【電験3種・法規】自家用電気工作物の廃止とは?どのタイミング?

電験3種(法規分野)で出題される自家用電気工作物の廃止とは?どのタイミング?試験対策と過去問題を解説します。

設置者とは

電気事業法第39条で規定される「技術基準適合維持義務」は、「事業用電気工作物を設置する者」に対して課される義務です。電気事業法における「廃止」とは、その設備を電気工作物として使用する目的を終えることを指します。電線路から切り離され、受電できない状態(未通電状態)になった設備は、法の定義する「電気工作物(発電、変電、送電、配電または電気の使用のために設置する工作物)」に該当しなくなります。

そのため、所管の産業保安監督部へ「廃止報告(電気関係報告規則第5条)」を行うことで、維持義務のほか、電気主任技術者の選任義務保安規程の遵守義務も消滅します。

「廃止」と「休止」の違い

設備を残置する場合、それが電気事業法上、「廃止」なのか「休止」なのかによって義務が大きく異なります。

区分 状態の定義 技術基準適合維持義務 主任技術者の選任
廃止 電線路から切り離され、再使用の意図がない。原則として電力会社が引込線を撤去する。 なし(免除) 不要
休止 受電を止めているが(PAS開放など)、設備は繋がっており、将来再開の可能性がある。 あり 必要(原則)
単に「ブレーカーを落としている」「PASを開放している」だけでは「休止」扱いとなり、引き続き点検や主任技術者の選任が必要です。完全に義務を免れたい場合は、電力会社に依頼して引込線を物理的に撤去し、廃止届を産業保安監督部へ提出する必要があります。

電気事業法の説明

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(略)

十八 電気工作物 発電、蓄電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)をいう。

十八 第1項第18号 「電気工作物」の定義
 ⑴ 「電気工作物」とは、発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物をいう。ただし、このうち、船舶、車両、航空機等に設置されるものについては、他と電気的に接続されずに独立しているものが多く、また他の法令により保安面の規制を受けており、本法において電気工作物として規制する必要がないものが多いので、政令で除外されている。この規定を受けて、施行令第1条の規定により、鉄道営業法(明治33年法律第65号)、軌道法(大正10年法律第76号)若しくは鉄道事業法(昭和61年法律第92号)が適用され若しくは準用される車両若しくは搬器、船舶安全法(昭和8年法律第11号)が適用される船舶若しくは海上自衛隊の使用する船舶又は道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車に設置される工作物であって、これらの車両、搬器、船舶及び自動車以外の場所に設置される電気的設備に電気を供給するためのもの以外のものや、航空法(昭和27年法律第231号)が適用される航空機に設置される工作物については、本法は適用されない。このほか、電圧が極めて低く、保安上支障のないものとして、同じく施行令第1条の規定により、電圧30V未満の電気的設備であって、電圧30V以上の電気的設備と電気的に接続されていないものも、電気工作物から除外されている。

 ⑵ 電気工作物とは、要するに発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する工作物の総称であるが、工作物という以上、人為的な労作を加えることによって土地等に固定して設備されたものをいい、天然の河川をそのまま水路等に利用しても当該河川は電気工作物とはならず、水そのものも電気工作物ではない。また、発電所、変電所等は、総合的設備として電気工作物であるとともに、それを組成する機械、器具も電気工作物である。また、電気工作物の範囲については、発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために直接必要なものを指し、営業所、社宅等これに直接関係のないものは含まない。ただし、発電所、水路等の監視保守のために必要な駐在所等は、直接の必要があると解すべきである。

電気工事士法の説明

電気工事士法第2条およびその解説

電気工事士法

(用語の定義)
第2条 この法律において「一般用電気工作物等」とは、一般用電気工作物(電気事業法(昭和39年法律第170号)第38条第1項に規定する一般用電気工作物をいう。以下同じ。)及び小規模事業用電気工作物(同条第三項に規定する小規模事業用電気工作物をいう。以下同じ。)をいう。
2 この法律において「自家用電気工作物」とは、電気事業法第三十八条第四項に規定する自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物及び発電所、変電所、最大電力500kW以上の需要設備(電気を使用するために、その使用の場所と同一の構内(発電所又は変電所の構内を除く。)に設置する電気工作物(同法第二条第一項第十八号に規定する電気工作物をいう。)の総合体をいう。)その他の経済産業省令で定めるものを除く。)をいう。
3 この法律において「電気工事」とは、一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く。
4 この法律において「電気工事士」とは、次条第1項に規定する第一種電気工事士及び同条第2項に規定する第二種電気工事士をいう。

電気工事士法(昭和35年8月1日法律第139号)の逐条解説

5. 第3項は、電気工事の定義を定めており、電気工事とは一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置したり又は変更する工事をいう。ここで「変更する工事」とは、設置されている電気工作物の現状を変更する全ての工事をいい、撤去の工事(工事が、電路が既に遮断され、以降電気を用いない場合に、遮断された部分についての設備を撤去する作業に該当する場合(建物を取り壊す場合など)には、そもそも「電気工事」に該当しない。ただし、電路を遮断する行為自体としての取り外す作業や、接続を外す作業等は、「電気工事」となる。)も含まれる。

電気工事士法第5条

(電気工事士等の義務)
第5条 電気工事士、特種電気工事資格者又は認定電気工事従事者は、一般用電気工作物に係る電気工事の作業(第三条第二項の経済産業省令で定める作業を除く。)に従事するときは電気事業法第五十六条第一項の経済産業省令で定める技術基準に、小規模事業用電気工作物に係る電気工事の作業(第三条第二項の経済産業省令で定める作業を除く。)又は自家用電気工作物に係る電気工事の作業(第三条第一項及び第三項の経済産業省令で定める作業を除く。)に従事するときは同法第39条第1項の主務省令で定める技術基準に適合するようにその作業をしなければならない
2 電気工事士、特種電気工事資格者又は認定電気工事従事者は、前項の電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状、特種電気工事資格者認定証又は認定電気工事従事者認定証を携帯していなければならない。

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