【電線】電圧降下(ドロップ電圧)の計算式・簡略式

電線における電圧降下(ドロップ電圧)の計算式・簡略式についてまとめました。

## 【簡略式】電線の電圧降下

電線における電圧降下(ドロップ電圧)は、電線の断面積、長さ、電流から以下の簡略式で計算できます。

配線方式 電圧降下eの簡略式
単相2線式もしくは直流 e=0.0356\times \frac{LI}{A}
三相3線式 e=0.0308\times \frac{LI}{A}
単相3線式
三相4線式
e=0.0178\times \frac{LI}{A}
パラメータ 概要
e 電圧降下[V]
I 電流[A]
L 線路のこう長[m](電線を敷設する際の2点間距離)
A 電線の導体断面積[mm²]

## 【導出】簡略式の求め方

交流回路における電線の電圧降下は抵抗の他にリアクタンスやコンダクタによる力率の影響があります。

①通常、屋内配線などで使用されるものはそれらの影響を無視(力率を1)と見ても差し支えない場合が多いため、以下の簡略式で電圧降下を計算します。

(1)   \begin{eqnarray*} e=K\times R\times I \times L \end{eqnarray*}

パラメータ 概要
e 電圧降下[V]
K 係数(配線方式により値が異なる)
●単相2線式:K=2(線間)
●単相3線式:K=1(大地間)
●三相3線式:K=√3(線間)
●三相4線式:K=1(大地間)
I 電流[A]
R 線路の交流導体抵抗[Ω/m]
L 線路のこう長[m]
A 使用電線の導体断面積[mm²]

② 電線1mあたりの抵抗Rは、単位断面積1mm²(導体の太さ)あたりの固有抵抗と銅線の導電率によって決まります。
異なります。

(2)   \begin{eqnarray*} R= \frac{1}{58\times 0.97}\times \frac{1}{A}=\frac{17.8}{1000}\times \frac{1}{A} \end{eqnarray*}

パラメータ 概要
標準軟銅の固有抵抗(20℃) 1/58[Ω/m]
銅電線の導電率(抵抗率の逆数) 97[%]

③ よって、電圧降下eの計算式は以下のようになります。

(3)   \begin{eqnarray*} e=K\times \frac{17.8}{1000}\times \frac{1}{A}\times I \times L \end{eqnarray*}

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