ダムの定義、法規制、歴史についてまとめました。
ダムとは?定義と堰との違い
ダム(Dam)とは、水力発電、治水、利水などを目的として、川や谷を横断もしくは窪地をコンクリートや土砂、岩石などによって包囲するなどして作られる土木構造物です。
一般的にダムは使用目的によって以下に大別されます。
- 治水ダム
- 洪水調節、農地防災などの治水目的のダム。
- 利水ダム
- 発電、農業用水、上下水道用水、工業用水などを目的としたダム。
- 多目的ダム
- 上記の2つ以上の目的をもつダム。日本の多くのダムがこれ。
また、ダムとして見なすかどうかの定義は各国により異なります。
- 国際大ダム会議の定義
- 堤高が5m以上かつ貯水容量が300万立方メートル以上の堰堤を「ダム」としています。また、堤高が15m以上のものをハイダム、15m未満をローダムといいます。
- 日本(河川法)の定義
- 河川を横断して流水を貯留するために設置された構造物で堤高15m以上のものをダム、15m未満をも堰(せき)といいます(河川法44条)。
ダムの歴史
年代 | タイトル | 概要 |
---|---|---|
616年 | 狭山池の建設 | 日本最古のダム形式のため池が完成(取水路の木材の年輪から616年伐採のものと判明)。 |
664年 | 水城の建設 | 唐・新羅軍に侵攻に備えて、中大兄皇子(後の天智天皇)が筑紫野(現在の福岡県)の御笠川を堰き止めて建設した、日本最古の軍事目的のダム。 |
1882年 | 堰堤築法新按 | 工部省工部技監・大鳥圭介により、日本最初のダム技術解説書「堰堤築法新按」が翻訳・刊行される。 |
1891年 | 本河内高部ダムの建設 | 日本最初の水道専用ダムが長崎市に完成する。 |
1900年 | 布引五本松ダム | 日本最初の重力式コンクリートダムが神戸市に完成する。 |
1911年 | 電気事業法の施行 | これ以降に全国の河川で水力発電事業が着手される。 |
1911年 | 猪苗代水力電気設立 | 日本で初めて本格的な高圧長距離送電を行った電力会社(猪苗代水力発電所から東京の田端変電所まで、距離226kmを電圧11.5万Vで送電)。 |
関連ページ
電験3種の試験対策・問題解説集
電験3種の試験対策・問題集についてをまとめました。
コメント