【電験3種】法43条「主任技術者の選任・兼任・許可選任・外部委託制度」の違いと試験対策

電験3種(法規)で出題される電気事業法第43条「主任技術者の選任・兼任・許可選任・外部委託制度」の違いと試験対策、過去問題を解説します。

【法43条】電気主任技術者の選任

事業用電気工作物を設置する者は、保安の監督をさせるために、主任技術者免状の交付を受けている者の中から「主任技術者」を選任する必要があります。

法43条

(主任技術者)
第43条 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。
2 自家用電気工作物を設置する者は、前項の規定にかかわらず、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者として選任することができる。

4 主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。
5 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない

規則52条

電気事業法施行規則第52条では、第三種電気主任技術者の免状をもつものが保安の監督をすることができる範囲を以下のとおり定めています。

(主任技術者の選任等)
第52条 法第43条第一項の規定による主任技術者の選任は、次の表の上欄に掲げる事業場又は設備ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる者のうちから行うものとする。

一 水力発電所(小型のもの又は特定の施設内に設置されるものであって別に告示するものを除く。)の設置の工事のための事業場 第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者及び第一種ダム水路主任技術者免状又は第二種ダム水路主任技術者免状の交付を受けている者
二 火力発電所(小型の汽力を原動力とするものであって別に告示するもの、小型のガスタービンを原動力とするものであって別に告示するもの及び内燃力を原動力とするものを除く。)又は燃料電池発電所(改質器の最高使用圧力が九十八キロパスカル以上のものに限る。)の設置の工事のための事業場 第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者及び第一種ボイラー・タービン主任技術者免状又は第二種ボイラー・タービン主任技術者免状の交付を受けている者
三 燃料電池発電所(二に規定するものを除く。)、変電所、送電線路又は需要設備の設置の工事のための事業場 第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者
(略) (略)
六 発電所、変電所、需要設備又は送電線路若しくは配電線路を管理する事業場を直接統括する事業場 第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者、・・・(略)

規則56条

(免状の種類による監督の範囲)
第56条
法第44条第5項の経済産業省令で定める事業用電気工作物の工事、維持及び運用の範囲は、次の表の上欄に掲げる主任技術者免状の種類に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。

主任技術者免状の種類 保安の監督をすることができる範囲
(省略) (省略)
三 第三種電気主任技術者免状 電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5000kW以上の発電所を除く。)の工事、維持及び運用(四又は六に掲げるものを除く。)
(省略) (省略)

原則として、事業用電気工作物を設置する者は、主任技術者の免状をもつ者の中から、主任技術者を選任し、遅滞なく届出(主任技術者の選解任届出)する必要があります。
また、原則として2つ以上の設備や事業場を兼任(同時に選任)させることはできません(例外あり)。

経済産業省では、「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)(以下、「内規」)」という主任技術者制度の解釈及び運用についての文書を公開しています。ただし、冒頭で「なお、当該規定の解釈はこの内規に限定されるものではなく、法及び規則に照らして十分な保安水準の確保ができる根拠があれば、当該規定に適合するものと判断する。」と記載されているため、技術基準の解釈と同様、必ずしもこの記載どおりに従わないといけないというわけではありません。

主任技術者の選任形態

上図のとおり、主任技術者の選任形態には大きく分けて「自社選任」「外部選任」「外部委託」の3パターンがあります。ただし、原則は「専任(自社選任)」であり、その他はあくまでも例外という扱いです。主な違いは以下の通りです。

選任形態 説明
自社選任 電気主任技術者の資格をもつ「自社の従業員」から選任すること。再雇用された嘱託社員等、正社員でなくても直接の雇用関係があれば認められる。
外部選任 電気主任技術者の資格をもつ「自社の従業員以外」(派遣労働者や親会社からの出向者等)から選任すること。設置者の指揮命令下にあることなど、一定の要件がある。
外部委託 (不選任) 電気主任技術者の選任が困難な場合に、一定の要件下で外部の「電気保安法人」や「個人事業主」と契約を締結し、保安業務を委託することで、電気主任技術者の選任を不要とすること。

さらに、「自社選任」「外部選任」「外部委託」の中にも以下のパターンがあります。

選任形態 説明
専任 事業用電気工作物の電気主任技術者を、自社選任もしくは外部選任により、その事業場に常駐させて保安監督にあたらせる形態。電気保安の原則とされる。例えば、高圧受電している「A工場」の電気主任技術者として選任された者は、常時(週5日・1日8時間)「A工場」の中で執務する必要があります。
兼任承認 原則として1人の技術者が複数の事業場を兼任することはできないが、近接する事業場間で保安上支障がないと認められ、産業保安監督部長等の承認を得た場合に限り兼任が可能となる制度。
統括 統括事業場(複数の事業場を直接統括する事業場)のうち、電圧17万V未満で連系する太陽光・風力・水力発電所等において、統括事業場にのみ技術者を常駐選任して全体を監督する形態。
選任許可 自家用電気工作物において、一定の要件を満たし主務大臣(産業保安監督部長等)の許可を得ることで、免状の交付を受けていない者を例外的に主任技術者に選任できる制度。
保安業務担当者(電気保安法人) 「電気保安法人」に所属する「保安業務従事者」の中から選ばれた保安監督業務を行う担当者。
電気管理技術者(個人事業主) 保安監督業務を行う「電気管理技術者(個人事業主)」。 「電気管理技術者」となるには、電気主任技術者の免状を持っているだけでなく、一定の実務経験を持ち、産業保安監督部で資格審査を受ける必要がある。

専任(自社選任)

専任(外部選任)

外部選任を行う場合、設置者と委託先の間で「委託契約」を結ぶのが一般的です。内規では、設置者の会社と、外部選任しようとする者の会社との間での「委託契約」に以下イ、ロ、ハの内容(通称、イロハ要件)を盛り込む必要があると解釈しています。

1.法第43条第1項の選任については、次のとおり解釈する。
(1) ① 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に規定する派遣労働者であって、選任する事業場等に常時勤務する者(規則第52条第4項ただし書の承認において、この内規6.に従って兼任を承認される場合は、いずれかの事業場等に常時勤務する者。)。ただし、同法第26条に基づく労働者派遣契約において次のイからハまでに掲げる事項が全て約されている場合に限る。
設置者は、自家用電気工作物の工事、維持及び運用の保安を確保するにあたり、主任技術者として選任する者の意見を尊重すること
自家用電気工作物の工事、維持及び運用に従事する者は、主任技術者として選任する者がその保安のためにする指示に従うこと
主任技術者として選任する者は、自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行うこと

外部委託(保安管理業務外部委託承認制度)と間違いやすい「外部選任」というものがあります。
外部選任とは、電気主任技術者を自社ではなく外部の会社(管理会社等)から選任することです。
外部選任できる条件として「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」で以下のように定められています。

【条件】
● 内規1.(1)イロハの三つの文言を含めた内容の契約書等を設置者と外部の会社との間で直接結ぶ
● 外部専任される主任技術者は事業場に必ず常駐する必要がある

1.法第43条第1項の選任については、次のとおり解釈する。
(1)法第43条第1項の選任において、規則第52条第1項の規定に従って選任される主任技術者は、原則として、事業用電気工作物を設置する者(以下1.において「設置者」という。)又はその役員若しくは従業員でなければならない。ただし、自家用電気工作物については、次のいずれかの要件を満たす者から選任する場合は、この限りでない。なお、この取扱いは、自家用電気工作物の電気主任技術者に係る法第43条第2項の許可及び規則第52条第4項ただし書の承認についても、同様とする。
① 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に規定する派遣労働者であって、選任する事業場等に常時勤務する者(規則第52条第4項ただし書の承認において、この内規6.に従って兼任を承認される場合は、いずれかの事業場等に常時勤務する者。)。ただし、同法第26条に基づく労働者派遣契約において次のイからハまでに掲げる事項が全て約されている場合に限る。
イ 設置者は、自家用電気工作物の工事、維持及び運用の保安を確保するにあたり、主任技術者として選任する者の意見を尊重すること。
ロ 自家用電気工作物の工事、維持及び運用に従事する者は、主任技術者として選任する者がその保安のためにする指示に従うこと。
ハ 主任技術者として選任する者は、自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行うこと。

② 設置者から自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務(以下「保安管理業務」という。)の委託を受けている者(以下「受託者」という。)又はその役員若しくは従業員であって、選任する事業場等に常時勤務する者(規則第52条第4項ただし書の承認において、この内規6.に従って兼任を承認される場合は、いずれかの事業場等に常時勤務する者。)。ただし、当該委託契約において、(1)①イからハまでに掲げる事項が全て約されている場合に限る。

電気主任技術者の外部選任とは?メリットとデメリット・条件・必要な手続き
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外部委託(電気主任技術者の不選任)(施行令52条)

保安管理業務外部委託承認制度により、一定の要件を満たし、所轄産業保安監督部長の承認を受けた場合は主任技術者の選任をしないことができます。
要は、事業用電気工作物の設置者自身が電気主任技術者に選任するための社員を雇用せずに、保安協会などに外部委託できる制度です。費用が安くすむため、多くがこの制度を利用しています。

【電気事業法施行規則】

第52条
2 次の各号のいずれかに掲げる自家用電気工作物に係る当該各号に定める事業場のうち、当該自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務(以下「保安管理業務」という。)を委託する契約(以下「委託契約」という。)が次条に規定する要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障がないものとして経済産業大臣(事業場が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する産業保安監督部長。次項並びに第53条第一項、第2項及び第五項において同じ。)の承認を受けたもの並びに発電所、変電所及び送電線路以外の自家用電気工作物であって鉱山保安法が適用されるもののみに係る前項の表第三号又は第六号の事業場については、同項の規定にかかわらず、電気主任技術者を選任しないことができる。

一 出力5000kW未満の太陽電池発電所であって電圧7000V以下で連系等をするもの 前項の表第六号の事業場 ★2021年度から変わったので要注意
二 出力2000kW未満の発電所水力発電所、火力発電所、及び風力発電所に限る。)であって電圧7000V以下で連系等をするもの
三 出力1000kW未満の発電所前号に掲げるものを除く。)であって電圧7000V以下で連系等をするもの
四 電圧7000V以下で受電する需要設備
五 電圧600V以下の配電線路 当該配電線路を管理する事業場 ★配電線路だけは低圧帯(600V以下)なので要注意

委託できる事業場の要件は、電気事業法施行規則 第52条2項の一〜五のとおりです。
大半の工場やビルは、高圧受電なのでこの制度を使って、電気主任技術者を選任せずに外部委託できます。
ただし、特高受電している場合は「四 電圧7000V以下で受電する需要設備」を満たさないため、電気主任技術者を選任(自社選任もしくは外部選任)する必要があります。

兼任承認

1人の免状をもつ主任技術者に2つ以上の事業場又は設備の主任技術者を兼任させることができません。ただし、事業用電気工作物の工事、維持、運用の保安上支障がないと認められる場合で、経済産業大臣(事業用電気工作物が1つの産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する産業保安監督部長)の承認が得られれば、兼任が可能です。兼任する者を「兼任電気主任技術者」といいます。

支障がないと認められる場合

第1種、第2種又は第3種の電気主任技術者免状所持者で事業場の最大電力が2,000kW未満(ただし、発電所については出力2,000kW未満。このうち、太陽光発電所又は蓄電所については出力5,000kW未満。)で、かつ、次の条件に適合する場合となります。

  • 兼任できる事業場数は専任場所を含めて6カ所以内であること。
  • 電圧7,000V以下で連系等をするものであること。
  • 同一又は同系列の会社若しくは同一敷地内にある事業場であって、両設置者間で別途、主任技術者制度の解釈及び運用(内規)の要件を満たす契約を締結していること。
  • 常勤場所又は自宅から2時間以内に到達できること。
  • 電気主任技術者に連絡する責任者が選任されていること。
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統括電気主任技術者

3.規則第52条第1項の表第6号に掲げる事業場等について行う主任技術者の選任は、次のとおり解釈する。

(1)発電所、変電所、需要設備又は送電線路若しくは配電線路を管理する事業場(以下3.において「被統括事業場」という。)を直接統括する事業場(以下3.において「統括事業場」という。)のうち、自家用電気工作物であって電圧170,000V未満で連系等する風力発電所、太陽電池発電所、水力発電所又はこれらを系統に連系するための設備への電気主任技術者の選任は、次に掲げる要件の全てに適合する場合に行うものとする。
なお、被統括事業場について、発電所の数が7以上(発電所と同一設置者が設置する送電線路及び変電所を介して電力系統に接続し、それらの電気工作物を一体として運用する事業場等は1とみなすことができる。このうち、風力発電所について複数の発電機を一体として運用する事業場等は1とみなすことができる。)となる場合は、保安管理業務の遂行上支障となる場合が多いと考えられるので、特に慎重を期することとする。

統括事業場において、被統括事業場の保安を一体的に確保するための組織(以下3.において「保安組織」という。)が次に掲げる要件の全てに適合すること。
設置者又はその役員若しくは従業員(以下3.において「設置者等」という。)の中から、被統括事業場の規模に応じた知識及び保安経験を有する者を、統括事業場に確保していること。
ロ 被統括事業場の保安管理業務の実施計画に基づいた人員数を、統括事業場に確保していること。ただし、設置者等以外の者から確保するときは、保安管理業務の遂行上支障が生じないようその業務内容を契約において明確にしなければならない
ハ 統括事業場は、被統括事業場を遠隔監視装置等により常時監視を行い、異常が生じた場合に保安組織に通報する体制を確保していること。なお、常時監視するにあたっては、電気設備の技術基準の解釈(20130215商局第4号)第47条の2及び第48条に定める各項目に準じたものであること。
ニ 保安組織が通報を受けた場合において、事態の緊急性により必要と認めるときは、速やかに統括事業場において保安管理業務を指揮する電気主任技術者(以下3.において「統括電気主任技術者」という。)に通報できる体制を確保していること。
ホ 異常が生じた場合において、緊急の対応が必要なときは、夜間、休日等であっても常に、統括電気主任技術者の指示の下に適切な措置を行う体制を確保していること。
へ 設置者は、保安管理業務の遂行体制を構築し、また、統括電気主任技術者による保安管理業務の内容の適切性及び実効性を確認するために、あらかじめ定められた間隔で、保安管理業務のレビューを行い、必要な場合には適切な改善を図ること。

② 統括電気主任技術者として選任しようとする者が次に掲げる要件の全てに該当すること。
被統括事業場の種類に応じて、第1種電気主任技術者免状、第2種電気主任技術者免状又は第3種電気主任技術者免状の交付を受けていること。
ロ 保安組織において実効性のある監督及び管理ができること。
ハ 異常が生じた場合において通報を受けた場合には、現場の状況に応じた確認や保安組織へ指示を行うなど適切な措置をとることができること。

③ 統括電気主任技術者の執務の状況が次に掲げる要件の全てに適合すること。
原則として、統括事業場に常駐すること。
被統括事業場は、統括事業場から2時間以内に到達できるところにあること。
ハ 統括電気主任技術者がやむを得ず勤務できない場合に備え、あらかじめ統括電気主任技術者と同等の知識及び経験を有する代務者を指名しておくこと。

④ ①から③までに係る事項が保安規程に適切に反映されていること。

(2)自家用電気工作物である水力発電所の統括事業場へのダム水路主任技術者の選任は、
次に掲げる要件の全てに適合する場合に行うものとする。なお、被統括事業場のうち、発電所の数が7以上となる場合は、保安管理業務の遂行上支障となる場合が多いと考えられるので、特に慎重を期することとする。

「「電気設備の技術基準の解釈」第47条の2及び第48条に定める各項目に準じたものであること」と記載されているのも重要となります。つまり、遠隔常時監視制御方式と同等の監視体制管理が必要となります。

ダムについては以下のように記載されています。

① 統括事業場において、保安組織が次に掲げる要件の全てに適合すること。
イ 設置者等の中から、被統括事業場の規模に応じた知識及び保安経験を有する者を、統括事業場に確保していること。
ロ 被統括事業場の保安管理業務の実施計画に基づいた人員数を、統括事業場に確保していること。ただし、設置者等以外の者から確保するときは、保安管理業務の遂行上支障が生じないようその業務内容を契約において明確にしなければならない。
ハ 統括事業場は、被統括事業場を遠隔監視装置等により監視を行い、異常が生じた場合に保安組織に通報する体制を確保していること。
ニ 保安組織が通報を受けた場合において、事態の緊急性により必要と認めるときは、速やかに統括事業場において保安管理業務を指揮するダム水路主任技術者(以下3.において「統括ダム水路主任技術者」という。)に通報できる体制を確保していること。
ホ 異常が生じた場合において、緊急の対応が必要なときは、夜間、休日等であっても常に、統括ダム水路主任技術者の指示の下に適切な措置を行う体制を確保していること。
へ 設置者は、保安管理業務の遂行体制を構築し、また、統括ダム水路主任技術者による保安管理業務の内容の適切性及び実効性を確認するために、あらかじめ定められた間隔で、保安管理業務のレビューを行い、必要な場合には適切な改善を図ること。

② 統括ダム水路主任技術者として選任しようとする者が次に掲げる要件の全てに該当すること。
イ 第1種ダム水路主任技術者免状又は第2種ダム水路主任技術者免状の交付を受けていること。
ロ 保安組織において実効性のある監督及び管理ができること。
ハ 異常が生じた場合において通報を受けた場合には、現場の状況に応じた確認や保安組織へ指示を行うなど適切な措置をとることができること。

③ 統括ダム水路主任技術者の執務の状況が次に掲げる要件の全てに適合すること。
イ 原則として、統括事業場に常駐すること。
ロ 被統括事業場は、同一水系又は近傍水系であって、かつ、統括事業場から2時間以内に到達できるところにあること。
ハ 統括ダム水路主任技術者がやむを得ず勤務できない場合に備え、あらかじめ統括ダム水路主任技術者と同等の知識及び経験を有する代務者を指名しておくこと。

④ ①から③までに係る事項が保安規程に適切に反映されていること。

許可電気主任技術者の選任(法43条2項)

【電気事業法43条】

(主任技術者)
第四十三条 
2 自家用電気工作物を設置する者は、前項の規定にかかわらず、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者として選任することができる。
3 事業用電気工作物を設置する者は、主任技術者を選任したとき(前項の許可を受けて選任した場合を除く。)は、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

経済産業省が無償公開している「電気事業法の解説(2020年度版)」のp.465では以下のように具体的に解説されています。

二 主任技術者免状のない者の選任許可【第2項】
 第2項は、自家用電気工作物設置者は、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状の交付を受けていない者から主任技術者を選任し得る旨の特例を定めている。自家用電気工作物の場合は、その種類が極めて多種であり、それだけに、主任技術者免状の交付は受けていないが、その設備については極めて経験豊富で精通している者がいる場合など一律に免状の交付を受けている者から選任すべきことを義務づけるのが適当でない場合が考えられるので本項が設けられた。ただし、本項の許可により選任された主任技術者は、その許可を受けた自家用電気工作物を設置する者の当該自家用電気工作物についてのみの保安の監督をするにとどまる。
 本項の適用を受ける場合としては、電気工事士法の規定に基づく第一種又は第二種電気工事士の免状を有する者を選任する場合等がある。

(主任技術者の選任等)
第五十二条 法第四十三条第一項の規定による主任技術者の選任は、次の表の上欄に掲げる事業場又は設備ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる者のうちから行うものとする。

自家用電気工作物の設置をする場合、一定の条件を満たし、かつ主務大臣の許可が得られれば免状の交付を受けていない者を主任技術者に選任できます。これを許可主任技術者といいます。
免状をもたない者を選任できる場合の条件は以下のとおりです。

【設備・事業場の規模】
以下の設備又は事業場のみを直接統括する事業場
(1)出力500kW未満の発電所
(2)電圧10,000V未満の変電所
(3)最大電力500kW未満の需要設備

【電気主任技術者として選任しようとする者】
(1)第一種電気工事士
(2)一定条件を満たした電気関係の高校や教育施設を卒業した者

【練習問題】保安管理業務外部委託承認制度の利用可否

以下の各事業場で、保安管理業務外部委託承認制度の利用が可能かどうか答えよ。

①電圧 22000Vで送電線路と連系をする出力 2000kWの内燃力発電所
②電圧 6600Vで送電する出力 3000kWの水力発電所
③電圧 6600Vで配電線路と連系をする出力 4500kWの太陽電池発電所
④電圧 6600Vで受電する需要設備

解説

①は不可・・・「電圧 7000ボルト以下で連系する出力2000キロワット未満の水力発電所、火力発電所、風力発電所」に該当しないため
②は可能・・・「電圧 7000ボルト以下で連系する出力5000キロワット未満の太陽電池発電所」に該当するため
2021年度より、2000kW未満から5000kW未満に緩和されているので、古い資料を見ている人は要注意
③は可能・・・「電圧 7000ボルト以下で受電する需要設備」に該当するため
④は不可「電圧 7000ボルト以下で連系する出力 1000キロワット未満の水力発電所、火力発電所、太陽電池発電所及び風力発電所以外の発電所」に該当しないため

【令和5年度上期・問1】主任技術者に関する記述

次のa)~c)の文章は、主任技術者に関する記述である。

その記述内容として、「電気事業法」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せについて、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。

a)事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。以下同じ。)を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。

b)主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。

c)事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。

a) b) c)
(1) 不適切 適切 適切
(2) 不適切 不適切 適切
(3) 適切 不適切 不適切
(4) 適切 適切 適切
(5) 適切 適切 不適切

解説

正解は(4)です。

問題文の記述は、すべて「電気事業法」の条文に基づいています。

a)は、電気事業法 第43条第1項にて「事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。以下この項、次項及び次条第一項において同じ。)を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。」と規定されており、適切です。

b)は、電気事業法 第43条第4項にて「主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。」と規定されており、適切です。

c)は、電気事業法 第43条第5項にて「事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。」と規定されており、適切です。

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