ウォーターサーバーや自動販売機などに漏電遮断器とD種接地が必要な理由

ウォーターサーバーや自動販売機などに漏電遮断器とD種接地が必要な理由について解説します。

ウォーターサーバーや自動販売機にD種接地が必要な理由

電気設備の技術基準の解釈第29条第1項」より、使用電圧300V以下の場合は「機械器具の金属製の台および外箱」にD種接地を施す必要があります。

【機械器具の金属製外箱等の接地】(省令第10条、第11条)
第29条 電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱(以下この条において「金属製外箱等」という。)(外箱のない変圧器又は計器用変成器にあっては、鉄心)には、使用電圧の区分に応じ、29-1表に規定する接地工事を施すこと。ただし、外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがないようにさくなどを設けて施設する場合又は絶縁台を設けて施設する場合は、この限りでない。

【29-1表】

機械器具の使用電圧の区分 接地工事
低圧(300V以下) D種接地工事
低圧(300V超過) C種接地工事
高圧又は特別高圧 A種接地工事

ただし、「電気設備の技術基準の解釈第29条第2項の各号」のいずれかに該当する場合、D種接地の省略が可能です。使用電圧300V以下の場合は「機械器具の金属製の台および外箱」にD種接地を施す必要があります。

2 機械器具が小規模発電設備である燃料電池発電設備である場合を除き、次の各号のいずれかに該当する場合は、第1項の規定によらないことができる。
一 交流の対地電圧が150V以下又は直流の使用電圧が300V以下の機械器具を、乾燥した場所に施設する場合
二 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性のものの上で取り扱うように施設する場合
三 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合
四 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(2次側線間電圧が300V以下であって、容量が3kVA以下のものに限る。)を施設し、かつ、当該絶縁変圧器の負荷側の電路を接地しない場合
水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作型のものに限る。)を施設する場合
六 金属製外箱等の周囲に適当な絶縁台を設ける場合
七 外箱のない計器用変成器がゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したものである場合
八 低圧用若しくは高圧用の機械器具、第26条に規定する配電用変圧器若しくはこれに接続する電線に施設する機械器具又は第108条に規定する特別高圧架空電線路の電路に施設する機械器具を、木柱その他これに類する絶縁性のものの上であって、人が触れるおそれがない高さに施設する場合

ウォーターサーバーや自動販売機は水気のある場所であるため、上記の1号と5号には該当せず、それ以外の号にも該当するような敷設をするケースは殆ど無いでしょう。
よって、基本的にウォーターサーバーや自動販売機にD種接地が必要となります。

ちなみに、「電気設備の技術基準の解釈の解説」で第29条第1項について以下のように解説されています。

29条【機械器具の金属製外箱等の接地】
〔解 説〕 電気機械器具(金属管工事の金属管等は、配線材料と考え機械器具に含めない。)では、一般に通電部分と金属製の台、外箱等との間は絶縁されているが、巻線、ブッシング等の絶縁が劣化してこれらの部分に漏電して危険を
生じることがあるため、この危険を低減するために接地を施すことを規定している。
第1項は、漏れ電流による危険を低減するために金属製の台及び外箱を接地することを規定している。ただし書の場合は、高電圧系統に挿入される大容量のコンデンサや中性点接地抵抗器等のようなものは、本質的に接地できないため、周囲に適当なさくを設けるなどして、人が触れるおそれがないように施設し又は絶縁台を設けて感電のおそれがないように施設すればよい。
300V以下の低圧の機械器具については、D種接地工事(100Ω以下、→第17条)を施せばよいこととしているが、接地抵抗値は低い値であるほど漏電時に金属製外箱等に現れる電位が低くなり、危険は低減される。
なお、通常300V以下の低圧電路においては、変圧器施設箇所でB種接地工事が施されるので(→第24条)、解説29.1図の例のように非接地側電線の部分で完全接触した場合に循環電流によって金属製外箱等に現れる電位は、その接地抵抗値とB種接地工事の抵抗値との比によって決まる。

ウォーターサーバーや自動販売機に漏電遮断器が必要な理由

電気設備の技術基準の解釈第36条第1項」より、使用電圧60V以上の場合は「自動的に電路を遮断する装置(低圧だと漏電遮断器が一般的)」を設置する必要があります。
ただし、使用電圧が300V以下の場合、第36条第1項第2~8号に該当すれば漏電遮断器の設置を省略することが可能です。

【地絡遮断装置の施設】(省令第15条)
第36条 金属製外箱を有する使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合はこの限りでない。
一 機械器具に簡易接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す機械器具と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合
二 機械器具を次のいずれかの場所に施設する場合
イ 発電所、蓄電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所
ロ 乾燥した場所
ハ 機械器具の対地電圧が150V以下の場合においては、水気のある場所以外の場所
三 機械器具が、次のいずれかに該当するものである場合
イ 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁構造のもの
ロ ゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したもの
ハ 誘導電動機の2次側電路に接続されるもの
ニ 第13条第二号に掲げるもの
四 機械器具に施されたC種接地工事又はD種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下の場合
五 電路の系統電源側に絶縁変圧器(機械器具側の線間電圧が300V以下のものに限る。)を施設するとともに、当該絶縁変圧器の機械器具側の電路を非接地とする場合
機械器具内に電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器を取り付け、かつ、電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合
七 機械器具を太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設し、かつ、当該電路が次に適合する場合
イ 直流電路は、非接地であること。
ロ 直流電路に接続する逆変換装置の交流側に絶縁変圧器を施設すること。
ハ 直流電路の対地電圧は、450V以下であること。
八 電路が、管灯回路である場合

ウォーターサーバーや自動販売機は水気のある場所であるため、上記第2号には該当しません。
また、人が触れて使うものであるから第1号にも該当しません。第7~8号も該当しません。
第4~5号は技術的には可能ですが、漏電遮断器を省略するためにわざわざそのような事をするとは考えにくいです。
第6号については、最近の自動販売機には漏電遮断器が内蔵されているものが一般的で該当するケースは多いです。
(自動販売機の側面の下に貼ってあるシールに型式情報と一緒に「漏電遮断器内蔵型」などと記載があれば、内蔵されています)

古い自動販売機やウォーターサーバーには漏電遮断器が内蔵されていないことが多いですので、仕様を確認しましょう。

ちなみに、「電気設備の技術基準の解釈の解説」で第36条第1項について以下のように解説されています。

第36条【地絡遮断装置の施設】
〔解 説〕 本条は、電路の地絡事故による危険防止の見地から、電路の保安装置について示しているほか、高圧又は特別高圧については電力の供給に支障を与えないという観点から保安装置について示している。
第1項は、低圧の金属製外箱を有する機械器具に接続する電路に、漏電遮断器等の地絡遮断装置を施設することとしている。使用電圧が60Vを超える機械器具を対象としたのは、使用電圧が60V以下の場合は特殊な条件下でなければ、一応安全と見なせる電圧であり、また小勢力回路(→第181条)及び出退表示灯回路(→第182条)に接続する機械器具を本条の適用から除外するためでもある。
金属製外箱を有する機械器具には、漏電による危険を軽減するために、第29条において接地工事を施すことになっているため、本項ただし書の各号で、危険の少ない場合に地絡遮断装置の省略ができることとしている。
なお、労働基準法に基づく労働安全衛生規則において、移動型又は可搬型の電動機械器具の漏電による感電の危害防止を規定しているが、本項ただし書は、それを否定するものではない。
第1項本文の遮断器は、一般的に第149条の分岐回路の開閉器及び過電流遮断器の設置箇所に施設される。ここで、「接続する電路」という表現にしているのは、前述の労働安全衛生規則による遮断装置との施設上の重複を避けるためである。
また、漏電遮断器等の感度については、特に示していないが、分岐回路に取り付けるものでは不必要な動作を避けるため、電流動作型のものにあっては定格感度電流が15~50mA程度のものが一般的に用いられている。
なお、詳細は、電気技術基準調査委員会編電気技術指針 JEAG8101-1971「低圧電路地絡保護指針」を参照されたい。
第一号は、簡易接触防護措置を施す場合には、人が容易に触れるおそれがないことから、地絡遮断装置の設置を省略可能としている。
第二号は、地絡遮断装置の施設が省略できる場所を規定している。
イは、発変電所やこれらに準ずる場所のように電気に関する知識を有する取扱者だけが出入りするような場所で、一般の人が機械器具に触れる機会がない場所について、除外している。
ロは、乾燥した場所(→第1条第二十八号)は機械器具の漏電による危険性が低いことから、地絡遮断装置の設置を省略可能としている。
ハは、人体が濡れた状態で機械器具に接するような水気のある場所では機械器具の漏電による危険性が高いため、それ以外の場所について地絡遮断装置の設置を省略可能としている。
第三号は、地絡遮断装置の施設が省略できる機械器具を規定している。
イについては、第29条第2項第三号の解説で述べたとおりである。
ロでは、ゴム、合成樹脂等の絶縁性能を示していないが、第29条の接地工事を施してあれば、水気のある場所でも致命的な電撃を受けることが少ないためである。
ハは、誘導電動機の始動器などがこれに該当し、電動機の始動時の短時間に限り2次側電路に電圧が誘起されるものであり、通常の運転中は危険となるような電圧が誘起されていないためである。
ニは、電路の一部を大地から絶縁しないで使用しているため、地絡遮断装置を設置しても効果がないためである。
第四号は、機械器具に施された接地工事の接地抵抗値が低ければ、機器内の完全地絡のときにも機器の外箱に発生する電圧をかなり低く抑えることができるからである。
第五号は、非接地式電路では、電路の充電部分に人が触れた場合でも、地絡電流の帰路が構成されず、電圧が低い場合の感電防止として有効なためである。しかし、電路と大地との間の静電容量が大きくなると、その充電電流によって電撃を受けることがある。そのため、第29条第2項第四号において、絶縁変圧器の容量が3kVAを超える場合には、機械器具の外箱等にD種接地工事を施すこととしている。
第六号は、漏電遮断器を内蔵した機器を電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合は、当該機器の電源側電路の地絡遮断装置の施設を省略できることを規定している。
第七号は、出力電圧450Vの太陽電池アレイの出現に伴い、H18解釈で定められた規定である。太陽電池モジュールに接続する直流電路が非接地であり、かつ、逆変換装置の交流側に絶縁変圧器が施設されていれば、直流電路に地絡を生じても地絡電流の帰路が構成されず、地絡電流が継続して流れないため火災の発生のおそれがない。また、第29条に基づき、機械器具の外箱には接地工事が施される(感電のおそれがないとして接地工事を省略できる場合を除く。)ため、感電のおそれもない。したがって、このような直流電路については、地絡遮断装置の施設を省略できる。
第八号は、管灯回路における地絡遮断装置の施設を不要としている。

第2項は、第1項の適用除外項目を規定している。

まとめ

ウォーターサーバーや自動販売機など、電化製品を湿気の多い場所や水気のある場所で使う場合、基本的にはD種接地(アース)と漏電遮断器の取り付けが必要となります。
最近の自動販売機など、漏電遮断器が内蔵されている電化製品を湿気の多い場所に設置する場合はD種接地(アース)が必要です。

関連ページ

電気保安の実務入門
電気保安の実務をまとめました。
【電験3種】法規分野でよく出る項目の攻略ポイントと練習問題
電験3種(法規)でよく出る項目の攻略ポイントと練習問題について解説します。

コメント