【電験3種・法規】「主要電気工作物の破損事故」とは?どのような事故が報告対象となる?

電験3種(法規分野)で出題される「主要電気工作物の破損事故」とは何か?具体的にどのような事故が該当するかについて解説します。

【運用内規】主要電気工作物の破損事故

電気関係報告規則第3条及び第3条の2の運用について(内規)」で、「電気工作物の破損事故」について以下のように説明されています。

【第3条第1項の表第4号、第5号】主要電気工作物の破損事故

4 次に掲げるものに属する主要電気工作物の破損事故
イ 出力900,000kW未満の水力発電所
ロ 火力発電所(汽力、ガスタービン(出力1,000kW以上のものに限る。)、内燃力(出力10,000キロワット以上のものに限る。)、これら以外を原動力とするもの又は2以上の原動力を組み合わせたものを原動力とするものをいう。以下同じ。)における発電設備(発電機及びその発電機と一体となつて発電の用に供される原動力設備並びに電気設備の総合体をいう。以下同じ。)(ハに掲げるものを除く。)
ハ 火力発電所における汽力又は汽力を含む2以上の原動力を組み合わせたものを原動力とする発電設備であつて、出力1,000キロワット未満のもの(ボイラーに係るものを除く。)
ニ 出力500kW以上の燃料電池発電所
ホ 出力50kW以上の太陽電池発電所
ヘ 出力20kW以上の風力発電所
ト 容量が20kWhを超える蓄電所
チ 電圧170,000V以上(構内以外の場所から伝送される電気を変成するために設置する変圧器その他の電気工作物の総合体であつて、構内以外の場所に伝送するためのもの以外のものにあつては100,000V以上)300,000ボルト未満の変電所(容量300,000kVA以上若しくは出力300,000kW以上の周波数変換機器又は出力100,000kW以上の整流機器を設置するものを除く。)
リ 電圧170,000V以上300,000V未満の送電線路(直流のものを除く。)
電圧10,000V以上の需要設備(自家用電気工作物を設置する者に限る。)

5 次に掲げるものに属する主要電気工作物の破損事故(第1号、第3号及び第9号から第11号までに掲げるものを除く。)
イ 出力900,000kW以上の水力発電所
ロ 電圧300,000V以上の変電所又は容量300,000kVA以上若しくは出力300,000kW以上の周波数変換機器若しくは出力100,000kW以上の整流機器を設置する変電所
ハ 電圧300,000V(直流にあつては電圧170,000V)以上の送電線路

(1) 目的
主要電気工作物の破損事故が発生すれば、当該施設の機能に重大な影響を及ぼすばかりでなく、関連施設への重大な影響、復旧の遅れ、供給支障事故を誘発するおそれがあるため、当該事故の原因を究明し、再発防止策を図るために報告を求めるものである。

(2) 語句・文章の解釈
1 「主要電気工作物」: 規則第1条第2項第3号に掲げているものをいう。主要電気工作物は、発電所等の運転、維持又は保安対策上必要不可欠な電気工作物として定めているものであり、工事計画認可又は届出が必要な電気工作物を基本としている。同項第3号に規定しているとおり、主要電気工作物は、別に告示する(平成28年経済産業省告示第238号)「主設備」から構成されている。

2 「破損事故」: 規則第1条第2項第5号に掲げるものをいい、電気工作物の変形、損傷若しくは破壊、火災又は絶縁劣化若しくは絶縁破壊が原因で、当該電気工作物の機能が低下又は喪失したことにより、「直ちに、その運転が停止し、若しくはその運転を停止しなければならなくなること」又は「その使用が不可能となり、若しくはその使用を中止すること」をいう。

3 「主要電気工作物の破損事故」: 規則第1条第2項第6号に掲げるものをいい、主要電気工作物を構成する設備の破損事故をいう。ただし、「部品の交換等により当該設備の機能を容易に回復できる場合」は除く。

4 「直ちに、その運転が停止し、若しくはその運転を停止しなければならなくなること」: 例えば、電気工作物の機能低下が、運転中において想定されている機能低下の範囲を超えて急激に起きた場合であって、当該電気工作物の自動停止機能により運転が自動停止した場合又は操作員が緊急に手動停止した場合をいい、例えば以下の事故が挙げられる。
落雷による太陽電池又はその附属設備の焼損
逆変換装置等の損傷に伴う運転停止
製造不良や故障等により発生した火災による蓄電所の電力貯蔵装置の焼損

5 「その使用が不可能となり、若しくはその使用を中止すること」: 例えば、以下の事故が挙げられる。
イ 発電所の燃料貯蔵タンクにおいて、その貯蔵機能に支障が生じた結果、その使用が不可能となったこと、又は、その使用を中止することをいう。
ロ 太陽電池発電設備の支持物の倒壊・折損
水没による太陽電池モジュールや逆変換装置等の損傷に起因する太陽電池発電設備の停止
ニ 風車のブレードの折損
ホ 風車の支持物の倒壊

6 「部品の交換等により当該設備の機能を容易に回復できる場合」: 例えば、以下の事故が挙げられる。
イ 運転中又は使用中の逆変換装置 (PCS) が故障した場合であって、部品や基板等の補修により機能を回復可能な場合
ロ 運転中又は使用中の励磁装置が故障した場合であって、自動電圧調整器 (AVR) の部品や弱電回路の基板交換等の補修により機能を回復可能な場合
ハ 運転中又は使用中の調速装置が故障した場合であって、レギュレータの部品や弱電回路の基板交換等の補修により機能を回復可能な場合
ニ 運転中又は使用中の除塵機が故障した場合であって、人力その他の代替手法により機能を回復可能な場合

7 主要電気工作物の破損事故の対象とならない例として以下の場合が挙げられる。
停止を伴う点検中に不具合が発生した場合
ロ 運転中又は使用中の主要電気工作物に機能低下が認められた場合であって、部品や基板の交換等の補修(当該設備、機器の補修のための計画的な運転停止を含む。)により機能を回復可能な場合

(3) 運用上の留意点
1 主要電気工作物の破損事故は、当該主要電気工作物の使用を開始して以降の事故を対象とする。したがって、当該電気工作物の工事中、試充電中又は試運転中に発生した破損については、破損事故とは解さない。また、設備、機器の停止を伴う点検中に発見した当該設備、機器の不具合は、主要電気工作物の破損事故の報告対象とはしない。

2 自然現象に起因する事故であって、十分な保安実績が有り、事故発生後の対処方法として、早期に部品交換、原型復旧、機能回復を行う等の方法が十分に確立している場合、事業用電気工作物の詳報は、再発防止策の欄を除いたものを提出することで足りることとする。なお、当該事故の例としては、以下の場合が挙げられる。
イ 台風等の際に飛来物により送電線が断線した場合
洪水により発電所又は蓄電所が流出した場合

主要電気工作物と主設備について

【電験3種】「主要電気工作物」と「主設備」の関係
電験3種(法規)で出題される「主要電気工作物」と「主設備」の関係についてをまとめました。

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