【電験3種】「ギャップ付き避雷器」と「ギャップレス避雷器」の違い

電験3種でよく出題される「ギャップ付き避雷器」と「ギャップレス避雷器」の違いを解説付きでまとめています。

「ギャップ付き避雷器」と「ギャップレス避雷器」の主な違い

「ギャップ付き避雷器」と「ギャップレス避雷器」の主な違いは以下のとおりです。

比較項目 ギャップ付き (SiC) ギャップレス (ZnO)
構造 直列ギャップ + SiC素子 ZnO素子のみ
応答速度 放電開始までにわずかな遅れ 非常に速い(瞬時に反応)
続流の遮断 ギャップと素子で行う 素子の特性で自然に止まる
サイズ ギャップがある分、大型 シンプルで小型・軽量
メンテナンス ギャップの放電による劣化がある 劣化が少なく信頼性が高い

一言で言えば、ギャップレス避雷器は「スイッチ(ギャップ)を使わずに、材料自体の性質だけで勝手に道を開け閉めしてくれる」というのが「ギャップ付き避雷器」との大きな点です。これにより、避雷器がコンパクトになったうえ、機器をより確実に守ることができるようになりました。

現在、電力系統の多くはこのギャップレス避雷器に置き換わっていますが、特定の古い設備や特殊な用途では、絶縁の確実性を担保するためにギャップ付きが使われることもあります。

ギャップ付き避雷器(SiC避雷器)

古くから使われていたタイプで、直列ギャップ(空気のすきま)と、特性要素(炭化けい素:SiC)を組み合わせた構造です。

通常時(絶縁状態)は、直列ギャップという「物理的なすきま」があるため、通常の電圧では電気が流れない完全な絶縁状態を保っています。そして、雷発生時(放電)に大きな電圧(過電圧)がかかると、ギャップの間で火花放電が起こり、回路を地面に繋いで雷の電気を逃がします。

一度火花が飛んで道ができると、雷が去った後も通常の電気が流れ続けようとしてしまいます(これを**続流**と呼びます)。これを遮断するために、SiC素子の抵抗力とギャップの消弧能力を借りる必要があり、装置が大型化しやすく、応答性もわずかに遅れるという弱点がありました。

ギャップレス避雷器(ZnO避雷器)

現在の主流で、ギャップを排除し、酸化亜鉛(ZnO)という素子のみで構成されています。

ZnO素子は「電圧が低いときは絶縁体のように振る舞い、電圧が高くなると急激に抵抗が減って電気を通す」という非常に極端な性質を持っています。(非直線抵抗特性
通常時はギャップがなくても、ZnO素子自体が高い抵抗を持っているため、漏れ電流はごくわずかです。一方、雷発生時は過電圧がかかった瞬間にZnOの抵抗がほぼゼロになり、猛スピードで雷を逃がします。電圧が下がれば瞬時に元の高抵抗に戻るため、続流がほとんど発生しないことが大きなメリットです。 そのため、ギャップを設ける必要がなく、小型・軽量化が可能で、信頼性も非常に高いのが特徴です。

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