【電験3種・理論】フレミングの「左手の法則」と「右手の法則」の違いは?電磁力とは?試験対策と過去問題

フレミングの「左手の法則」と「右手の法則」の違いは?電磁力とは?試験対策と計算問題について解説します。

フレミングの左手の法則

1 図2にのように、左手の中指を電流Iの向き、人差し指を磁界の向き$(B,H)$に合わせると、親指の方向に電磁力Fが働きます。 (※磁束密度と電流が直角のときに力が発生します) 磁束密度の大きさB[T]、電流の大きさI[A]、直線状導体の長さをl[m]とすると、電磁力Fの大きさは以下のようになります。 $F=IBl$ 図1のとき、電磁力が働くのは辺BCと辺DAに対してのみとなります。 (※磁束密度と電流が直角のときに力が発生します) 電磁力Fの大きさは、辺BCと辺DA(辺の長さはlとする)ともに「F=IBl」となります。 よって、正方形ループABCDは図1の点線を中心に右回りに回転することになり、そのモーメントM[N⋅m]は以下のようになります。 $M=2F\frac{h}{2}=IBl^2$

フレミングの右手の法則

右手の親指を導体の運動方向$v[m/s]$,人差し指を磁界(磁束密度)の方向$B[T]$にすると、中指の方向に誘導起電力$e[V]$が発生するという法則です。 磁束密度の大きさ$B[T]$、導体の速度$v[m/s]$、導体の長さ$l[m]$のとき、誘導起電力の大きさ$e[V]$は以下のとおり。 $e=vBl$

【平成22年度・問3】一様磁界中の導体棒

2 紙面に平行な水平面内において, 0.6 [m] の間隔で張られた 2 本の直線状の平行導線に 10 [Ω] の抵抗が接続されている。この平行導線に垂直に,図に示すように,直線状の導体棒 PQ を渡し,紙面の裏側から表側に向かって磁束密度 $B=6\times 10^{−2}[T]$の一様な磁界をかける。 ここで,導体棒 PQ を磁界と導体棒に共に垂直な矢印の方向に一定の速さ v=4 [m/s] で平行導線上を移動させているときに, 10 [Ω] の抵抗に流れる電流 I [A] の値として,正しいのは次のうちどれか。 ただし,電流の向きは図に示す矢印の向きを正とする。 また,導線及び導体棒 PQ の抵抗,並びに導線と導体棒との接触抵抗は無視できるものとする。

解説

誘導起電力 e [V] は以下のとおり。 $e=vBl=4 \times (6\times 10^{−2}) \times 0.6=0.144 [V]$ 10 [Ω] の抵抗に流れる電流 I [A] は以下のとおり。 $I=\frac{V}{R}=\frac{0.144}{10}=0.0144 [A]$

【令和5年度下期・問4】平行導体間に働く電磁力

 図のように、透磁率 $\mu_0 [H/m]$ の真空中に、無限に長い直線状導体 A と1辺 $a [m]$ の正方形のループ状導体Bが距離 $d [m]$ を隔てて置かれている。AとBは xz 平面上にあり、Aはz軸と平行、Bの各辺はx軸又はz軸と平行である。A, Bには直流電流 $I_A [A]$, $I_B [A]$ が、それぞれ図示する方向に流れている。このとき, Bに加わる電磁力として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。  なお、xyz 座標の定義は、破線の枠内の図で示したとおりとする。

– (1) (2) (3) (4) (5)
電磁力 0 N つまり電磁力は生じない $\frac{\mu_0 I_A I_B a^2}{2\pi d(a+d)} [N]$ の +x方向の力 $\frac{\mu_0 I_A I_B a^2}{2\pi d(a+d)} [N]$ の -x方向の力 $\frac{\mu_0 I_A I_B a(a+2d)}{2\pi d(a+d)} [N]$ の +x方向の力 $\frac{\mu_0 I_A I_B a(a+2d)}{2\pi d(a+d)} [N]$ の -x方向の力

解説

正解は(2)です。 直線状導体 A に流れる電流 $I_A$ によって作られる磁界により、ループ導体 B のうちAに平行な2辺に力が働きます。 Aから距離 $d$ の辺には引力が働き、その大きさ $F_1$ は次式となります。 $F_1 = \frac{\mu_0 I_A I_B a}{2 \pi d}$ Aから距離 $a+d$ の辺には反発力が働き、その大きさ $F_2$ は次式となります。 $F_2 = \frac{\mu_0 I_A I_B a}{2 \pi (a+d)}$ これらは互いに逆向きであるため、B全体に加わる合力 $F$ は、+x方向(Aに引かれる方向)となり次式で求められます。 $F = F_1 – F_2 = \frac{\mu_0 I_A I_B a}{2 \pi} (\frac{1}{d} – \frac{1}{a+d}) = \frac{\mu_0 I_A I_B a^2}{2 \pi d (a+d)}$ https://denken.joho.info/riron/r5-shimoki-riron-kakomon-kaisetsu/

【令和5年度上期・問4】磁界及び磁束に関する性質

磁界及び磁束に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (1) 1m当たりの巻数がNの無限に長いソレノイドに電流I [A] を流すと、ソレノイドの内部には磁界 H = NI [A/m] が生じる。磁界の大きさは、ソレノイドの寸法や内部に存在する物質の種類に影響されない。 (2) 均一磁界中において、磁界の方向と直角に置かれた直線状導体に直流電流を流すと、導体には電流の大きさに比例した力が働く。 (3) 2本の平行な直線状導体に反対向きの電流を流すと、導体には導体間距離の2乗に反比例した反発力が働く。 (4) フレミングの左手の法則では、親指の向きが導体に働く力の向きを示す。 (5) 磁気回路において、透磁率は電気回路の導電率に、磁束は電気回路の電流にそれぞれ対応する。

解説

正解は(3)です。 2本の平行な直線状導体に電流を流したときに働く力 $F$ は、電流を $I_1, I_2$、距離を $r$ とすると次式で表されます。 $$F = \frac{\mu_0 I_1 I_2}{2\pi r}$$ この式から、導体に働く力は距離 $r$ に反比例することがわかります。距離の2乗に反比例するわけではないため、(3)が誤りとなります。

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