抵抗率と導電率の違いとは?試験対策と計算問題【電験3種・理論】

抵抗率と導電率の違いとは?試験対策と計算問題についてをまとめました。

抵抗率と導電率の違い

抵抗率と導電率の違いは以下のとおりです。

  • 抵抗率
    • 電流の「通しにくさ」を表したもの。
  • 導電率
    • 電流の「通しやすさ」を表したもの。抵抗率の逆数。

電線の材質による抵抗率

材質 抵抗率[Ω⋅m]
1.62\times 10^{-8}
1.72\times 10^{-8}
2.40\times 10^{-8}
アルミニウム 2.82\times 10^{-8}
10.0\times 10^{-8}

抵抗率は銀が最も小さい(伝導率)が高いです。
しかしながら銀は高価なため、実際には銅線やアルミニウム線が用いられることが多いです。

電線の抵抗を計算する式

抵抗率\rho[Ω⋅m]、電線の長さl[m]、電線の断面積s[m^2]、電線断面の直径d[m]のとき、電線の抵抗r[Ω]は以下の式で計算できます。

r=\rho \frac{l}{S}=\rho \frac{l}{\pi (d/2)^2}=\frac{4\rho l}{\pi d^2}

計算式から以下のことがわかります。

  • 電線が長くなる→抵抗も大きくなる
  • 電線が太くなる→抵抗は小さくなる

なお、抵抗率ρは電線の素材によって決まります。
導電率σは抵抗率の逆数(1/ρ)となります。

【例題1】銅線の抵抗

【問題】

直径 2mm の円形の銅線が1kmあるとします。
銅の抵抗率ρが1.72×10^{−8}[Ω⋅m]のとき、この銅線の抵抗を求めよ。

【解答】

R=\rho \frac{l}{S}=1.72\times 10^{-8} \frac{1.0\times 10^3}{\pi \times (1.0\times 10^{-3})^2}

【例題2】電線の抵抗

問1)抵抗1Ωの電線の長さlが2倍になった場合、抵抗は何倍になるか。
解1)2倍

問2)抵抗1Ωの電線の断面積sが2倍になった場合、抵抗は何倍になるか。
解2)1/2倍

問3)抵抗1Ωの電線の断面半径dが2倍になった場合、抵抗は何倍になるか。
解3)1/4倍

【例題3】断面積と直径と抵抗値の関係

【問題】

直径2.6 mm、長さ10 mの銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線はどれか。

①断面積 5.5 mm2、長さ 10m
②断面積 8mm2、長さ 10m
③直径 1.6 mm、長さ 20m
④直径 3.2 mm、長さ 5m

【解答】

(断面積)=(半径)×(半径)×(円周率)より、③④を断面積に直します。
※半径=直径÷2

③の断面積は0.8×0.8×3.14≒2.0mm^2
②の断面積は6×1.6×3.14≒8.0mm^

①の導線 断面積5.5mm^2 長さ10m
②の導線 断面積8.0mm^2 長さ10m
③の導線 断面積2.0mm^2 長さ20m
④の導線 断面積8.0mm^2 長さ5m

抵抗値は断面積に反比例し、長さに比例するので最も近いのは①

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