3相3線式とは?その意味と電気回路図、電流・電圧と損失電圧、電力の計算式についてまとめました。
【はじめに】3相3線式とは
3相3線式は、「電圧線3本」を多くの電力を使用する負荷(電動機など)に使われる配電方式です。
三相3線式の結線方法は、「Y結線(スター結線)」と「Δ結線(デルタ結線)」の2種類があります。
【3相3線式】Y結線(スター結線)
Y結線(スター結線)の場合、回路図は次のようになります。
用語 | 概要 |
---|---|
線間電圧 | 電線間にかかる電圧 |
相電圧Vp | 各相にかかる電圧 |
線電流IL | 電線間を流れる電流 |
相電流Ip | 各相を流れる電流 |
三相負荷 | 3つの負荷R1~R3 |
Y結線では、「線間電圧=相電圧」「線電流=相電流」となります。
ここで、線間電圧とは、電線間の電圧です。
(1)
計算例
三相負荷(R1~R3)が6Ω、線電流が20Aのとき、線間電圧は
(2)
【3相3線式】Δ結線(デルタ結線)
Δ結線(デルタ結線)の場合、回路図は次のようになります。
Δ結線では、「線間電圧=相電圧」「線電流=相電流」となります。
(3)
【中性線】3相3線式で省略できる理由
3相3線式では、位相が120度ずつずれた200Vの交流電力を3本の電線で送ります。
この場合、3相電流の和は0となるため、中性線(帰りの電線)は省略されます。
(※3線それぞれの電流の大きさが異なる場合、中性線(帰りの電線)は必要となり、3相4線式となる)
【補足】3相3線式の損失電圧・電力
三相3線式の線路で、電線1線当たりの抵抗がR[Ω]、線電流がI[A]のとき、損失電圧(電圧降下:Vs – Vr)[V]と損失電力は以下のようになります。
損失電圧 = √3 × R × I[V]
損失電力 = √3 × R × I^2[V]
【例題】三相電力の計算
図のような三相3線式回路の全消費電力[ kW ]はいくらか。
① 一相分のインピーダンスZ1[Ω]は
(4)
② 一相分の力率cosθは
(5)
③ 一相分の消費電力W_1は「一相の電力 = 相電圧×相電流×力率」より
(6)
※相電圧:題意より200[V]
※相電流:相電圧 / 1相のインピーダンス = 200/10 = 20[A]
③ 三相分の消費電力Wは
(7)
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