2025年度下期(法規分野)に電験3種で出題された過去問題を解説付きでまとめています。
【問1】事業用電気工作物の技術基準適合
次の文章は、「電気事業法」における事業用電気工作物の技術基準への適合に関する記述の一部である。
a)事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように (ア) しなければならない。
b) 上記a)の主務省令で定める技術基準では、次に掲げるところによらなければならない。
① 事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。
② 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は (イ) 的な障害を与えないようにすること。
③ 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
④ 事業用電気工作物が一般送配電事業又は配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。
c) 主務大臣は、事業用電気工作物が上記a)の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を (ウ) すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| (1) | 設置 | 磁気 | 一時停止 |
| (2) | 維持 | 磁気 | 一時停止 |
| (3) | 設置 | 熱 | 禁止 |
| (4) | 維持 | 熱 | 禁止 |
| (5) | 設置 | 熱 | 一時停止 |
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、電気事業法が根拠となっています。それぞれの条文の記載は以下の通りです。
a) は、電気事業法 第39条第1項にて「事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。」と記載があります。
b) は、電気事業法 第39条第2項にて、「前項の主務省令は、次に掲げるところによらなければならない。… 二 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。」と記載があります。
c) は、電気事業法 第40条にて、「主務大臣は、事業用電気工作物が第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。」と記載があります。
これら条文の規定により、(ア)には「維持」、(イ)には「磁気」、(ウ)には「一時停止」が入ります。

【問2】事故報告
「電気関係報告規則」に基づく、事故報告に関して、受電電圧6600Vの自家用電気工作物を設置する事業場における事故事例のうち、事故報告に該当しないものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 自家用電気工作物の破損事故に伴う構内1号柱の倒壊により、第三者の家屋に損傷を与えた。
(2) 保修作業員が、作業中誤って分電盤内の低圧200Vの端子に触れて感電負傷し、病院に入院した。
(3) 電圧100Vの屋内配線の漏電により火災が発生し、建屋が半焼した。
(4) 従業員が、操作を誤って高圧の誘導電動機を損壊させた。
(5) 落雷により高圧負荷開閉器が破損し、一般送配電事業者に供給支障を発生させたが、電気火災は発生せず、また、感電死傷者は出なかった。
解説
正解は(4)です。
各選択肢と「電気関係報告規則」の規定の関係は以下の通りです。
(1) は、電気関係報告規則 第3条第1項第三号の「電気工作物の破損又は電気工作物の操作若しくは電気工作物を操作しないことにより、…第三者の物件に損傷を与えた事故」に該当し、報告が必要です。
(2) は、電気関係報告規則 第3条第1項第一号の「感電…により人が死傷した事故(死亡又は病院若しくは診療所に入院した場合に限る。)」に該当し、報告が必要です。
(3) は、電気関係報告規則 第3条第1項第二号の「電気火災事故」に該当し、報告が必要です。
(4) は、破損したのが「高圧の誘導電動機」であり、電気関係報告規則 第3条第1項第四号で報告が求められる「主要電気工作物の破損事故」には該当しません。主要電気工作物の定義を定める告示において、需要設備の回転機は受電電圧1万ボルト以上のものが対象とされており、受電電圧6600Vの本事例では報告対象外となります。
(5) は、電気関係報告規則 第3条第1項第十一号の「自家用電気工作物の破損…により、一般送配電事業者若しくは配電事業者に供給支障を発生させた事故」に該当し、報告が必要です。

【問3】光ファイバケーブル等の定義
「電気設備技術基準」では、「光ファイバケーブル」及び「光ファイバケーブル線路」の定義を次のように規定している。
a)「光ファイバケーブル」とは、光信号の伝送に使用する伝送媒体であって、保護 (ア) で保護したものをいう。
b) 「光ファイバケーブル線路」とは、光ファイバケーブル及びこれを (イ) し、又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は (ウ) に施設するものを除く。)をいう。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(ウ)に記入する字句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| (1) | 装置 | 収納 | 屋外 |
| (2) | 装置 | 収納 | 屋上 |
| (3) | 被覆 | 支持 | 屋側 |
| (4) | 被覆 | 保護 | 屋上 |
| (5) | 器具 | 支持 | 屋側 |
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、電気設備に関する技術基準を定める省令が根拠となっています。
a) は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第1条第1項第十五号にて「「光ファイバケーブル」とは、光信号の伝送に使用する伝送媒体であつて、保護被覆で保護したものをいう。」と規定されています。
b) は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第1条第1項第十六号にて「「光ファイバケーブル線路」とは、光ファイバケーブル及びこれを支持し、又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は屋側に施設するものを除く。)をいう。」と規定されています。
これら規定により、(ア)には「被覆」、(イ)には「支持」、(ウ)には「屋側」が入ります。

【問4】高圧の機械器具の施設
「電気設備技術基準の解釈」に基づく、高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下同じ。)の施設について、発電所、蓄電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所において、高圧の機械器具を施設することができる場合として、誤っているものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設け、当該さく、へい等の高さと、当該さく、へい等から機械器具の充電部分までの距離との和を5m以上とし、かつ、危険である旨の表示をする場合
(2) 屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合
(3) 工場等の構内において、機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合
(4) 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設する場合
(5) 充電部分が露出しない機械器具を人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設けて施設する場合
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第22条が根拠となっています。それぞれの選択肢の適誤は以下の通りです。
(1) は、第22条第1項第一号の規定に適合しており、正しいです。
(2) は、第22条第1項第二号の規定に適合しており、正しいです。
(3) は、第22条第3項第一号において、工場等の構内であっても「ハ 危険である旨の表示をすること」だけでなく、さく、へい等により一般公衆が立ち入らないようにする措置などが必要であるため、単に表示をするだけでは不十分であり、誤りです。
(4) は、第22条第1項第三号の規定に適合しており、正しいです。
(5) は、第22条第3項第二号の規定に適合しており、正しいです。

【問5】風車の安全な状態の確保
次の文章は、「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」に基づく風車の安全な状態の確保に関する記述である。
a) 風車は、次の場合に安全かつ自動的に停止するような措置を講じなければならない。
① (ア) が著しく上昇した場合
② 風車の (イ) の機能が著しく低下した場合
b) 発電用風力設備が一般用電気工作物又は小規模事業用電気工作物である場合には、上記a)の記述は、同記述中「安全かつ自動的に停止するような措置」とあるのは「安全な状態を確保するような措置」と読み替えて適用するものとする。
c) 最高部の (ウ) からの高さが20mを超える発電用風力設備には、 (エ) から風車を保護するような措置を講じなければならない。ただし、周囲の状況によって (エ) が風車を損傷するおそれがない場合においては、この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 回転速度 | 制御装置 | ロータ最低部 | 雷撃 |
| (2) | 発電電圧 | 圧油装置 | 地表 | 雷撃 |
| (3) | 回転速度 | 制御装置 | 地表 | 雷撃 |
| (4) | 発電電圧 | 制御装置 | ロータ最低部 | 強風 |
| (5) | 回転速度 | 圧油装置 | ロータ最低部 | 強風 |
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、発電用風力設備に関する技術基準を定める省令が根拠となっています。
a) は、発電用風力設備に関する技術基準を定める省令 第5条第1項にて「風車は、次の各号の場合に安全かつ自動的に停止するような措置を講じなければならない。一 回転速度が著しく上昇した場合 二 風車の制御装置の機能が著しく低下した場合」と規定されています。
b) は、同令 第5条第2項の規定に基づいています。
c) は、同令 第5条第4項にて「最高部の地表からの高さが20mを超える発電用風力設備には、雷撃から風車を保護するような措置を講じなければならない。ただし、周囲の状況によつて雷撃が風車を損傷するおそれがない場合においては、この限りでない。」と規定されています。
これら規定により、(ア)には「回転速度」、(イ)には「制御装置」、(ウ)には「地表」、(エ)には「雷撃」が入ります。

【問6】高圧架空引込線の施設
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空引込線の施設に関する記述の一部である。
a) 電線は、次のいずれかのものであること。
① 引張強さ8.01kN以上のもの又は直径 (ア) mm以上の硬銅線を使用する、高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線
② (イ) 用高圧絶縁電線
③ ケーブル
b) 電線が絶縁電線である場合は、がいし引き工事により施設すること。
c) 電線の高さは、「低高圧架空電線の高さ」の規定に準じること。ただし、次に適合する場合は、地表上 (ウ) m以上とすることができる。
① 次の場合以外であること。
・道路を横断する場合
・鉄道又は軌道を横断する場合
・横断歩道橋の上に施設する場合
② 電線がケーブル以外のものであるときは、その電線の (エ) に危険である旨の表示をすること。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 5 | 引下げ | 2.5 | 下方 |
| (2) | 4 | 引下げ | 3.5 | 近傍 |
| (3) | 4 | 引上げ | 2.5 | 近傍 |
| (4) | 5 | 引下げ | 3.5 | 下方 |
| (5) | 5 | 引上げ | 3.5 | 下方 |
解説
正解は(4)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第117条第1項が根拠となっています。
a) は、第117条第1項第一号にて「イ 引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線を使用する、高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線 ロ 引下げ用高圧絶縁電線 ハ ケーブル」と規定されています。
c) は、第117条第1項第三号にて、道路横断等を除き「地表上3.5m以上」とすることができるとされ、ケーブル以外の場合は「その電線の下方に危険である旨の表示をすること」が条件となっています。
これら規定により、(ア)には「5」、(イ)には「引下げ」、(ウ)には「3.5」、(エ)には「下方」が入ります。


【問7】高圧連系時の系統連系用保護装置
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧連系時の系統連系用保護装置に関する記述である。
「逆変換装置を用いて連系する場合」において、「逆潮流有りの場合」の保護リレー等は、次によること。
表に規定する保護リレー等を受電点その他異常の検出が可能な場所に設置すること。
表 高圧連系時の保護リレー
| 検出する異常 | 種類 | 補足事項 |
|---|---|---|
| (ア) 異常上昇 | 過電圧リレー | ※1 |
| (ア) 異常低下 | 不足電圧リレー | ※1 |
| (イ) 短絡事故 | 不足電圧リレー | ※2 |
| (イ) 地絡事故 | (ウ) リレー | ※3 |
| (エ) | 周波数上昇リレー | ※4 |
| (エ) | 周波数低下リレー | |
| (エ) | 転送遮断装置又は (エ) 検出装置 | ※5 ※6 |
※1: 分散型電源自体の保護用に設置するリレーにより検出し,保護できる場合は省略できる。
※2: (ア) 異常低下検出用の不足電圧リレーにより検出し,保護できる場合は省略できる。
※3: 構内低圧線に連系する場合であって,分散型電源の出力が受電電力に比べて極めて小さく, (エ) 検出装置等により高速に (エ) を検出し,分散型電源を停止又は解列する場合又は地絡方向継電装置付き高圧交流負荷開閉器から,零相電圧を (ウ) リレーに取り込む場合は,省略できる。
※4: 専用線と連系する場合は,省略できる。
※5: 転送遮断装置は,分散型電源を連系している配電線の配電用変電所の遮断器の遮断信号を,電力保安通信線又は電気通信事業者の専用回線で伝送し,分散型電源を解列することができるものであること。
※6: (エ) 検出装置は,能動的方式を1 方式以上含むものであって,次の全てを満たすものであること。
a) 系統のインピーダンスや負荷の状態等を考慮し,必要な時間内に確実に検出することができること。
b) 頻繁な不要解列を生じさせない検出感度であること。
c) 能動信号は,系統への影響が実態上問題とならないものであること。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 発電電圧 | 系統側 | 電流差動 | 単独運転 |
| (2) | 逆充電 | 系統側 | 地絡過電圧 | 系統電圧 |
| (3) | 発電電圧 | 系統側 | 地絡過電圧 | 単独運転 |
| (4) | 発電側 | 発電側 | 地絡過電圧 | 単独運転 |
| (5) | 系統電圧 | 系統側 | 地絡過電圧 | 逆充電 |
解説
正解は(3)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第229条第1項第三号イの表(229-1表)が根拠となっています。
表の規定は以下の通りです。
- 発電電圧の異常上昇・低下を検出するために、過電圧リレーおよび不足電圧リレーを設置します。
- 系統側の短絡事故・地絡事故を検出するために、不足電圧リレーおよび地絡過電圧リレーを設置します。
- 単独運転を検出するために、周波数上昇・低下リレー、転送遮断装置または単独運転検出装置を設置します。
これら規定により、(ア)には「発電電圧」、(イ)には「系統側」、(ウ)には「地絡過電圧」、(エ)には「単独運転」が入ります。

【問8】低圧の電路の絶縁性能
次の文章は、「電気設備技術基準」における低圧の電路の絶縁性能に関する記述である。
電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び (ア) と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は (イ) で区切ることのできる電路ごとに、次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。
| 電路の使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 |
|---|---|
| (ウ) V以下で(エ) (接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が150V以下の場合 | 0.1 MΩ |
| (ウ) V以下でその他の場合 | 0.2 MΩ |
| (ウ) Vを超えるもの | (オ) MΩ |
上記の記述中の空白箇所(ア)から(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 電線 | 配線用遮断器 | 400 | 公称電圧 | 0.3 |
| (2) | 電線路 | 漏電遮断器 | 400 | 公称電圧 | 0.3 |
| (3) | 電路 | 過電流遮断器 | 300 | 対地電圧 | 0.4 |
| (4) | 電線 | 過電流遮断器 | 300 | 最大使用電圧 | 0.4 |
| (5) | 電路 | 配線用遮断器 | 400 | 対地電圧 | 0.4 |
解説
正解は(3)です。
電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条にて以下のように規定されています。
表の内容は以下の通りです。
- 300V以下の区分で、対地電圧が150V以下の場合は0.1MΩ以上、その他の場合は0.2MΩ以上。
- 300Vを超える区分では、0.4MΩ以上。
よって、(ア)には「電路」、(イ)には「過電流遮断器」、(ウ)には「300」、(エ)には「対地電圧」、(オ)には「0.4」が入ります。

【問9】配線器具の施設
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における配線器具の施設に関する記述の一部である。
低圧用の配線器具は、次により施設すること。
a) (ア) ように施設すること。ただし、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合は、この限りでない。
b) 湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は、防湿装置を施すこと。
c) 配線器具に電線を接続する場合は、ねじ止めその他これと同等以上の効力のある方法により、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続するとともに、接続点に (イ) が加わらないようにすること。
d) 屋外において電気機械器具に施設する開閉器、接続器、点滅器その他の器具は、 (ウ) おそれがある場合には、これに堅ろうな防護装置を施すこと。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| (1) | 充電部分が露出しない | 張力 | 感電の |
| (2) | 取扱者以外の者が容易に開けることができない | 異常電圧 | 損傷を受ける |
| (3) | 取扱者以外の者が容易に開けることができない | 張力 | 感電の |
| (4) | 充電部分が露出しない | 張力 | 損傷を受ける |
| (5) | 取扱者以外の者が容易に開けることができない | 異常電圧 | 感電の |
解説
正解は(4)です。
問題文の記述は、「電気設備の技術基準の解釈」第150条第1項が根拠となっています。「一 充電部分が露出しないように施設すること。… 三 配線器具に電線を接続する場合は、… 接続点に張力が加わらないようにすること。 四 屋外において電気機械器具に施設する開閉器、接続器、点滅器その他の器具は、損傷を受けるおそれがある場合には、これに堅ろうな防護装置を施すこと。」
これら規定により、(ア)には「充電部分が露出しない」、(イ)には「張力」、(ウ)には「損傷を受ける」が入ります。

【問10】短絡事故時の遮断器の動作
図はある配電用変電所の送り出し遮断器Aから需要家構内の主遮断器までの電路を表したものである。図中に×印で示した地点で短絡事故が発生した場合の遮断器Aと、区分開閉器B (SOG機能付PAS) の動作の記述として、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
ただし、遮断器Aの配電系統及びこれに接続する全ての需要家構内に分散型電源は無いものとする。なお、本問でSOG機能付PASとは、過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形トリップ装置付過電流ロック形高圧気中負荷開閉器をいう。

(1) Aが開路したのち、Bが開路し、その後Aが閉路する。
(2) Bが開路したのち、Aが開路し、その後Aが閉路する。
(3) AとBが同時に開路し、その後Aが閉路する。
(4) Aが開路する。(Bは開路しない。)
(5) Bが開路する。(Aは開路しない。)
解説
正解は(1)です。
SOG機能付PAS(過電流ロック形)の動作特性に関する問題です。
事故点(需要家構内)で短絡事故が発生すると、大きな短絡電流が流れます。PASは負荷電流の開閉は可能ですが、大きな短絡電流を遮断する能力はありません。そのため、短絡電流を検出するとPASは「過電流ロック」状態となり、自らは開路せずに待機します。
一方、変電所の送り出し遮断器Aは短絡電流を検出し、遮断(開路)します。これにより配電系統が停電し、電流がゼロになると、PASは蓄勢されていたエネルギーを用いて「無電圧開離」により開路(Bが開路)します。その後、変電所の遮断器Aが再閉路(閉路)することで、事故の起きた需要家のみを切り離した状態で他の健全な需要家への送電が再開されます。
したがって、(1)の「Aが開路したのち、Bが開路し、その後Aが閉路する」が正しい動作順序となります。

変電所から三相3線式1回線の専用配電線で受電している需要家がある。この配電線路の電線1条当たりの抵抗及びリアクタンスの値は、それぞれ3Ω及び5Ωである。この需要家の使用電力が8000kW、負荷の力率が0.8(遅れ)であるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 需要家の受電電圧が20 kV のとき,変電所引出口の電圧[kV]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 電圧[kV] | 21.6 | 22.2 | 22.7 | 22.9 | 23.1 |
(b) 需要家にコンデンサを設置して,負荷の力率を0.95(遅れ)に改善するとき,この配電線の電圧降下の値[V]の,コンデンサ設置前の電圧降下の値[V]に対する比率[%]の値として,最も近いのは次のうちどれか。ただし,この需要家の受電電圧[kV]は,コンデンサ設置前と同一の20 kV とする。
| – | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 比率[%] | 66.6 | 68.8 | 75.5 | 81.7 | 97.0 |
解説
(a)の正解は(3)、(b)の正解は(2)です。
(a) 変電所引出口の電圧(送電端電圧)を求めるには、受電端電圧と配電線路での電圧降下を合計します。
三相3線式配電線路の線路電流 $I$ [A] は、受電端電力を $P$ [W]、受電端電圧を $V_r$ [V]、負荷の力率を $\cos \theta$ とすると、$I = \frac{P}{\sqrt{3} V_r \cos \theta}$ で求められます。
$I = \frac{8000 \times 10^3}{\sqrt{3} \times 20 \times 10^3 \times 0.8} \approx 288.68 \text{ [A]}$
次に、三相3線式電線路の電圧降下 $v$ [V] の近似式 $v = \sqrt{3} I (R \cos \theta + X \sin \theta)$ を用いて電圧降下を計算します。ここで、電線1条当たりの抵抗 $R = 3 \, \Omega$、リアクタンス $X = 5 \, \Omega$ です。力率 $\cos \theta = 0.8$ のとき、$\sin \theta = \sqrt{1 – 0.8^2} = 0.6$ となります。
$v = \sqrt{3} \times 288.68 \times (3 \times 0.8 + 5 \times 0.6) = 500 \times (2.4 + 3.0) = 2700 \text{ [V]} = 2.7 \text{ [kV]}$
したがって、変電所引出口の電圧 $V_s$ [kV] は、受電端電圧 $V_r = 20 \text{ kV}$ に電圧降下 $2.7 \text{ kV}$ を加えた値となります。
$V_s = V_r + v = 20 + 2.7 = 22.7 \text{ [kV]}$
(b) 力率改善後の負荷の力率を $\cos \theta’ = 0.95$、線路電流を $I’$、電圧降下を $v’$ とします。
力率改善後の線路電流 $I’$ は以下の通りです。
$I’ = \frac{8000 \times 10^3}{\sqrt{3} \times 20 \times 10^3 \times 0.95} \approx 243.09 \text{ [A]}$
力率改善後の電圧降下 $v’$ は、$\sin \theta’ = \sqrt{1 – 0.95^2} \approx 0.31225$ を用いて計算します。
$v’ = \sqrt{3} \times 243.09 \times (3 \times 0.95 + 5 \times 0.31225) \approx 421.04 \times (2.85 + 1.56125) \approx 1857.3 \text{ [V]}$
コンデンサ設置前の電圧降下 $v = 2700 \text{ V}$ に対する比率 [%] は以下の通り求まります。
比率 $= \frac{v’}{v} \times 100 = \frac{1857.3}{2700} \times 100 \approx 68.8 \text{ [%]}$

【問12】進相コンデンサ設備の計算
三相3線式の高圧電路に300kW、遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし、直列リアクトルSRのリアクタンス $X_L$ [Ω] は、三相コンデンサSCのリアクタンス $X_C$ [Ω] の6%とするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、高圧電路の線間電圧は6600Vとし、無効電力によって電圧は変動しないものとする。

(a) 進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサSCの端子電圧の値 [V] として、最も近いものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 6410 (2) 6795 (3) 6807 (4) 6995 (5) 7021
(b) 進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し、力率を遅れ0.6から遅れ0.8に改善した。このとき、この設備の三相コンデンサSCの容量の値 [kvar] として、最も近いものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 170 (2) 180 (3) 186 (4) 192 (5) 208
解説
(a)の正解は(5)、(b)の正解は(3)です。
(a) 線路電圧を $V$ とすると、コンデンサ端子電圧 $V_C$ は、リアクトルによる電圧上昇を考慮して $V_C = \frac{X_C}{X_C – X_L} V$ となります。
$X_L = 0.06 X_C$ なので、
$V_C = \frac{1}{1 – 0.06} \times 6600 = \frac{6600}{0.94} \approx 7021.28 \text{ V}$。
よって、(5)が正解となります。
(b) 負荷の有効電力 $P = 300 \text{ kW}$、改善前後の無効電力を $Q_1, Q_2$ とします。
$Q_1 = P \tan (\cos^{-1} 0.6) = 300 \times \frac{0.8}{0.6} = 400 \text{ kvar}$
$Q_2 = P \tan (\cos^{-1} 0.8) = 300 \times \frac{0.6}{0.8} = 225 \text{ kvar}$
必要な改善用無効電力(設備の実効容量)は $Q_{net} = Q_1 – Q_2 = 175 \text{ kvar}$ です。
設備の実効容量 $Q_{net}$ とコンデンサ SC 自体の出力 $Q_{SC}$(直列リアクトルがある状態での出力)の関係は、
$Q_{net} = Q_{SC} – Q_{SR}$ となり、$Q_{SR} = 0.06 Q_{SC}$ なので $Q_{net} = 0.94 Q_{SC}$ です。
したがって、$Q_{SC} = \frac{175}{0.94} \approx 186.17 \text{ kvar}$ となります。
よって、(3)が正解となります。

【問13】接地抵抗値の計算
変圧器によって高圧電路に結合されている低圧電路に施設された使用電圧100Vの金属製外箱を有する空調機がある。この変圧器のB種接地抵抗値及びその低圧電路に施設された空調機の金属製外箱のD種接地抵抗値に関して、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、次の条件によるものとする。
(ア) 変圧器の高圧側の電路の1線地絡電流は5Aで、B種接地工事の接地抵抗値は「電気設備技術基準の解釈」で許容されている最高限度の $\frac{1}{3}$ に維持されている。
(イ) 変圧器の高圧側の電路と低圧側の電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に0.8秒で高圧電路を自動的に遮断する装置が設けられている。
(a) 変圧器の低圧側に施されたB種接地工事の接地抵抗値 [Ω] の値として、最も近いのは次のうちどれか。
(1) 10 (2) 20 (3) 30 (4) 40 (5) 50
(b) 空調機に地絡事故が発生した場合、空調機の金属製外箱に触れた人体に流れる電流を10mA以下としたい。このための空調機の金属製外箱に施すD種接地工事の接地抵抗値 [Ω] の上限値として、最も近いのは次のうちどれか。
ただし、人体の電気抵抗値は6000Ωとする。
(1) 10 (2) 15 (3) 20 (4) 30 (5) 60
解説
(a)の正解は(4)、(b)の正解は(5)です。
(a) 遮断時間が1秒以内なので、B種接地抵抗の許容上限値 $R_B = \frac{600}{I_g} = \frac{600}{5} = 120 \text{ Ω}$。
条件(ア)より、実際の抵抗値はその $\frac{1}{3}$ なので、$120 \times \frac{1}{3} = 40 \text{ Ω}$。
よって、(4)が正解です。
(b) 外箱の対地電圧を $V_d$、人体の抵抗を $R_m = 6000 \text{ Ω}$、人体に流れる電流を $I_m = 10 \text{ mA} = 0.01 \text{ A}$ とします。
$V_d = R_m \times I_m = 6000 \times 0.01 = 60 \text{ V}$。
完全地絡時の回路において、外箱の対地電圧は $V_d = \frac{R_D}{R_B + R_D} \times V_{phase}$ で表されます。
$60 = \frac{R_D}{40 + R_D} \times 100$。
$60(40 + R_D) = 100 R_D$。
$2400 + 60 R_D = 100 R_D \rightarrow 40 R_D = 2400 \rightarrow R_D = 60 \text{ Ω}$。
よって、(5)が正解です。

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