電験三種(法規)における地絡遮断器の攻略ポイントと例題をまとめました。
【電技15条】地絡遮断器の敷設の必要性
電技15条では、地絡事故を防止するために、以下のとおり地絡遮断器の敷設が規定されています。
(地絡に対する保護対策) 第15条 電路には、地絡が生じた場合に、電線若しくは電気機械器具の損傷、感電又は火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電気機械器具を乾燥した場所に施設する等地絡による危険のおそれがない場合は、この限りでない。
【電技解釈36条】地絡遮断器の敷設方法、敷設しなくてもいい条件
電技解釈36条1項では、地絡遮断器が必要となる条件、及び敷設をしなくても良い条件について記載されています。
【地絡遮断装置の施設】(省令第15条) 第36条 金属製外箱を有する使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合はこの限りでない。 一 機械器具に簡易接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す機械器具と電気的に接続するおそれ があるもので防護する方法を除く。)を施す場合 二 機械器具を次のいずれかの場所に施設する場合 イ 発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所 ロ 乾燥した場所 ハ 機械器具の対地電圧が150V以下の場合においては、水気のある場所以外の場所 三 機械器具が、次のいずれかに該当するものである場合 イ 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁構造のもの ロ ゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したもの ハ 誘導電動機の2次側電路に接続されるもの ニ 第13条第二号に掲げるもの 四 機械器具に施されたC種接地工事又はD種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下の場合 五 電路の系統電源側に絶縁変圧器(機械器具側の線間電圧が300V以下のものに限る。)を施設するとともに、当該絶縁変圧器の機械器具側の電路を非接地とする場合 六 機械器具内に電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器を取り付け、かつ、電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合 七 機械器具を太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設し、かつ、当該電路が次に適合する場合 イ 直流電路は、非接地であること。 ロ 直流電路に接続する逆変換装置の交流側に絶縁変圧器を施設すること。 ハ 直流電路の対地電圧は、450V以下であること。 八 電路が、管灯回路である場合 2 電路が次の各号のいずれかのものである場合は、前項の規定によらず、当該電路に適用される規定によること。 一 第3項に規定するもの 二 第143条第1項ただし書の規定により施設する、対地電圧が150Vを超える住宅の屋内電路 三 第165条第3項若しくは第4項、第178条第2項、第180条第4項、第187条、第195条、第196条、第197条又は第200 条第1項に規定するものの電路 3 高圧又は特別高圧の電路と変圧器によって結合される、使用電圧が300Vを超える低圧の電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、当該低圧電路が次の各号のいずれかのものである場合はこの限りでない。 一 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所にある電路 二 電気炉、電気ボイラー又は電解槽であって、大地から絶縁することが技術上困難なものに電気を供給する専用の電路 4 高圧又は特別高圧の電路には、36-1表の左欄に掲げる箇所又はこれに近接する箇所に、同表中欄に掲げる電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、同表右欄に掲げる場合はこの限りでない。
【36-1表】
| 地絡遮断装置を施設する箇所 | 電路 | 地絡遮断装置を施設しなくても良い場合 |
|---|---|---|
| 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の引出口 | 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から引出される電路 | 発電所又は変電所相互間の電線路が、いずれか一方の発電所又は変電所の母線の延長とみなされるものである場合において、計器用変成器を母線に施設すること等により、当該電線路に地絡を生じた場合に電源側の電路を遮断する装置を施設するとき |
| 他の者から供給を受ける受電点 | 受電点の負荷側の電路 | 他の者から供給を受ける電気を全てその受電点に属する受電場所において変成し、又は使用する場合 |
| 配電用変圧器(単巻変圧器を除く。)の施設箇所 | 配電用変圧器の負荷側の電路 | 配電用変圧器の負荷側に地絡を生じた場合に、当該配電用変圧器の施設箇所の電源側の発電所又は変電所で当該電路を遮断する装置を施設するとき |
(備考) 引出口とは、常時又は事故時において、発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から電線路へ電流が流出する場所をいう。
5 低圧又は高圧の電路であって、非常用照明装置、非常用昇降機、誘導灯又は鉄道用信号装置その他その停止が公共の安全の確保に支障を生じるおそれのある機械器具に電気を供給するものには、電路に地絡を生じたときにこれを技術員駐在所に警報する装置を施設する場合は、第1項、第3項及び第4項に規定する装置を施設することを要しない。
400V回路に漏電遮断器(ELB)の設置が必要
高圧で受電している工場などには、以下図のような440V(400V級)の動力盤があることがあります。
このような440V(400V級)の低圧電路には、漏電遮断器を設置する必要があります。
たまにある勘違いですが、漏電を検知して遮断できない「配線用遮断器(MCCB)」や、漏電を検知したら警報表示するだけで自動的に遮断はしない「漏電警報付遮断器」だけではダメです。
解釈36条
「電気設備の技術基準の解釈」(以下、「解釈」という)第36条第3項に以下のような記載があります。
第36条(地絡遮断装置の施設) 3 高圧又は特別高圧の電路と変圧器によって結合される、使用電圧が300Vを超える低圧の電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、当該低圧電路が次の各号のいずれかのものである場合はこの限りでない。 一 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所にある電路 二 電気炉、電気ボイラー又は電解槽であって、大地から絶縁することが技術上困難なものに電気を供給する専用の電路 5 低圧又は高圧の電路であって、非常用照明装置、非常用昇降機、誘導灯又は鉄道用信号装置その他その停止が公共の安全の確保に支障を生じるおそれのある機械器具に電気を供給するものには、電路に地絡を生じたときにこれを技術員駐在所に警報する装置を施設する場合は、第1項、第3項及び第4項に規定する装置を施設することを要しない。
「電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置」とは、低圧回路の場合、「漏電遮断器」が一般的に用いられます。高圧電路だと、「地絡継電器(GR)+遮断器(VCB、LBSなど)」が一般的に用いられます。さらに「電気設備の技術基準の解釈の解説」では以下のように解説されています。
第36条【地絡遮断装置の施設】 〔解 説〕 第3項は、400V級の電路においては変電室等から引出口付近の間に地絡遮断装置を施設し、又は母線に計器用変成器や接地リレー等を施設して電源側電路を遮断できるように施設することを示している。 <略> 第5項は、需要場所において、電気の停止が電気以外の安全の確保に支障を与えるおそれのある場合は、警報装置でもよいことを示している。なお、ここでいう「公共の安全」には、広い意味で、一般公衆のみならず、1人の従業員の安全という意味も含まれている。
よって、一般的な400V回路には、「漏電遮断器(ELB)」を設置する必要があります。もし、使用電圧が300Vを超える一般的な低圧電路に設置されている遮断器が「配線用遮断器(MCCB)」や「漏電警報付遮断器(漏電を検知したら警報表示するだけで自動的に遮断はしない)」の場合、技術基準違反となるため注意が必要です。
【漏電遮断器(ELB)の設置が必須でない場合】
・発電所や変電所の電路、電気炉、電気ボイラー又は電解槽の電路の場合
・非常用照明装置、非常用昇降機、誘導灯又は鉄道用信号装置その他その停止が公共の安全の確保に支障を生じるおそれのある機械器具に電気を供給する電路で、技術員駐在所に警報する装置を施設した場合
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