電気事業法の体系と関係法令等についてまとめました。
電気事業法の体系
電気事業法とは、「電気事業」「電気工作物」の保安の確保について定めた法律です。
また、この法律に基づき制定されている政令、省令に従う義務があります(技術基準適合)。
電技等の省令で要求されている技術基準に適合させるための具体的な方法の例として、「電技解釈」があります。
「電技解釈」はあくまで法律の解釈であり、法律そのものではありません。したがって、「電技解釈」に記載された要件を満たす義務はありません。
しかしながら、電技解釈の要件を満たさない場合、その代わりに技術基準適合を満足させるための手段を講じ、それを説明する必要があります。
つまり、電技解釈に記載されている要求事項を満足させることは、技術基準に適合するものと判断されるため、設計上の免責範囲が設定され設計者を保護する役割をもつため、「電技解釈への適合は義務ではないので守らないほうが良い」 というものではありません。
電気事業法と関係法令等
電気事業法と関係法令等の関係を整理すると以下のようになります。
上にあるほど上位のものです。
分類 | 関係法令等 |
---|---|
①法律 | 国会の議決で制定。 ●電気事業法 |
②政令(施行令) | 法律を実施するために内閣が制定するもの(憲法73条6号)。法律から委任された事項について定められ、国民の権利の制限、義務、処罰を与えることが可能となる(同号、内閣法11条)。 ●電気事業法施行令 |
③省令(施行規則) | 各省の大臣が担当する行政事務について、法律・命令を施行するため、又は法律・政令の委任に基づいて定めるルール(国家行政組織法12条)。政令と同じく、国民の権利の制限、義務、処罰を与えることが可能となる(同号、内閣法11条)。 ●電気事業法施行規則 ●電気関係報告規則 ●発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(大技) ●発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(風技) ●発電用水力設備に関する技術基準を定める省令(水技) など |
④告示・訓令・通達 | 告示とは、「各省大臣や委員会と庁の長官が、指定・決定などの処分などの事項について、一般に公に知らせること」です。訓令・通達とは、「上級官庁が下級官庁や職員に対して命じ、又は示すこと」です。いずれも国民に対して効力はもたず、国民の権利の制限、義務、処罰を与えることはできません。ただし、法令を解釈(具体的にどのようにすれば、法律違反とならないのか)するための参考になります。(国家行政組織法14条)。 ●電気事業法の解説 ●電気設備の技術基準の解釈(電技解釈) ●発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈(大技解釈) ●発電用水力設備の技術基準の解釈について(水技解釈) ●電気設備の技術基準の解釈の解説 ●発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説 ●小型告示 ●主要電気工作物を構成する設備を定める告示 など |
上記のうち、法律・政令・省令については電気事業法等(経済産業省HP)、告示・訓令・通達については電気事業法 告示・内規等(経済産業省HP)で条文が公開されています。
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