電験3種(法規分野)で出題される「Δ結線の変圧器2次側が400V回路のとき、混触防止板を設置し、B種接地する理由」について解説します。
解釈第24条第1項第1号
「電気設備の技術基準の解釈」(以下、「解釈」という)24条第1項第1号で以下のように規定されています。
【高圧又は特別高圧と低圧との混触による危険防止施設】(省令第12条第1項)
第24条 高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器には、次の各号によりB種接地工事を施すこと。
一 次のいずれかの箇所に接地工事を施すこと。(関連省令第10条)
イ 低圧側の中性点
ロ 低圧電路の使用電圧が300V以下の場合において、接地工事を低圧側の中性点に施し難いときは、低圧側の1端子
ハ 低圧電路が非接地である場合においては、高圧巻線又は特別高圧巻線と低圧巻線との間に設けた金属製の混触防止板
上記については「電気設備の技術基準の解釈の解説」で以下のように解説されています。
第24条【高圧又は特別高圧と低圧との混触による危険防止施設】
〔解 説〕 一般に低圧電路は、変圧器の内部故障又は電線の断線等の事故の際に高圧又は特別高圧電路との混触を起こし、高圧又は特別高圧の電気が侵入して危険となるおそれがある。本条は、このような場合の保護の方法としてB種接地工事(→第17条)を施すべきことを示したもので、事故の際に接地線に流れる高圧又は特別高圧側電路の1線地絡電流による接地点の電位上昇が150V(1秒を超え2秒以内に遮断する場合は300V、1秒以内に遮断する場合は600V)を超えないようにすれば、低圧電路に接続される機器に致命的な傷害を与えることが比較的少ないと考えられる。しかし、この値は絶対安全であるという値ではないから、経済的条件が許せば接地抵抗値はできる限り低くすることが望ましい。最近は、400V配線がビルや工場などに普及し、22kV又は33kVから直接400Vに降圧する場合も多くなってきたので、S43基準では、これらのものも含めて、本条に規定した。第1項第一号では、B種接地工事は原則として結合変圧器の低圧側の中性点に施すべきであるが、100V用の単相変圧器のように構造上中性点を取り出せないものや、配電方式(例えば単相変圧器3個を用い△結線する三相3線式)で変圧器の中性点を接地し難いものでは、ロのとおり低圧側の1端子に施してもよいこととしている。これは300V以下の低圧では大地に対する電位が低いので、非接地側電線から常時大地を通じて接地線に流れる電流も少なく、不平衡が問題にならないからである(→解説24.1図)。
400V配線の場合には、その変圧器を△結線として1端子に接地を施すことは、400Vにもなると不平衡電流も多くなり問題が出ることも考えられるので、変圧器側400V巻線は必ず星形結線として、その中性点にB種接地工事を施すこととした。これは保安上からも対地電圧を1/√3にすることができるので好ましいわけである(→解説24.2図)。しかし、400V側巻線を技術的に△結線にする必要がある場合は、混触防止板付き変圧器(特別高圧又は高圧巻線と低圧巻線との間に金属製の板を設け、変圧器内部事故の際に特別高圧又は高圧が直接低圧巻線に侵入しない構造のものをいう。)を使用し、第5項により施設することになる。
なお、200Vの発電機から直接配電されている電路や高圧から一度415/200Vに逓降して、更に415/200Vから200/100Vに逓降する電路の場合のように、高圧電路に直接関係のない低圧電路には、この規定は適用されない。これらの電路は第13条により、電路を原則として大地から絶縁することとしているが、415/100V200/100V等低圧-低圧の変圧器の2次側電路については、保護装置の確実な動作の確保を図るため特に必要がある場合は、第19条により接地することができる。
一方、低圧電路に接地工事を施すことにより、感電又は漏電による電気出火等の事故が非接地の場合に比較して多くなることは否定できない。鉱山、造船所等では、感電又は漏電による災害が多く発生し、これらを防止することがより重要な意味をもつので、混触防止板付き変圧器を使用し、又は特殊なリレーを使用して低圧電路を非接地とする場合がある。前者は、低高圧混触を起こさないように予防するものであり、後者は低高圧混触を起こした場合、特殊リレーの動作によって危険を防止しようとするものである。この特殊リレーについては、一般規定化するほどの実績がまだ十分ではないため、第一号ハでは、前者の場合のみ規定している。
混触防止板付き変圧器を使用する場合は、混触防止板にB種接地工事を施すことで、変圧器内で特別高圧又は高圧が低圧電路に直接侵入することを防止し、たとえ混触防止板を通して混触を生じても、事故による低圧電路の電位上昇を150V(1秒を超え2秒以内に遮断する場合は300V、1秒以内に遮断する場合は600V)以下とすることにより低圧電路を非接地とすることができる。
なお、混触防止板付き変圧器のB種接地工事は混触防止板に施すものであり、電路が非接地であることから、通常のB種接地工事で想定される「低圧電路の漏えい電流」が流れることはなく、低圧電路での漏電時における変圧器外箱の電位上昇(B種接地工事×漏えい電流)を生じるおそれがない。
混触防止板付き変圧器の構造上、混触防止板と変圧器外箱の接地工事を別に施設できない場合は、混触防止板のB種接地工事と変圧器外箱のA種接地工事を共用することができるが、その場合は、A種接地工事とB種接地工事において、接地抵抗値、接地線の強さ及び太さを満足する必要がある。
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