電験3種(法規分野)で出題される「高圧又は特別高圧の電路に漏電遮断器を設置する必要がある場合」について解説します。
高圧又は特別高圧の電路に漏電遮断器を設置
解釈36条第4項
「電気設備の技術基準の解釈」(以下、「解釈」という)第36条第4項で以下のように規定されています。
【地絡遮断装置の施設】(省令第15条) 第36条
1~3 (略)
4 高圧又は特別高圧の電路には、36-1表の左欄に掲げる箇所又はこれに近接する箇所に、同表中欄に掲げる電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、同表右欄に掲げる場合はこの限りでない。
36-1表
| 地絡遮断装置を施設する箇所 | 電路 | 地絡遮断装置を施設しなくても良い場合 |
|---|---|---|
| 発電所、蓄電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の引出口 | 発電所、蓄電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から引出される電路 | 発電所、蓄電所又は変電所相互間の電線路が、いずれか一方の発電所、蓄電所又は変電所の母線の延長とみなされるものである場合において、計器用変成器を母線に施設すること等により、当該電線路に地絡を生じた場合に電源側の電路を遮断する装置を施設するとき |
| 他の者から供給を受ける受電点 | 受電点の負荷側の電路 | 他の者から供給を受ける電気を全てその受電点に属する受電場所において変成し、又は使用する場合 |
| 配電用変圧器(単巻変圧器を除く。)の施設箇所 | 配電用変圧器の負荷側の電路 | 配電用変圧器の負荷側に地絡を生じた場合に、当該配電用変圧器の施設箇所の電源側の発電所、蓄電所又は変電所で当該電路を遮断する装置を施設するとき |
(備考) 引出口とは、常時又は事故時において、発電所、蓄電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から電線路へ電流が流出する場所をいう。
引出口: 変圧等の処理が終わった後、需要家自身の設備(負荷)へ向けて電気が**「出ていく」**場所。つまり、電気を送り出す出発点(引出口)。
解説
さらに「電気設備の技術基準の解釈の解説」では以下のように解説されています。
第4項では、高圧又は特別高圧は、配電線路や送電線路に多く用いられ、人、建物等との関係が密接で、感電、漏電火災等に対しては十分な保安装置を必要とし、また、地絡事故による事故の波及をできるだけ狭い範囲にとどめるため、接地用変成器や接地リレー等を施設して、電路を遮断することを示している。 36-1表左欄は、地絡遮断装置を施設する箇所を掲げており、事故対策上、特に必要なところを示している。 36-1表上段の「発電所、蓄電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の引出口」に地絡遮断装置を施設するのは、電線路が出て行く根元になる所であるからである。数回線が引き出されている場合は、引出口にそれぞれ地絡遮断装置を取り付けることとなるが、第4項本文に「36-1表の左欄に掲げる箇所又はこれに近接する箇所」として引出用母線に地絡遮断装置を1組取り付けて、その母線を停止させることもできるとしている。電力供給確保の点からは、事故点フィーダーを選択遮断することが一般的である。 また、発蓄変電所等の相互間の電線路が母線の延長とみなされるものについては、各々の引出口に遮断器を設置することが経済的ではないため、36-1表右欄において当該電線路に地絡を生じた場合に電源側の電路を遮断する装置を施設する場合の除外規定を示している。 なお、地絡事故に対する検出装置は、数千Ωの接地が検出できるようになっているが、リレーの感度を良くすると樹木接触等の瞬間的な接地においても、その都度停電となり、電力供給の確保の点からは必ずしも保安の目的と一致しないので、最小動作電流を小さく(数百mA)するとともに、時限リレーにより接地が1~2秒間継続した場合に回路を遮断することが一般的である。従来、3,500V以下のものは警報装置でもよいことになっていたが、一般の発蓄変電所等の運転保守体制を考えると、これに依存することは望ましくないので、S47基準で地絡事故が発生した場合には、電路を自動的に遮断することとした。 36-1表中段の「他の者から供給を受ける受電点」に地絡遮断装置を施設するのは、受電点の負荷側の電路に生じた地絡を供給者側の地絡遮断装置より早く遮断し、電源側に影響を与えないためであり、保安上の責任体制を明らかにしようとするものである。しかし、受電設備が単純なものである場合は、故障が発生することも少なく、また、地絡検出用の変成器等を施設することが逆に、事故の確率を高めることにもなるので、36-1表右欄において、「他の者から供給を受ける電気を全てその受電点に属する受電場所において変成し、又は使用する場合」、すなわち、受電場所から同一の電圧の線路が引き出されていない場合において、地絡遮断装置を施設しなくてもよいことを示している。ここで「受電点に属する受電場所において使用する場合」とは、例えば、中小ビルなどで受電用の変圧器と空調機とが同室に設置されているような場合を指しているので、隣室程度までと考えられる。なお、自家用発電設備を設置する場合は、解釈の第8章を参照されたい。 36-1表下段の「配電用変圧器の施設箇所」に地絡遮断装置を施設するのは、配電用変圧器に絶縁変圧器を使用している場合にはその負荷側の電路に地絡を生じたときに、上位の発電所や蓄電所、変電所において地絡事故を検出して電路を遮断することができないためである。この場合、地絡を検出する変成器を配電用変圧器の2次側に設置し、開閉装置を配電用変圧器の1次側又は2次側に設置する。また、36-1表右欄において、「配電用変圧器の負荷側に地絡を生じた場合に、当該配電用変圧器の施設箇所の電源側の発電所、蓄電所又は変電所で当該電路を遮断する装置を施設するとき」、すなわち、キャリアリレー等で発蓄変電所等の引出口の開閉装置で遮断できるように施設する場合には、地絡遮断装置の設置を省略可能としている。
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