電験3種(法規分野)で出題される「外部委託承認の月次点検を遠隔(リモート)で実施するための条件」について解説します。
告示および内規
需要設備の月次点検を遠隔で行う場合については、「点検頻度告示」第4条第8号ロで規定されています。
(点検頻度)
第4条<略>
七 次のイからニまでの設備条件の全てに適合する信頼性の高い需要設備であって設備容量が100kVA以下のもの又は低圧受電の需要設備にあっては隔月一回以上
イ 柱上に設置した高圧変圧器がないもの
ロ 高圧負荷開閉器(キュービクル内に設置するものを除く。)に可燃性絶縁油を使用していないもの
ハ 保安上の責任分界点又はこれに近い箇所に地絡保護継電器付高圧交流負荷開閉器又は地絡遮断器が設置されているもの
ニ 責任分界点から主遮断装置の間に電力需給用計器用変成器、地絡保護継電器用変成器、受電電圧確認用変成器、主遮断器用開閉状態表示変成器及び主遮断器操作用変成器以外の変成器がないもの八 前号のイからニまでの設備条件の全てに適合する信頼性の高い需要設備であって、次のイからハまでのいずれかに掲げるものにあっては、それぞれ次に掲げるとおりとする。
イ 低圧電路の絶縁状態の適確な監視が可能な装置を有する需要設備又は非常用照明設備、消防設備、昇降機その他の非常時に使用する設備への電路以外の低圧電路に漏電遮断器が設置してある需要設備 隔月一回以上
ロ 低圧電路の絶縁状態の適確な監視が可能な装置を有する需要設備であって、当該需要設備の設置場所と異なる場所から適確に点検を実施できるよう措置(第三者認証を取得した機械器具等を使用する措置をいう。)したもの 毎月一回以上
ハ 低圧電路の絶縁状態及び負荷の適確な監視が可能な装置を有する需要設備であって、主遮断装置並びに保安上の責任分界点から主遮断装置までの間に施設する開閉器、遮断器及び配線が適切に更新されているもの 三月に一回以上<略>
また、主任技術者制度の解釈及び運用(内規)4. では、遠隔による点検について説明があります。
4.規則第52条第2項の承認は、次の基準により行うものとする。
<略>
(委託契約書に明記された者による保安管理業務の実施等)
(7)規則第53条第2項第5号の「電気工作物の工事、維持及び運用の保安に関し、設置者及び委託契約の相手方の相互の義務及び責任その他必要事項が委託契約に定められていること」は、次に掲げる全ての事項を委託契約書等から確認できることとする。<略>
② 月次点検を、次に掲げる要件の全てに従って行うこと。 なお、告示第4条第4号に規定する太陽電池発電所(告示第4条第4号の2及び第4号の3に規定する受変電設備を除く。以下②において同じ。)又は告示第4条第8号ロに規定する需要設備に係る月次点検については、電気管理技術者等が当該設備の設置場所(以下「現地」という。)と異なる場所(以下「遠隔地」という。)から適確に行える場合にあっては、現地又は遠隔地のいずれかで行うことができるものとする。このうち、告示第4条第8号ロに規定する需要設備にあっては、遠隔地から適確に点検を実施できるよう措置した需要設備として別紙に定める要件を満たすものであることとし、3月に1回以上を現地で行わなければならない。また、遠隔地で点検を実施する場合にあっては、その旨を保安規程に規定すること。
イ 外観点検を、(イ)に掲げる項目について、(ロ)に掲げる設備等を対象として行う。<略>
ロ (イ)及び(ロ)に掲げる項目の確認のため、当該(イ)及び(ロ)に定める測定を行う。
<略>
ハ イ及びロの点検のほか、設置者及びその従事者に、電気工作物の異常等がなかったか否かの問診を行い、異常があった場合には、電気管理技術者等としての観点から点検を行う。その際、告示第4条第8号ロに規定する需要設備に係る問診を遠隔地で行う場合にあっては、設置者又はその従事者は、原則として現地にて問診を受けるものとする。
③ 年次点検を、月次点検に係る②の要件に加え、次のイ及びロに掲げる要件に従って行うこと。
イ 1年に1回以上行う。(ただし、信頼性が高く、かつ、ロと同等と認められる点検が1年に1回以上行われている機器については、停電により設備を停止状態にして行う点検を3年に1回以上とすることができる。)
ロ 次に掲げる全ての項目の確認その他必要に応じた測定又は試験を行う。<略>
「遠隔地から適確に点検」とは?
「電気主任技術者制度に関するQ&A」で以下のように記載されています。
該当箇所:内規4.(7)②
Q.告示第4条第8号ロに規定する需要設備の月次点検について、遠隔地から適確に点検する場合とはどのような場合を指すのでしょうか?
A.告示第4条第8号ロに規定するとおり、需要設備で遠隔点検を実施する場合には、第三者認証を取得した機械器具等を使用する必要がございます。
無人事業場の場合、設置者又はその従事者は遠隔から問診を受けることが可能
「電気主任技術者制度に関するQ&A」で以下のように記載されています。
該当箇所:内規4.(7)②ハ
Q.告示第4条第8号ロに規定する需要設備について遠隔地で問診を行う場合、設置者又はその従事者は原則として現地で問診を受けるとのことですが、ポンプ場やトンネル等、無人事業場においても設置者又はその従事者は、現地に出向く必要があるのでしょうか?
A.有人事業場では負荷設備の増設等が比較的頻繁に発生することが想定されるため、原則として現地で問診を受けることを求めています。他方、無人事業場では負荷設備の増設等が頻繁に発生することはあまり想定されませんので、無人事業場を管理する事業場で電気工作物が適切に管理されている場合は、設置者又はその従事者は、無人事業場を管理する事業場にて問診を受けることが可能です。
「信頼性が高い」「同等と認められる点検」とは?
「電気主任技術者制度に関するQ&A」で以下のように記載されています。
該当箇所:内規4.(7)③イ
Q.ただし書きに定める「信頼性が高い」「同等と認められる点検」とは、どのようなことでしょうか。
A. 本誌の最後に添付する関連資料(資料1)「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)(令和3年3月1日付け20210208保局第2号4.(7)③イ括弧書きにおける停電点検の延伸に係る要件の明確化について」を参考に、設備状態を勘案して総合的に判断することになります。
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