W$ のいずれか小さい方の値以下 $I_W > 100\text{ A}$ で標準定格にない場合は直近上位の定格を選択可能
遮断器省略要件(分岐点からの長さ制限なし) 幹線の許容電流が、電源側遮断器の定格電流の $55\text{ \%}$ 以上である場合 電線の太さが電源側遮断器定格の半分強($55\text{ \%}$)あれば長さに制限なく省略可
遮断器省略要件(分岐長 $8\text{ m}$ 以下) 幹線の許容電流が、電源側遮断器の定格電流の $35\text{ \%}$ 以上である場合 長さが $8\text{ m}$ 以下であれば許容電流要件が $35\text{ \%}$ まで緩和される
遮断器省略要件(分岐長 $3\text{ m}$ 以下) 負荷側に他の低圧幹線を接続しない場合(許容電流の割合制限なし) 極めて短い分岐($3\text{ m}$ 以下)で末端負荷回路であれば許容電流比率問わず省略可
遮断器省略要件(太陽電池電源) 供給電源が太陽電池のみで、許容電流が通過する最大短絡電流以上の場合 太陽電池の短絡電流は定格の $1.1 \sim 1.2$ 倍程度に制限される特性に基づく特例

電動機の過負荷保護装置および屋内配線の補正基準

屋内に施設する電動機の焼損防止装置の原則と省略基準、ならびに屋内配線の周囲温度補正と同一管内電流減少係数の比較表です。

項目 原則要件 省略要件・補正方法
電動機の過負荷保護装置(第153条) 電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に自動的に阻止し、又は警報する装置を設けること ①取扱者が常時監視できる位置、②過電流を生じるおそれがない場合、③単相で過電流遮断器 $15\text{ A}$(配線用遮断器 $20\text{ A}$)以下、④出力 $0.2\text{ kW}$ 以下のいずれかで省略可
周囲温度補正係数(第146条) 周囲温度が基準温度($30^\circ\text{C}$)と異なる場合に許容電流を補正する 一般ビニル絶縁電線:$\sqrt{\dfrac{60 - \theta}{30}}$(周囲温度 $30^\circ\text{C}$ 以下の場合は $\theta = 30$)、耐熱ビニル絶縁電線:$\sqrt{\dfrac{75 - \theta}{30}}$
同一管内電流減少係数(第146条) 金属管や合成樹脂管に複数の絶縁電線を収める場合に相互加熱を考慮して許容電流を低減する 電線数 $3$ 本以下:$0.70$、$4$ 本:$0.63$、$5 \sim 6$ 本:$0.56$(中性線、接地線、制御回路用電線は電線数に算入しない)

【令和6年下期・問9】電動機の過負荷保護装置の施設基準

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における電動機の過負荷保護装置の施設に関する記述である。

屋内に施設する電動機には、電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に (ア) これを阻止し、又はこれを警報する装置を設けること。ただし、次のいずれかに該当する場合はこの限りでない。
a) 電動機を運転中、常時、 (イ) が監視できる位置に施設する場合
b) 電動機の構造上又は負荷の性質上、その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流を生じるおそれがない場合
c) 電動機が単相のものであって、その電源側電路に施設する (ウ) 遮断器の定格電流が $15\text{ A}$ ( (エ) 遮断器にあっては、$20\text{ A}$) 以下の場合
d) 電動機の出力が (オ) $\text{kW}$ 以下の場合

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) (ア) 自動的に (イ) 取扱者 (ウ) 配線用 (エ) 過電流 (オ) $0.2$
(2) (ア) 遅滞なく (イ) 取扱者 (ウ) 配線用 (エ) 過電流 (オ) $2$
(3) (ア) 自動的に (イ) 取扱者 (ウ) 過電流 (エ) 配線用 (オ) $0.2$
(4) (ア) 遅滞なく (イ) 管理者 (ウ) 配線用 (エ) 過電流 (オ) $2$
(5) (ア) 自動的に (イ) 管理者 (ウ) 過電流 (エ) 配線用 (オ) $2$

解説

正解は(3)です。

問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$153$条(電動機の過負荷保護装置の施設)第$1$項が根拠となっています。

解釈第$153$条第$1$項の条文本文:
「屋内に施設する電動機(出力が$0.2\text{ kW}$以下のものを除く。)には、電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に自動的にこれを阻止し、又はこれを警報する装置を設けること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合はこの限りでない。
一 電動機を運転中、常時、取扱者が監視できる位置に施設する場合
二 電動機の構造上又は負荷の性質上、その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流を生じるおそれがない場合
三 電動機が単相のものであって、その電源側電路に施設する過電流遮断器の定格電流が$15\text{ A}$(配線用遮断器にあっては、$20\text{ A}$)以下の場合」

したがって、空白箇所の語句及び数値は以下の通りとなります。
(ア) 自動的に
(イ) 取扱者
(ウ) 過電流(過電流遮断器はヒューズ等を含み定格電流は$15\text{ A}$以下)
(エ) 配線用(配線用遮断器は定格電流$20\text{ A}$以下)
(オ) $0.2$(出力$0.2\text{ kW}$以下の小出力電動機は保護装置の施設対象から除外)

各選択肢の検討:
(1) (ウ)と(エ)が逆であり、過電流遮断器が$15\text{ A}$、配線用遮断器が$20\text{ A}$であるため誤りです。
(2) (ア)が「遅滞なく」となっており誤りです。過電流時は「自動的に」遮断または警報する必要があります。また(オ)も「$2$」となっており誤りです。
(3) すべての空白箇所の語句及び数値が条文と完全に一致しており正しいです。
(4) (ア)が「遅滞なく」、(イ)が「管理者」、(ウ)と(エ)が逆、(オ)が「$2$」となっており誤りです。
(5) (イ)が「管理者」となっており誤りです。法令上は「取扱者」です。また(オ)も「$2$」となっており誤りです。

したがって、正解は(3)となります。

【平成30年・問8】電動機の過負荷保護装置の施設基準

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく電動機の過負荷保護装置の施設に関する記述である。

屋内に施設する電動機には、電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に (ア) これを阻止し、又はこれを警報する装置を設けること。ただし、次のいずれかに該当する場合はこの限りでない。
a 電動機を運転中、常時、 (イ) が監視できる位置に施設する場合
b 電動機の構造上又は負荷の性質上、その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流を生じるおそれがない場合
c 電動機が単相のものであって、その電源側電路に施設する配線用遮断器の定格電流が (ウ) $\text{A}$ 以下の場合
d 電動機の出力が (エ) $\text{kW}$ 以下の場合

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) (ア) 自動的に (イ) 取扱者 (ウ) $20$ (エ) $0.2$
(2) (ア) 遅滞なく (イ) 取扱者 (ウ) $20$ (エ) $2$
(3) (ア) 自動的に (イ) 取扱者 (ウ) $30$ (エ) $0.2$
(4) (ア) 遅滞なく (イ) 電気係員 (ウ) $30$ (エ) $2$
(5) (ア) 自動的に (イ) 電気係員 (ウ) $30$ (エ) $0.2$

解説

正解は(1)です。

問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$153$条(電動機の過負荷保護装置の施設)第$1$項が根拠となっています。

解釈第$153$条第$1$項の規定により、各空白箇所に当てはまる語句及び数値は以下の通りです。
(ア) 過電流発生時に「自動的に」これを阻止し、又はこれを警報する装置を設けます。
(イ) 電動機を運転中、常時、「取扱者」が監視できる位置に施設する場合は保護装置の省略が認められます。「電気係員」や「管理者」ではありません。
(ウ) 単相電動機であって、電源側電路に施設する配線用遮断器の定格電流が「$20\text{ A}$」以下の場合は過負荷保護装置を省略できます(ヒューズ等の過電流遮断器の場合は$15\text{ A}$以下)。
(エ) 電動機の出力が「$0.2\text{ kW}$」以下の場合は、過負荷による焼損の危険性が比較的小さいため保護装置の施設義務の対象から除外されます。

各選択肢の検討:
(1) (ア)自動的に、(イ)取扱者、(ウ)$20$、(エ)$0.2$ となっており、条文の規定と完全に一致しているため正しいです。
(2) (ア)が「遅滞なく」、(エ)が「$2$」となっており誤りです。
(3) (ウ)が「$30$」となっており誤りです。配線用遮断器の定格電流は$20\text{ A}$以下です。
(4) (ア)が「遅滞なく」、(イ)が「電気係員」、(ウ)が「$30$」、(エ)が「$2$」となっており誤りです。
(5) (イ)が「電気係員」、(ウ)が「$30$」となっており誤りです。

したがって、正解は(1)となります。

【平成29年・問7】低圧幹線の過電流遮断器の施設基準

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における低圧幹線の施設に関する記述の一部である。

低圧幹線の電源側電路には、当該低圧幹線を保護する過電流遮断器を施設すること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
a 低圧幹線の許容電流が、当該低圧幹線の電源側に接続する他の低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の $55\text{ \%}$ 以上である場合
b 過電流遮断器に直接接続する低圧幹線又は上記aに掲げる低圧幹線に接続する長さ (ア) $\text{m}$ 以下の低圧幹線であって、当該低圧幹線の許容電流が、当該低圧幹線の電源側に接続する他の低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の $35\text{ \%}$ 以上である場合
c 過電流遮断器に直接接続する低圧幹線又は上記a若しくは上記bに掲げる低圧幹線に接続する長さ (イ) $\text{m}$ 以下の低圧幹線であって、当該低圧幹線の負荷側に他の低圧幹線を接続しない場合
d 低圧幹線に電気を供給する電源が (ウ) のみであって、当該低圧幹線の許容電流が、当該低圧幹線を通過する (エ) 電流以上である場合

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) (ア) $10$ (イ) $5$ (ウ) 太陽電池 (エ) 最大短絡
(2) (ア) $8$ (イ) $5$ (ウ) 太陽電池 (エ) 定格出力
(3) (ア) $10$ (イ) $5$ (ウ) 燃料電池 (エ) 定格出力
(4) (ア) $8$ (イ) $3$ (ウ) 太陽電池 (エ) 最大短絡
(5) (ア) $8$ (イ) $3$ (ウ) 燃料電池 (エ) 定格出力

解説

正解は(4)です。

問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$148$条(低圧幹線の施設)第$1$項第五号が根拠となっています。

解釈第$148$条第$1$項第五号の規定:
「低圧幹線の電源側電路には、当該低圧幹線を保護する過電流遮断器を施設すること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
イ 低圧幹線の許容電流が、当該低圧幹線の電源側に接続する他の低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の$55\text{ \%}$以上である場合
ロ 過電流遮断器に直接接続する低圧幹線又は上記イに掲げる低圧幹線に接続する長さ$8\text{ m}$以下の低圧幹線であって、当該低圧幹線の許容電流が、当該低圧幹線の電源側に接続する他の低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の$35\text{ \%}$以上である場合
ハ 過電流遮断器に直接接続する低圧幹線又は上記イ若しくは上記ロに掲げる低圧幹線に接続する長さ$3\text{ m}$以下の低圧幹線であって、当該低圧幹線の負荷側に他の低圧幹線を接続しない場合
ニ 低圧幹線に電気を供給する電源が太陽電池のみであって、当該低圧幹線の許容電流が、当該低圧幹線を通過する最大短絡電流以上である場合」

各空白箇所の検討:
(ア) 分岐幹線の許容電流が電源側過電流遮断器定格電流の$35\text{ \%}$以上である場合の幹線長上限は「$8\text{ m}$」以下です。
(イ) 負荷側に他の低圧幹線を接続しない場合の幹線長上限は「$3\text{ m}$」以下です。
(ウ) 電源が「太陽電池」のみの場合の特例規定です。太陽電池は短絡時でも電流が定格の$1.1 \sim 1.2$倍程度にしか増加しない出力飽和特性を持つため、電線の許容電流が最大短絡電流以上であれば電線が焼損するおそれがありません。
(エ) 太陽電池電源特例において許容電流が上回るべき対象は「最大短絡」電流です。「定格出力」電流ではありません。

各選択肢の検討:
(1) (ア)が「$10$」、(イ)が「$5$」となっており誤りです。
(2) (イ)が「$5$」、(エ)が「定格出力」となっており誤りです。
(3) (ア)が「$10$」、(イ)が「$5$」、(ウ)が「燃料電池」、(エ)が「定格出力」となっており誤りです。
(4) (ア)$8$、(イ)$3$、(ウ)太陽電池、(エ)最大短絡 となっており、条文と完全に一致しているため正しいです。
(5) (ウ)が「燃料電池」、(エ)が「定格出力」となっており誤りです。

したがって、正解は(4)となります。

【平成22年・問6】低圧屋内幹線の施設における過電流遮断器の省略要件

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における、低圧屋内幹線の施設に関する記述の一部である。

低圧屋内幹線の電源側電路には、当該低圧屋内幹線を保護する過電流遮断器を施設すること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
a. 低圧屋内幹線の許容電流が、当該低圧屋内幹線の電源側に接続する他の低圧屋内幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の (ア) [$\text{\%}$]以上である場合
b. 過電流遮断器に直接接続する低圧屋内幹線又は上記aに掲げる低圧屋内幹線に接続する長さ (イ) [$\text{m}$]以下の低圧屋内幹線であって、当該低圧屋内幹線の許容電流が、当該低圧屋内幹線の電源側に接続する他の低圧屋内幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の (ウ) [$\text{\%}$]以上である場合
c. 過電流遮断器に直接接続する低圧屋内幹線又は上記a若しくは上記bに掲げる低圧屋内幹線に接続する長さ (エ) [$\text{m}$]以下の低圧屋内幹線であって、当該低圧屋内幹線の負荷側に他の低圧屋内幹線を接続しない場合

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(1) (ア) $50$ (イ) $7$ (ウ) $33$ (エ) $3$
(2) (ア) $50$ (イ) $6$ (ウ) $33$ (エ) $4$
(3) (ア) $55$ (イ) $8$ (ウ) $35$ (エ) $3$
(4) (ア) $55$ (イ) $8$ (ウ) $35$ (エ) $4$
(5) (ア) $55$ (イ) $7$ (ウ) $35$ (エ) $5$

解説

正解は(3)です。

問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$148$条(低圧幹線の施設)第$1$項第五号イ、ロ、ハが根拠となっています。

幹線の過電流遮断器の省略規定に関する数値整理:
(ア) 幹線の許容電流が電源側過電流遮断器の定格電流の「$55\text{ \%}$」以上である場合、電線の熱容量が十分に大きいため、分岐の長さに関係なく電源側の過電流遮断器を省略できます。
(イ) 長さ「$8\text{ m}$」以下の低圧屋内幹線である場合、許容電流の要求基準が緩和されます。
(ウ) 長さ$8\text{ m}$以下の幹線において要求される許容電流の割合は「$35\text{ \%}$」以上です。
(エ) 負荷側に他の低圧屋内幹線を接続しない末端部分であって、長さ「$3\text{ m}$」以下の幹線については、短絡時の電線溶損リスクが局所的であるため、許容電流の割合を問わず遮断器の施設を省略できます。

各選択肢の検討:
(1) (ア)が「$50$」、(イ)が「$7$」、(ウ)が「$33$」となっており誤りです。
(2) (ア)が「$50$」、(イ)が「$6$」、(ウ)が「$33$」、(エ)が「$4$」となっており誤りです。
(3) (ア)$55$、(イ)$8$、(ウ)$35$、(エ)$3$ となっており、条文の規定数値と完全に一致しているため正しいです。
(4) (エ)が「$4$」となっており誤りです。
(5) (イ)が「$7$」、(エ)が「$5$」となっており誤りです。

したがって、正解は(3)となります。

【平成26年・問10】低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流及び保護協調

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、電源供給用低圧幹線に電動機が接続される場合の過電流遮断器の定格電流及び電動機の過負荷と短絡電流の保護協調に関する記述である。

  1. 低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流は、次のいずれかによることができる。
    a. その幹線に接続される電動機の定格電流の合計の (ア) 倍に、他の電気使用機械器具の定格電流の合計を加えた値以下であること。
    b. 上記aの値が当該低圧幹線の許容電流を (イ) 倍した値を超える場合は、その許容電流を (イ) 倍した値以下であること。
    c. 当該低圧幹線の許容電流が $100\text{ A}$ を超える場合であって、上記a又はbの規定による値が過電流遮断器の標準定格に該当しないときは、上記a又はbの規定による値の (ウ) の標準定格であること。
  2. 図は、電動機を配線用遮断器(MCCB)と熱動継電器(サーマルリレー)付電磁開閉器を組み合わせて保護する場合の保護協調曲線の一例である。図中「 (エ) 」は電源配線の電線許容電流時間特性を表す曲線である。

    上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (1) (ア) $3$ (イ) $2.5$ (ウ) 直近上位 (エ) ③
    (2) (ア) $3$ (イ) $2$ (ウ) $115\text{ \%}$以下 (エ) ②
    (3) (ア) $2.5$ (イ) $1.5$ (ウ) 直近上位 (エ) ①
    (4) (ア) $3$ (イ) $2.5$ (ウ) $115\text{ \%}$以下 (エ) ③
    (5) (ア) $2$ (イ) $2$ (ウ) 直近上位 (エ) ②

    解説

    正解は(1)です。

    問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$148$条(低圧幹線の施設)第$1$項第六号、および電動機回路の保護協調が根拠となっています。

  3. 過電流遮断器の定格電流の算定基準(解釈第148条第1項第六号)
    低圧幹線に電動機等の起動電流が大きい負荷が接続される場合、始動時の突入電流による遮断器の不要動作を防ぐため、過電流遮断器の定格電流 $I_B$ は以下の特例が認められています。
    a. 電動機の定格電流合計 $I_M$ の「$3$倍」に、他の電気使用機械器具の定格電流合計 $I_H$ を加えた値以下であること($I_B \le 3 I_M + I_H$)。したがって、(ア)は「$3$」です。
    b. 上記aの値が過大となり電線が過熱保護できなくなることを防ぐため、幹線の許容電流 $I_W$ の「$2.5$倍」を超える場合は、許容電流の「$2.5$倍」以下であること($I_B \le 2.5 I_W$)。したがって、(イ)は「$2.5$」です。
    c. 当該低圧幹線の許容電流が $100\text{ A}$ を超える場合で、算出値が標準定格に合致しない場合は、「直近上位」の標準定格を選択できます。したがって、(ウ)は「直近上位」です。

  4. 電動機回路の保護協調曲線の判定
    電動機回路では、電動機本体の焼損防止、電磁開閉器接点の保護、配線の熱保護、短絡遮断の各保護機器が協調して動作する必要があります。
    保護協調図における各特性曲線の意味は以下の通りです。
    ・曲線①:熱動継電器(サーマルリレー)の動作特性です。過負荷領域(定格電流の数倍程度まで)で電動機の許容電流時間特性よりも早く動作して電動機を過負荷焼損から保護します。
    ・曲線②:配線用遮断器(MCCB)の動作特性です。短絡等の大電流領域において瞬時遮断し、電磁開閉器や配線を短絡破壊から保護します。
    ・曲線③:電源配線の「電線許容電流時間特性」です。電線が過電流によって許容最高温度に達する時間を示した限界線です。安全保護協調が成立するためには、電線の許容特性曲線③が保護装置の総合動作曲線(①と②を合成した包絡線)よりも常に上側(右側、すなわち同一電流に対してより長時間の耐量を持つ側)に位置していなければなりません。
    したがって、電線許容電流時間特性を表す曲線は「③」です。(エ)は「③」となります。

    各選択肢の検討:
    (1) (ア)$3$、(イ)$2.5$、(ウ)直近上位、(エ)③ となっており、法令および保護協調の技術要件と完全に一致しているため正しいです。
    (2) (イ)が「$2$」、(ウ)が「$115\text{ \%}$以下」、(エ)が「②」となっており誤りです。
    (3) (ア)が「$2.5$」、(イ)が「$1.5$」、(エ)が「①」となっており誤りです。
    (4) (ウ)が「$115\text{ \%}$以下」となっており誤りです。許容電流が$100\text{ A}$を超える場合の特例は「直近上位」です。
    (5) (ア)が「$2$」、(イ)が「$2$」、(エ)が「②」となっており誤りです。

    したがって、正解は(1)となります。

    【平成24年・問9】低圧屋内幹線の許容電流と過電流遮断器の定格電流の計算

    次の文章は「電気設備技術基準の解釈」に基づく、低圧屋内幹線に使用する電線の許容電流とその幹線を保護する過電流遮断器の定格電流との組み合わせに関する工事例である。ここで、当該低圧幹線に接続する負荷のうち、電動機又はこれに類する起動電流が大きい電気機械器具を「電動機等」という。

    a. 電動機等の定格電流の合計が $40\text{ A}$、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が $30\text{ A}$ のとき、許容電流 (ア) $\text{A}$ 以上の電線と定格電流が (イ) $\text{A}$ 以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。
    b. 電動機等の定格電流の合計が $20\text{ A}$、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が $50\text{ A}$ のとき、許容電流 (ウ) $\text{A}$ 以上の電線と定格電流が $100\text{ A}$ 以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。
    c. 電動機等の定格電流の合計が $60\text{ A}$、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が $0\text{ A}$ のとき、許容電流 $66\text{ A}$ 以上の電線と定格電流が (エ) $\text{A}$ 以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。

    上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (1) (ア) $85$ (イ) $150$ (ウ) $75$ (エ) $200$
    (2) (ア) $85$ (イ) $160$ (ウ) $70$ (エ) $165$
    (3) (ア) $80$ (イ) $160$ (ウ) $75$ (エ) $165$
    (4) (ア) $80$ (イ) $150$ (ウ) $70$ (エ) $200$
    (5) (ア) $80$ (イ) $150$ (ウ) $70$ (エ) $165$

    解説

    正解は(5)です。

    問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$148$条(低圧幹線の施設)第$1$項第二号(電線の許容電流)及び第六号(過電流遮断器の定格電流)に基づく計算が根拠となっています。

    幹線の許容電流 $I_W$ の算定基準(解釈第148条第1項第二号):
    電動機等の定格電流の合計を $I_M$、他の電気使用機械器具の定格電流の合計を $I_H$ とするとき、低圧幹線の許容電流 $I_W$ は次によります。
    ・$I_M \le I_H$ の場合:$I_W \ge I_M + I_H$
    ・$I_M > I_H$ の場合:
     $I_M \le 50\text{ A}$ のとき:$I_W \ge 1.25 I_M + I_H$
     $I_M > 50\text{ A}$ のとき:$I_W \ge 1.1 I_M + I_H$

    過電流遮断器の定格電流 $I_B$ の算定基準(解釈第148条第1項第六号):
    低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流 $I_B$ は、次のいずれか小さい方の値以下でなければなりません。
    $$I_B \le 3 I_M + I_H$$
    $$I_B \le 2.5 I_W$$

    aの計算検討:
    $I_M = 40\text{ A}$、$I_H = 30\text{ A}$ です。
    $I_M > I_H$ かつ $I_M \le 50\text{ A}$ であるため、$1.25$ 倍の係数を適用します。
    $$I_W \ge 1.25 \times 40 + 30 = 50 + 30 = 80\text{ A}$$
    したがって、(ア)は「$80$」です。
    次に、過電流遮断器の定格電流 $I_B$ の上限を求めます。
    $$3 I_M + I_H = 3 \times 40 + 30 = 120 + 30 = 150\text{ A}$$
    $$2.5 I_W = 2.5 \times 80 = 200\text{ A}$$
    このうち小さい方の値を採用するため、$I_B \le 150\text{ A}$ となります。したがって、(イ)は「$150$」です。

    bの計算検討:
    $I_M = 20\text{ A}$、$I_H = 50\text{ A}$ です。
    $I_M \le I_H$ であるため、係数は乗じず単純合算となります。
    $$I_W \ge I_M + I_H = 20 + 50 = 70\text{ A}$$
    したがって、(ウ)は「$70$」です。
    (参考:過電流遮断器の上限は $3 \times 20 + 50 = 110\text{ A}$、$2.5 \times 70 = 175\text{ A}$ より $110\text{ A}$ 以下となり、工事例の $100\text{ A}$ はこれを満足しています。)

    cの計算検討:
    $I_M = 60\text{ A}$、$I_H = 0\text{ A}$ です。
    $I_M > 50\text{ A}$ であるため、$I_W \ge 1.1 \times 60 + 0 = 66\text{ A}$ となり、電線の許容電流は $66\text{ A}$ 以上です。
    電線の許容電流を最小値 $I_W = 66\text{ A}$ とした場合の過電流遮断器の定格電流上限を求めます。
    $$3 I_M + I_H = 3 \times 60 + 0 = 180\text{ A}$$
    $$2.5 I_W = 2.5 \times 66 = 165\text{ A}$$
    両者を比較すると、$165\text{ A} \le 180\text{ A}$ であるため、小さい方の値である $165\text{ A}$ 以下としなければなりません。したがって、(エ)は「$165$」です。

    各選択肢の検討:
    (1) (ア)が「$85$」、(ウ)が「$75$」、(エ)が「$200$」となっており誤りです。
    (2) (ア)が「$85$」、(イ)が「$160$」となっており誤りです。
    (3) (イ)が「$160$」、(ウ)が「$75$」となっており誤りです。
    (4) (エ)が「$200$」となっており誤りです。$2.5 I_W = 165\text{ A}$ による制約を超過しています。
    (5) (ア)$80$、(イ)$150$、(ウ)$70$、(エ)$165$ となっており、すべての計算値と一致しているため正しいです。

    したがって、正解は(5)となります。

    【令和元年・問11】低圧幹線の許容電流および過電流遮断器の計算

    電気使用場所の低圧幹線の施設について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

    (a) 次の表は、一つの低圧幹線によって電気を供給される電動機又はこれに類する起動電流が大きい電気機械器具(以下この問において「電動機等」という。)の定格電流の合計値 $I_M\text{ [A]}$ と、他の電気使用機械器具の定格電流の合計値 $I_H\text{ [A]}$ を示したものである。また、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、当該低圧幹線に用いる電線に必要な許容電流は、同表に示す $I_C$ の値 $\text{[A]}$ 以上でなければならない。ただし、需要率、力率等による修正はしないものとする。

    $I_M\text{ [A]}$ $47$ $48$ $49$ $50$ $51$
    $I_H\text{ [A]}$ $49$ $48$ $47$ $46$ $45$
    $I_M + I_H\text{ [A]}$ $96$ $96$ $96$ $96$ $96$
    $I_C\text{ [A]}$ $96$ (ア) (イ) (ウ) $102$

    上記の表中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (1) (ア) $96$ (イ) $109$ (ウ) $101$
    (2) (ア) $96$ (イ) $108$ (ウ) $109$
    (3) (ア) $96$ (イ) $109$ (ウ) $109$
    (4) (ア) $108$ (イ) $108$ (ウ) $109$
    (5) (ア) $108$ (イ) $109$ (ウ) $101$

    (b) 次の表は、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、低圧幹線に電動機等が接続される場合における電動機等の定格電流の合計値 $I_M\text{ [A]}$ と、他の電気使用機械器具の定格電流の合計値 $I_H\text{ [A]}$ と、これらに電気を供給する一つの低圧幹線に用いる電線の許容電流 $I_A\text{ [A]}$ と、当該低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の最大値 $I_B\text{ [A]}$ を示したものである。ただし、需要率、力率等による修正はしないものとする。

    $I_M\text{ [A]}$ $60$ $70$ $80$
    $I_H\text{ [A]}$ $20$ $10$ $0$
    $I_A\text{ [A]}$ $88$ $88$ $88$
    $I_B\text{ [A]}$ (エ) (オ) (カ)

    上記の表中の空白箇所(エ)、(オ)及び(カ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (1) (エ) $200$ (オ) $200$ (カ) $220$
    (2) (エ) $200$ (オ) $220$ (カ) $220$
    (3) (エ) $200$ (オ) $220$ (カ) $240$
    (4) (エ) $220$ (オ) $220$ (カ) $240$
    (5) (エ) $220$ (オ) $200$ (カ) $240$

    解説

    (a)の正解は(3)、(b)の正解は(2)です。

    問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$148$条(低圧幹線の施設)第$1$項第二号及び第六号が根拠となっています。

    (a) 電線に必要な許容電流 $I_C$ の計算
    解釈第$148$条第$1$項第二号より、幹線の許容電流 $I_C$ は以下の基準で計算します。
    ・$I_M \le I_H$ の場合:$I_C \ge I_M + I_H$
    ・$I_M > I_H$ かつ $I_M \le 50\text{ A}$ の場合:$I_C \ge 1.25 I_M + I_H$
    ・$I_M > I_H$ かつ $I_M > 50\text{ A}$ の場合:$I_C \ge 1.1 I_M + I_H$

    表の各列を検討します。
    ・$I_M = 48\text{ A}, I_H = 48\text{ A}$ のとき:
    $I_M \le I_H$ であるため、$1.25$ 倍の係数は適用されず、単純合算となります。
    $$I_C \ge 48 + 48 = 96\text{ A}$$
    したがって、(ア)は「$96$」です。

    ・$I_M = 49\text{ A}, I_H = 47\text{ A}$ のとき:
    $I_M > I_H$ かつ $I_M \le 50\text{ A}$ であるため、$1.25$ 倍の係数が適用されます。
    $$I_C \ge 1.25 \times 49 + 47 = 61.25 + 47 = 108.25\text{ A}$$
    許容電流は $108.25\text{ A}$ 以上でなければならないため、整数値としては $109\text{ A}$ 以上が必要です。したがって、(イ)は「$109$」です。

    ・$I_M = 50\text{ A}, I_H = 46\text{ A}$ のとき:
    $I_M > I_H$ かつ $I_M \le 50\text{ A}$($50\text{ A}$以下)であるため、$1.25$ 倍の係数が適用されます。
    $$I_C \ge 1.25 \times 50 + 46 = 62.5 + 46 = 108.5\text{ A}$$
    許容電流は $108.5\text{ A}$ 以上でなければならないため、整数値としては $109\text{ A}$ 以上が必要です。したがって、(ウ)は「$109$」です。

    (参考:$I_M = 51\text{ A}, I_H = 45\text{ A}$ のときは $I_M > 50\text{ A}$ となるため係数が $1.1$ 倍に切り替わり、$1.1 \times 51 + 45 = 56.1 + 45 = 101.1\text{ A} \implies 102\text{ A}$ となり表の値と一致します。)
    したがって、(a)の正解は(3)です。

    (b) 過電流遮断器の定格電流の最大値 $I_B$ の計算
    解釈第$148$条第$1$項第六号より、低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流 $I_B$ は、以下の2つの条件を同時に満たさなければなりません。
    $$I_B \le 3 I_M + I_H$$
    $$I_B \le 2.5 I_A$$
    電線の許容電流は全ケース共通で $I_A = 88\text{ A}$ であるため、電線保護の観点からの上限値は以下で一定です。
    $$2.5 I_A = 2.5 \times 88 = 220\text{ A}$$
    各列の値を計算します。
    ・$I_M = 60\text{ A}, I_H = 20\text{ A}$ のとき:
    $$3 I_M + I_H = 3 \times 60 + 20 = 180 + 20 = 200\text{ A}$$
    $200\text{ A} \le 220\text{ A}$ であるため、小さい方の値である $200\text{ A}$ が最大値となります。したがって、(エ)は「$200$」です。

    ・$I_M = 70\text{ A}, I_H = 10\text{ A}$ のとき:
    $$3 I_M + I_H = 3 \times 70 + 10 = 210 + 10 = 220\text{ A}$$
    $2.5 I_A = 220\text{ A}$ と両者が等しくなるため、最大値は $220\text{ A}$ です。したがって、(オ)は「$220$」です。

    ・$I_M = 80\text{ A}, I_H = 0\text{ A}$ のとき:
    $$3 I_M + I_H = 3 \times 80 + 0 = 240\text{ A}$$
    一方、$2.5 I_A = 220\text{ A}$ であるため、$220\text{ A} < 240\text{ A}$ となり、$2.5 I_A$ の制約が働きます。したがって、最大値は $220\text{ A}$ となります。したがって、(カ)は「$220$」です。

    したがって、(エ)$200$、(オ)$220$、(カ)$220$ となり、(b)の正解は(2)です。

    したがって、(a)は(3)、(b)は(2)となります。

    【平成27年・問12】低圧屋内配線の許容電流補正係数と要求許容電流の計算

    周囲温度が $25^\circ\text{C}$ の場所において、単相3線式($100/200\text{ V}$)の定格電流が $30\text{ A}$ の負荷に電気を供給する低圧屋内配線Aと、単相2線式($200\text{ V}$)の定格電流が $30\text{ A}$ の負荷に電気を供給する低圧屋内配線Bがある。いずれの負荷にも、電動機又はこれに類する起動電流が大きい電気機械器具は含まないものとする。二つの低圧屋内配線は、金属管工事により絶縁電線を同一管内に収めて施設されていて、同配管内に接地線は含まない。低圧屋内配線Aと低圧屋内配線Bの負荷は力率 $100\text{ \%}$ であり、かつ、低圧屋内配線Aの電圧線の電流値は平衡しているものとする。また、低圧屋内配線A及び低圧屋内配線Bに使用する絶縁電線の絶縁体は、耐熱性を有しないビニル混合物であるものとする。
    「電気設備技術基準の解釈」に基づき、この絶縁電線の周囲温度による許容電流補正係数 $k_1$ の計算式は下式とする。また、絶縁電線を金属管に収めて使用する場合の電流減少係数 $k_2$ は下表によるものとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

    $$k_1 = \sqrt{\frac{60 - \theta}{30}}$$

    この式において、$\theta$ は、周囲温度(単位:$^\circ\text{C}$)とし、周囲温度が $30^\circ\text{C}$ 以下の場合は $\theta = 30$ とする。

    同一管内の電線数 $3$以下 $4$ $5$又は$6$
    電流減少係数 $k_2$ $0.70$ $0.63$ $0.56$

    この表において、中性線、接地線及び制御回路用の電線は同一管に収める電線数に算入しないものとする。

    (a) 周囲温度による許容電流補正係数 $k_1$ の値と、金属管に収めて使用する場合の電流減少係数 $k_2$ の値の組合せとして、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (1) $k_1 = 1.00$、$k_2 = 0.56$
    (2) $k_1 = 1.00$、$k_2 = 0.63$
    (3) $k_1 = 1.08$、$k_2 = 0.56$
    (4) $k_1 = 1.08$、$k_2 = 0.63$
    (5) $k_1 = 1.08$、$k_2 = 0.70$

    (b) 低圧屋内配線Aに用いる絶縁電線に要求される許容電流 $I_A$ と低圧屋内配線Bに用いる絶縁電線に要求される許容電流 $I_B$ のそれぞれの最小値 $\text{[A]}$ の組合せとして、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (1) $I_A = 23.8$、$I_B = 44.1$
    (2) $I_A = 23.8$、$I_B = 47.6$
    (3) $I_A = 47.6$、$I_B = 47.6$
    (4) $I_A = 24.8$、$I_B = 49.6$
    (5) $I_A = 49.6$、$I_B = 49.6$

    解説

    (a)の正解は(2)、(b)の正解は(3)です。

    問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈第$146$条(低圧屋内配線等の太さ及び許容電流)第$1$項第$1$号から第$3$号が根拠となっています。

    (a) 補正係数 $k_1$ 及び電流減少係数 $k_2$ の算定
    ・周囲温度による許容電流補正係数 $k_1$ の計算:
    問題文の条件より、周囲温度は $\theta = 25^\circ\text{C}$ ですが、「周囲温度が $30^\circ\text{C}$ 以下の場合は $\theta = 30$ とする」と規定されています。
    したがって、$\theta = 30$ を代入して計算します。
    $$k_1 = \sqrt{\frac{60 - 30}{30}} = \sqrt{\frac{30}{30}} = \sqrt{1} = 1.00$$

    ・電流減少係数 $k_2$ の算定:
    配線Aは単相3線式であり、電線数は電圧線2本+中性線1本の計3本です。ただし、注記に「中性線、接地線及び制御回路用の電線は同一管に収める電線数に算入しないものとする」とあるため、中性線を除外した「2本」を電線数としてカウントします。
    配線Bは単相2線式であり、電線数は電圧線「2本」です。
    したがって、同一管内に収められる対象電線数の合計は、$2 + 2 = 4\text{ 本}$ となります。
    表より、同一管内の電線数が $4\text{ 本}$ のときの電流減少係数は $k_2 = 0.63$ です。
    以上より、$k_1 = 1.00$、$k_2 = 0.63$ となり、(a)の正解は(2)です。

    (b) 各配線に要求される許容電流 $I_A, I_B$ の最小値の計算
    電線に連続して通電できる実効的な許容電流 $I_{\text{allow}}$ は、電線の基準許容電流(カタログ値)に温度補正係数 $k_1$ と電流減少係数 $k_2$ を乗じて得られます。
    $$I_{\text{allow}} = I \times k_1 \times k_2$$
    配線が安全であるためには、この実効許容電流が負荷の定格電流 $I_{\text{load}}$ 以上でなければなりません。
    $$I \times k_1 \times k_2 \ge I_{\text{load}} \implies I \ge \frac{I_{\text{load}}}{k_1 \times k_2}$$
    ・低圧屋内配線Aに要求される許容電流 $I_A$:
    負荷は単相3線式で平衡しており、各電圧線に流れる電流は $I_{\text{load}} = 30\text{ A}$ です。
    $$I_A \ge \frac{30}{1.00 \times 0.63} \approx 47.619\text{ A}$$
    したがって、最も近い値は $47.6\text{ A}$ です。

    ・低圧屋内配線Bに要求される許容電流 $I_B$:
    負荷は単相2線式で定格電流は $I_{\text{load}} = 30\text{ A}$ です。
    $$I_B \ge \frac{30}{1.00 \times 0.63} \approx 47.619\text{ A}$$
    したがって、最も近い値は $47.6\text{ A}$ です。

    以上より、$I_A = 47.6\text{ A}$、$I_B = 47.6\text{ A}$ となり、(b)の正解は(3)です。

    したがって、(a)は(2)、(b)は(3)となります。

    【平成29年・問11】電気使用場所の配線の施設基準および周囲温度補正による電線サイズの選定

    電気使用場所の配線に関し、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

    (a) 次の文章は、「電気設備技術基準」における電気使用場所の配線に関する記述の一部である。
    ① 配線は、施設場所の (ア) 及び電圧に応じ、感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
    ② 配線の使用電線(裸電線及び (イ) で使用する接触電線を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の (ア) 及び電圧に応じ、使用上十分な (ウ) 及び絶縁性能を有するものでなければならない。
    ③ 配線は、他の配線、弱電流電線等と接近し、又は (エ) する場合は、 (オ) による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

    上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (1) (ア) 状況 (イ) 特別高圧 (ウ) 耐熱性 (エ) 接触 (オ) 混触
    (2) (ア) 環境 (イ) 高圧又は特別高圧 (ウ) 強度 (エ) 交さ (オ) 電磁誘導
    (3) (ア) 環境 (イ) 特別高圧 (ウ) 強度 (エ) 接触 (オ) 電磁誘導
    (4) (ア) 環境 (イ) 高圧又は特別高圧 (ウ) 耐熱性 (エ) 交さ (オ) 混触
    (5) (ア) 状況 (イ) 特別高圧 (ウ) 強度 (エ) 交さ (オ) 混触

    (b) 周囲温度が $50^\circ\text{C}$ の場所において、定格電圧 $210\text{ V}$ の三相3線式で定格消費電力 $15\text{ kW}$ の抵抗負荷に電気を供給する低圧屋内配線がある。金属管工事により絶縁電線を同一管内に収めて施設する場合に使用する電線(各相それぞれ1本とする。)の導体の公称断面積 $\text{[mm}^2\text{]}$ の最小値は、「電気設備技術基準の解釈」に基づけば、いくらとなるか。正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
    ただし、使用する絶縁電線は、耐熱性を有する$600\text{ V}$ビニル絶縁電線(軟銅より線)とし、表1の許容電流及び表2の電流減少係数を用いるとともに、この絶縁電線の周囲温度による許容電流補正係数の計算式は $\sqrt{\dfrac{75 - \theta}{30}}$ ($\theta$ は周囲温度で、単位は $^\circ\text{C}$)を用いるものとする。

    表1

    導体の公称断面積 $\text{[mm}^2\text{]}$ $3.5$ $5.5$ $8$ $14$ $22$
    許容電流 $\text{[A]}$ $37$ $49$ $61$ $88$ $115$

    表2

    同一管内の電線数 $3$以下 $4$ $5$又は$6$
    電流減少係数 $0.70$ $0.63$ $0.56$

    (1) $3.5$
    (2) $5.5$
    (3) $8$
    (4) $14$
    (5) $22$

    解説

    (a)の正解は(5)、(b)の正解は(4)です。

    (a) 配線の施設基準(省令第56条、第57条)
    問題文の文章は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」第$56条$(配線の感電又は火災の防止)及び第$57条$(配線の感電又は火災の防止のための離隔)が根拠となっています。

    省令第$56$条第$1$項:
    「配線は、施設場所の状況及び電圧に応じ、感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。」
    省令第$56$条第$2$項:
    「配線の使用電線(裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の状況及び電圧に応じ、使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。」
    省令第$57$条第$1$項:
    「配線は、他の配線、弱電流電線等と接近し、又は交さする場合は、混触による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。」

    したがって、空白箇所の語句は以下の通りです。
    (ア) 状況
    (イ) 特別高圧(電車線等の接触電線は低圧・高圧では使用可能ですが、特別高圧の接触電線は原則禁止です)
    (ウ) 強度
    (エ) 交さ
    (オ) 混触
    これらすべてが一致している選択肢は(5)です。

    (b) 許容電流補正による電線サイズの選定計算
    電気設備の技術基準の解釈第$146$条に基づく計算手順は以下の通りです。

    ステップ1:負荷の線電流 $I$ の計算
    負荷は三相3線式、線間電圧 $V = 210\text{ V}$、消費電力 $P = 15\text{ kW} = 15\,000\text{ W}$ の抵抗負荷(力率 $\cos\theta = 1.0$)です。
    三相電力の基本式 $P = \sqrt{3} V I \cos\theta$ より、線電流 $I$ は次式で求まります。
    $$I = \frac{P}{\sqrt{3} V \cos\theta} = \frac{15\,000}{\sqrt{3} \times 210 \times 1.0} = \frac{15\,000}{363.73} \approx 41.24\text{ A}$$

    ステップ2:補正係数及び電流減少係数の算定
    周囲温度 $\theta = 50^\circ\text{C}$ における耐熱ビニル絶縁電線の温度補正係数 $k_1$ は次式で計算します。
    $$k_1 = \sqrt{\frac{75 - \theta}{30}} = \sqrt{\frac{75 - 50}{30}} = \sqrt{\frac{25}{30}} = \sqrt{\frac{5}{6}} \approx 0.91287$$
    同一金属管内に収める電線数は、各相1本の三相3線式であるため「$3\text{ 本}$」です。
    表2より、同一管内の電線数が $3\text{ 本}$ 以下のときの電流減少係数は $k_2 = 0.70$ です。

    ステップ3:電線に要求される基準許容電流 $I_{\text{base}}$ の算定
    電線のカタログ基準許容電流(表1の値)を $I_{\text{base}}$ とすると、周囲温度 $50^\circ\text{C}$ の金属管内における実効許容電流は $I_{\text{base}} \times k_1 \times k_2$ となります。これが負荷電流 $I = 41.24\text{ A}$ 以上でなければなりません。
    $$I_{\text{base}} \times k_1 \times k_2 \ge I$$
    $$I_{\text{base}} \ge \frac{I}{k_1 \times k_2} = \frac{41.24}{\sqrt{\dfrac{5}{6}} \times 0.70} \approx \frac{41.24}{0.91287 \times 0.70} = \frac{41.24}{0.6390} \approx 64.54\text{ A}$$

    ステップ4:電線サイズの選定
    表1より各公称断面積の基準許容電流を確認します。
    ・$3.5\text{ mm}^2$:$37\text{ A} < 64.54\text{ A}$(不適)
    ・$5.5\text{ mm}^2$:$49\text{ A} < 64.54\text{ A}$(不適)
    ・$8\text{ mm}^2$:$61\text{ A} < 64.54\text{ A}$(不適)
    ・$14\text{ mm}^2$:$88\text{ A} \ge 64.54\text{ A}$(適合)
    ・$22\text{ mm}^2$:$115\text{ A} \ge 64.54\text{ A}$(適合)
    したがって、要求される許容電流を満たす導体の公称断面積の最小値は $14\text{ mm}^2$ となります。

    以上より、(a)は(5)、(b)は(4)となります。

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