三相かご形誘導電動機とは?スターデルタ(Y-Δ)始動法などについてまとめました。
【はじめに】三相かご形誘導電動機とは
三相かご形誘導電動機とは、三相の交流電源で動く電動機の1つです。
三相交流で回転磁界を生成し、導体の両端を総て短絡した「かご型構造」のかご形回転子を利用した電動機です。
【スターデルタ始動法】
スターデルタ始動法とは、三相かご形誘導電動機を次のように始動時と加速後でスター結線とデルタ結線を使い分けて始動させる方法です。
動作 | 状態 |
---|---|
始動時 | 固定子巻線をスター結線 |
回転して加速後 | スター結線からデルタ結線に切り替えて運転 |
– | スターデルタ始動法の特徴 |
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1 | 始動電流を1/3に制限できる |
2 | 始動トルクが1/3になる |
全電圧始動方式は、始動操作が容易ですが、始動トルクは定格の200%~300%、始動電流(突入電流)は600%~800%と大きいです。始動電流(突入電流)を小さくするために考え出された始動方法が、スターデルタ始動法です。
【逆回転】3本の電源線のうちの2本を入れ替え
三相誘導電動機を逆回転させるには、3本の電源線のうちの2本を入れ替えます。
三相交流電源のR相、S相、T相がそれぞれ三相誘導電動機のU端子、V端子、W端子に接続されていますが、回転方向を逆回転にするためには、三相誘導電動機に接続されている電源線(R、S、T)を次のように接続します。
【力率改善】「低圧進相コンデンサ」を負荷側に並列接続
三相誘導電動機の力率を改善するポイントは以下の2つです。
– | ポイント |
---|---|
1 | 低圧進相コンデンサで三相誘導電動機の力率を改善 |
2 | 低圧進相コンデンサは手元開閉器の負荷側(誘導電動機側)に並列に設置 |
三相誘導電動機の力率を改善するには、「低圧進相コンデンサ」を三相誘導電動機に並列に取り付けます。
また、電動機を操作する手元開閉器が設置されている場合、低圧進相コンデンサは手元開閉器の負荷側(誘導電動機側)に取り付けます。
これは、コンデンサが手元開閉器の電源側にあると、誘導電動機を使用しないときにもコンデンサに電流が流れてしまうのを防ぐためです。
【例題】同期速度
【問1】
定格周波数60Hz、極数4の低圧三相かご形誘導電動機における回転磁界の同期速度[ min-1 ]はいくらか。
【解1】
同期回転速度の計算式:Ns=120×f/p(r/min)
Ns:同期回転速度、f:周波数、p:極数Ns=120×60/4=7200/4=1800(r/min)
※三相誘導電動機の回転速度は、電源周波数に比例
関連記事:【三相誘導電動機】極数と同期速度の計算式
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