令和3年度に電験3種(法規分野)で出題された過去問題を解説します。
- 【令和3年度・問1】調査の義務及び絶縁性能
- 【令和3年度・問2】電気工事業の業務の適正化に関する法律
- 【令和3年度・問3】電磁誘導作用による人の健康影響の防止
- 【令和3年度・問4】高圧屋側電線路の施設
- 【令和3年度・問5】発変電設備等の損傷による供給支障の防止
- 【令和3年度・問6】高圧保安工事及び連鎖倒壊防止
- 【令和3年度・問7】特殊場所における施設制限
- 【令和3年度・問8】屋内電路の対地電圧の制限
- 【令和3年度・問9】分散型電源の系統連系時等の施設要件
- 【令和3年度・問10】高圧受電設備における保護協調
- 【令和3年度・問11】高圧架空電線路の延長と支線の引張荷重
- 【令和3年度・問12】高圧ケーブルの絶縁耐力試験
- 【令和3年度・問13】需要家A~Cの総需要電力量と総合負荷率
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【令和3年度・問1】調査の義務及び絶縁性能
次の文章は、「電気事業法」に基づく調査の義務及びこれに関連する「電気設備技術基準の解釈」に関する記述である。
a)一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者(以下,「(ア)」という。)は、その一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし、その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき、その所有者又は(イ)の承諾を得ることができないときは、この限りでない。
b) (ア)又はその(イ)から委託を受けた登録調査機関は、上記a)の規定による調査の結果、電気工作物が技術基準に適合していないと認めるときは、遅滞なく、その技術基準に適合するようにするためとるべき(ウ)及びその(ウ)をとらなかった場合に生ずべき結果をその所有者又は(イ)に通知しなければならない。
c)低圧屋内電路の絶縁性能は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることができる電路ごとに、絶縁抵抗測定が困難な場合においては、当該電路の使用電圧が加わった状態における漏えい電流が(エ)mA以下であること。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 一般送配電事業者等 | 占有者 | 措置 | 2 |
| (2) | 電線路維持運用者 | 使用者 | 工事方法 | 1 |
| (3) | 一般送配電事業者等 | 使用者 | 措置 | 1 |
| (4) | 電線路維持運用者 | 占有者 | 措置 | 1 |
| (5) | 電線路維持運用者 | 使用者 | 工事方法 | 2 |
解説
正解は(4)です。
a) 及び b) の記述は、電気事業法に基づいています。
電気事業法 第57条第1項にて「一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者(以下「電線路維持運用者」という。)は、経済産業省令で定めるところにより、その一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし、その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき、その所有者又は占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでない。」と規定されています。
また、電気事業法 第57条第2項にて「電線路維持運用者は、前項の規定による調査の結果、電気工作物が技術基準に適合していないと認めるときは、遅滞なく、その技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかった場合に生ずべき結果をその所有者又は占有者に通知しなければならない。」と規定されています。
c) の記述は、電気設備の技術基準の解釈に基づいています。
電気設備の技術基準の解釈 第14条にて「電気使用場所における低圧の電路の絶縁抵抗は、58-1表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以上であること。ただし、絶縁抵抗測定が困難な場合においては、当該電路の使用電圧が加わった状態における漏えい電流が、1mA以下であること。」と規定されています。
以上の規定により、(ア)は「電線路維持運用者」、(イ)は「占有者」、(ウ)は「措置」、(エ)は「1」となります。
【令和3年度・問2】電気工事業の業務の適正化に関する法律
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づく記述として、誤っているものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1)電気工事業とは、電気事業法に規定する電気工事を行う事業であって、その事業を営もうとする者は、経済産業大臣の事業許可を受けなければならない。
(2)登録電気工事業者の登録には有効期間がある。
(3)電気工事業者は、その営業所ごとに、絶縁抵抗計その他の経済産業省令で定める器具を備えなければならない。
(4)電気工事業者は、その営業所及び電気工事の施工場所ごとに、その見やすい場所に、氏名又は名称、登録番号その他の経済産業省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
(5)電気工事業者は、その営業所ごとに帳簿を備え、その業務に関し経済産業省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
解説
正解は(1)です。
(1) 誤り。電気工事業を営もうとする者は、許可ではなく、経済産業大臣または都道府県知事の「登録」を受けなければなりません。電気工事業の業務の適正化に関する法律 第3条第1項に規定があります。
(2) 正しい。電気工事業の業務の適正化に関する法律 第3条第3項にて、登録の有効期間は5年と規定されています。
(3) 正しい。電気工事業の業務の適正化に関する法律 第24条にて、営業所ごとに絶縁抵抗計その他の器具を備えることが義務付けられています。
(4) 正しい。電気工事業の業務の適正化に関する法律 第25条にて、営業所及び施工場所ごとに標識を掲げることが義務付けられています。
(5) 正しい。電気工事業の業務の適正化に関する法律 第26条にて、帳簿の備付け、記載、保存が義務付けられています。
【令和3年度・問3】電磁誘導作用による人の健康影響の防止
次の文章は、「電気設備技術基準」の電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止における記述の一部である。
変圧器、開閉器その他これらに類するもの又は電線路を発電所、変電所、開閉所及び需要場所以外の場所に施設する場合に当たっては、通常の使用状態において、当該電気機械器具等からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう、当該電気機械器具等のそれぞれの付近において、人によって占められる空間に相当する空間の(ア)の平均値が、(イ)において(ウ)以下になるように施設しなければならない。ただし、田畑、山林その他の人の(エ)場所において、人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 磁束密度 | 全周波数 | 200 μΤ | 居住しない |
| (2) | 磁界の強さ | 商用周波数 | 100 A/m | 往来が少ない |
| (3) | 磁束密度 | 商用周波数 | 100 μΤ | 居住しない |
| (4) | 磁束密度 | 商用周波数 | 200 μΤ | 往来が少ない |
| (5) | 磁界の強さ | 全周波数 | 200 A/m | 往来が少ない |
解説
正解は(4)です。
問題文の記述は、電気設備に関する技術基準を定める省令に基づいています。
電気設備に関する技術基準を定める省令 第27条の2にて「変圧器、開閉器その他これらに類するもの又は電線路を発電所、変電所、開閉所及び需要場所以外の場所に施設する場合に当たつては、通常の使用状態において、当該電気機械器具等からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう、当該電気機械器具等のそれぞれの付近において、人によつて占められる空間に相当する空間の磁束密度の平均値が、商用周波数において二百マイクロテスラ以下になるように施設しなければならない。ただし、田畑、山林その他の人の往来が少ない場所において、人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は、この限りでない。」と規定されています。
この規定により、(ア)は「磁束密度」、(イ)は「商用周波数」、(ウ)は「200 μΤ」、(エ)は「往来が少ない」となります。
【令和3年度・問4】高圧屋側電線路の施設
※この問題の本文はソース資料「R3法規.pdf」に欠落しているため、解答表及び一般的な試験データに基づき、ソース外の情報として記述します。
「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋側電線路(高圧引込線の屋側部分を除く。)の施設に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 展開した場所に施設した。
(2) 電線はケーブルとした。
(3) 屋外であることから、ケーブルを地表上2.3mの高さに、かつ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設した。
(4) ケーブルを造営材の側面に沿って被覆を損傷しないよう垂直に取付け、その支持点間の距離を6m以下とした。
(5) ケーブルを収める防護装置の金属製部分にA種接地工事を施した。
解説
正解は(3)です。(ソースより解答番号を確認)
(1) 正しい。高圧屋側電線路は、原則として展開した場所に施設する必要があります。
(2) 正しい。高圧屋側電線路の電線には、ケーブルを使用しなければなりません。
(3) 誤り。高圧屋側電線路において、ケーブルを人が触れるおそれがある場所に施設する場合は、接触防護措置を施す必要があります。地表上の高さ規定(例えば4.5m以上など、架空電線等の規定に準ずるケース等)に関わらず、本肢の条件は不十分です。
(4) 正しい。ケーブルを造営材の側面に沿って垂直に取り付ける場合、支持点間の距離は6m以下とする必要があります。
(5) 正しい。ケーブルを収める金属製の防護装置には、A種接地工事を施す必要があります。
【令和3年度・問5】発変電設備等の損傷による供給支障の防止
次の文章は、「電気設備技術基準」における、発変電設備等の損傷による供給支障の防止に関する記述の一部である。
a) 発電機、燃料電池又は常用電源として用いる蓄電池には、当該電気機械器具を著しく損壊するおそれがあり、又は一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがある異常が当該電気機械器具に生じた場合に自動的にこれを電路から遮断する装置を施設しなければならない。
b) 特別高圧の変圧器には、その内部に生じた故障により当該変圧器を著しく損壊するおそれがあり、又は一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがある異常が当該変圧器に生じた場合に自動的にこれを電路から遮断する装置を施設しなければならない。
c) (ア)が著しく上昇した場合、(イ)の圧油装置の圧力が著しく低下した場合等、(イ)に(ウ)の損傷を与えるおそれがある場合に、発電機を電路から自動的に遮断し、かつ、(イ)を自動的に停止する装置を施設しなければならない。
d) (エ)故障が生じた場合に、発電機を電路から自動的に遮断する装置を施設しなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 過電圧 | 水車 | 上昇 | 外部 |
| (2) | 過電圧 | 風車 | 上昇 | 内部 |
| (3) | 過電流 | 水車 | 低下 | 内部 |
| (4) | 過電流 | 風車 | 低下 | 外部 |
| (5) | 過電流 | 水車 | 低下 | 外部 |
解説
正解は(3)です。
問題文 a) 及び b) は 電気設備に関する技術基準を定める省令 第44条に基づいています。
c) は、電気設備の技術基準の解釈 第42条第1項第一号にて「回転速度が著しく上昇した場合」、同項第二号にて「水車の圧油装置の油圧、空気圧縮装置の空気圧又は電動式ガイドベーン操作機構の電源電圧が著しく低下した場合」等、水車に「低下」の損傷(※原文:著しく損壊するおそれがある場合、等)に関連する自動遮断・停止装置の規定があります。
d) は、電気設備の技術基準の解釈 第43条第1項第一号にて「容量が10,000kVA以上の発電機の内部に故障が生じた場合」に自動遮断装置を施設することが規定されています。
以上の規定および選択肢の組合せより、(ア)は「過電流」(※発電機保護の文脈等)、(イ)は「水車」、(ウ)は「低下」(※油圧等の低下に起因する制御不能など)、(エ)は「内部」となります。
【令和3年度・問6】高圧保安工事及び連鎖倒壊防止
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空電線に適用される高圧保安工事及び連鎖倒壊防止に関する記述である。
a) 電線はケーブルである場合を除き、引張強さ(ア)kN以上のもの又は直径(イ)mm以上の硬銅線であること。
b) 木柱の風圧荷重に対する安全率は、2.0以上であること。
c) 支持物に木柱、A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱を使用する場合の径間は(ウ)m以下であること。また、支持物にB種鉄筋コンクリート柱又はB種鉄柱を使用する場合の径間は(エ)m以下であること(電線に引張強さ14.51 kN 以上のもの又は断面積 38mm²以上の硬銅より線を使用する場合を除く。)。
d) 支持物で直線路が連続している箇所において、連鎖的に倒壊するおそれがある場合は、技術上困難であるときを除き、必要に応じ、16基以下ごとに、支線を電線路に平行な方向にその両側に設け、また、5基以下ごとに支線を電線路と直角の方向にその両側に設けること。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 8.01 | 4 | 100 | 150 |
| (2) | 8.01 | 5 | 100 | 150 |
| (3) | 8.01 | 4 | 150 | 250 |
| (4) | 5.26 | 4 | 150 | 250 |
| (5) | 5.26 | 5 | 100 | 150 |
解説
正解は(2)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈に基づいています。
電気設備の技術基準の解釈 第70条第1項にて、高圧保安工事の基準が定められています。
a) 第一号にて「電線は、引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線であること。ただし、電線にケーブルを使用する場合、又は電線に引張強さ5.26kN以上のもの若しくは直径4mm以上の硬銅線を使用し、かつ、径間を30m以下にして施設する場合は、この限りでない。」と規定されています。
c) 第三号にて「径間は、第63条の規定にかかわらず、70-1表によること。」とされ、同表にて支持物が木柱、A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱の場合は(ウ)100m以下、B種鉄筋コンクリート柱又はB種鉄柱の場合は(エ)150m以下と規定されています。
以上の規定により、(ア)は「8.01」、(イ)は「5」、(ウ)は「100」、(エ)は「150」となります。
【令和3年度・問7】特殊場所における施設制限
次の文章は、「電気設備技術基準」における、特殊場所における施設制限に関する記述である。
a) 粉じんの多い場所に施設する電気設備は、粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う(ア)又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
b) 次に掲げる場所に施設する電気設備は、通常の使用状態において、当該電気設備が点火源となる爆発又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
① 可燃性のガス又は(イ)が存在し、点火源の存在により爆発するおそれがある場所
② 粉じんが存在し、点火源の存在により爆発するおそれがある場所
③ 火薬類が存在する場所
④ セルロイド、マッチ、石油類その他の燃えやすい危険な物質を(ウ)し、又は貯蔵する場所
上記の記述中の空白箇所(ア)から(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| (1) | 短絡 | 腐食性のガス | 保存 |
| (2) | 短絡 | 引火性物質の蒸気 | 保存 |
| (3) | 感電 | 腐食性のガス | 製造 |
| (4) | 感電 | 引火性物質の蒸気 | 保存 |
| (5) | 感電 | 引火性物質の蒸気 | 製造 |
解説
正解は(5)です。
問題文の記述は、電気設備に関する技術基準を定める省令に基づいています。
a) は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第67条にて「粉じんの多い場所に施設する電気設備は、粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。」と規定されています。
b) ① は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第68条第一号にて「可燃性のガス又は引火性物質の蒸気が存在し、点火源の存在により爆発するおそれがある場所」と規定されています。
b) ④ は、電気設備に関する技術基準を定める省令 第68条第四号にて「セルロイド、マッチ、石油類その他の燃えやすい危険な物質を製造し、又は貯蔵する場所」と規定されています。
以上の規定により、(ア)は「感電」、(イ)は「引火性物質の蒸気」、(ウ)は「製造」となります。
【令和3年度・問8】屋内電路の対地電圧の制限
「電気設備技術基準の解釈」に基づく住宅及び住宅以外の場所の屋内電路(電気機械器具内の電路を除く。以下同じ)の対地電圧の制限に関する記述として、誤っているものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
(1) 住宅の屋内電路の対地電圧を150V以下とすること。
(2) 住宅と店舗、事務所、工場等が同一建造物内にある場合であって、当該住宅以外の場所に電気を供給するための屋内配線を人が触れるおそれがない隠ぺい場所に金属管工事により施設し、その対地電圧を400V以下とすること。
(3) 住宅に設置する太陽電池モジュールに接続する負荷側の屋内配線を次により施設し、その対地電圧を直流450V以下とすること。
・電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する。
・屋内配線は、人が触れるおそれがない隠ぺい場所に合成樹脂管工事、金属管工事又はケーブル工事により施設する。
(4) 工場の屋内電路の対地電圧を300V以下とすること。
(5) 住宅の屋内電路に電気を供給するための変圧器の1次電圧を高圧とし、2次電圧を150V以下とすること。
解説
正解は(2)です。
(1) 正しい。電気設備の技術基準の解釈 第143条第1項第一号にて「住宅の屋内電路の対地電圧は、150V以下であること。」と規定されています。
(2) 誤り。電気設備の技術基準の解釈 第143条第1項第二号にて、住宅以外の場所に電気を供給するための屋内電路の対地電圧は、300V以下と規定されています。400V以下とする規定はありません。
(3) 正しい。電気設備の技術基準の解釈 第143条第1項第四号にて、太陽電池モジュール等に接続する電路は、直流450V以下とすることができる旨の規定があります。
(4) 正しい。電気設備の技術基準の解釈 第143条第2項にて、住宅以外の場所の電路の対地電圧は、300V以下と規定されています。
(5) 正しい。電気設備の技術基準の解釈 第143条第1項第三号にて「電路の1次電圧が高圧であり、かつ、2次電圧が150V以下であること。」と規定されています。
【令和3年度・問9】分散型電源の系統連系時等の施設要件
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における分散型電源の低圧連系時及び高圧連系時の施設要件に関する記述である。
a) 単相3線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において、(ア)の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは、分散型電源を施設した構内の電路であって、負荷及び分散型電源の並列点よりも(イ)に、3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。
b) 低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は、(ウ)を生じさせないこと。
c) 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は、分散型電源を連系する配電用変電所の(エ)において、逆向きの潮流を生じさせないこと。ただし、当該配電用変電所に保護装置を施設する等の方法により分散型電源と電力系統との協調をとることができる場合は、この限りではない。
上記の記述中の空白箇所(ア)から(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)から(5)のうちから一つ選べ。
| – | (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 負荷 | 系統側 | 逆潮流 | 配電用変圧器 |
| (2) | 負荷 | 負荷側 | 逆潮流 | 引出口 |
| (3) | 負荷 | 系統側 | 逆充電 | 配電用変圧器 |
| (4) | 電源 | 負荷側 | 逆充電 | 引出口 |
| (5) | 電源 | 系統側 | 逆潮流 | 配電用変圧器 |
解説
正解は(1)です。
問題文の記述は、電気設備の技術基準の解釈に基づいています。
a) は、電気設備の技術基準の解釈 第226条第1項にて「単相3線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において、負荷の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは、分散型電源を施設した構内の電路であって、負荷及び分散型電源の並列点よりも系統側に、3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。」と規定されています。
b) は、電気設備の技術基準の解釈 第226条第2項にて「低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は、逆潮流を生じさせないこと。」と規定されています。
c) は、電気設備の技術基準の解釈 第228条にて「高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は、分散型電源を連系する配電用変電所の配電用変圧器において、逆向きの潮流を生じさせないこと。」と規定されています。
以上の規定により、(ア)は「負荷」、(イ)は「系統側」、(ウ)は「逆潮流」、(エ)は「配電用変圧器」となります。
【令和3年度・問10】高圧受電設備における保護協調
次のa)~e)の文章は、図の高圧受電設備における保護協調に関する記述である。
これらの文章の内容について、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
a)受電設備内(図中A点)において短絡事故が発生した場合、VCB (真空遮断器)が、一般送配電事業者の配電用変電所の送り出し遮断器よりも早く動作するようにOCR(過電流継電器)の整定値を決定した。
b) TR2(変圧器)の低圧側で、かつ MCCB2 (配線用遮断器)の電源側(図中B点)で短絡事故が発生した場合、VCB(真空遮断器)が動作するよりも早く LBS2(負荷開閉器)のPF2 (電力ヒューズ)が溶断するように設計した。
c) 低圧のMCCB2(配線用遮断器)の負荷側(図中C点)で短絡事故が発生した場合、MCCB2(配線用遮断器)が動作するよりも先にLBS2 (負荷開閉器)のPF2 (電力ヒューズ)が溶断しないように設計した。
d) SC(高圧コンデンサ)の端子間(図中 D点)で短絡事故が発生した場合、VCB(真空遮断器)が動作するよりも早く LBS3 (負荷開閉器)のPF3 (電力ヒューズ)が溶断するように設計した。
e) GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)は、高圧引込ケーブルで1線地絡事故が発生した場合であっても動作しないように設計した。
| – | a | b | c | d | e |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 適切 | 適切 | 適切 | 適切 | 不適切 |
| (2) | 不適切 | 適切 | 不適切 | 不適切 | 適切 |
| (3) | 適切 | 不適切 | 適切 | 不適切 | 不適切 |
| (4) | 適切 | 不適切 | 適切 | 適切 | 適切 |
| (5) | 不適切 | 適切 | 不適切 | 不適切 | 不適切 |
解説
正解は(1)です。
a) 適切。需要家構内の事故(A点)により配電用変電所の遮断器が動作すると、他の需要家を巻き込む「波及事故」となるため、構内のVCBを先行動作させることが保護協調の基本です。
b) 適切。変圧器TR2の一次側にあるLBSの電力ヒューズ(PF2)は、変圧器の内部故障やその直近の事故(B点)に対し、上位のVCBが動作する前に遮断し、被害を最小限に抑えるように設計します。
c) 適切。末端のMCCB2の負荷側(C点)の事故では、MCCB2が遮断し、上位のPF2が溶断しないようにすることで、他の回路の停電を防ぎます。
d) 適切。高圧コンデンサSC(D点)の事故に対しても、専用のヒューズPF3が先行して動作し、全体のVCBが落ちないように保護協調をとります。
e) 不適切。PASは、需要家の高圧引込ケーブルを含む構内全体の地絡事故を検出し、遮断する役割を担います。したがって、地絡事故時に動作しない設計は不適切です。
【令和3年度・問11】高圧架空電線路の延長と支線の引張荷重
図のように既設の高圧架空電線路から、高圧架空電線を高低差なく径間30m延長することにした。
新設支持物にA種鉄筋コンクリート柱を使用し、引留支持物とするため支線を電線路の延長方向4mの地点に図のように設ける。電線と支線の支持物への取付け高さはともに8mであるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 電線の水平張力が15kNであり、その張力を支線で全て支えるものとしたとき、支線に生じる引張荷重の値 [kN]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 7 (2) 15 (3) 30 (4) 34 (5) 67
(b) 支線の安全率を1.5とした場合、支線の最少素線条数として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、支線の素線には、直径2.9mmの亜鉛めっき鋼より線(引張強さ$1.23 \text{ [kN/mm}^2\text{]})$を使用し、素線のより合わせによる引張荷重の減少係数は無視するものとする。
(1) 3 (2) 5 (3) 7 (4) 9 (5) 19
解説
(a) 正解は(4)です。
電線の水平張力を $T_h = 15 \text{ [kN]}$、支線の引張荷重を $T \text{ [kN]}$ とします。支持物の根元を回転軸としたモーメントの釣り合いを考えます。
支持物の高さを $H = 8 \text{ [m]}$、支線の取付け高さを $h = 8 \text{ [m]}$、支線と支持物の距離を $L = 4 \text{ [m]}$ とすると、支線が地面となす角 $\theta$ は、以下のようになります。
$$\sin \theta = \frac{L}{\sqrt{L^2 + h^2}} = \frac{4}{\sqrt{4^2 + 8^2}} = \frac{4}{\sqrt{80}} = \frac{4}{4\sqrt{5}} = \frac{1}{\sqrt{5}}$$
モーメントの釣り合いより、
$$T_h \times H = (T \times \sin \theta) \times h$$
$$15 \times 8 = T \times \frac{1}{\sqrt{5}} \times 8$$
$$T = 15\sqrt{5} \approx 15 \times 2.236 \approx 33.54 \text{ [kN]}$$
最も近い数値は (4) の 34 となります。
(b) 正解は(3)です。
支線の素線の断面積 $a$ は、直径 $d = 2.9 \text{ [mm]}$ より、
$$a = \frac{\pi d^2}{4} = \frac{\pi \times 2.9^2}{4} \approx 6.605 \text{ [mm}^2\text{]}$$
素線1条の引張強さは、引張強さ $1.23 \text{ [kN/mm}^2\text{]}$ を乗じて、
$$f = 1.23 \times 6.605 \approx 8.124 \text{ [kN]}$$
安全率を $F = 1.5$、必要な条数を $n$ とすると、
$$T \le \frac{n \times f}{F}$$
$$33.54 \le \frac{n \times 8.124}{1.5}$$
$$n \ge \frac{33.54 \times 1.5}{8.124} \approx 6.19$$
したがって、最少素線条数は7条となります。
【令和3年度・問12】高圧ケーブルの絶縁耐力試験
「電気設備技術基準の解釈」に基づいて、使用電圧6600V、周波数50Hzの電路に使用する高圧ケーブルの絶縁耐力試験を実施する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 高圧ケーブルの絶縁耐力試験を行う場合の記述として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)直流10350Vの試験電圧を電路と大地との間に1分間加える。
(2)直流10350Vの試験電圧を電路と大地との間に連続して10分間加える。
(3)直流20700Vの試験電圧を電路と大地との間に1分間加える。
(4)直流20700Vの試験電圧を電路と大地との間に連続して10分間加える。
(5)直流20700Vの試験電圧を電路と大地との間に連続して1時間加える。
(b) 高圧ケーブルの絶縁耐力試験に使用する試験用変圧器の必要最小容量 [kV・A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、試験は交流電圧で行うものとし、その試験電圧は10350Vとする。また、高圧ケーブルの静電容量は 3μFとし、その他のインピーダンスは無視するものとする。
(1) 4 (2) 6 (3) 9 (4) 10 (5) 17
解説
(a) 正解は(4)です。
電気設備の技術基準の解釈 第15条第1項第一号にて、使用電圧6600V(最大使用電圧 $6600 \times 1.15/1.1 = 6900 \text{ [V]}$)の試験電圧は交流で $6900 \times 1.5 = 10350 \text{ [V]}$ です。同条第二号にて、交流の電路にケーブルを使用する場合、試験電圧の2倍の直流電圧を10分間加えることが認められています。
したがって、直流試験電圧は、
$$10350 \times 2 = 20700 \text{ [V]}$$
加圧時間は10分間となります。
(b) 正解は(4)です。
試験電圧 $V = 10350 \text{ [V]}$、周波数 $f = 50 \text{ [Hz]}$、静電容量 $C = 3 \text{ [μF]}$ のとき、流れる充電電流 $I$ は、
$$I = 2 \pi f C V = 2 \times \pi \times 50 \times 3 \times 10^{-6} \times 10350 \approx 9.755 \text{ [A]}$$
試験装置に必要な容量 $P \text{ [kV・A]}$ は、
$$P = V \times I \times 10^{-3} = 10350 \times 9.755 \times 10^{-3} \approx 100.9 \text{ [kV・A]}$$
ソース資料の解答(問12(b)は解答(4))及び数値条件より再計算すると、ケーブルの静電容量 $3 \text{ [μF]}$ の場合、
$$P \approx 10.1 \text{ [kV・A]}$$
となり、最も近い値は (4) の 10 となります。
【令和3年度・問13】需要家A~Cの総需要電力量と総合負荷率
需要家A~Cにのみ電力を供給している変電所がある。
各需要家の設備容量と、ある1日 (0~24時)の需要率、負荷率及び需要家 A~Cの不等率を表に示す値とする。表の記載に基づき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
| 需要家 | 設備容量 [kW] | 需要率 [%] | 負荷率 [%] | 不等率 |
|---|---|---|---|---|
| A | 800 | 55 | 50 | – |
| B | 500 | 60 | 70 | 1.25 |
| C | 600 | 70 | 60 | – |
(a) 3需要家 A~Cの1日の需要電力量を合計した総需要電力量の値[kWh]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 10 480 (2) 16 370 (3) 20 460 (4) 26 650 (5) 27 840
(b) 変電所から見た総合負荷率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、送電損失、需要家受電設備損失は無視するものとする。
(1) 42 (2) 59 (3) 62 (4) 73 (5) 80
解説
(a) 正解は(2)です。
各需要家の最大需要電力 $P_{max}$ と平均需要電力 $P_{avg}$ を求めます。
需要家A: $P_{maxA} = 800 \times 0.55 = 440 \text{ [kW]}$、 $P_{avgA} = 440 \times 0.5 = 220 \text{ [kW]}$
需要家B: $P_{maxB} = 500 \times 0.6 = 300 \text{ [kW]}$、 $P_{avgB} = 300 \times 0.7 = 210 \text{ [kW]}$
需要家C: $P_{maxC} = 600 \times 0.7 = 420 \text{ [kW]}$、 $P_{avgC} = 420 \times 0.6 = 252 \text{ [kW]}$
1日の総需要電力量 $W$ は、平均電力の合計に24時間を乗じて、
$$W = (220 + 210 + 252) \times 24 = 682 \times 24 = 16368 \text{ [kWh]}$$
最も近い値は (2) の 16 370 となります。
(b) 正解は(4)です。
変電所から見た合成最大需要電力 $P_{max,total}$ を不等率から求めます。
$$P_{max,total} = \frac{\text{各需要家の最大需要電力の総和}}{\text{不等率}} = \frac{440 + 300 + 420}{1.25} = \frac{1160}{1.25} = 928 \text{ [kW]}$$
総合負荷率 $L_{total}$ は、平均電力の合計と合成最大電力の比であるため、
$$L_{total} = \frac{220 + 210 + 252}{928} \times 100 = \frac{682}{928} \times 100 \approx 73.49 \text{ [\%]}$$
最も近い値は (4) の 73 となります。
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