電池における起電力や酸化還元反応についてまとめました。
電池の起電力について
電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換します。
電池の正極では還元反応(1)、負極では酸化反応(2)が起こり、それらを1つの式で表すと(3)式になります。
(1)
(2)
(3)
O1:酸化体(正極活物質=正極反応物質)
R1:還元反応生成物
R2:還元体(負極活物質=負極反応物質)
O2:酸化反応生成物
※反応係数は簡単化のためすべて1としている
ネルンストの式
正極、負極の平衡電位と、核物質の活量は以下のような関係式が成立します。
これをネルンストの式(Nernst)といいます。
(4)
(5)
:(1)式に対する標準電位
:(2)式に対する標準電位
R:気体定数
F:ファラデー定数
T:絶対温度
※標準電位・・・反応物質、生成物質の活量が1の時の標準水素電極基準の単極電位
:正極の平衡電位
:負極の平衡電位
:正極活物質の活量
:還元反応生成物の活量
:負極活物質の活量
:酸化反応生成物の活量
電池の起電力
電池の起電力(電池の電圧)は、平衡時の正極と負極の電位差となります。つまり(4)式から(5)式を差し引くことで求まります。
(6)式より、はの値でほとんど決まってしまいます。
つまり、電池の起電力(電池電圧)は正極はできるだけ正電位の系、負極は負電位の系を選ぶかで大きさが決まります。よって、電池の負極としては標準電極電位の低いLi+/LiやZn2+/Zn系が使われます。また、正極活物質には標準電極電位のできるだけ高い各種の金属酸化物系が使用されています。
【参考資料】
第1回 二次電池の基礎と計測法 その1 チュートリアル 電池化学測定法(Jstage)
【電池入門】基本原理・アルゴリズム
電池の基礎的な原理について入門者向けにまとめました。
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