この記事では、LR回路(積分回路)の電流・電圧波形や計算式などの原理について解説します。 [latexpage]
【積分回路】LR回路の計算式
入力(電圧)の時間積分を出力する回路を積分回路といいます。 この積分回路は「検波回路」「ディレイ回路」「ローパスフィルタ」「ノイズ除去」などに用いられています。 この記事では、積分回路の1つである抵抗(R)とコイル(L) を直列接続したLR回路の仕組みについて紹介します。
抵抗(R)とコイル(L) を直列接続したLR回路は下図のようになります。
【電圧/電流】 入力電圧を $V_o$とするとき、時刻$t$における出力電圧を $V_o$とLR回路中を流れる電流を $i$ は \begin{eqnarray} V_o&=&V_i(1-e^{-\frac{t}{\tau}})\\ i&=&\frac{V_i}{R}(1-e^{-\frac{t}{ \tau}})\\ \tau&=&\frac{L}{R} \end{eqnarray} となります。ここで、 $\tau$ は時定数と呼ばれ、回路の応答の速さを示しています。時定数が大きいほど回路の応答が遅く、小さいほど応答が速いことを表します。 例えばパルス波(入力電圧)を加えた時の出力電圧の波形は下図のようになります。
出力電圧の波形が入力電圧の波形を積分したような形になっていることがわかります。 時定数 $\tau$ が小さいほど応答が早くなるので、出力波形の傾きもより急勾配になります。
時定数が小さいほど応答が速くなる理由
時定数が小さくなるほど応答が速くなる理由を計算式から考えていくと次のようになります。
①$\tau$の値が小さくなる ②$\frac{t}{\tau}}$の値が大きくなる ③$e^{-\frac{t}{\tau}}$が0に近づく (※$e^{-x}$の値はxが大きくなるほど0に近づく) ④$V_o=V_i(1-e^{-\frac{t}{\tau}})$より出力電圧$Vo$は$Vi$に近づく ⑤出力電圧$Vo$の波形の傾きが急になる=応答が速い
計算式の導出(証明)
抵抗(R)にかかる電圧(出力) $V_o$ 、コイル(L)にかかる電圧 $V_L$は \begin{eqnarray} V_o&=&Ri\\ V_L&=&L\frac{di}{dt} \end{eqnarray}
となります。よってキルヒホッフの法則より
\begin{eqnarray} V_i&=&V_o+V_L\\ V_i&=&Ri+L\frac{di}{dt}\\ dt&=&\frac{L}{V_i-Ri}di \end{eqnarray}
となります。ここで両辺を $t$ で積分し、整理すると次式になります。
\begin{eqnarray} \int dt&=&\int L/(E-Ri) di\\ t&=&L\int \frac{1}{V_i-Ri} di\\ t&=&-\frac{L}{R}log(V_i-Ri)+X\\ log(V_i-Ri)&=&-\frac{R(t-X)}{L}\\ V_i-Ri&=&e^{-\frac{R(t-X)}{L}}=e^{-\frac{Rt}{L}}e^{\frac{RX}{L}} \end{eqnarray}
( $X$ は積分定数)
ここで $t=0$ のときコイルは開放状態となるので $i=0$ となります。よってこれを上式に代入すると
\begin{eqnarray} V_i&=e^{-\frac{0}{L}}e^{\frac{RX}{L}}=e^{\frac{RX}{L}} \end{eqnarray}
よって未知数 $e^{\frac{RX}{L}}$ が求まったのでLR回路を流れる電流 $i$ は
\begin{eqnarray} V_i-Ri&=&V_ie^{-\frac{Rt}{L}}\\ i&=&\frac{V_i}{R}(1-e^{-\frac{t}{ \tau}}) \end{eqnarray}
となります。また、出力電圧 $V_o$ は
\begin{eqnarray} V_o=Ri=V_i(1-e^{-\frac{t}{\tau}}) \end{eqnarray} となります。(証明終わり)
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