電験3種・法規分野における法第34条の2「電気の使用制限等」の試験対策についてまとめました。
【34条の2】電気の使用制限
【参考資料】
電気事業法34条の2では、電気の供給不足を回避させる目的で、経済産業大臣が電気事業者から供給される電気の受電制限を義務づけるための省令が定められています。
[H24:問1]
(第六款 電気の使用制限等)
電気事業法34条の2 経済産業大臣は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、使用電力量の限度、使用最大電力の限度、用途若しくは使用を停止すべき日時を定めて、小売電気事業者、一般送配電事業者若しくは登録特定送配電事業者(以下この条において「小売電気事業者等」という。)から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等の供給する電気の使用を制限すべきこと又は受電電力の容量の限度を定めて、小売電気事業者等から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等からの受電を制限すべきことを命じ、又は勧告することができる。
2 経済産業大臣は、前項の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、小売電気事業者等から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等が供給する電気の使用の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
【電気使用制限等規則】
電気事業法34条の2「電気の使用制限」の内容にいては、「電気使用制限等規則」で具体的に規定されています。
(使用電力量の制限)
第一条 経済産業大臣が指定する地域において小売電気事業者等(電気事業法第三十四条第一項に規定する小売電気事業者等をいう。以下同じ。)が供給する電気を使用する者であって、一の需要設備についての契約電力(電気を使用する者が小売電気事業者等との契約上使用できる最大電力をいう。次条及び第五条において同じ。)の値が五百キロワット以上であるものは、経済産業大臣が使用電力量を制限する期間として指定する期間においては、当該需要設備については、経済産業大臣が指定する電力量の限度を超えて当該小売電気事業者等が供給する電気を使用してはならない。
2 前項の規定は、上下水道の用に供する需要設備その他の経済産業大臣が指定する需要設備については、適用しない。(使用最大電力の制限)
第二条 経済産業大臣が指定する地域において小売電気事業者等が供給する電気を使用する者は、経済産業大臣が指定する期間及び時間の範囲内における一の需要設備についての経済産業大臣が指定する契約電力の値(次条において「指定契約電力」という。)が五百キロワット以上となる期間及び時間の各一時間においては、当該需要設備については、経済産業大臣が指定する電力の値に経済産業大臣が指定する率を乗じて得た電力の値の限度を超えて当該小売電気事業者等が供給する電気を使用してはならない。
2 前条第二項の規定は、前項の規定による制限に準用する。(使用最大電力の制限の特例)
第三条 前条第一項に規定する使用最大電力の制限の対象となる者(同条第二項において準用する第一条第二項の経済産業大臣が指定する需要設備以外の需要設備を有しないものを除く。以下「関係電気使用者」という。)は、前条第一項の規定により使用最大電力の制限が行われる期間の範囲内の期間及び当該制限が行われる時間において、単独で又は他の関係電気使用者と共同して、複数の需要設備についての電気の使用を連携させて抑制するため、当該抑制をしようとする期間の開始の日から起算して十四日前までに、次に掲げる事項を記載した様式第一による申請書(以下この条及び第十一条において「電力共同抑制申請書」という。)を経済産業大臣に提出し、その内容が適当である旨の確認を受けることができる。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 当該需要設備についての電気の使用を連携させて抑制しようとする期間
三 当該需要設備の概要
四 当該需要設備についての電気の使用を連携させて抑制する旨の説明
五 当該需要設備についての電気の使用を連携させて抑制することにより、満たすことが求められる使用電力の合計値に係る基準として、当該需要設備ごとの前条第一項に規定する経済産業大臣が指定する電力の値及び率を勘案して、経済産業大臣が指定する電力の値(以下この条において「指定合計電力」という。)
六 第二号に掲げる期間及び前条第一項の規定により使用最大電力の制限が行われる時間(以下この条において「特定指定期間等」という。)の各一時間において予定している当該需要設備ごとの使用電力の値(以下この条において「使用予定電力」という。)及びその合計値(以下この条において「合計使用予定電力」という。)
2 経済産業大臣は、前項の規定により提出された電力共同抑制申請書の内容が次の各号のいずれにも適合することを確認したときは、当該関係電気使用者を指定関係電気使用者として指定するものとする。
一 当該需要設備の全てについて、前条第一項に規定する経済産業大臣が指定する地域における同一の供給区域又は供給地点内に存在し、かつ、特定指定期間等における指定契約電力が五百キロワット以上であること。
二 特定指定期間等における合計使用予定電力の最大値が、指定合計電力以下であること。
三 その他電気事業法第三十四条第一項の規定の趣旨に照らして著しく不適当であるとして経済産業大臣が定める内容でないこと。
3 指定関係電気使用者は、特定指定期間等の各一時間においては、当該需要設備については、前条第一項の規定にかかわらず、当該需要設備についての電気の使用を連携させて抑制することにより、その使用電力の合計値が指定合計電力以下となる場合を除き、それぞれの使用電力の値がそれぞれの使用予定電力以下となるように、小売電気事業者等が供給する電気を使用しなければならない。
4 指定関係電気使用者は、第二項の確認を受けた電力共同抑制申請書の内容を変更しようとする場合は、その変更を適用しようとする日から起算して十四日前までに、次に掲げる事項を記載した様式第二による申請書を経済産業大臣に提出し、その内容が適当である旨の確認を受け、指定を受けなければならない。ただし、同項の規定による指定(この項の規定による確認を受けた場合にあっては、その確認後の指定。以下この条及び第八条において同じ。)を他の関係電気使用者と共同で受けている場合には、当該関係電気使用者と共同して当該申請書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 変更しようとする事項(新旧の対照を明示すること。)
三 変更の理由
5 指定関係電気使用者は、第二項の規定による指定の取消しを受けようとする場合は、当該指定の取消しを受けようとする日から起算して七日前までに、様式第三による申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。ただし、同項の規定による指定を他の関係電気使用者と共同で受けている場合には、当該関係電気使用者と共同して当該申請書を提出しなければならない。
6 経済産業大臣は、指定関係電気使用者から前項の指定の取消しの申請があったときは、その指定を取り消すものとする。
7 経済産業大臣は、指定関係電気使用者が虚偽若しくは不正の事実に基づいて確認を受けた者であることが判明したとき、又は第三項の規定に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
8 第一項の規定による確認の申請は、第十条第二項の規定による通知の前においても、行うことができる。(用途を定めてする使用制限)
第四条 経済産業大臣が指定する地域において小売電気事業者等が供給する電気を使用する者は、経済産業大臣が指定する期間及び時間においては、広告灯、電飾、ネオンサイン、ショウウィンドウ用照明設備又は屋外投光器のうち装飾用、広告用その他これらに類する用途に使用されるもので経済産業大臣が指定するものの用に当該小売電気事業者等が供給する電気を使用してはならない。(日時を定めてする使用制限)
第五条 経済産業大臣が指定する地域において小売電気事業者等が供給する電気を使用する者であって、一の需要設備についての契約電力の値が五十キロワット以上であるものは、経済産業大臣が指定する期間においては、経済産業大臣が一週につき二日を限度として指定する日数又は経済産業大臣が指定する日及び時間には、当該需要設備については、保安用その他の経済産業大臣が指定する用途以外の用途に当該小売電気事業者等が供給する電気を使用してはならない。
2 第一条第二項の規定は、前項の規定による制限に準用する。
(制限の緩和)
第六条 経済産業大臣は、保安上その他やむを得ない特別の事由により必要があると認めるときは、経済産業大臣の定めるところにより、前五条の規定による制限を緩和することができる。(賃貸事業者等の努力義務)
第七条 第一条第一項に規定する使用電力量の制限の対象となる者(同条第二項の経済産業大臣が指定する需要設備以外の需要設備を有しないものを除く。次条において同じ。)及び関係電気使用者は、当該需要設備の一部を賃貸している場合は、第一条第一項又は第二条第一項の規定による電気の使用の制限が行われたときは、賃借している事業者(以下この条において「賃借事業者」という。)に係る使用電力量及び使用電力の値の把握並びに当該賃借事業者に対する当該情報の提供に努めなければならない。
2 賃借事業者は、当該情報を活用しつつ、小売電気事業者等が供給する電気の使用の抑制に努めなければならない。(使用状況の報告)
第八条 第一条第一項に規定する使用電力量の制限の対象となる者及び関係電気使用者は、同条第一項又は第二条第一項の規定による電気の使用の制限が行われたときは、経済産業大臣が指定する期日までに、それぞれ様式第四又は様式第五(指定関係電気使用者にあっては、様式第六)により、当該制限が行われた期間における電気の使用状況に関する報告書にその写し二通を添えて、経済産業大臣に提出しなければならない。ただし、第三条第二項の規定による指定を他の関係電気使用者と共同で受けている場合には、当該指定に係る特定指定期間等における電気の使用状況に関し、当該関係電気使用者と共同して当該報告書を提出しなければならない。
(受電の届出及び勧告)
第九条 経済産業大臣が指定する地域において、一の需要設備の受電電力の容量が経済産業大臣が指定する容量以上の受電電力の容量をもって小売電気事業者等から受電をしようとする者又は現に小売電気事業者等から受電をしている者であって増加しようとする受電電力の容量が当該指定する容量以上である者は、経済産業大臣が指定する期間においては、受電開始の三十日前までに、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
一 受電電力の容量及び受電開始の日
二 需要設備の設置の場所
2 経済産業大臣は、前項の届出があった場合において、当該受電が電気の供給の不足をもたらし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、当該受電の開始前に限り受電をしようとする容量を削減すべきことを勧告することができる。
3 第一項の届出をしようとする者は、様式第七の届出書に様式第八の受電(増加)届出に関する説明書を添えて提出しなければならない。(公示等)
第十条 第三条第一項第五号、第四条から第六条まで及び前二条の規定による経済産業大臣の指定は、その内容を官報に公示することによって行う。
2 第一条及び第二条の規定による経済産業大臣の指定は、その内容を官報に公示し、関係電気使用者に通知することによって行う。
3 第三条第二項、第四項、第六項及び第七項の規定による経済産業大臣の指定又は指定の取消しは、その内容を関係電気使用者に通知することによって行う。
(提出)
第十一条 電力共同抑制申請書、第三条第四項及び第五項の申請書、第八条の報告書並びに第九条第三項の届出書及び説明書の提出については、当該申請書等が、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)で作成されている場合には、次に掲げる電磁的方法をもって行うことができる。ただし、電磁的方法は、受信者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。
一 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であって、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの
二 磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法
コメント