グランド(GND)、接地(アース)とは?意味と違い

グランド(GND)、接地(アース)とは?意味と違いについてまとめました。
グランド(GND)と接地(アース)は似たようなイメージがあるため混同しやすいです。

種別 意味
グランド(GND) 回路の動作基準となる電位。つまり、グランドは対地電圧が0Vとは限りません。シグナルグランド(SG)、フレームグランド(FG)、などの種類がある。
接地(アース) 大地への接続。つまり、接地されたラインは対地電圧が0Vとなります。フレーム接地、シグナル接地などの種類がある。

また、グランド(GND)と接地(アース)には、さまざまな種類があります。

【グランド(GND)とは】フレームグランド(FG)、シグナルグランド(SG)

グランド(GND)とは、回路の動作基準となる電位のことです。
そのため、必ずしもグランド(GND)が地球の大地に接続されているとは限りません(対地電圧が0Vとは限りません。)。

グランド(GND)は電位が安定していることが重要です(不安定になると、回路の誤動作の原因となるため)。
最も安定している電位はアース(地球の大地)のため、GNDはアース接地することが基本ですが、アース接地できない場合は、容量の大きな導体に接続します(容量が大きいほど、電流変化による電位の変化が小さいため)。

グランド(GND)には、フレームグランド(FG)、シグナルグランド(SG)、アナロググランド、デジタルグランド、パワーグランドといった種類があります。

種別 概要
フレームグランド(FG) シャーシグランドとも呼ばれる。製品の金属製筐体(金属フレーム, シャーシ)をグランド(GND)にしたもの。複数の回路が搭載されている製品は、回路間で電圧の調整をするために、各回路で基準となる共通の電位が必要となります。そのため、各回路を金属製筐体(金属フレーム)に接続することで、各回路動作の基準となる電位を統一にできます。電源回路ではYコンデンサを通してフレームグランド(FG)に接続されることが多いです。
(例)飛行機:飛行中は接地(アース)できないので、機体が基準電位
シグナルグランド(SG) アナログ回路、デジタル回路、電力回路が混在する製品では、各回路の性質に合わせてシグナルグランド配線を別々に配線し、それを1点で接続して、他の回路の影響を受けにくくします。1点で接続しない場合、電流変化の大きい別の回路(特に電流の大きい電力回路)のグランド配線の電位が変動し、微小信号を扱うアナログ回路に対してノイズを与える原因となります。各回路のシグナルグランドを区別するために、アナログ回路のシグナルグランドを「アナロググランド(AGND)」、デジタル回路のシグナルグランドを「デジタルグランド(DGND)」、電力回路のシグナルグランドを「パワーグランド(PGND)」と呼びます。

【接地(アース)とは】フレーム接地、シグナル接地、保護接地

接地(アース)とは、『大地への接続』のことです。
地球上で最も大きな導体は大地なので、接地(アース)することで、回路動作の基準となる電位を最も安定させることができます。
接地(アース)には、フレーム接地、シグナル接地、保護接地の種類があります。

種別 概要
フレーム接地 フレームグランドを大地に接続する(接地する)こと。フレームグランドが接地されていないと、人がフレームに触れた時に感電する恐れがあります。そのため、電気機器はフレームグランドを接地することが安全上大切です。
シグナル接地 回路動作の基準となる電位であるシグナルグランドの電位をより安定化させるために、大地に接続する(接地する)ことです。
保護接地 人に対する安全性を上げることを目的で大地に接続(アース)することです。接続(アース)することで、電気機器が漏電しても感電を防ぐことができます。
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