【バイオマス発電】木質系燃料の種類とメリット・デメリット

バイオマス発電に使われる木質系燃料の種類とメリット・デメリットについてまとめました。

木質系燃料の種類

バイオマス発電に使われる木質系燃料は、主に以下のような木材やその加工副産物を利用します。

  1. 林地残材
    • 森林伐採時に発生する枝や葉、小径木など。
  2. 製材廃材
    • 製材工場で発生する樹皮や木くず。
  3. 建築廃材
    • 建築物の解体時に出る廃木材。
  4. 木質ペレット
    • 木材を粉砕・圧縮して作られる固形燃料。
    • 圧縮しているので、チップよりも熱量が高い。
    • 伝統的な燃料として利用される木材。

上記のように様々な種類があり、木材の種類、産地、使用する部分などによっても燃焼の仕方が変わるため、取り扱いが難しいとされています。

木質系燃料のメリット

木質系燃料の主なメリットは以下のとおりです。

  • 木材は成長過程で二酸化炭素を吸収するため、燃焼時に排出される二酸化炭素と相殺されます。つまり、カーボンニュートラルです。
  • 廃材や未利用材を燃料として有効活用することで、廃棄物の削減に寄与します。
  • 地域で生産された木質燃料を利用することで、地元の雇用創出や経済活性化につながります。
  • 木質燃料は長期間保存が可能で、安定した供給が期待できます。

木質系燃料のデメリットと課題

木質系燃料の主なデメリットと課題は以下のとおりです。

  • 水分量や形状の違いなど、燃料の品質にばらつきが生じやすく、燃焼効率に影響を与えることがあります。
  • 林地残材や廃材の収集・輸送にはコストがかかります。
  • 燃焼温度が低いため、発電効率が他の燃料に比べて低い場合があります。

木質系燃料は、再生可能エネルギーとしての可能性を秘めていますが、効率向上やコスト削減のための技術開発が求められています。

発電時の灰の種類と処理方法

木質系燃料によるバイオマス発電では、燃焼過程で灰が発生します。
この灰は、発生場所や性質によって以下のように分類されます。

  1. 主灰(ボトムアッシュ)
    • 燃焼炉の底に蓄積される灰です。
    • 燃焼後に炉底に落下した燃えカスが主成分です。
  2. 飛灰(フライアッシュ)
    • 燃焼中に舞い上がった灰で、フィルターや集塵装置で捕集されます。
    • 「サイクロン飛灰」や「フィルター飛灰」と呼ばれることもあります。

灰には鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれる場合があり、産業廃棄物として適切な処理が必要です。
法律に基づき、コンクリートで固めるなどの対策が取られます。また、灰を肥料やセメントの原料として再利用する方法も検討されています。

石灰混合

木質系燃料を使用するバイオマス発電では、燃焼過程で生成される灰分や副生成物を処理するために石灰(酸化カルシウムなど)を混合することがあります。

  1. 排ガス中の有害物質の除去
    • 燃焼中に発生する酸性ガス(例: 二酸化硫黄や塩化水素)を中和するために、石灰を添加します。
    • 石灰は酸性ガスと反応し、安定した固体化合物(硫酸カルシウムや塩化カルシウムなど)を形成します。
  2. 灰分の改質
    • 燃焼灰の特性を改善するために、石灰を混合することがあります。これにより、灰が再利用しやすくなる場合があります(例えば、肥料や建材への利用)。
  3. 炉内の腐食防止
    • 酸性成分が炉内を腐食するのを防ぐために、石灰を使ってガス成分を中和します。

木質系燃料の利用における事故のリスクと対策

木質系燃料の利用において、主に以下の事故リスクがあります。

  1. 乾燥による保管燃料の自然発火
    • 水分が多すぎると燃焼効率が低下するため木質燃料は乾燥させて保管するのが一般的ですが、燃料が乾燥しすぎると、発火点が低下し、自然発火による火災のリスクが高まります。
    • 水分含有量を適切に調整し、燃料の乾燥や保管環境を管理することが重要です。
    • 排気ガスの処理が不十分だと、有害ガスの漏洩や爆発のリスクが増加します。
  2. 発酵による保管燃料の自然発火
    • 燃料が大量に保管されている場合、内部で発酵が進み、熱が蓄積して上昇し、自然発火することがあります。
    • 燃料の保管場所での温度や湿度、ガス濃度を監視し、自然発火を防ぐことが重要です。
  3. 粉塵爆発
    • 木質ペレットやチップなどの細かい燃料が空気中に舞い上がり、特定の濃度に達すると、火花や高温で爆発するリスクがあります。
    • 燃料の取り扱いエリアでの粉塵濃度を監視し、換気や清掃を徹底することが重要です。
  4. 設備の不具合
    • ボイラーや燃焼炉の温度管理が不適切な場合、過熱や火災が発生する可能性があります。ボイラーの温度センサーが故障し、過熱による火災が発生した事例があります。この事故では、定期的なメンテナンス不足が指摘されました。
    • ボイラーや燃焼炉の温度センサー、排気ガス処理装置の定期点検を行い、設備の不具合を早期に発見すること重要です。

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