アルミ電解コンデンサと電気二重層コンデンサの容量の違いなど

アルミ電解コンデンサと電気二重層コンデンサの容量の違いなどについてまとめました。

【アルミ電解コンデンサとは】

アルミ電解コンデンサは、以下の構造と特徴をもつコンデンサです。

構成材料です。

特徴 概要
正極 アルミ箔(表面に誘電体となるアルミの酸化皮膜を形成させるため)
負極 アルミ箔(外部と電気的な接続をする際の集電体としての役割)。蓄電としての負極の役割をもつのは電解液(電解質)。
誘電体 電解液中で電気をかけたときに正極(アルミ箔)に形成される酸化皮膜
電解液 イオン伝導性のある液体。誘電体形成されたアルミ箔表面に浸透し、真の陰極の役割をもつ。コンデンサの性能(温度特性、周波数特性、寿命等)を決める重要な構成材料。
容量 比較的大容量。正極表面(アルミニウム箔)をエッチングして凹凸形状にすることで電極表面積(S)を大きくし、さらに酸化皮膜の厚み(d)をオングストロームレベルの極薄で形成できるため。(C=εS/d)
内部抵抗 他の電解液を用いたコンデンサと比較して、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性に優れているため交流回路系にも使用される。
寿命 電解液が環境温度で徐々に気化していき、封口ゴムから出ていくため、時間経過とともに容量が低下し、価直列抵抗(ESR)が上昇していきます。寿命予測には「10℃2倍則」が使用されることが多い。

【電気二重層コンデンサとは】

電気二重層コンデンサは、固体電極(活性炭)と液体(電解液)のような異なる2層が接する面に蓄電できる「電気二重層」という原理を利用したコンデンサです。

以下の構造と特徴をもちます。

【蓄電原理】
活性炭(正極と負極の2本)を電解液に浸すと、それぞれの活性炭表面に電気二重層が形成されます。
そこに、外部電源を用いて電圧を印加し、活性炭(電極)と電解液の界面に電位差を与えると、活性炭表面にイオンが吸着し、電気エネルギーが貯蔵(充電)されます。
充電された状態の電気二重層コンデンサを、負荷と接続すると、界面における分極は緩和されてイオンが
活性炭表面から離れていき、負荷へ電子が流れます(放電)。

【二次電池との違い】
電気二重層キャパシタは、LiBのような二次電池のように酸化還元反応(電荷の授受を伴う)化学反応ではなく、電圧を印加したときの活性炭表面での物理的なイオンの吸着(充放電時の電解液中イオンの移動にともなう分極)を応用した物理電池となります。
そのため、内層における電気絶縁が常に保たれます。

【主な用途】
アルミ電解コンデンサよりも、大容量な反面、等価直流抵抗が大きく、漏れ電流が非常に大きく、イオンが動くために周波数特性が悪いためリップル吸収用回路などの交流回路への使用ができません。
したがって、直流回路のバックアップ電源回路など、二次電池と同じ用途が主体となります。

特徴 概要
電極材 活性炭(正極・負極)
誘電体 なし(電極と電解液の界⾯に形成される電気二重層が誘電体の機能をもつ)
電解液 溶媒に電解質を溶かした液体を用いている
容量 大容量。エネルギー密度はアルミ電解コンデンサの約1000倍以上、二次電池の1/10程度でアルミ電解コンデンサと二次電池(バッテリー)の中間。
寿命 LiB等の二次電池と異なり化学反応なしで充放電できるため、充放電回数による劣化が少なく比較的長寿命。アルミ電解コンデンサと同じく寿命予測には「10℃2倍則」が使用されることが多い。
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