電験3種でよく出題される「同期発電機」と「誘導発電機」の違いを解説付きでまとめています。
「同期発電機」と「誘導発電機」の主な違い
「同期発電機」と「誘導発電機」の主な違いは以下のとおりです。
| 比較項目 | 同期発電機 | 誘導発電機 |
|---|---|---|
| 回転速度** | 同期速度で一定(周波数と同じ) | 同期速度より少し速い(変動する) |
| 磁界の作成(励磁) | 独自の直流電源(励磁機)が必要 | 系統やコンデンサからの無効電力が必要 |
| 無効電力の扱い | 供給も吸収も可能(力率調整ができる) | 常に消費する(力率は常に遅れ) |
| 構造と保守 | 複雑(ブラシやスリップリングが必要な場合あり) | 単純で堅牢(かご形であればブラシ不要) |
| 系統への接続(同期投入)** | 電圧、位相、周波数を厳密に合わせる必要あり | 回転数を上げて系統に繋ぐだけで比較的簡単 |
| 単独運転 | 容易に可能 | 励磁用コンデンサ等の付加設備がないと困難 |
電力網のベースとなる電気を作り、安定させるのが同期発電機、その確立された電力網に接続して手軽に電力を注ぎ込むのが誘導発電機という役割分担がなされています。
同期発電機
同期発電機は、回転子が電磁石(または永久磁石)になっており、外部から直流電流を流して磁界を作ります(励磁といいます)。この回転子を水車や蒸気タービンなどの原動機で回すと、固定子側のコイルに交流の電気が発生します。
回転速度が周波数と完全に同期(同じ)しているため、「同期発電機」といいます。系統の周波数(東日本50Hz、西日本60Hz)に合わせて、回転速度は常に一定(同期速度)を保つ必要があります。
同期速度の公式
$N_s = \frac{120f}{p}$
$N_s$:同期速度
$f$:周波数
$p$: 極数
主な特徴
電力網の電圧や周波数を維持・調整する能力が高く、火力発電所、水力発電所、原子力発電所などの大規模な主要発電設備。の「主電源」として使われます。
- 励磁電流を調整することで無効電力をコントロールし、電力系統の電圧を安定させることができます。単独での発電・自立運転も容易です。
- 構造が複雑で高価です。また、発電機を電力系統に接続(並列)する際に、電圧・周波数・位相の3つを系統とピタリと合わせる高度な制御技術が求められます。
誘導発電機
基本構造は、工場などで広く使われている誘導電動機(モーター)と全く同じです。固定子を電力系統に接続して回転磁界を作り、回転子を原動機で同期速度よりも速く回す(負のすべりを与える)ことで発電機として働きます。
発電するために、回転速度は同期速度よりも少し速く回転します。そのため、負荷によって回転速度が変動します(非同期)。
また、自分で磁界を作る機能を持たないため、系統(またはコンデンサ)から磁界を作るための「無効電力」を受け取る必要があります。
主な特徴
構造のシンプルさを活かした、小規模な分散型電源に適しています。
- 構造が非常に単純で堅牢なため、製造コストやメンテナンスコストが安く済みます。同期投入の厳密な制御が不要で、取り扱いが簡単です。
- 系統から無効電力をもらわないと磁界を作れず発電できないため、自力で電圧を確立するのが苦手です。停電時に単独運転させるには、専用のコンデンサなど複雑な保護・制御システムが必要になります。
- 小水力発電、工場等のコージェネレーションシステム、風力発電(特に従来型の固定速風車)。
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