単線図から複線図に変換・書き方についてまとめました。
【はじめに】複線図に変換するルール
単線図から複線図に変換するときのルールは以下の4つです。
– | ルール |
---|---|
1 | 単線図の電源・器具を配置します。(スイッチ、電源、ボックスは複線図用に置き換え) |
2 | 電源の接地側(白線)を、スイッチ以外の器具(ランプレセプタクルや蛍光灯などの負荷、コンセントなど)に繋ぎます。(線同士が繋がるところに接続点を描く) |
3 | 電源の非接地側(黒線)を、スイッチとコンセントに繋ぎます。 |
4 | スイッチとスイッチに対応する器具(電灯などの負荷)を繋ぎます。 |
以下で単線図から複線図に変換する例に紹介していきます。
【変換例①】単極スイッチ編
以下のような単極スイッチ、ランプレセプタクル、コンセント、VVF用ジョイントボックスで構成された単線図を複線図に変換します。
① スイッチ、電源、VVF用ジョイントボックスは複線図用に置き換えて、単線図の電源・器具を配置します。
② 電源の接地側(白線:L極)を、スイッチ以外の器具(負荷R:電灯)とコンセント)に繋ぎます。
また、線同士が繋がるところに接続点(●)を描きます。
③ 電源の非接地側(黒線:L極)を、単極スイッチ(固定極側)とコンセントに繋ぎます。
④ 単極スイッチ(可動極側)をスイッチに対応する器具(R:電灯)に繋ぎます。
これで電灯(R)をスイッチでON/OFFできます。
【変換例②】3路スイッチ編
以下のような3路スイッチの簡単な単線図を複線図に変換します。
① スイッチ、電源、ボックスは複線図用に置き換えて、単線図の電源・器具を配置します。
② 電源の接地側(白線)を、スイッチ以外の器具(負荷:R)に繋ぎます。
③ 電源の非接地側(黒線)を、左側の3極スイッチ(0)に繋ぎます。
④ 右側の3路スイッチ(0)を、スイッチに対応する器具(R:電灯)へ繋ぎます。
⑤ 左右の3路スイッチ同士を繋ぎます。
繋ぎ方は何でもOKですが、下図では同じ番号をつないでいます。
これで2箇所の場所(スイッチ)から電灯(R)をON/OFFできます。
— | 色の設定 |
---|---|
白線(図では水色) | 電源と負荷から出る接地側の線 |
黒線 | 非接地側の線 |
赤線 | スイッチの固定極から出る線 |
【変換例③】3路/4路スイッチ編
以下のような3路/4路スイッチの簡単な単線図を複線図に変換します。
① スイッチ、電源、ボックスは複線図用に置き換えて、単線図の電源・器具を配置します。
② 電源の接地側(白線)から、スイッチ以外の器具(R:電灯)に繋ぎます。
③ 電源の非接地側(黒線)を、3路スイッチ(左側)の端子0に繋ぎます。
④ 3路スイッチ(右側)の端子0とスイッチに対応する器具(電灯)を繋ぎます。
④ 左右の3極スイッチと4路スイッチを繋ぎます。
ここの繋ぎ方は特に決まりはありませんが、シンプルに端子同士を平行に繋ぐと次のようになります。
【変換例④】2連スイッチ編
以下のような2連スイッチの簡単な単線図を複線図に変換します。
① スイッチ、電源、ボックスは複線図用に置き換えて、単線図の電源・器具を配置します。
② 電源の接地側(白線:L極)をスイッチ以外の器具(2つの負荷)に繋ぎます。
③ 電源の非接地側(黒線:L極)を、各単極スイッチ(固定極側)に繋ぎます。
④ 各単極スイッチとスイッチに対応する器具(負荷)を繋ぎ、渡り線も接続します。
渡り線とは、連想されたスイッチやコンセントなどの端子同士を結ぶ線です。
スイッチの動作 | 蛍光灯の動作 |
---|---|
2連スイッチの上をON/OFF | 右側の蛍光灯が点灯/消灯 |
2連スイッチの下をON/OFF | 上側の蛍光灯が点灯/消灯 |
【変換例⑤】タイムスイッチ編
以下のようなタイムスイッチの簡単な単線図を複線図に変換します。
① スイッチ、電源、ボックスは複線図用に置き換えて、単線図の電源・器具を配置します。
② 電源の接地側(白線:L極)を、スイッチ以外の器具(負荷)に繋ぎます。線同士が繋がるところに接続点(●)を描きます。
③ 電源の非接地側(黒線:L極)を、左側の3極スイッチ(可動極側)に繋ぎます。
④ 右側の3極スイッチ(可動極側)を、スイッチに対応する器具(負荷)へ繋ぎます。
⑤ 左右の3極スイッチ同士を繋ぎます。
⑥ タイムスイッチの給電端子(S1, S2)を電源線に接続します。
端子 | 概要 |
---|---|
S1 | スイッチの固定極につながっているので電源の非接地側(黒線) |
S2 | 電源の非接地側(白線) |
L1 | スイッチの可動極L1は、負荷の非接地側(黒線)に繋ぎます。 |
※自動点滅器も同じ結線となります。
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