【電験3種・法規】440V(400V級)の低圧電路には漏電遮断器(ELB)の設置が必要な理由

電験3種(法規)で出題される「440V(400V級)には漏電遮断器(ELB)の設置が必要な理由」について解説します。

400V級の低圧回路(動力盤など)

以下の単線結線図のように、高圧受電している建物において440V(400V級)の低圧電路には漏電遮断器を設置する必要があります。

特に工場では、モーターの動力盤に440V(400V級)が使用されていることが多いため、要注意です。もし、400V回路に設置されている遮断器が、漏電を検知して遮断できない「配線用遮断器(MCCB)」や、漏電検知の警報表示のみで自動的に遮断はしない「漏電警報付遮断器」であれば、技術基準違反となる可能性が極めて高いです。

400V回路に漏電遮断器(ELB)の設置が必要な理由

解釈36条

電気設備の技術基準の解釈」(以下、「解釈」という)第36条第3項に以下のような記載があります。

第36条(地絡遮断装置の施設)
<略>
3 高圧又は特別高圧の電路と変圧器によって結合される、使用電圧が300Vを超える低圧の電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、当該低圧電路が次の各号のいずれかのものである場合はこの限りでない。
発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所にある電路
電気炉、電気ボイラー又は電解槽であって、大地から絶縁することが技術上困難なものに電気を供給する専用の電路

<略>

5 低圧又は高圧の電路であって、非常用照明装置、非常用昇降機、誘導灯又は鉄道用信号装置その他その停止が公共の安全の確保に支障を生じるおそれのある機械器具に電気を供給するものには、電路に地絡を生じたときにこれを技術員駐在所に警報する装置を施設する場合は、第1項、第3項及び第4項に規定する装置を施設することを要しない。

「電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置」とは、低圧回路の場合、「漏電遮断器」が一般的に用いられます。高圧電路だと、「地絡継電器(GR)+遮断器(VCB、LBSなど)」が一般的に用いられます。ちなみに「変電所に準ずる場所」というのは、「自家用電気工作物設置者の構内等において、高圧又は特別高圧の電気を受電し、変成している変電室や受電所(室)」を指します(詳細は以下ページ参照)。

【電験3種・法規】「電気使用場所」「需要場所」「開閉所に準ずる場所」「変電所に準ずる場所」の意味と違い
電験3種(法規分野)で出題される「電気使用場所」「需要場所」「開閉所に準ずる場所」「変電所に準ずる場所」の意味と違いを解説します。

さらに「電気設備の技術基準の解釈の解説」では以下のように解説されています。

第36条【地絡遮断装置の施設】
〔解 説〕
第3項は、400V級の電路においては変電室等から引出口付近の間に地絡遮断装置を施設し、又は母線に計器用変成器や接地リレー等を施設して電源側電路を遮断できるように施設することを示している。

<略>

第5項は、需要場所において、電気の停止が電気以外の安全の確保に支障を与えるおそれのある場合は、警報装置でもよいことを示している。なお、ここでいう「公共の安全」には、広い意味で、一般公衆のみならず、1人の従業員の安全という意味も含まれている。

よって、400V回路の引出口付近(電気室やキュービクル内にある変圧器2次側(低圧側)の先にある送出しケーブル等)には、「漏電遮断器(ELB)」を設置する必要があります。仮に、6000/440V変圧器の2次側の先にある送出し遮断器が「配線用遮断器(MCCB)」や「漏電警報付遮断器(漏電を検知したら警報表示するだけで自動的に遮断はしない)」の場合、技術基準違反となります。ただし、以下の場合は漏電遮断器(ELB)の設置をしなくても良いこととなっています。

【漏電遮断器(ELB)の設置が必須でない場合】
・発電所や変電所の電路、電気炉、電気ボイラー又は電解槽の電路の場合
・非常用照明装置、非常用昇降機、誘導灯又は鉄道用信号装置その他その停止が公共の安全の確保に支障を生じるおそれのある機械器具に電気を供給する電路で、技術員駐在所に警報する装置を施設した場合

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